AIソリューション > 不動産業界AI活用コラム > AIツール・使い方 > ChatGPT Workとは?不動産業務でできること・使えるプラン・注意点
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この記事でわかること
- ChatGPT Workとは何か(従来のチャットとの違い)
- 2026年8月時点で使えるプランと、GPT-5.6のモデル層(Sol/Terra/Luna)
- 料金の考え方——追加購入ではなく「プランの枠を消費する」仕組み
- 不動産会社が任せられる業務と、最初に任せるべき順番
- 顧客情報・物件情報を扱うときの注意点と、導入前に決めておくこと
ChatGPT Workは、連携したアプリやファイルをまたいで作業し、スライド・表・文書・Webアプリといった完成した成果物まで作るChatGPT内のエージェントです。
OpenAIが2026年7月9日に提供を開始しました。複雑な依頼を小さなステップに分解して自律的に進め、必要に応じて何時間も作業を続けます(出典:OpenAI公式、2026年7月)。これまでのChatGPTが「聞かれたことに答える」道具だったのに対し、Workは「頼まれた仕事を仕上げて返す」担当者に近づいた、と考えると分かりやすくなります。
不動産の現場に置き換えると、違いはこうなります。従来は「この物件の紹介文の案を3つ出して」と聞いて、出てきた文章を自分でコピーして資料に貼っていました。Workでは「今月の新規物件をスプレッドシートから拾って、営業会議用の資料までまとめて」と頼めます。途中で確認を求められたら答え、方向がずれていれば修正を指示します。
ChatGPT Workとは?——アプリをまたいで成果物まで作るエージェント
OpenAIは公式ページで、ChatGPT Workを「アプリやファイルをまたいでアクションを実行し、必要に応じて何時間もプロジェクトに取り組み、目標を完成した成果物に変えるエージェント」と説明しています(出典:OpenAI公式、2026年7月)。技術的にはCodex(開発者向けのコーディングエージェント)の仕組みを取り込んでおり、質問への回答だけでなく作業そのものを進められるようになっています。
アプリとの接続は「プラグイン」で行います。公式が挙げているのは、Slack、Microsoft Teams、Google Drive、SharePoint、メール、カレンダー、CRM、プロジェクト管理ツール、その他の社内ツールです。プロンプトに「@」とアプリ名を入力すれば、特定のアプリから情報を取ってくるよう直接指示できます。
もうひとつ押さえておきたいのが「スケジュール済みタスク」です。1回だけ実行する、決まった時刻に繰り返す、変化を監視する、といった動かし方ができます。公式が示す例は、毎朝Webサイトとダッシュボードを確認して変更点を要約したレポートを送る、メールで新しいフィードバックが届いたら資料を更新する、といったものです。
ここが従来のAI活用と大きく変わる点です。人が思い出してAIに聞きに行くのではなく、決めた条件でAI側から動きます。「気づいたときにやる」で止まっていた定型業務ほど、任せる価値が出てきます。
これまでのChatGPTと何が違う?
同じChatGPTの中にありますが、想定している仕事の長さが違います。
| 観点 | これまでのチャット | ChatGPT Work |
|---|---|---|
| 頼み方 | 1回の質問と回答 | 目標を渡して任せる |
| 作業時間 | 数秒〜数十秒 | 数分〜数時間 |
| 情報の取得元 | 入力した内容とファイル添付 | 連携したアプリ・ファイル・Web |
| 出てくるもの | 文章・下書き | スライド・表・文書・Webアプリ |
| 人の関わり方 | その場で読む | 途中で承認・方向転換する |
| 向く業務 | 文面づくり・調べもの | 資料一式の作成・定期の集計 |
使い分けの目安は、依頼をひとことで言い切れるかどうかです。「この文章を短くして」ならチャットで足ります。「先月の反響を集計して、担当者別の一覧と会議用スライドにして」のように工程が複数あるなら、Workの領域になります。
ChatGPT Workはどのプランで使える?(2026年8月時点)
ChatGPT Workは無料版でも触れますが、業務で使える範囲は有料プランと大きく違います。2026年8月時点のOpenAI公式の料金ページでは、プランごとの扱いは次のように案内されています。
| プラン | 月額(出典:OpenAI公式 料金ページ・2026年8月時点) | ChatGPT Workの利用範囲 |
|---|---|---|
| 無料版 | 0円 | デスクトップアプリで制限つき |
| Go | 1,400円 | デスクトップアプリで制限つき |
| Plus | 3,000円 | デスクトップ・Web・モバイル |
| Pro | 16,800円から | デスクトップ・Web・モバイル |
| Business | 1ユーザー3,050円(2名以上・年額課金) | デスクトップ・Web・モバイル |
| Enterprise | カスタム価格 | デスクトップ・Web・モバイル |
無料版とGoは「デスクトップアプリだけ・制限つき」です。外出先のスマホから依頼を出したい、社内の誰でも同じ環境で使いたいという運用なら、Plus以上が前提になります。試すだけなら無料版のデスクトップアプリで足りますが、業務に組み込む段階で必ず有料プランの検討が必要になります。
Workの中で使えるモデルにも差があります。OpenAIのヘルプセンターは、ChatGPT WorkでGPT-5.6のSol・Terra・Lunaを使えるプランとして、Plus・Pro・Business・Enterpriseを挙げています(2026年8月更新)。
加えて、提供条件は短い間隔で書き換わっています。2026年7月9日の発表時点では、Web・モバイルはPro・Enterprise・Eduに先行提供し、その後Plus・Businessへ広げると案内されていました。
1か月で条件の書きぶりが動いているため、契約の判断は申し込み直前に公式の料金ページで確認してください。
GPT-5.6のモデル層(Sol/Terra/Luna)
ChatGPT Workが使っているのはGPT-5.6です。OpenAIは同じ2026年7月9日にGPT-5.6を一般提供として発表し、3つのモデル層を用意しました(出典:OpenAI公式、2026年7月)。
| モデル層 | 位置づけ(公式の説明) | 使いどころの目安 |
|---|---|---|
| Sol | フラッグシップ | 込み入った資料作成・長時間の作業 |
| Terra | 前世代(GPT-5.5)に匹敵する低コストモデル | 日常業務のバランス重視 |
| Luna | 最速かつ最も低コスト | 件数の多い定型処理 |
OpenAIは公式ページで「番号は世代を示し、Sol・Terra・Lunaはそれぞれ独自のペースで進化していく継続的なモデル層」と説明しています。この3層は今後も残り、中身だけが入れ替わっていく設計です。
実際、割り当ては短期間で動いています。7月9日の案内から1か月足らずの8月6日には、無料ユーザーのチャット既定モデルがGPT-5.6 Lunaに変更されました(出典:OpenAI公式、2026年8月)。
だから社内ルールを「GPT-5.6 Solを使うこと」のようにモデル名で固定するのは避けてください。半年後には存在しない名前かもしれません。ルールは「顧客の氏名は入力しない」「重説の最終確認は宅建士が行う」のように、扱ってよい情報と責任の所在で書くほうが長持ちします。
料金はどうなる?——追加購入ではなく「プランの枠を消費する」
ChatGPT Workは単体で買い足す製品ではありません。すでに契約しているプランの中で使い、使った分だけプランに含まれる使用量を消費します。
OpenAIは「使用量は必要な作業量によって異なり、より複雑なタスクでは、プランに含まれる使用量をより多く消費する場合があります」と明記しています。ChatGPT WorkにはCodexと同じ利用体系が適用されます(出典:OpenAI公式、2026年7月)。
Enterprise・Eduでは、管理者がAdmin Consoleで支出管理を設定できます。ワークスペース全体の既定値、グループごとの上限、多く使う人向けの個別例外、追加クレジット申請の理由確認といった単位で調整できる仕組みです。
ここから読み取れる運用上の注意は、1人が長時間の依頼を連発するとチームの枠を先に使い切る、という点です。使い放題の前提で全社に配ると、月末に止まる部署が出かねません。数人で試し、1件あたりどれくらい消費するのかを掴んでから広げてください。各プランの月額そのものについてはChatGPTの無料版と有料版の違いで整理しています。
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不動産会社はChatGPT Workに何を任せられる?
不動産の業務は「複数の場所にある情報を集めて、決まった形の書類にする」作業が多く、Workの得意分野と重なります。任せやすい順に5つ挙げます。
1. 物件資料・マイソクの下書き
物件データを置いてあるスプレッドシートやCRMから情報を拾い、ターゲット別の紹介文と資料の形まで作らせます。文面づくりだけを頼む従来のやり方との違いは、レイアウトを含む資料として出てくる点です。OpenAIは、テンプレートや参照ファイルのレイアウト・書式・配色の規則を読み取り、新しい資料へ一貫して適用できると説明しています。自社の既存フォーマットを1枚渡せば、それに寄せた形で返ってきます。文面そのものの作り方は物件説明文をAIで書く手順にまとめています。
2. 営業会議・月次報告の資料
反響数、来店数、契約数といった数字を各所から集め、前月比のコメントまで付けた資料にします。毎月同じ形で必要になるため、スケジュール済みタスクとの相性が良い業務です。
3. 反響リストの整理と追客の優先度付け
問い合わせフォーム、メール、ポータル経由の反響を1つの一覧にまとめ、対応漏れを洗い出します。誰にも返信していない反響が何件あるかは、集計してみて初めて分かることが少なくありません。
4. 商談前の下調べ
過去のやり取り、内見履歴、条件変更のメモを拾って要約させ、商談前に読める1枚にします。担当者が変わったときの引き継ぎでも同じ形が使えます。
5. 定期的な情報チェック
競合の掲載状況や自社サイトの更新漏れを定期的に確認し、変化があったときだけ知らせる使い方です。毎日見に行く手間はなくなりますが、何を「変化」とみなすかは人が決めます。
最初に任せるなら、社外に出ない中間成果物からにしてください。物件資料の下書き、会議資料、社内向けの集計。ここは間違いがあっても社内で気づけます。反対に、広告としてそのまま出る文章や、重要事項説明書のような法定書類は、確認の体制を決めてから任せます。
顧客情報を入れても大丈夫?——連携とデータの扱い
アプリを連携させる以上、顧客情報や物件情報がChatGPTを通る場面は避けられません。OpenAIの公式情報で確認できる範囲を整理します。
OpenAIは「デフォルトでは、お客様のビジネスデータをモデルの学習に使用することはありません」と明記しています。対象はChatGPT Business、Enterprise、Edu、for Teachers、APIです。アプリ連携についても「デフォルトでは、アプリ経由で取得したデータをモデルの学習に使用することはありません」としています(出典:OpenAIエンタープライズプライバシー、2026年1月更新)。ただし、フィードバック機能などを通じて利用者が明示的にデータ共有へ同意した場合は、共有されたデータが学習に使われることがあるとも書かれています。
権限についても押さえておきたい説明があります。OpenAIは「ChatGPTは組織の既存の権限設定を尊重し、各エンドユーザーは利用前に接続先アプリケーションで認証する必要があります」としています。
連携したからといって、社内の全ファイルが読まれるわけではありません。読めるのは、その人が自分の権限で接続した範囲だけです。危ないのは連携そのものではなく、誰がどのアプリを接続したかを会社が把握していない状態のほうです。
管理面では、EnterpriseとEduの管理者が、アクセスできるユーザー、ChatGPTが使用できる会社情報、接続できるツール、実行できるアクションを一元管理できます。会話とアクションはCompliance APIで可視化できます。またスプレッドシートの編集、メールの送信、カレンダーイベントの追加といった重要な操作については、実行前に承認を求める設定が可能です。
そのうえで、日本の不動産実務として外せない点が3つあります。個人情報保護法では利用目的の通知・公表と委託先の監督が義務であること。宅地建物取引業法では、重要事項説明の説明・記名・最終確認は宅地建物取引士が担うこと(押印義務は2022年5月施行の改正で廃止され、記名のみです)。景品表示法では、根拠のない効果や優良に見せる表現は広告に使えないこと。AIが作った文章であっても、責任は掲載した会社に残ります。詳しくはAIに顧客情報を入力するときの注意点で扱っています。
導入前に決めておくこと
- 入力してよい情報の線引き。顧客の氏名・連絡先・審査に関わる情報を入れるかどうかを、部署ごとでなく会社として決める。
- 成果物の確認者と基準。誰が、どこまで見て、何を確認したら外に出してよいのかを先に決める。
- 接続するアプリの棚卸し。どのアプリを誰が連携したかを記録し、退職・異動のときに外す手順まで決める。
3つに共通するのは、AIの性能ではなく社内の体制の話だという点です。成果物を作れるAIが来ると、作る時間は短くなり、確認する時間の比重が上がります。ここを決めずに配ると、確認されないまま外に出る資料が増えます。
まとめ
ChatGPT Workは、連携したアプリをまたいで作業し、資料の形まで仕上げて返すエージェントです。2026年8月時点ではPlus・Pro・Business・Enterpriseで使え、追加購入ではなくプランの使用量を消費します。
不動産会社にとっての価値は、複数の場所にある情報を集めて決まった形の書類にする作業を任せられる点にあります。物件資料の下書き、営業会議の資料、反響リストの整理といった社内向けの成果物から始め、広告や法定書類に近づくほど人の確認を厚くする。この順番なら、法令面のリスクを抱えずに効果を確かめられます。
提供条件とモデルの割り当ては短期間で変わります。社内ルールはモデル名ではなく、扱ってよい情報と責任の所在で書いてください。そのほうが、次の世代が来ても書き直さずに済みます。




