AIソリューション > 不動産業界AI活用コラム > AIツール・使い方 > Microsoftの「Copilot」とは?不動産業務でも必須のExcelやWordがAI活用でもっと便利に
公開: ・ 最終更新:
Microsoft Copilotとは?——Windows標準搭載でOffice製品と連携するAI
Microsoft Copilot(コパイロット)とは、Windowsに標準搭載され、Excel・Word・PowerPoint・Outlook・TeamsといったOffice製品と連携して使えるMicrosoftのAIアシスタントです。新しいソフトを覚えなくても、いつもの画面で日本語の指示を出すだけで、データ分析・関数作成・文章生成・メール返信・議事録作成などの事務作業を任せられます。無料版のほか、会社の対象のMicrosoft 365契約に追加費用なしで付くCopilot Chatと、ExcelやWordの中でより高度な機能まで使える有料ライセンスがあります(2026年9月時点)。
「AIは便利そうだけど、新しいソフトを覚えるのは大変そう……」 そんな風に感じている不動産会社の方にこそ知ってほしいのが、MicrosoftのAI「Copilot(コパイロット)」です。
Copilot(副操縦士)という名の通り、あなたが普段使っているWindowsやExcel、Wordのすぐ隣で、実務をサポートしてくれる強力なパートナーです。Copilotならではの「使い勝手」と、会社で使うときの「安心感」をご紹介します。
Windowsに「標準搭載」されている安心感
Copilotの最大の特徴は、多くの不動産会社が導入しているWindowsのパソコンに、最初から入っているという点です。
導入のハードルが格段に低い
ChatGPTなどのように新しいサイトへ登録したり、専用アプリを使い分けたりする必要はありません。
画面下のタスクバーにあるアイコンをクリックするだけで、いつでも相談を始められます。
また、最新のWindowsパソコンには、キーボードの右下に専用の「Copilotキー」が搭載され始めています。これを押す(または Windowsキー + C )だけで、即座にAIアシスタントが立ち上がります。 アプリを探して起動する手間すらありません。「ちょっと計算して」「この用語の意味は?」といった作業中の些細なノイズを、画面を切り替えずに数秒で解決できるのです。
企業秘密を守る「エンタープライズデータ保護」
不動産会社が最も気にするべきは顧客情報の流出です。会社のアカウントでサインインして使うMicrosoft CopilotとCopilot Chatには「エンタープライズデータ保護」が適用され、プロンプト(入力した内容)と応答は基礎モデルのトレーニングに使われません(Microsoft Learn、2026年9月時点)。保護の対象は、会社のアカウント(Microsoft Entraアカウント)でサインインした場合です。タスクバーやCopilotキーから開いたCopilotに個人のMicrosoftアカウントでサインインしていると、個人向けのCopilotとして使うことになり、この保護は適用されません。どのアカウントで使っているかを先に確かめます。
ただし、学習に使われないことと、何を入力してもよいことは別の話です。「〇〇マンションの空室リスト」や「顧客の年収データ」といった情報をどこまで入力してよいかは、社内ルールで決めておきます。お客様の個人情報を入れる場合は、自社が定めて公表・通知している利用目的の範囲内の使い方かも確かめます。個人情報保護委員会も2023年6月の注意喚起で、生成AIに個人情報を含むプロンプトを入力するときは、利用目的の達成に必要な範囲内であることを十分に確認するよう求めています。
【Excel連携】関数不要?数字の分析はAIにお任せ
不動産業界の業務で最も使われているであろうExcel。これまで四苦八苦して組んでいた複雑な関数やグラフ作成を、AIが代行してくれます。
データの可視化
Copilotに「過去3年の成約事例をグラフ化して、傾向を分析して」と指示すれば、会議資料に使うグラフのたたき台をすぐに作れます。
「関数エラー」から解放される
「管理物件リストと入金データを照合したいけれど、VLOOKUP関数がエラーになる……」そんな経験はありませんか? Copilotがいれば、複雑な関数を覚える必要はもうありません。「シートAとシートBを突き合わせて、未入金の部屋だけを抽出して」と日本語で指示すれば、AIが適切な数式を組み、リストを作ってくれます。
利回りシミュレーションの壁打ち
「家賃を5,000円上げた場合と、現状維持の場合で、10年後の想定利回りがどう変わるか比較表を作って」 このような複雑なシミュレーションも、AIとなら対話形式で修正しながら作成できます。数字に強い同僚に相談するような感覚で、収支計画書のたたき台を作れます。家賃や利回りの数字は、使う前に元の表と照らし合わせて確かめます。
【Word連携】文章の確認から生成まで
契約書や重要事項説明書のチェック
「この賃貸借契約書のドラフトに、特約事項として〇〇を追加して、全体的に丁寧な言葉遣いに修正して」といった指示が可能です。ゼロから文章を打つ手間が省け、誤字脱字のチェックもAIが並行して行ってくれます。AIの修正はあくまで下書きとして扱い、重要事項説明書や契約書の内容の最終確認は宅建士が行います。
箇条書きから「魅力的な物件紹介文」へ
「・南向き ・駅徒歩5分 ・オートロック」といった箇条書きのメモをCopilotに渡し、「これを元に、30代女性に刺さるような、安心感を強調した物件紹介文にして」と頼んでみてください。 ほんの数秒で、情緒的で読みやすい文章が出力されます。気に入らなければ「もっと高級感を出して」と何度でも書き直しをさせられます。
【PowerPoint連携】資料作成の「下書き」をゼロ秒で
Wordの企画書が「スライド」に生まれ変わる
Wordで作った「物件概要書」や「リフォーム提案書」を読み込ませ、「このファイルを元に、オーナー様向けプレゼン資料(スライド10枚)を作成して」と指示するだけ。 Copilotが内容を要約し、適切な画像やデザインを配置して、プレゼンテーションの「たたき台」を自動生成します。あなたは内容を確かめ、細部を微調整するだけ。
【Outlook・Teams連携】メールや会議の効率が大幅にアップ
毎日大量に届く問い合わせメールへの対応や、会議の議事録作成も、Copilotが助けてくれます。
【Outlook】長いスレッドの要約
お客様とのこれまでの長いやり取りを「これまでの経緯を3行でまとめて」と要約させ、スムーズに担当者間で共有できます。
【Outlook】返信メールの自動作成
「明日の内見をお断りする丁寧なメールを書いて」と頼めば、返信の文面を作ってくれます。代わりの候補日を入れた返信の下書きも頼めます。
【Outlook】「メールのコーチング」機能
クレーム対応や賃料交渉など、送る前に「この表現で大丈夫かな?」と不安になる場合は Copilotのコーチング機能を使えば、「このメール、失礼な表現はない? もっと角が立たない言い回しにして」と添削を依頼できます。AIが相手の心情を考慮した、適切なビジネスマナーに修正してくれます。
【Teams】会議の「議事録」はAIが作成
Microsoft Teamsでのオンライン会議(重説やオーナー面談)にもCopilotは参加します。 会議中に「ここまでの議論をまとめて」と聞けばリアルタイムで要約し、終了後には「決定事項」と「誰がいつまでに何をやるか(タスク)」を整理した議事録の下書きを自動生成します。 「言った言わない」のトラブル防止にもなり、新人教育の振り返り材料としても使えます。会議中にCopilotへ質問できるのは、有料のCopilotライセンスを持つ参加者です。会社の設定によっては文字起こしをオンにする必要もあります(Microsoft Learn、2026年)。
AI活用お役立ち資料ダウンロード
無料版と有料版、どっちを選べばいい?
Copilotには、大きく分けて以下の2つの選択肢があります。
【無料版】Copilot
ブラウザやWindows上でチャット相談ができます。まずは「検索や文章作成の補助」として試したい方に最適です。
【有料版】Microsoft 365 Copilot
会社でMicrosoft 365の対象プランを契約していれば、追加費用なしのCopilot Chatを使えます。管理者の割り当てによっては、Excel・Word・PowerPointの画面の横(サイドパネル)から、開いているファイルについて質問したり、要約や傾向の分析を頼んだりもできます。ただし、Copilotの表示が「Copilot Chat (Basic)」の人は、これらのアプリの中ではCopilotを使えません(Microsoftサポート、2026年)。Excelでシート上で直接AIを動かす高度な機能や、データの組み替え・シートの結合・レポート作成のように複数の手順が要る作業を任せる「エージェントモード」は、有料のCopilotライセンスで使えるようになります(Microsoftサポート、2026年)。アプリの中でどこまで使えるかは、会社の契約と、管理者が割り当てたライセンスによって変わります。ExcelやWordの中で本格的に事務作業を任せたい店舗様は、自分に割り当てられているライセンスを管理者に確かめたうえで、有料ライセンスを検討します。
なお、Microsoftは「Microsoft 365 Copilot」の名称を「Microsoft Copilot」へ切り替えており、移行期間中は資料や画面で両方の名前が使われています(Microsoft Learn、2026年9月時点)。会社の契約で使うCopilotかどうかは、サインインしているアカウントで見分けます。料金は改定されることがあるため、Microsoftの公式価格ページでご確認ください。
Copilotなら、いつものツールでAI活用

Copilotは、何か新しいソフトをインストールするものではありません。あなたが長年使い慣れたExcelやWordを、「指示を聞いて手伝ってくれるAIツール」へと進化させるためのプラグインのような存在です。
操作方法をゼロから覚える必要はありません。 あなたはアシスタントに指示を出すように、いつもの画面に向かって「このデータを分析して」「もっと丁寧な文章に直して」と話しかけるだけ。 それだけで、面倒な集計作業や文書作成の手間を減らせます。
Copilotはあくまで「副操縦士(Copilot)」です。操縦桿を握り、最終的な判断を下し、お客様と心を通わせるのは、機長であるあなた。 事務作業という「ロボットでもできる仕事」はCopilotに任せ、あなたは人間にしかできない「お客様への寄り添い」や「創造的な提案」に全力を注ぐことができます。そんな理想的な働き方が、もうあなたのパソコンの中で始まっています。


