窓用エアコンは、室外機や壁の穴開けが必要なく、窓にはめ込むだけで使える手軽なエアコンです。
工事が要らないので自分で設置でき、一般的な壁掛けエアコンに比べて安価なため、使用を検討している方も多いでしょう。
ただし、窓用エアコンは窓にはめ込む設置スタイルのため隙間ができやすく、そこからゴキブリなどの虫が侵入する可能性があり、注意が必要です。
この記事では、窓用エアコンの隙間からゴキブリが入ることはあるのか、どのような対策があるかなどについて解説します。
おすすめの対策グッズも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 窓用エアコンの設置で生じる少しの隙間からゴキブリを始めとした害虫が室内に侵入しやすくなる
- 害虫対策として、隙間を埋めたり、害虫忌避剤を設置したりすることが有効
- 定期的にフィルターを掃除したり、内部を乾燥させることを意識しながら使用することも害虫対策として効果的
窓用エアコンのどこからゴキブリが侵入する?
窓用エアコンは、開けた窓枠に取り付け枠をはめこんでネジで固定し、そこに本体を乗せて設置するしくみです。
本体上部にできる空間は、取り付け枠の上辺についている蛇腹パネルを伸ばして閉じられます。
一見ぴったり設置できるように見えるものの、本体を取り付ける金具などの関係で、多少の凹凸ができることは避けられません。
そのため、本体天面や底面、側面のどこかにわずかな隙間が生まれます。この隙間が、ゴキブリや害虫の侵入経路です。
できる隙間自体はとても小さいものですが、わずか数mmの空間があれば通れる害虫は多く、ゴキブリも例外ではありません。
窓用エアコンのゴキブリ対策
ゴキブリなんて見たくない!どう対策すればいいの?
窓用エアコンの隙間からゴキブリが入ってくるとなると、気持ち悪くて使うのをためらいますね。
せっかく設置しているなら、気持ちよく安心して使いたいものです。
そこで、ここでは窓用エアコンでできるゴキブリ侵入対策について解説します。
隙間を埋める
ゴキブリの侵入を防ぐ効果的な対策として、物理的に隙間をふさぐ方法が挙げられます。
入れる隙間がなければ、近くまで来ても侵入することはできません。
窓用エアコンは窓の内側にでっぱるように設置します。そのため、使用していないときは窓を閉じれば隙間はできません。
しかし、使用中は排熱のため窓を開けておく必要があり、どうしても隙間ができてしまいます。
そこで、パテや隙間テープなどのアイテムを使えば、どこに隙間があっても簡単にふさげます。
隙間が大きい場合は幅広テープを貼り、小さな隙間をパテでふさぐなど、併用するのもおすすめです。
どちらも、DIYの心得がなくても簡単に設置できるでしょう。
害虫よけアイテムを置く
窓用エアコンのそばに害虫よけアイテムを設置するのも1つの方法です。
害虫よけアイテムには、ゴキブリが嫌う成分が含まれていて近くに寄ってこないようにするもの、毒餌を仕込み食べた個体が死ぬものなど、さまざまなタイプがあります。
どちらも窓用エアコンのそばに設置するだけでよいので、手軽です。
パテやテープで隙間を埋める方法と併用することで、より侵入防止の効果が期待できるでしょう。
ただし、時間が経つと次第に効果が薄れてくるので、定期的に交換する必要があります。
また、空間に向けてシュッとひと吹きしておくだけで、殺虫成分が広がってゴキブリを駆除するスプレー型殺虫剤もあります。
定期的にスプレーしておくと安心です。
定期的にエアコンを掃除する
エアコン内部にゴキブリが侵入して中で巣をつくるケースがあります。
特に内部にほこりが溜まっていると、ゴキブリの餌になるため、注意が必要です。
ほこりが溜まらないように定期的にエアフィルターをお手入れしましょう。
シーズンオフに入る前には、除湿機能や内部乾燥機能を使って、内部をしっかり乾燥させることも大切です。
除湿機能や内部乾燥機能がない窓用エアコンの場合は、しばらく送風運転を行って乾燥させましょう。
また、窓用エアコン周辺の隙間を埋めるために使ったパテや隙間テープは、次第に劣化します。
数年も経つと劣化して隙間ができ、ゴキブリの侵入を許すこともあるでしょう。
そのため、定期的にチェックして新しいものに取り換えることが重要です。
◆以下の記事で、エアコンのフィルター掃除とその効果について詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
おすすめのゴキブリ・害虫対策アイテム
窓用エアコンを設置するなら、万が一に備えてゴキブリの侵入防止対策を施しておきましょう。
ここでは、ゴキブリや害虫の侵入対策としておすすめのアイテムを具体的に紹介します。
対策を万全にするためには、隙間対策と害虫対策を両方おこなうことがおすすめです。
パテ
パテは、粘土状の不乾性充填剤です。
よく伸びて造形しやすく、乾燥してもカチカチに固まることがないのが特徴で、貼ってもその場所にこびりつくことはありません。
もし、引っ越したり窓用エアコンが不要になったりして撤去することになった場合も、簡単に剥がせて跡が残らないので安心です。
賃貸物件で原状回復を求められた場合も、パテならきれいに取れるので問題になることはないでしょう。
パテはホームセンターやECサイトで簡単に購入できます。
窓用エアコンだけでなく、洗面所やキッチンなどにある排水管まわりの隙間にも使えるので、どんどん活用するとよいでしょう。
隙間テープ
隙間テープは、文字通り隙間をふさぐために使う厚みのあるテープです。
スポンジ製やモヘア製などがあり、製品によって厚みや幅もさまざまです。
使う場所を考えて素材を選ぶとよいでしょう。防水タイプは結露にも強いので、窓用エアコンの隙間対策で使うのにおすすめです。
使用する前に、貼る場所はきれいに掃除して湿気や汚れがない状態にしましょう。
濡れたりほこりが付着していたりする状態で貼ると、粘着力が落ちて取れる恐れがあります。
なお、賃貸の場合は剥がした跡が残ると原状回復費用を請求される可能性があるため、注意が必要です。
「跡が残らないタイプ」「きれいに剥がせるタイプ」を選びましょう。
アース製薬 ブラックキャップ 屋外用
ブラックキャップは殺虫成分を含む餌を内部に仕込んだ小さな黒いパーツで、匂いに誘われたゴキブリが餌を食べると、巣に戻るころに死ぬしくみです。
餌を食べた個体だけでなく、その個体がした糞や死骸を食べたほかのゴキブリにも効果があります。
さらに、卵を抱えているメスの個体がブラックキャップの餌を食べた場合は、卵にも効果があり、巣をまるごと駆除することが可能です。
家の周りに設置することでゴキブリを元から断ち、家屋への侵入を許しません。
プラスチック製の容器に入っているうえ、耐水処方も施されているので、雨が降っても安心です。5㎡あたり1~3個を設置しましょう。
設置する環境によって異なりますが、雨がかからない場所に設置した場合は1年間近く効果が持続します。
なお、パッケージには「屋外用」とありますが、本製品は屋内でも使用可能です。室内のゴキブリが侵入しそうな場所に置くとよいでしょう。
使用方法 | 5㎡あたり1~3個の割合で設置する |
主成分 | フィプロニル0.05% |
持続期間 | 約1年間 |
アース製薬 医薬品ゴキジェットプロ
ゴキジェットプロは、侵入経路にあらかじめスプレーして待ち伏せ駆除する薬剤です。
ゴキブリが通ったときに殺虫成分が効き、効果的に駆除します。
また、ゴキブリが目の前に現れたときは、直接スプレーして退治することも可能です。
通り道にスプレーするときは、換気した状態で、20cm程度の離れた場所から帯状に噴射しましょう。
目安はスプレーした部分がしっとり濡れる程度です。1平米あたり45~60秒かけてスプレーします。
しっとり濡れる程度に噴射した場合、25℃程度の一般的な室温下では、1カ月程度の待ち伏せ効果が持続します。
スプレーする際は、人やペット、食べ物、おもちゃ、ペットの餌、衣類などにかからないように十分気をつけてください。
変色する恐れがあるため、窓用エアコン本体にもかからないように注意しましょう。
使用方法 | 侵入経路に噴射しておく、害虫に直接噴射する |
主成分 | イミプロトリン0.5g、メトキサジアゾン0.41g |
持続期間 | 約1カ月 |
アース製薬 アース虫よけネットEX
アース虫よけネットEXは、薄い板状のプレートから薬効成分が広がり、害虫を寄せ付けない製品です。
蚊に効くタイプとユスリカやチョウバエ、キノコバエなどの小さな不快害虫に効くタイプがあります。
窓用エアコンの隙間からは、ゴキブリだけでなく蚊やコバエなども入ってくる可能性があるので、虫よけネットEXで侵入を予防するとよいでしょう。
虫除けEXは、製品上部のわっかを物干しざおに通したり、玄関や窓のそばにフックを設置して引っかけたりして使用できます。
また、玄関の靴箱の上などに横置きすることも可能です。網戸に貼って使うタイプも出ています。
160日用・260日用・1年用があるので、必要な期間に応じて買うとよいでしょう。
使用方法 | 玄関やベランダなどに吊り下げる・置く |
主成分 | トランスフルトリン、エムペントリン、プロフルトリン |
持続期間 | 160日用・260日用・1年用 |
キンチョー ゴキブリムエンダー
ゴキブリムエンダ―は、ワンプッシュ式のゴキブリ駆除剤です。
空間に向けてしゅっと吹き付けるだけで、殺虫成分が室内に広がってゴキブリを退治します。
使うときは、6畳の部屋で4隅に向かって1回ずつ、計4回噴射しましょう。お部屋は噴射後30分閉め切ります。
仮にゴキブリが侵入済みで家具の裏などに潜んでいたとしても、薬剤が室内のすみずみに行きわたり、退治が可能です。
燻煙を炊くタイプではないので、火災報知機をカバーしたり食器類を別の部屋に移動したりといった面倒な下準備が要りません。
プッシュした部屋にそのままいても問題なく、非常に手軽です。
2週間に1度を目安に、定期的に噴射するとよいでしょう。家のすべての部屋でいっせいに使用すると、逃げ込める場所がなくなり効果的に駆除できます。
使用方法 | 空間に噴射する |
主成分 | フェノトリン、メトフルトリン |
持続期間 | 約2週間 |
ウィズユークラブ ゴキちゃんアウト
ゴキちゃんアウトは、不織布でつくられた7cm角のパックです。主成分は、ゴキブリが嫌う天然ハッカ油とそのほかの天然植物精油です。
気になるところにポンと置いておけば、ハッカ成分の効果でゴキブリが寄り付きません。
窓辺に置いておけば、ゴキブリが隙間から入ってくるのを防げるでしょう。
白く薄いパックなので、窓用エアコンの近くだけでなく、洗面所の下や玄関、戸だなの隙間などどこにでも置けます。
殺虫成分が入っていないので、幼い子どもがいる家庭でも安心です。ただし、口に入れないよう注意しましょう。
開封後の効果持続期間は約1カ月です。期限が切れたら、燃やせるゴミとして処分できます。
使用方法 | 気になる場所に置く |
主成分 | ハッカ油、天然植物精油 |
持続期間 | 約1カ月 |
バルサンプロEX
バルサンプロEXは部屋の中心で燻煙を炊き、殺虫成分を部屋のすみずみに広げることでゴキブリなどの害虫を駆除する燻煙剤です。
「バルサンプロEX」のほかに「バルサン」があり、どちらも煙タイプ・水タイプ・霧タイプに分かれます。
バルサンプロEXは大型ゴキブリや薬剤抵抗がついたチャバネゴキブリにも効果を発揮し、バルサンより強力です。タイプ別では、煙タイプがもっとも効果があります。
そのため、部屋にいる害虫を徹底的に駆除したいのであれば、バルサンプロEXの煙タイプを使うとよいでしょう。
使い方は簡単で、煙タイプの場合は室内に容器を置いて突起物をこすれば煙が出ます。
水タイプは容器に水を入れて缶をセット、霧タイプは中央にあるボタンをぽちっと押すだけです。
いずれも、煙や霧が発生する前にすぐに部屋を出て、2~3時間は閉め切りましょう。
なお、使う前には煙がかからないよう電化製品にはカバーをかけ、食器や食品、こどものおもちゃなどはカバーするか外に出す必要があります。
ペットもしばらく部屋にいれてはいけません。
煙タイプ・水タイプを使うときは、火災報知機のカバーも必須です。反応する可能性があります。
使用方法 | 室内を片付けて設置し、突起物をこすって煙を出し3時間放置 |
主成分 | メトキサジアゾン、フェノトリン、d・d-T-シフェノトリン |
持続期間 | 2~3時間 |
窓用エアコンを設置するときはゴキブリ・害虫対策を万全に!
窓用エアコンは、工事不要で自分でも取り付けられる手軽なエアコンです。
ただし、窓に設置するために隙間ができやすく、ゴキブリなどの害虫が入ってくる可能性はゼロではありません。
万が一に備え、ゴキブリ・害虫対策は万全を期しましょう。
まずはパテや隙間テープを使って隙間を埋め、忌避剤や駆除剤を設置するのがおすすめの対策です。
駆除剤にはさまざまなタイプがあるため、使い勝手や推奨頻度、価格などを考慮して選びましょう。
適切にゴキブリ・害虫対策を行い、窓用エアコンを快適に使用できる環境を整えてください。