冬の寒さ対策として、多くの家庭で利用されている電気ストーブ。しかし、その使用方法によっては電気代が高額になるリスクもあります。そこで、電気ストーブを賢く利用して電気代を節約する方法をご紹介します。
電気ストーブは電源を入れるとすぐに暖かくなる点や、持ち運びに便利なコンパクトサイズで狭い空間での使用に適しているといった点が特徴です。これらの特徴を上手く利用すれば、電気代を抑えながら効率的に暖まることができます。
また、電気ストーブの種類ごとの電気代や、一か月あたりの金額、電気ストーブを使用するメリットについても解説します。「電気ストーブを使いたいけど電気代が気になる」という方は、電気ストーブの電気代がどれくらいかかるのかを把握し、電気代を節約するコツを抑えましょう。
1か月あたりの電気ストーブの電気代目安
電気ストーブを1ヶ月使ったときの電気代ってどれくらいかかるんだろう?
寒い季節に必須の電気ストーブですが、1か月あたりどれくらいの電気代がかかるのか気になりますよね。電気ストーブの電気代は、製品によって異なるのはもちろん、消費電力や使用時間によっても変わります。
そこで今回は、各種類の電気ストーブの消費電力と、電気代の目安を解説します。電気代が気になるという方は、電気代が安い電気ストーブの種類を選びましょう。
電気代は、消費電力と使用時間、電気代の単価をかけることによって求められます。この記事では公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている通り、1kWh当たりの電気代を31円(税込)として計算します。
セラミックヒーターの場合
セラミックヒーターは、セラミックを加熱して温風を発生させる仕組みの電気ストーブです。即暖性があり、短時間で部屋を暖めることができます。またコンパクトサイズのものが多いので、一人暮らしの方や狭いスペースで使う場合にもおすすめです。
消費電力は約600W~1200Wなので平均900Wで計算すると、1か月あたりの電気代は約6,700円ほどになります。
電気代は、消費電力(kW )×使用時間(h)×電気料金(円/kWh)で計算することができます。
- 1時間あたり:0.9×1×31=27.9円
- 1日8時間使った場合:0.9×8×31=223.2円
- 1日8時間30日使った場合:0.9×8×31×30=6696円
ハロゲンヒーターの場合
ハロゲンヒーターは、ハロゲンランプを使って熱を発生させる仕組みの電気ストーブです。電源をつけるとすぐに暖かくなり、明るい光を放つため、穏やかな照明としての役割も果たせるでしょう。即暖性があるため、短時間の使用でも効果を実感できるタイプです。
消費電力は約400W~1200Wなので平均の800Wで計算すると、1か月あたりの電気代は約6,000円ほどになります。
- 1時間あたり:0.8×1×31=24.8円
- 1日8時間使った場合:0.8×8×31=198.4円
- 1日8時間30日使った場合:0.8×8×31×30=5952円
カーボンヒーターの場合
カーボンヒーターは、炭素繊維を発熱体にして赤外線を放射する仕組みの電気ストーブです。赤外線を放出するので身体をじんわり暖めてくれます。また静音性に優れたものや、省エネ効果が高いモデルが多いのも特徴です。
消費電力は約400W~800Wなので平均の600Wで計算すると、1か月あたりの電気代は約4,500円ほどです。
- 1時間あたり:0.6×1×31=18.6円
- 1日8時間使った場合:0.6×8×31=148.8円
- 1日8時間30日使った場合:0.6×8×31×30=4464円
グラファイトヒーターの場合
グラファイトヒーターは、黒鉛を発熱体にして赤外線を放射する仕組みの電気ストーブです。熱伝導性が高く均一に温風を放出するという特徴があります。そのため部屋全体を効率的に暖めることができるので、消費電力を抑えることも可能です。
消費電力は約300W~1200Wなので平均の750Wで計算すると、1か月あたりの電気代は約5,600円ほどになります。
- 1時間あたり:0.75×1×31=23.25円
- 1日8時間使った場合:0.75×8×31=186円
- 1日8時間30日使った場合:0.75×8×31×30=5580円
石英管ヒーターの場合
石英管ヒータは、ニクロム線を発熱体にして石英管で覆い、それを加熱して赤外線を放射する仕組みの電気ストーブです。電源を入れるとすぐに暖かさを感じることができます。また石英管は熱に強いため、長寿命であることが特徴です。
消費電力は約500Wで計算すると、1か月あたりの電気代は約3,700円ほどになります。
- 1時間あたり:0.5×1×31=15.5円
- 1日8時間使った場合:0.5×8×31=124円
- 1日8時間30日使った場合:0.5×8×31×30=3720円
シーズヒーターの場合
シーズヒーターは、ニクロム線を発熱体にしてさらに金属パルクで覆っている仕組みの電気ストーブです。遠赤外線で体をじっくり暖めるので、部屋全体を暖めるよりも補助暖房として使うのに向いています。また過熱のリスクが低く、安全性が高い上に、耐久性に優れているのが特徴です。
消費電力は約400W~900Wなので平均の650Wで計算すると、1か月あたりの電気代は約4,800円ほどになります。
- 1時間あたり:0.65×1×31=20.15円
- 1日8時間使った場合:0.65×8×31=161.2円
- 1日8時間30日使った場合:0.65×8×31×30=4836円
オイルヒーターの場合
オイルヒーターは、オイルを循環させて加熱する仕組みの電気ストーブです。オイルが熱を長時間保つため、一度暖まると消費電力が少なくなり、経済的です。また静音性が高く、他の暖房器具に比べてお手入れも簡単というメリットもあります。
消費電力は約300W~1500Wなので平均の900Wで計算すると、1か月あたりの電気代は約6,700円ほどになります。
- 1時間あたり:0.9×1×31=27.9円
- 1日8時間使った場合:0.9×8×31=223.2円
- 1日8時間30日使った場合:0.9×8×31×30=6696円
電気ストーブは他の暖房器具に比べて電気代は高いの?
電気ストーブと他の暖房器具の電気代はどれくらい差があるんだろう?
電気ストーブは電気代が高いというイメージの方も多いのではないでしょうか。
電気ストーブは種類や消費電力によって電気代は変わりますが、どの種類も平均して1時間20円前後の電気代がかかります。使い方によっては電気ストーブよりもエアコンの方が電気代は高くなりますが、他の暖房器具は電気ストーブよりも電気代は安めです。
それぞれの暖房器具の電気代を、1kWh当たり31円(税込)として計算すると下記の表のようになります。
電気代=消費電力(kW )×使用時間(h)×電気料金(円/kWh)
暖房器具 | 消費電力 | 1時間の電気代 |
---|---|---|
ガスファンヒーター | 25W | 0.75円 |
電気毛布 | 80W | 2.48円 |
石油ファンヒーター | 80~350W | 2.48~10.85円 |
ホットカーペット | 300~700W | 9.3~21.7円 |
こたつ | 600W | 18.6円 |
エアコン | 100~3500W | 3.1~108.5円 |
◆その他の暖房器具の電気代については、以下の記事でも詳しく解説しています。
電気ストーブを使用するメリット
電気ストーブはどんなメリットがあるんだろう?
近年人気を得ている電気ストーブ。冬の寒さを乗り越えるための必須アイテムとして多くの家庭やオフィスなどで利用されていますが、人気の理由は電気ストーブのメリットにあります。
他の暖房器具よりも早く体を暖めることができる点や、空気が汚れにくい、静音性が高いなどの機能性が高いことはもちろん、小型でなおかつオシャレなデザインも多いのでインテリアの1つとして部屋に馴染みます。
それではそれぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
電源を入れてからすぐに暖まりやすい
電気ストーブの最大のメリットは、電源を入れてからすぐに暖かさを感じることができるという点です。製品によっては、電源を入れてからたったの数秒で暖かさを感じられるものも。
起床後や帰宅時に冷えた身体をすぐに温めたいとき、また来客時などさまざまなシチュエーションで電気ストーブのメリットを実感できます。部屋全体の空気を温めるよりも、電気ストーブを近くに置いて部分的に身体を温めるのに適しています。
空気が汚れにくい
灯油やガスを燃料とする暖房器具を使う際に、暖房器具から放たれるガスや臭いに敏感な方も多いのではないでしょうか。
電気ストーブは電気を熱に変換して暖める仕組みです。灯油やガスなどの燃料を燃焼させることはないので、燃焼時に発生する二酸化炭素や一酸化炭素などのガスが排出されません。そのため空気が汚れにくく、嫌な臭いもしにくいのが特徴です。
そのため部屋の空気をキレイに保ちたい方や、暖房器具特有の臭いが苦手という方におすすめです。また、安全面を考慮して小さい子どもや高齢者がいる家庭にも向いています。
静音性が高い
電気ストーブは静音性が高い製品が多いのも特徴です。電気を熱に変換して空気を温める仕組みなので、他の暖房器具のように燃焼時に発生する音や、ファンを使用した際の循環音もほとんどありません。
動作音がとても静かなので、仕事や勉強、読書などの集中している時間や作業時間なども暖房器具の騒音に悩まされる心配もありません。また夜間や就寝時に使用しても、静音性が高いので睡眠の妨げにならないのも嬉しいポイント。
静音性が高いというポイントは、日常生活の中で快適さを大きく向上させる1つの要因となります。暖房器具の音が気になるという方は、静音性に特化した製品を選びましょう。
小型の製品も多い
電気ストーブはさまざまなサイズや形状の製品がありますが、中でも小型の製品が多いのが特徴です。そのため一人暮らしの部屋や、キッチンや脱衣所、玄関やトイレなどの限られたスペースで使いたい時にも場所を取らずに設置できます。小型の電気ストーブなら持ち運びも簡単なので、部屋から部屋の移動にも便利です。
また小型の電気ストーブでも、転倒時に自動で電源が切れる機能や、人感センサーによる自動運転や機能停止機能が搭載されているものなど、安全を考慮した設計がされているものも多くあります。
機能性はもちろん、オシャレなデザインやカラーバリエーションが豊富な製品も多く、部屋の雰囲気やインテリアに合わせて選ぶことができます。
電気ストーブの電気代を安くするコツ
電気ストーブの電気代を安く抑えたいけど、何かコツはあるのかな?
電気ストーブは電気を使用するため、何も工夫せずに使うとその分電気代は高くなってしまいます。電気ストーブで部屋全体を暖めるのではなく、部分的な暖房として使用したり、他の暖房器具を一緒に使ったりするなどの工夫が必要です。
またタイマー機能を使うなど短時間の使用に留めたり、電気ストーブのコンパクトで持ち運びにも便利なサイズ感や、即暖性があるというメリットを活かし、電気代を節約しましょう。
足元など局所的な暖房として使用する
電気ストーブは、部屋全体を暖めるよりも足元などを局所的に暖めるのに向いています。デスクワークをしている時や、リビングでテレビを観ている時など足元が冷えることが多いので、電気ストーブを足元に置くことで快適に過ごすことができます。
また、電気ストーブは電源を付ければすぐに暖かくなるので、短時間の使用でも十分に暖まることができます。部屋全体を暖めようとするとその分消費電力が上がり電気代もかかるので、局所的な暖房として使用し、不要なエネルギーの消費を抑えて電気代を節約しましょう。
部屋全体を温める他の暖房器具と併用する
電気ストーブは局所的な暖房として使用するのがおすすめです。部屋全体を暖めたい場合は、部屋全体を暖めることに適したエアコンやファンヒーターなど他の暖房器具と併用するといいでしょう。エアコンを使用して部屋全体の空気を暖めつつ、電気ストーブで足元や手元などの特に冷えやすい部分を暖めるのがおすすめです。
そうすることで部屋全体を均一に暖めることができ、電気ストーブ単体で使用するよりも使用時間や消費電力を抑えられるので、電気代の節約になります。またエアコンやファンヒーターなどは、起動してから部屋が暖まるまで時間がかかりますが、その間に電気ストーブを使うことで、すぐに暖まることができるでしょう。
また電気ストーブと併用することで、エアコンやファンヒーターなどの設定温度を下げることができ、結果的に電気代や燃料費の節約にもつながります。
狭いスペースの暖房器具として使用する
電気ストーブは狭いスペースの暖房器具として使用するのに向いています。狭いスペースで大きな暖房器具を使用すると、電気代も無駄に高くなってしまうので、即暖性がありコンパクトなサイズの電気ストーブを使用しましょう。
トイレや脱衣所などの狭いスペースは、家の中でも特に冷えやすい場所です。ずっとその場にとどまるわけではない場所ですが、温かくしておきたい場所でもあります。このような場所においては、すぐに暖まることができる電気ストーブが適しています。また狭いスペースでは設定温度が低めでも十分に暖房効果を実感できるので経済的です。
電気ストーブを狭いスペースで使用する際は、周りに燃えやすいものがないかを注意し、使用後は必ず電源をオフにするなど管理には気を付けましょう。
短時間の使用に留める
電気ストーブは即暖性があり、短時間で暖まることができるのが特徴です。しかし長時間使用すると、それだけ電気代もかさむことになります。そのため起動直後から高い暖房効果を発揮する点を活かし、部屋がとくに冷え込んでいる時や帰宅直後、起床後など短時間での暖房が求められるシチュエーションでの使用が最も効果的です。
また、電気ストーブにはタイマー機能がついている製品もあります。寝る前や出かける前などにタイマーをセットしておくことで、必要な時間だけ暖めることができ、余計な電気代を削減できます。
電気ストーブを賢く利用して電気代をおさえよう!
電気ストーブの1ヶ月あたりの電気代の目安は、種類や製品、使い方によっても変わりますが、約5,000円前後です。他の暖房器具に比べて電気代は高い傾向にあるので、メインの暖房器具ではなく補助的に使うのがおすすめです。
電気ストーブのメリットとして、
- 電源を入れてからすぐに暖まれる
- 空気が汚れにくい
- 静音性が高い
- 小型の製品が多い
などがあります。また電気ストーブの電気代を抑えるコツとしては、
- 足元や手元など部分的な暖房として使い、短時間の使用に留める
- 他の暖房器具と一緒に使う
- 狭いスペースで使う
などが挙げられます。電気ストーブの特性を生かし、工夫して使うことで電気代を抑えながら寒い季節を快適に過ごしましょう。
◆電気代が安いおすすめの電気ストーブは、以下の記事で詳しく解説しています。