LANケーブルのカテゴリは通信速度とも関係があるので気になりますよね。しかし、どうやってカテゴリを確認すればいいかわからない人も多いのではないでしょうか。この記事ではLANケーブルのカテゴリを確認する方法を紹介します。
印字がない場合の見分け方も解説するので、何も書いていないLANケーブルでもおおよそのカテゴリが分かりますよ。解説を参考にして自宅のLANケーブルのカテゴリを確認してみてください。
LANケーブルのカテゴリを確認する方法
LANケーブルのカテゴリを確認するには、LANケーブルの表記を見るのが確実です。LANケーブルの表記には、カテゴリが印字してある場合と、規格名が書かれている場合があります。それぞれの表記からカテゴリを確認する方法を解説します。
ケーブルの印字
LANケーブルには分かりやすくカテゴリが印字されている製品があります。「CAT.5」「CAT.5e」など「CAT.」の後に数字やローマ字が続くかたちで書かれているのがカテゴリです。まずはケーブル部分の印字を探してみましょう。
配線規格名
LANケーブルにカテゴリが印字されておらず、規格名だけが書いてある場合もあります。規格名はカテゴリに対応しているため、規格名だけでもカテゴリを割り出せます。規格名とカテゴリの対照表は以下の通りです。
CAT8 | ANSI/TIA-568.C-2-1 |
CAT7 | ISO/IEC 11801 |
CAT6A | ANSI/TIA-568-B.2-10 |
CAT6 | ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1 |
CAT5e | ANSI/TIA/EIA-568-B.2 |
CAT5 | ANSI/TIA/EIA-568-B.1 |
LANケーブルに何も書いていないときの見分け方
LANケーブルに何も書いていない場合、カテゴリは正確には分かりません。しかし、LANケーブルを繋いだときの通信速度の理論値で「CAT.5」のLANケーブルなのか、「CAT.5e」以上のLANケーブルなのかはおおよそ判別できます。Windows11で通信速度の理論値を確認する方法は以下の通りです。
- [コントロールパネル]を開く
- [ネットワークとインターネット]を開く
- [ネットワークと共有センター]を開く
- [アクティブなネットワークの表示]の[接続]を開く
- [速度]を確認する
通信速度の理論値が1Gbps以上であれば「CAT.5e」以上のLANケーブルです。100Mbpsであれば「CAT.5」のLANケーブルを使っている可能性が高いですが、ネット回線の契約の状況にもよるので必ずしも「CAT.5」とは限りません。
「CAT.5」は通信速度に難がありますが、「CAT.5e」以上のLANケーブルであれば一般家庭で問題なくインターネットが使えます。オンラインゲームなどの特殊な用途にインターネットを使うのでなければ、細かいカテゴリが分からなくても「CAT.5」か「CAT.5e」以上かを判別できれば実用的に十分です。
LANケーブルのカテゴリによる違い
LANケーブルはカテゴリによって最大通信速度と伝送帯域が違います。インターネットを何に使いたいかによって、おすすめのカテゴリは異なります。ここからはカテゴリごとの違いを紹介するので参考にしてください。
伝送帯域とは
伝送帯域はデータを送る時の周波数の幅です。伝送帯域の値が大きいとデータを短時間に多く送れます。
CAT8
CAT.8は現在流通している中でもっともハイスペックなLANケーブルです。ノイズに強く、高速で安定した通信ができます。業務用に使われるカテゴリで、一般家庭ではオーバースペックです。価格が高く、ケーブルが太くて取り回しが悪いので一般家庭にはおすすめしません。
最大通信速度 | 40Gbps |
伝送帯域 | 2000MHz |
CAT7
CAT7はノイズに強く通信速度も速いので業務用にも使えるカテゴリです。一般家庭ではややオーバースペックですが、遅れを極力減らさなければならないオンラインゲームをしている人にはおすすめです。
しかし、高いカテゴリのLANケーブルを買うだけでは通信速度は向上しないので、契約する回線もしっかり選びましょう。
最大通信速度 | 10Gbps |
伝送帯域 | 600MHz |
CAT6A
CAT6Aはオンラインゲームと動画視聴に向いているカテゴリです。日頃からYouTubeやNetflixなどで頻繁に動画を観る人はCAT6Aを選ぶのがおすすめです。最大通信速度10Gbpsは今後主流になってくるため、CAT6AのLANケーブルを買っておくと長く使えます。
最大通信速度 | 10Gbps |
伝送帯域 | 500MHz |
CAT6
CAT6は快適にインターネットが使えるカテゴリです。特殊な用途でインターネットを使わなければ、LANケーブルはCAT6で十分です。価格とのバランスも丁度良いので、特にこだわりがなく、LANケーブル選びに困っているならCAT6を買いましょう。
最大通信速度 | 1Gbps |
伝送帯域 | 250MHz |
CAT5e
CAT5eはあまり流通しなくなりましたが、これまで使っていたLANケーブルがCAT5eである場合もあるでしょう。CAT5eでも日常でインターネットを使う分には問題ありません。買い替えたくなったら、CAT6以上のLANケーブルを選びましょう。
最大通信速度 | 1Gbps |
伝送帯域 | 100MHz |
CAT5
CAT5はあまり流通しなくなりましたが、ルーターやハブに同梱されている場合があります。CAT5は低価格ですが低速なので、あまりインターネットを使わない人にのみおすすめです。通信速度が気になる場合にはCAT6以上のLANケーブルに買い替えましょう。
最大通信速度 | 100Mbps |
伝送帯域 | 100MHz |
LANケーブルのカテゴリーは通信環境に合ったものを
LANケーブルのカテゴリーは通信環境に合ったものを選びましょう。契約している回線の速度が速くても、LANケーブルの最大通信速度が回線速度を下回っていれば、最終的な通信速度はLANケーブルの最大通信速度を超えられません。
かといってカテゴリが高すぎるものを選ぶと、LANケーブルが高価でコストパフォーマンスが悪くなってしまいます。オンラインゲームなど特に通信速度が求められる作業をしないのであれば、CAT6かCAT6AのLANケーブルを買っておけば問題ありません。
◆おすすめのLANケーブルは以下の記事で紹介しているのでチェックしてみてください。
LANケーブルを選ぶときのポイント
カテゴリ以外にもLANケーブルを選ぶときのポイントがあります。ポイントを押さえていると、使い勝手がよいLANケーブルを買えますよ。ここからはそれぞれのポイントを解説します。
ケーブルの構造(単線・より線)
ケーブルの構造には、「単線」と「より線」の2種類があります。LANケーブルには8本の芯線があり、芯線が1本の銅線で構成されているものが「単線」、芯線が7本の細い銅線で構成されているものが「より線」です。単線とより線のそれぞれの特徴は以下の通りです。
単線 | ・安定した通信が可能 ・ケーブルが固く取り回しが悪い |
より線 | ・単線に比べると安定性が劣る ・ケーブルが柔らかく取り回しがしやすい |
単線とより線のどちらを選ぶかはお好みではありますが、ケーブルの長さが10m以上の場合は単線、5m以下の場合はより線がおすすめです。
ケーブルの形状(スタンダード・極細・フラット)
ケーブルの形状には「スタンダード」「極細」「フラット」の3種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
スタンダード | ・丸形のタイプ ・安定性に優れ、ノイズに強い |
極細 | ・狭い場所の配線に向いている ・持ち運びしやすい ・安定性に劣る |
フラット | ・カーペット下や隙間での配線に向いている ・ノイズに弱い |
こだわりがなければスタンダードタイプがおすすめですが、配線する場所によっては極細やフラットを選びましょう。
ケーブルの結線(ストレート・クロス)
ケーブルの結線は「ストレート」と「クロス」の2種類です。「ストレート」はケーブルの中の銅線が交差しないタイプで、両端のコネクタを見ると、同じ順番で銅線が並んでいます。
一方、「クロス」は交差するタイプで、両端のコネクタを見ると違う順番で銅線が並んでいます。「ストレート」と「クロス」はそれぞれ以下の用途で使います。
ストレート | パソコンとパソコン以外の機器の接続 |
クロス | パソコン同士の接続 |
ケーブルの特徴(UTP・STP)
ケーブルにはさまざまな種類があり、代表的なものに「UTP」「STP」があります。「UTP」「STP」の特徴は以下の通りです。
UTP | ・LANケーブル内部がシールドで保護されていないのでノイズに弱い ・CAT5、CAT5e、CAT6に多く使われている ・安い |
STP | ・LANケーブル内部がアルミ箔で保護されているのでノイズに強い ・高い |
UTPはSTPに比べるとノイズに弱いですが、オンラインゲームに使うのでなければUTPでも問題ないのでお好みで選びましょう。
まとめ
LANケーブルのカテゴリを確認する方法を解説してきました。LANケーブルの最大通信速度が足りないと感じたら上のカテゴリに買い替えてみましょう。一般家庭ではCAT6かCAT6AのLANケーブルがおすすめです。
買い替えのときは、カテゴリだけでなくケーブルの構造や形状を確認して購入すると使いやすいLANケーブルが手に入ります。選ぶポイントなども参照しながら自宅に合ったLANケーブルを選んでください。