エアコンの室外機が故障したとき、どのように対処すれば良いのか迷うことでしょう。
室外機だけの交換は推奨されていないため、修理を検討するか買い替えるかの選択が必要になります。
室外機は、エアコンの冷媒を圧縮し、熱交換を行う重要な役割を担っています。
室外機が故障するとエアコンの冷房・暖房機能が停止し、室内の快適性が大きく損なわれるため、室外機の不具合は速やかに対処することが大切です。
この記事では、室外機の故障原因や故障を防ぐ方法、そして故障した際の最適な対処法について詳しく解説しています。
室外機の修理費用や買い替え費用の相場、また自分で修理できるかどうかなども解説しているので、エアコンの室外機に関する疑問や不安を解消することができるでしょう。
エアコンの室外機についてお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- エアコンの室外機と室内機はセットで作られているもので、どちらか一方のみを交換・購入することはできない
- エアコンの室外機が故障した場合には、修理をするか、室内機とセットで買い替えるかの2択
- 室外機の修理は1万円程度から数十万円まで、故障内容によって異なるため、買い替え費用と照らし合わせながら検討するのがよい
エアコンの室外機だけの交換は難しい
エアコンの室外機だけ壊れた場合、交換はできないのかな?
エアコンの室外機のみの交換は、おすすめできません。
室内機と室外機はペアで設計されており、決まったペアで機能するように組み合わせられています。
市場には室内機または室外機のみを販売している業者も存在しますが、既存の室外機と新しい室内機が正しく機能する保証はありません。
この章では、室内機と室外機をセットで購入する理由、室外機が故障した場合の対応について解説します。
室内機と室外機はセット
エアコンの室内機と室外機は一体として設計されており、正常に作動させるためにはセットで使用することが必須です。
室内機と室外機は、冷媒の流れや電気の接続など、お互いに合わせて設計されています。
異なるモデルの室内機と室外機を組み合わせると、互換性の問題が発生し正常に作動しない可能性があります。
そのためどちらか片方が故障した場合は、修理するかセットで買い直しする必要があるのです。
対になっている室外機と室内機をセットでしようすることで、エアコンは最適な状態で稼働し、長期間にわたって高い効率を維持することができます。
◆エアコンの室内機と室外機については、以下の記事でも詳しく解説しています。
室外機だけが故障したら修理を検討
エアコンの室外機が故障した場合、まずは修理することを検討しましょう。
室外機はエアコンシステムの中でも特に過酷な環境下で動作しているため、ファンの故障や冷媒漏れなど、さまざまなトラブルが発生しやすい部分です。
修理を検討する際には、専門の修理業者に依頼し、故障の原因と修理費用の見積もりを把握することが大切です。
故障の程度によっては、部品の交換や冷媒の補充だけで済む場合もありますが、内部の損傷が激しい場合や修理費用が高額になる場合は、新しいエアコンに買い替えた方が良い場合もあります。
修理か交換かを決める際には、目下の費用はもちろん、将来的な運用コストやエネルギー効率の向上も考慮に入れると良いでしょう。
10年以上経っているなら買い替えも検討
エアコンが10年以上使用されている場合、買い替えも検討してみましょう。
エアコンの寿命は一般的に10年程度とされており、この期間を超えると故障のリスクが高まるだけでなく、効率も大幅に低下します。
古いエアコンは最新のモデルに比べて消費電力が高く、不具合が発生する可能性も高いため、維持費が増加することも。
また、近年のエアコンはエネルギー効率が向上しており、環境に優しい冷媒を使用しているものも増えています。
そのため、長期的なコスト削減と環境への配慮を考えると、新しいエアコンに買い替える方が良い場合もあります。
買い替えを検討する際には、現在の住環境に合ったサイズや機能を持つエアコンを選ぶことが重要です。
◆最新のおすすめエアコンは、以下の記事で紹介しています。
あらかじめ設置されている賃貸なら大家さんに相談
賃貸物件に最初から設置されているエアコンが故障した場合、まずは物件の大家や管理会社に連絡して相談することが重要です。
賃貸物件の場合、設置されていたエアコンなどの設備は物件の一部とみなされるため、その修理や交換に関する責任は通常、大家または管理会社が負うことになっています。
自己判断で修理や交換を行うと、後でトラブルの原因となることがありますので注意が必要です。
大家や管理会社に連絡を取り、どのような対応を取るべきか具体的な指示を仰ぎましょう。
室外機の故障要因
エアコンの室外機は、さまざまな理由で故障することがあります。
特に、室外機の故障はエアコン全体の性能に直接影響を及ぼし、適切な冷暖房ができなくなる原因となります。
故障の主な要因としては、長期間の使用による自然な劣化、不適切な設置やメンテナンス不足、外部からの物理的なダメージなどが挙げられます。
そこでこの章では、室外機の故障要因と、故障した際のエアコンの動作の特徴について解説するのでぜひ参考にしてください。
ガス漏れやガス不足
エアコンの室外機で発生する問題の一つがガス漏れやガス不足です。
冷媒ガスはエアコンシステムの冷却と暖房のサイクルで中心的な役割を果たすため、その量が不足するとシステム全体の効率が落ち、十分な温度調整ができなくなります。
ガス漏れの原因としては、室外機の接続箇所やバルブの緩み、配管の損傷や腐食、施工時のミスなどがあります。
また、長年の使用による自然な劣化も避けられない要因です。
ガス漏れや不足が疑われる場合、以下のような症状が見られます。
- エアコンから冷たい風が出なくなる
- 冷却効果が明らかに低下する
- エラーコードが表示される
これらの症状が見られた場合は、専門の修理業者に依頼しましょう。
◆エアコンのガス切れについては、以下の記事にて詳しく解説しています。
四方弁が故障している
エアコンの室外機において、四方弁の故障は、冷房と暖房の切り替えがうまくいかなくなる一因となります。
四方弁は、エアコンが冷房モードと暖房モードを切り替える際に、冷媒の流れを変更する重要な部品です。
このバルブが故障すると、冷媒が適切な経路を流れなくなり、エアコンが必要とするモードに応じた空調が得られなくなります。
故障の典型的なサインには、エアコンが設定に関わらず同じモードの空調しか出ない、または全く動作しなくなるなどがあります。
これらの症状が現れた場合、専門の修理業者による診断が必要です。
ファンモーターが故障している
エアコンの室外機のファンモーターが故障すると、エアコン全体の冷却効果が大幅に低下することがあります。
ファンモーターは室外機の熱交換器を冷却するための風を送る重要な役割を担っており、このモーターが正常に機能しないと、エアコンは冷媒の熱を効率よく外気に放出できなくなります。
ファンモーターの故障は、モーターの老朽化や外部からの異物の侵入などが原因です。
故障の主な兆候には、室外機から異音がする、ファンが回らないまたは回転が不安定である、エアコンの冷却効果が明らかに低下しているなどがあります。
コンプレッサーが故障している
エアコンの心臓部とも言えるコンプレッサーが故障すると、システム全体の冷暖房能力が大幅に影響を受けます。
コンプレッサーの故障は、過剰な熱や騒音、システムの過負荷などが原因で起こることがあります。
また、電源トラブルや冷媒の漏れもコンプレッサーに負担をかけ、故障につながることも。
故障のサインとしては、エアコンの冷暖房効果が極端に低下する、異常な振動や音が発生する、エアコンが起動しないまたは頻繁に停止する、などがあります。
制御盤が故障している
エアコンの制御盤は、システム全体の動作を管理する重要な部分です。
この制御盤が故障すると、エアコンの各部品の動作が妨げられ、正確な温度調整やモード切替ができなくなる可能性があります。
制御盤の故障は、電源の問題、内部の回路の損傷、湿度や汚れによる部品の劣化などが原因です。
故障すると、エアコンが設定に従わず勝手に停止したり、温度調整が効かなくなったり、作動しないなどの問題が発生します。
エアコン室外機の修理費用の相場
エアコンの室外機が故障した際には、その修理費用の相場を知っておくことが大切です。
一般的に、修理の種類や故障の程度、さらには修理業者によって費用は大きく異なります。
室外機のトラブルとして一般的なのは、ファンモーターの故障、冷媒の漏れ、制御部の故障などがあります。
これらの修理費用は、部品の交換が必要かどうか、また作業の難易度によって異なりますが、2万円~20万円の範囲で変動することが一般的です。
適切な業者選びと事前の見積もりの確認は、予期せぬ高額請求を避けるためにも重要です。
この章では、エアコン室外機の修理に関する費用相場について詳しく解説します。
室外機の修理費用
エアコンの室外機の修理費用は、故障の原因や部品の種類によって大きく異なります。
一般的に、小さな修理であれば1万円台から、大規模な修理が必要な場合は数十万円に及ぶこともあります。
小規模な修理としては、外部からの異物の除去や小さな部品の交換などがあり、これらの作業は比較的低コストで済むことが多いです。
一方、コンプレッサーのような主要な部品が故障した場合は、部品のコストが高く修理には高度な技術が必要なため、5万円以上の費用がかかることがあります。
また、修理業者の選択によっても費用は変動します。
エアコンの室外機修理を検討する際は、複数の業者から見積もりを取り、詳細に内容を比較するのがおすすめです。
室内機と室外機の買い替え費用
エアコンの室内機と室外機を一緒に買い替える場合の費用は、以下の費用がかかります。大体の費用は以下の通りです。
- エアコンの取り外し・設置費用:1万~3万
- 既存エアコンの処分費用・リサイクル料金:数千円
- 新しいエアコンの本体費用:5万円~20万円以上
エアコン本体の費用は選ぶエアコンの種類や機能、設置条件によって異なり、5万円~20万円以上と大幅に変わります。
エネルギー消費効率が高い最新モデルや、特殊な機能を持つ高級機種になると、その価格はさらに上がります。
また、地域によってはエアコンの購入や設置に補助金が出ることがあるため、自治体の情報も調べておくと良いでしょう。
自分で修理できる?
エアコンが故障した場合、自分で修理を試みることは部分によっては可能ですが、おすすめできません。
エアコンは高電圧で動作し、冷媒ガスを使用しているため、専門的な知識と技術が必要です。
自己修理が原因でさらに大きな故障を引き起こすリスクや、安全上の問題が発生する可能性があります。
ただし、フィルターの清掃や、リモコンのバッテリー交換などの基本的なメンテナンスは自分で行うことができます。
これらの簡単なメンテナンスを定期的に行うことで、エアコンの性能を維持し、故障のリスクを低減することが可能です。
より複雑な問題、例えば電源が入らない、冷暖房が効かない、異常な音がする場合などは、専門業者に依頼することが賢明です。
専門業者であれば、適切な診断と安全な修理を提供できるため、エアコンを長持ちさせることにもつながります。
ただし、修理業者の選定によっても費用は変動しますので、くらしのマーケットやミツモアなどのサービス利用して、複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。
エアコンの室外機の故障を防ぐ方法
エアコンの室外機は、効率的な冷暖房のために不可欠な役割を果たしていますが、その性能は周囲の環境に大きく左右されます。
適切な場所に設置し、正しくメンテナンスすることで故障のリスクを最小限に抑えることが可能です。
室外機の故障は、不適切な設置位置、メンテナンス不足、外部からの物理的な障害などが原因で起こります。
この章では、室外機の故障を防ぐための具体的な方法を紹介するのでチェックしてみてください。
周辺に物を置かない
エアコンの室外機の周囲は常に清潔で開放的に保つことが重要です。
室外機の効率と寿命を保つためには、周囲に十分な空間が必要で、特に吸い込み口や排出口の近くに物を置かないことが重要です。
周囲に物があると空気の流れが妨げられ、室外機が過度に熱を持ってしまうことがあります。
また、葉っぱやゴミが室外機に詰まると冷却効率が低下し、エアコン全体の負荷が増加して故障の原因にもなります。
室外機の周囲は最低でも50cm以上のスペースを空け、定期的に掃除を行うことで、空気が自由に流れることを確保しましょう。
これにより室外機は最適な状態で動作し続け、エネルギー効率も向上します。
直射日光を当てない
エアコンの室外機を直射日光が当たる場所に設置すると、内部の温度が上昇し、過度に熱を持ってしまうことがあります。
これは、室外機の冷却効率を低下させ、エアコンの消費電力を不必要に増加させる原因となります。
室外機を日陰に設置するか、遮光材を使用して日光が直接当たらないようにすることが効果的です。
また、室外機の上部に適切な遮熱カバーを設置することも、内部の温度を適切に保つのに役立ちます。
これにより、室外機の冷却能力を保ちながら、全体的なエアコンの効率を向上させることができます。
夏の強い日差しの下でも、これらの対策により室外機の過熱を防ぎ、長期的に安定した性能を維持することが可能です。
定期的に掃除する
エアコンの室外機を定期的に掃除することは、システムの効率を保ち、故障を防ぐために非常に重要です。
室外機は外気を取り込むため、ホコリや葉などのゴミが内部に蓄積しやすく、これが冷却効率を低下させる主な原因となります。
掃除を行う際には、まずは室外機の電源を切り、主電源からも電源をオフにしてください。
次に、室外機の外側のカバーを取り外し、蓄積されたゴミや汚れを取り除きます。
ファンの羽根は特に汚れやすいので、ソフトなブラシを使って優しく掃除し、必要に応じて水洗いも行います。
最後に、水切りと乾燥をしっかり行い、カバーを元に戻して電源を入れてください。
このような掃除を季節の変わり目ごと、特に使用頻度が高くなる夏前と冬前に実施することで、エアコンの性能を最大限に保つことができます。
エアコンは室外機だけ交換できない!修理か買い替えを検討
この記事では、エアコンの室外機が故障した場合の対応策について解説しました。
エアコンの室外機は単独での交換が困難であり、通常は室内機とセットでの交換が必要です。
故障の原因によっては修理が可能ですが、場合によっては新しいエアコンへの買い替えが推奨されます。
修理費用が高額になる場合や、10年以上使用しているエアコンであれば、買い替えを検討しましょう。
特に、エアコンの効きが悪くなったり異音がしたりする場合は、故障の可能性が高いため、早めに修理業者に相談することをおすすめします。
エアコンの室外機の故障を防ぐためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
室外機の周りに溜まったゴミや落ち葉を取り除き、通気口を塞がないようにしましょう。
エアコンの室外機の故障は室内機との関連性が高いため、トラブルが発生した場合は適切な対応を取ることが重要です。
修理か買い替えかを慎重に検討しましょう。