加湿器は置く場所によって効果が変わることはご存じですか?ただなんとなくコンセントの近くや部屋の隅に置いている方も多いのではないでしょうか。
加湿器は置く場所によっては効果的にお部屋を加湿できますが、誤った場所に置くと十分な効果が得られなかったり、場合によっては加湿器を置くことで思わぬ問題が発生したりすることもあります。
そこで今回は、加湿器を置くことで得られる効果や加湿器の効果的な置き場所、また加湿器を置いてはいけない場所について解説します。
今まで加湿器の置く場所は気にしていなかったという方や、加湿器の購入を検討しているという方はぜひ参考にしてくださいね。
加湿器を置く効果
寒くなると空気の乾燥が気になるけど、加湿器は空気を加湿するほかにどんな効果があるんだろう。
気温が下がり空気が乾燥する季節になると、なんとなく加湿器を置いているものの、あまり効果を実感できていないという方もいるのではないでしょうか。実は加湿器を置くことで得られる効果は、ただ空気を加湿するだけではありません。空気を加湿することにより、嬉しい効果もいくつかあります。
逆に言えば、空気が乾燥している中で過ごしていると体調を崩しやすくなったり、肌や髪のトラブルが起きたりと、さまざまな問題が発生してしまいます。
乾燥する季節はさまざまな不調を感じるなど冬の乾燥でお困りの方は、これからご紹介する加湿器を置くことによる効果を参考にして、加湿器の設置を検討してみてくださいね。
風邪やウイルスの感染予防
季節の変わり目や、寒くなると流行しやすいと言われている風邪やインフルエンザなどの感染症。風邪の菌やインフルエンザなどのウイルスは、喉や鼻、目の粘膜から侵入します。通常、粘膜には防御機能があるため、菌やウイルスなどは侵入しにくくなっています。
しかし空気が乾燥していると、粘膜の防衛機能が低下してしまい、それにより菌やウイルスが体内に侵入してしまうのです。さらにウイルスなどは、空気が乾燥すると空気中に飛散しやすくなります。
ウイルスが活性化するのは湿度40%以下と言われているので、加湿器を使って湿度を55~60%に保つことで、風邪やウイルスの感染を予防することができます。乾燥する時期になると風邪を引きやすいという方は、加湿器を置いてみてはいかがでしょうか。
体感温度の上昇
加湿器には、空気を加湿することで体感温度を上昇させ、室温が暖かく感じられるという効果もあります。体感温度は、部屋の温度だけではなく湿度も影響しているからです。空気が乾燥していると、気化熱という肌から水分が蒸発していく現象が起こるため、体温が下がり寒く感じます。
加湿器で湿度を保てば体感温度が上昇し、同じ部屋の温度でも、乾燥した部屋より暖かく感じます。そのため暖房費の節約にもつながりますよ。
またエアコンやヒーターなどの暖房器具を使うと、余計に部屋の空気は乾燥してしまいます。そのため暖房器具と加湿器を上手く調整しながら、快適な部屋の温度と湿度を保ちましょう。
肌や髪の保湿
乾燥する季節になると、肌や頭皮が痒くなったり、髪がパサつくという方も多いのではないでしょうか。肌や髪は、空気の乾燥によっても影響を受けます。空気が乾燥し、湿度が低下すると、肌や髪の水分も空気中に放出され、乾燥するからです。
特に寒くなり空気が乾燥する季節は、普段のスキンケアやヘアケアにプラスして加湿器を置くことで、肌の乾燥による肌荒れや、髪のパサつきを予防でき、保湿にもなります。
また乾燥による静電気も予防することができます。寒い季節にパチパチとなりやすい静電気ですが、これも乾燥が原因で起こるものです。加湿することで静電気の発生を抑えることができます。
加湿器の効果的な置き場所
加湿器はなんとなく近くに置いていたけど、置く場所によって効果は違うの?
加湿器は置く場所によって、加湿効果に大きく差が生じます。置く場所によっては効果が得られないものや、加湿器を置くことで問題が発生してしまう場所もあるので注意しましょう。
加湿器のタイプや性能、加湿器を使用する部屋によっても異なりますが、加湿器から出た水蒸気を効率よく部屋中に行き渡らせるには、エアコンの風が直接当たらない場所で、なおかつ加湿した空気をエアコンが運びやすい場所に置くのがベストです。
せっかく加湿器を置くなら、効果的に使いたいですよね。加湿器を置く場合は、これからご紹介する効果的な置き場所を参考にして効果的にお部屋を加湿しましょう。
エアコンの風が直接当たらない場所
加湿器は、直接エアコンの風が当たらない場所に置きましょう。温度や湿度に合わせて加湿する機能がある加湿器の場合は、加湿器にエアコンの風が直接当たると、加湿器に搭載されている湿度センサーが誤作動を起こしてしまい、正しい湿度に保たれなくなってしまいます。
ヒーターなどの温風も同様に、直接当たらないよう注意が必要です。
また加湿器を効果的に使うためには、部屋の中心に置くのがおすすめ。冷たい空気よりも、暖かい空気の方が水蒸気を多く含むことができるので、暖かい部屋の中心に置くことで効率よく加湿できます。
さらに、エアコンの吸入口の近くに置くとより効果的。エアコンは冷たい空気を取り込み、温かくしてから温風を吐き出します。吸入口の近くに置くことで、加湿器から出る水蒸気も一緒に吸い込み、加湿された空気を拡散してくれるのです。
加湿した空気をエアコンが運びやすい場所
加湿器はエアコンの風が直接当たらない場所で、なおかつ加湿した空気をエアコンが運びやすい場所に置くと効果的に使えます。エアコンの風の通り道など、空気がよく循環する部屋の真ん中に置くのがおすすめです。
加湿器そのものだけでは、なかなか部屋中を加湿することは難しいので、エアコンの風の流れを利用しましょう。
またエアコンがない部屋を加湿する場合や、加湿器を部屋の真ん中に置くことが難しい場合などは、サーキュレータを近くに置くと、加湿された空気が部屋中に行き渡るのでおすすめです。サーキュレーターはエアコンの温風も行き渡らせるのにも役立ちますよ。
水蒸気は暖かい空気の中で広がりやすくなるので、部屋の上の方の空気に加湿した空気が行くよう意識しましょう。
加湿器を置いてはいけない場所
加湿器を置いてはいけない場所もあるの?
加湿器は置く場所によってはあまり効果が得られないだけではなく、問題が発生してしまう置き場所もあるので注意が必要です。空気は加湿されると水蒸気を含むため、温度が低い場所に加湿器を置くと結露が発生することも。
結露が発生すると、空気中の水分が奪われてしまうだけではなく、カビの温床にもなってしまいます。せっかく加湿器を置いても、カビが発生することで逆に空気が汚れてしまう可能性があるのです。
加湿器を置くときは、トラブルが起こりそうな場所を避けておくことも重要です。
床に直置き
加湿器を床に直置きするのはやめましょう。温かい空気は上に行き、冷たい空気は下にとどまります。そのため加湿器を床に直接置くと、加湿された空気は下にとどまるので、部屋中に行き渡りません。それだけではなく、冷たい空気の中に水蒸気があると結露が発生し、床が濡れてしまいます。
床に直接置いていない場合でも、超音波式やハイブリット式の加湿器は、水に超音波振動を与え霧状にして放出しているので、霧の粒がやや多く、蒸発せずに床に落ちるため濡れることがあるので注意しましょう。
加湿器は床に直置きするのではなく、テーブルや棚などに置くのがおすすめ。床から70㎝以上は離れた高さに置くと、効率よく加湿できますよ。
窓際・窓の近く
加湿器を窓際や窓の近くに置くと、外との温度差によって、加湿器から出た水蒸気がすぐに結露してしまいます。一般的な窓は外の気温とほぼ同じくらい冷えているからです。窓際や窓の近くは加湿器を置くのに最も適していないと言われています。
窓際に加湿器を置くと、部屋が加湿されないだけではなく、結露によって窓のパッキンや壁などが濡れてしまい、カビの原因にもなります。同様に木製の家具などの近くに置くことも、結露やカビが発生しやすくなります。
加湿器を置く際は、なるべく窓際や壁から離れたところで、空気が循環する部屋の真ん中になるべく置くようにしましょう。
出入口付近
出入口付近も加湿器を置く場所に適していません。出入口の近くは空気がよく出入りするため、加湿された空気が外に逃げてしまいます。ドアを開けたり閉めたりするたびに水蒸気が逃げてしまうので、なかなか部屋の湿度が上がらなくなってしまうのです。
せっかく部屋を加湿していても、部屋を出入りするたびに加湿された空気が逃げてしまってはもったいないですよね。
同じように空気の出入りが多い換気扇の近くも、水蒸気が外に逃げてしまいます。部屋の出入り口や換気扇の近くを避け、効率よく加湿できる場所に加湿器を置きましょう。
家電や精密機器の近く
加湿器は家電や精密機器の近くに置いてはいけません。精密部分に水蒸気が入り込み、故障の原因になります。また加湿器が倒れてタンクの水がかかってしまうということも考えられます。
テレビやエアコン、スピーカーやパソコンなど、部屋には家電や精密機器が意外と多くあります。特に小型の加湿器など、デスクに置くタイプのものは、水蒸気が直接パソコンなどの降りかからないよに注意しましょう。
またエアコンのすぐ下に加湿器を置くと、内部に結露が起き、故障の原因になることも。加湿器を置く際は、エアコンの真下は避け、エアコンの空気の通り道に置きましょう。
加湿器の置き場所を工夫してより高い効果を!
加湿器によって得られる効果は下記のとおりです。
- 風邪やウイルスの感染予防
- 体感温度の上昇
- 肌や髪の保湿
加湿器は置く場所によって、効果が高まる場合もあれば、効果が得られない場合、そして思わぬ問題が発生してしまうこともあります。
加湿器の効果的な置き場所は、エアコンの風が直接当たらず、加湿された空気をエアコンが運びやすい場所です。エアコンの吸入口の近くがおすすめで、真下に置くのは避けましょう。
また加湿器を置くべきではない場所としては、床に直置き、窓際や出入口付近、家電や精密機器の近くなどがあげられます。今回ご紹介した加湿器の置き場所を参考に、加湿器を効果的に使いましょう。
■おすすめの加湿器については、以下の記事で詳しく解説しています。