AIソリューション > 不動産業界AI活用コラム > AIツール・使い方 > AIプロンプトの書き方|不動産業務で効く5つの原則と禁止事項の指定
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この記事でわかること
- プロンプトとは何か(AIの回答が変わる仕組み)
- OpenAI・Anthropicの公式ガイドが共通して挙げる書き方の原則
- 不動産業務に当てはめた5つの原則と、そのまま使えるプロンプト例
- 広告表現のNGを防ぐ「禁止事項」の書き方
- 一度で決まらないときの直し方
プロンプトとは、AIに出す指示文のことです。同じAIでも、指示の書き方を変えるだけで返ってくる内容の質は大きく変わります。
「ChatGPTを試したが的外れな答えしか返ってこない」という声をよく聞きます。その多くはAIの性能ではなく、伝えた情報の量と形に原因があります。AIは受け取った情報から足りない部分を自分で補って答えるため、補い方が意図とずれると的外れになるからです。
この記事では書き方の原則を扱います。業務ごとにコピーして使えるテンプレート集は不動産スタッフのためのプロンプト入門にまとめているので、すぐ使いたい方はそちらをご覧ください。
公式ガイドは何を推奨している?——2社に共通する原則
プロンプトの書き方は経験則で語られがちですが、モデルを作っている会社自身が推奨事項を公開しています。OpenAIとAnthropicの公式ガイドを読むと、表現は違っても共通している点があります。
OpenAIはChatGPT向けのガイドで「明確・具体的に書き、モデルが理解できるだけの文脈を与える。曖昧さを避け、できる限り正確に」と述べています。あわせて反復による改善を挙げ、最初のプロンプトを書いたら回答を見て、言い回しの調整・文脈の追加・依頼の単純化を行うのが基本だとしています。トーンについては formal・friendly・professional といった形容詞で指定するよう案内しています(OpenAIヘルプセンター、2026年8月時点)。
Anthropicはより踏み込んだ言い方をしています。「Claudeを、自社の慣習やワークフローの文脈を持たない、優秀だが新しい従業員だと考える」。そのうえで判断基準を1つ示しています。
プロンプトを、その仕事の背景をほとんど知らない同僚に見せて、書いてあるとおりに実行してもらう。相手が戸惑うなら、AIも戸惑う。
この基準は使い勝手が良いので覚えておく価値があります。プロンプトが良いかどうかを、AIの気持ちを想像せずに判定できるからです(Anthropic公式ドキュメント、2026年8月時点)。
不動産業務で効く5つの原則
公式の推奨を不動産の現場に当てはめると、次の5つになります。
| 原則 | 公式ガイドでの位置づけ | 不動産業務での書き方 |
|---|---|---|
| ① 役割を与える | 役割設定は1文でも振る舞いとトーンを絞る(Anthropic) | 「あなたは20年のキャリアを持つ不動産営業担当者です」 |
| ② 背景と理由を添える | なぜそうしてほしいかを説明すると的確になる(Anthropic) | 「収納の少なさを気にされていたので、不安を解消したい」 |
| ③ 例を示す | 例は出力の形式・トーン・構造を導く最も信頼できる方法。3〜5個が最良(Anthropic) | 自社の過去の紹介文を2〜3本貼る |
| ④ 出力形式を指定する | 望む形式と制約を具体的に(Anthropic)/トーンは形容詞で(OpenAI) | 「200字・箇条書き・件名と本文を分けて」 |
| ⑤ 反復して直す | 回答を見て言い回し・文脈・単純化で改善する(OpenAI) | 一発で決めず、出てきた文を具体的に直させる |
① 役割を与える
用件だけを伝えると、AIは百科事典調の硬い文章からSNS調の軽い文章まで、どの引き出しを開けるか迷います。役割を先に与えると、その引き出しだけが開きます。
下手な例は「物件の紹介文を書いて」。上手な例は「あなたは20年のキャリアを持つ、ベテランの不動産営業担当者です。お客様に信頼される、誠実で魅力的な物件紹介文を書いてください」。Anthropicは1文の役割設定でも違いが出るとしています。
② 背景と「理由」を添える
ここが見落とされやすい部分です。多くの解説は「背景を伝えましょう」で止まりますが、公式が推奨しているのは理由まで説明することです。Anthropicは、なぜその振る舞いが重要なのかを説明すると、AIが目的を理解してより的を射た回答を返すとしています。
「200字以内で」だけより、「ポータルサイトの表示上限が200字なので、それを超えると途中で切れてしまいます」と足すほうが結果が安定します。
AIは理由から一般化するので、想定外の場面でも意図に沿って判断してくれるようになります。
③ 例を示す(3〜5個)
Anthropicは例を「出力の形式・トーン・構造を導く最も信頼できる方法」と位置づけ、3〜5個を推奨しています。条件として、実際の用途に近いこと、幅があること(AIが偏ったパターンを学ばないよう)、そして指示と区別できるよう囲んで示すことを挙げています。
不動産の実務では、自社で評判の良かった物件紹介文を2〜3本そのまま貼るのが手軽で効果的です。文体を言葉で説明するより速く、しかも自社らしさが出ます。
④ 出力形式を指定する
「どんな形で出してほしいか」を決めておくと、手直しの時間が減ります。「この地域の住みやすさを、【交通】【買い物】【子育て】の3項目に分けて、各200字程度の箇条書きで」と書きます。
表やリストも指定できます。「メリットとデメリットを表形式で」「競合物件AとBの比較表を作って」と頼めば、そのまま資料に貼れる形で出てきます。トーンはOpenAIの案内どおり、丁寧・親しみやすい・professional といった形容詞で指定するのが確実です。
⑤ 一度で決めず、反復して直す
OpenAIは反復を前提の作業として案内しています。一発で完璧を狙うより、出てきたものを具体的に直すほうが速く着地します。
「もっといい感じにして」では動きません。「全体的に堅苦しいので、語尾を手紙のような親しみやすい口調に変えて」「メリットばかりで信用しにくいので、駅からの距離も正直に伝えたうえで、それを補う提案を入れて」と直します。
情報が足りているか自信がないときは、指示の最後にこう添える手もあります。「この依頼の成果を上げるために、私に聞きたいことはありますか。情報が足りなければ推測せず、質問してください」。AIが不足を逆質問してくれるので、こちらが何を伝えるべきか気づけます。
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不動産で必ず入れる「禁止事項」——広告規約への備え
ここが不動産業務に固有の部分です。
AIは日本の不動産公正競争規約を前提に文章を作りません。放っておくと「最高の立地」「完全なセキュリティ」といった最上級表現を自然に混ぜてきます。
不動産の表示に関する公正競争規約では、合理的な根拠なく「完全」「最高」「日本一」「絶対」などの最上級を意味する用語を使うことが不当表示として禁じられています。景品表示法の優良誤認表示にも該当し得る領域です。
そこでプロンプトの末尾に、次の条件を固定で入れておきます。
【禁止事項】 ・「最高」「絶対」「完全」「日本一」などの最上級表現は使わないこと ・根拠のない断定や誇張は避けること ・専門用語を多用せず、はじめての人にも分かる言葉で書くこと
ただしこれは事故を減らす工夫であって、免罪符ではありません。
AIが書いた文章でも、掲載した責任は会社に残ります。出稿前に人が規約に照らして確認する工程は残してください。広告表現の線引きはおとり広告とAIでも扱っています。
そのまま使えるお手本プロンプト
5つの原則と禁止事項を1つにまとめた形です。物件情報を差し替えれば使えます。
あなたは不動産のキャッチコピーを専門に書く担当者です。 【依頼】 以下の物件の魅力を伝えるキャッチコピーを5つ提案してください。 【物件情報】 ・築40年(フルリノベーション済み) ・駅から徒歩15分(やや遠い) ・公園が目の前で静か 【背景と理由】 30代の小さなお子様がいるご家族に向けた広告です。 「古い=汚い」という先入観で候補から外されてしまうのを避けたいので、 リノベーション済みであることが一目で伝わる言葉を選んでください。 【条件】 ・1本あたり30字以内 ・専門用語を使わない 【禁止事項】 ・「最高」「絶対」「完全」「日本一」などの最上級表現は使わないこと ・根拠のない断定や誇張は避けること
【背景と理由】の欄が、先ほどの原則②にあたります。ここを埋めるだけで出てくる案の方向が揃います。
まとめ
プロンプトの書き方は、役割・背景と理由・例・出力形式・反復の5つに整理できます。これはこの記事の独自の主張ではなく、OpenAIとAnthropicが公式ガイドで共通して挙げている内容を不動産業務に当てはめたものです。
迷ったときは、Anthropicが示す判断基準に戻ってください。
その指示文を、事情を知らない同僚に渡して、書いてあるとおりに動いてもらえるか。戸惑われるなら、足りないのは情報です。
そして不動産では、禁止事項の一文を定型で入れておくこと。これだけで広告表現の事故はかなり減ります。最後に人が確認する工程は残したうえで、AIには安心して下書きを任せてください。



