「最近急にインターネットが遅くなった」「ときどき接続が切れるようになった」など、Wi-Fiルーターの不具合でお悩みではないでしょうか。インターネットの通信速度低下や通信の途切れがしばしば起きる場合、Wi-Fiルーターに寿命が来ている可能性があります。その場合、買い替えが必要です。
先に答えを言うと、ポイントは次の3つです。
- ①寿命の目安は4~5年:本体が動いていても、Wi-Fi 5以前の古い規格のままなら買い替えを考える時期です
- ②寿命が近いときの症状:接続が途切れる、通信速度が遅くなる、電源が付かない
- ③まず試すこと:接続台数を減らす、再起動、ソフトウェア(ファームウェア)の更新、置き場所の見直し。それでも直らなければ買い替えを検討
この記事では、それぞれの症状が起こる原因と対処法、買い替えるタイミングと選び方の注意点を解説します。Wi-FiにまったくつながらないときはWi-Fiルーターに繋がらない原因と対処法もあわせて確認してください。
※本記事の情報は2026年10月時点のものです。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
Wi-Fiルーターの寿命は4~5年が目安

Wi-Fiルーターは、1度購入すれば永続的に使えるような物ではありません。本体そのものの物理的な寿命のほか、通信規格面や情報セキュリティ面でも、いわばリミットがあります。メーカーが明言しているわけではないものの、本体の寿命は4~5年程度が目安です。ただし、使用環境によってはもっと長く使えるケースもあり、反対にもっと短い場合もあります。機器が劣化する主な原因は、内部に溜まった熱やほこり、湿気などです。
なお、機種によって期間は異なりますが、Wi-Fiルーターには1~3年程度の保証期間があります。ごく一般的な環境で使用していたにもかかわらず保証期間内に故障した場合は、無償で修理してもらえる可能性が高いので、メーカー窓口に問い合わせましょう。
また、Wi-Fiの通信規格は数年ごとに新しくなっています。現在の最新規格は2024年に認証が始まった「Wi-Fi 7」で、その前がWi-Fi 6/6Eです。規格が新しいものほど最大通信速度が速くなりますが、古いルーターを使い続けている場合、スマホやパソコンが新しい規格に対応していても本来の速度は発揮できません。そのため、新しい規格へと更新されたら、Wi-Fiルーターも買い替え時期と言えるでしょう。
さらに、Wi-Fiのセキュリティ規格(暗号化の方式)も新しくなっています。セキュリティ規格とは、無線LAN通信への不正アクセス防止を目的として行われる暗号化の方式のことで、現在はWPA2の後継の「WPA3」が主流です。Wi-Fi Allianceの認証を受ける機器ではWPA3への対応が必須になっています。古いルーターは古い暗号化方式にしか対応しないことがあり、リスクがあるため、買い替えを検討しましょう。
参照:Wi-Fi Alliance「Wi-Fi CERTIFIED 7」、Wi-Fi Alliance「Security」

まだ使える場合でも、通信規格やセキュリティを考えると、5年程度で買い替えたほうがよいのね!
一人暮らしの方がWi-Fiルーターを買い替える場合は、一人暮らし向けWi-Fiルーターのおすすめが参考になります。
Wi-Fiルーターの寿命が近いときの症状

Wi-Fiルーターの劣化が進み寿命が近づくと、以下のような症状が出るようになります。
- 接続が途切れる
- 通信速度が遅くなる
- 電源が付かない
上記のような症状が現れるようになったら、寿命が近づいている可能性があります。ただし、ほかの要因で症状が起こることもあるため、確定ではありません。ここでは、それぞれの症状が起こる要因について解説します。
接続が途切れる
寿命が近づいた際によく現れるようになる症状の1つが、ひんぱんに接続が途切れるようになるというものです。ただし、接続が切れる症状はほかの要因でも起こります。たとえば、回線の利用が集中したときなどです。また、通信事業者サイドで何か問題が起きたときやメンテナンスを行っているときなども、接続が切れることがあります。また、Wi-Fiルーターの近くにあるWi-Fi通信機器が電波干渉を起こしているケースもあるでしょう。
そのため、接続が途切れがちになっても、しばらくは様子を見てから判断することが大切です。
通信速度が遅くなる
以前はさくさくつながっていたにもかかわらず、明らかに通信速度が低下してきた場合も、Wi-Fiルーターの寿命が近づいている可能性があります。たとえば、Webサイトにアクセスしたときに、これまでよりサイトが開くのが遅いと感じるケースなどです。
とはいえ、回線が混雑しているときなど、一時的に遅くなることは珍しくありません。そのため、速度が低下したと思ってもしばらくは様子をみましょう。
電源が付かない
Wi-Fiルーターの電源が入らない場合は、機器そのものやケーブル、電源アダプタなどが壊れた可能性があります。再起動やケーブルの再接続を試してみるとよいでしょう。ちなみに、ルーターには以下のようなランプがあり、それぞれの点滅速度や色を見るとエラーの種類が判別できます。
- POWER:電源
- WIRELESS:無線LAN状態
- INTERNET:インターネット接続状態
- ROUTER:ルーターの状態
※ランプの表示は機種によって異なります。
たとえば、POWERのランプが緑なら通常の状態で、オレンジに点滅しているなら電源部分でエラーが起きています。
Wi-Fiルーターの不具合がでたときの対処法

Wi-Fiルーターの調子が悪くなってきたときは、すぐに故障と決めずに、いくつかの対処法を試してみましょう。それでWi-Fiルーターの調子が戻る場合もあります。ここで説明している対処を試してもうまくいかない場合は、寿命が近づいている恐れがあるので、そろそろ買い替えを検討しましょう。

調子が悪いなと思ったら、焦らず対処法を試したほうがいいね。
接続するデバイスを減らす
Wi-Fiルーターに接続しているデバイスの数が多いときは、接続数を減らしてみましょう。不要なデバイスの接続を解除し、通信の状態が安定するか試してみてください。同時に接続しているデバイスが多すぎるとWi-Fiルーターに負担がかかり、通信速度の低下や接続の途切れが起こりやすくなります。Wi-Fiルーターに接続できるデバイスの数は無制限ではありません。機種ごとに推奨する接続台数があるので、まずは取扱説明書や公式サイトなどで確認してください。
推奨台数を超えるデバイスを常時接続しているような場合は、可能なら接続数を減らしましょう。難しいなら、接続可能な台数が多いWi-Fiルーターに乗り換えるのがおすすめです。
ルーターを再起動する
通信が安定しないときは、Wi-Fiルーターを再起動させるのも有効な方法です。Wi-Fiルーター内部に熱が溜まり、不具合を起こすケースは少なくありません。また、近くにBluetooth機器やテレビなどの家電があると、電波干渉が起きることもあります。
そこで、再起動によるリセットです。Wi-Fiルーターの電源を落としてしばらく待ってから再起動してみましょう。こもっていた熱が解消されたり電波の干渉を遮断できたりして、機器の状態が落ち着くことがあります。Wi-Fiルーターに電源スイッチがない場合は、コンセントを抜いてしばらく待ってから差しなおしましょう。モバイルルーターで取り外せる電池パックがセットされている場合は、電源をオフにしてから電池パックを外します。しばらく待ってから電池パックを入れてオンしてみましょう。
ただし、電池パックが取り外せるモバイルルーターの場合、電池パックのほうがダメになっているケースも考えられます。電池パックが膨張している場合などは、交換が必要です。
ルーターを棚や箱にしまっている場合は、熱がこもりにくい置き方になっているかも見直してみましょう。収納ボックスを使うなら、ルーター収納で熱がこもらない収納ボックスの選び方が参考になります。
ソフトウェアをアップデートする
Wi-Fiルーターに組み込まれているソフトウェアが古いバージョンのままというケースも考えられます。メーカーでは定期的に新しいソフトウェアを提供しているので、アップデートしてみましょう。特に寿命を疑われる症状が出ていない場合でも、古いバージョンのままではセキュリティレベルが低くなりリスクがあります。つい忘れがちですが、ソフトウェアは定期的に更新することが大切です。可能なら、自動的にアップデートするよう設定しておきましょう。
更新の方法は機種によって異なるので、取扱説明書や公式サイトで確認してください。
ルーターや家具の位置を変える
Wi-Fiルーターの設置場所と使用するデバイスの距離が離れていたり、間に大型家具や家電などの障害物があったりする場合は、通信が不安定になることがあります。Bluetooth機器やテレビ、電子レンジ、コードレス電話などがあると、電波干渉を起こすことがあるので注意しましょう。
配置に問題がありそうなときは、Wi-Fiルーターや家具、家電の位置を変えてみるのも1つの方法です。位置を変えるだけで、通信状態が大幅に改善するケースも珍しくありません。なお、Wi-Fiルーターの理想的な設置位置は以下のような場所です。
- 家の中心付近
- 床から1~2mほどの高さ
なるべく理想に近い位置に設置できるようにしてみましょう。避けたい場所はWi-Fiルーターの置き場所で詳しく解説しています。
Wi-Fiルーターを買い替えるタイミング

通信が途切れるなどの症状がなくても、Wi-Fiルーターを買い替えたほうがよいタイミングがあります。たとえば、以下のようなケースです。
- ネットの回線業者を変えた
- 接続する機器が増えた
- パソコンを買い替えた
- 引っ越した
それぞれ、どういった理由から買い替えを検討したほうがよいのか見ていきましょう。

いろいろ買い替えたほうがよいタイミングがあるんだね。
ネットの回線業者を変えたとき
「料金が安くなる」「大きな特典がある」などの理由から、回線業者を変更する人もいるでしょう。回線業者を変えても、Wi-Fiルーターを引き続き使うことは可能です。ただし、古いルーターが変更後の通信速度や通信方式に対応していない場合、十分にパフォーマンスを発揮できないので注意しましょう。最大通信速度や通信方式が変わったときは、対応しているWi-Fiルーターに買い替えたほうがよいでしょう。
接続する機器が増えるとき
新しくタブレットやゲーム機を購入するなど、Wi-Fiルーターに接続するデバイスが増えたときも買い替えを検討するタイミングです。古いルーターのまま接続するデバイスの数を増やすと負担が増えるため、通信速度の低下や通信の途切れが発生しやすくなります。新しいルーターに変えたほうが安定しやすいでしょう。
とはいえ、機種によって推奨接続台数は異なります。購入にあたっては、何台くらいつなげられるのかを確認してから買うことが大切です。
パソコンなどを買い換えたとき
パソコンやタブレットを買い替えたときも、Wi-Fiルーターの買い替えを検討したほうがよいでしょう。新しいデバイスの通信規格が最新のものだったとしても、古いルーターでは対応していないためです。Wi-Fi 6/6EやWi-Fi 7に対応しているデバイスを使っても、古いルーターの対応規格がWi-Fi 5以前であれば、新しい規格の恩恵を受けられません。
引っ越したとき
引越しすると、部屋数が増えたり広くなったり、ワンルームのアパートから戸建てに移って階層が増えたりすることがあるでしょう。そのようなケースでは、古いルーターを使おうとしても全室をカバーできない可能性があります。引越し先で通信が不安定な状態が続くようであれば、買い替えを検討したほうがよいでしょう。
ワンルームマンションと、ファミリー向けマンションや戸建てでは、必要な性能は異なります。推奨環境が記載されている機種もあるので、そういった表示も参考にして新しい環境にマッチしたWi-Fiルーターを選びましょう。
Wi-Fiルーターを買い替えるときの注意点

Wi-Fiルーターを買い替えるときは、いくつか押さえておきたいポイントがあります。ここでは主な注意点を3つ紹介しましょう。
ID・パスワードが変わる
ルーターを買い替えると、IDとパスワードも変わります。そのため、インターネットに接続しているスマホやパソコンなどのデバイスも、すべて設定のやり直しが必要です。とはいえ、それほど難しい作業ではありません。デバイス側に接続できるSSIDの一覧を表示させ、新しいルーターのIDを選択してからパスワードを入力すればOKです。パスワードは、Wi-Fiルーター本体に貼られたラベルシールなどに記載されています。回線との接続のしかたはWi-Fiルーターのつなぎ方で手順を解説しています。
IPv6・Wi-Fi 6以上に対応したモデルを選ぶ
対応している通信規格にも注意しましょう。売り場に出ているWiFiルーターのすべてが最新規格に対応しているわけではないので、買う際にはきちんと確認することが大切です。ポイントは、IPv6と、Wi-Fi 6以上(Wi-Fi 6E・Wi-Fi 7)に対応しているルーターを選ぶこと。それぞれは以下を指します。
- Wi-Fi 6/6E/7:Wi-Fiの通信規格。数字が大きいほど新しく、最新はWi-Fi 7
- IPv6:インターネットの接続方式
どちらにも対応しているWi-Fiルーターなら、新しい通信規格や接続方式を利用できます。通信速度を重視するなら、ルーターだけでなくLANケーブルも速いものを選びましょう。
搭載している機能もチェック
通信規格のほかに、搭載されている機能もチェックしましょう。たとえば、以下のような機能です。
| 機能 | 特徴 |
| ビームフォーミング | 接続しているデバイスの位置や距離を検知し、そちらに向けて集中して電波を発信する機能。Wi-Fiがつながりやすくなり、離れていても安定した通信速度が出る。 |
| MU-MIMO | Wi-Fiルーターと接続しているデバイスの双方が多くのアンテナを利用してデータを送受信する機能で、安定した高速通信が可能になる。 |
| バンドステアリング | 2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯から、混雑していないほうの周波数帯を検知して自動で振り分ける機能。スムーズな通信ができる。 |
| メッシュWi-Fi | 本体に加えていくつか中継ポイントを設置し、網の目状にネットワークを構築する機能。自宅のどこにでも電波が届くようになる。2階建てにおすすめの機能。 |
| 無線引越し機能 | 使用中のWi-FiルーターからIDやパスワードをそのままコピーして引き続き使える機能。乗り換えしやすく、必須ではないもののあると便利な機能。 |
機種によって搭載されている機能は異なります。また、多機能なほど高額になりがちです。多くの機能があるほどよいように思えますが、たとえばワンルームマンションで使う予定なら、メッシュWi-Fi機能はほとんど必要ありません。必要な機能を見極めて、無駄なく搭載されている機種を選ぶようにしましょう。
まとめ

Wi-Fiルーターの寿命は、4~5年程度です。本体そのものはまだまだ使える状態だとしても、通信規格やセキュリティ規格が更新されるため、5年以上経っているなら買い替えを検討したほうがよいでしょう。寿命が近づくと、「通信が途切れる」「通信速度が明らかに遅くなる」「電源がつかない」などの症状が現れます。ただし、通信の途切れや速度の低下は混雑時にも起こることがあるので、以下の方法を試して様子を見ましょう。
- 接続しているデバイスの数を減らす
- 本体を再起動する
- ソフトウェアをアップデートする
- ルーターや家電などの配置を変える
改善しないときは買い替えがおすすめです。引越ししたときやデバイスを買い替えたときなども、Wi-Fiルーターを最新のものに替えることで快適な通信ができるようになるでしょう。










