エアコンの室内機と室外機は、互いに密接に連携して機能するためセットで購入するのがおすすめです。
室内機が部屋の空気を調節する一方で、室外機は余分な熱を外へと排出し、システム全体の効率を高めます。
この記事では、エアコンの室内機と室外機がなぜセットでなければならないのか、その理由と重要性を解説し、エアコンエアコンの寿命や購入費用・修理費用を紹介します。
これからエアコンを購入しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- エアコンの室外機と室内機はセットで販売されており、別々で購入することはできない
- 室外機と室内機はメーカーやモデルによってセットで設計されており、別々のものを使うとうまく機能しないこともある
- 室内機か室外機の一方が故障した場合には、該当箇所を修理するか、セットで新しく買い替えるかの2択となる
エアコンの室内機と室外機とは?
そもそもエアコンの室内機と室外機ってなに?
エアコンは快適な室内環境を作り出すために欠かせない家電製品で、そのシステムは主に室内機と室外機の二つの機器で構成されています。
室内機は部屋の中に設置され、冷暖房された空気を室内に供給します。
一方、室外機は主に建物の外に設置され、室内機から排出される熱を外へと放出する重要な機器です。
この二つが連携して動作することによって、初めてエアコンはその機能を全うします。
室内機の機能
エアコンの室内機は、室内の空気を快適な温度に調整する以下のような機能を持っています。
- 冷房:室内の暖かい空気を冷やし、快適な温度に保つ
- 暖房:寒い季節には室内の空気を暖める
- 除湿:湿度が高い日には、空気中の余分な水分を取り除く
- 空気清浄:空気中の塵や花粉、バクテリアなどを除去し、清潔な空気を供給する
- 循環:部屋の空気を均一に循環させ、温度差のない快適な環境を作る
室内機はこれらの機能を備え、一年を通じて室内環境を快適に保つ役割を果たしています。
室外機の機能
エアコンの室外機は、室内機とは異なる以下のような重要な機能を担っています。
- 熱の放出:室内から排出された熱を外気に放出する
- 圧縮機運転:冷媒を圧縮し、冷却サイクルを効率的に進行させる
- 冷媒の循環:冷媒を室内機と室外機の間で循環させ、継続的な冷暖房を提供する
室外機は主にこれらの機能を持ち、エアコンシステム全体の効率を高めるために不可欠です。
圧縮機は冷媒を圧縮し、熱交換プロセスを促進することで、室内機が室内の空気を冷暖房できるようにしています。
室外機はその性能と耐久性によって、エアコン全体の性能が大きく左右されるため、適切なメンテナンスが必要です。
エアコンの室外機はセットなの?
室内機と室外機は別々の機器だから、それぞれ別に手することもできるのかな?
エアコンを選ぶ際、「室内機と室外機は別々に買えるの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
また買い替え時に、どちらか一方はまだ使えるのでは、と感じる人もいるでしょう。
室内機と室外機は、物としては別々の機器ではありますが、どちらか一方のみを購入することは可能なのでしょうか。
室内機と室外機はセット
エアコンの室内機と室外機は通常、セットで販売されています。
室内機と室外機は、冷媒の流れや熱交換の効率を最大化するために連携して動作するもので、一般的に室内機と室外機は、互いに最適な性能を発揮できるようセットで設計されています。
一方を別のモデルやブランドで使用すると、効率が低下する可能性があります。
買い替え時に既存の室外機がまだ使えそう、知人から室内機だけもらった、といったケースもあるかもしれませんが、室内機と室外機を統一せずに使用することは好ましくありません。
室内機または室外機のいずれかが故障してしまった場合には、故障箇所のみを修理してもらうか、セットで買い替えるかの選択をすることになるでしょう。
ネットで買っても室内機と室外機はセット
インターネットでエアコンを購入する際も、室内機と室外機はセットで販売されることが一般的です。
オンラインショップや大手小売業者では、各エアコンモデルの仕様とともに、対応する室内機と室外機が一緒にリストされています。
特に商品画像に室内機の写真しかない場合には、不安を感じてしまう人もいるかもしれませんが、大抵は室外機もセットで販売されているので、心配する必要はありません。
このようにネットでの購入も、実店舗での購入と同様に、室内機と室外機をセットで扱うことが多いため、安心してショッピングを楽しめるでしょう。
室外機・室内機を別で買うことはできる?
エアコンの室内機と室外機は、機能の効率を考えてセットで設計されているものです。
しかしながら、高額な買い物となるエアコンなので、できるのであれば、どちらか一部のみを購入することでなんとか費用をおさえられないかと考える人もいるかもしれません。
室内機と室外機は、セットで使用することが良いとはいえ、別々で購入することはできるのでしょうか。
別々で買うことはできない
一般的に、エアコンの室内機と室外機はセットで設計されており、販売も同じメーカーの同一シリーズがセットで売られています。
異なるモデルの室内機と室外機では、冷媒の種類や必要な圧力が合わない可能性があり、システムの効率が低下し、消費電力が増加する恐れも。
また別々に購入した室内機と室外機では、保証が適用されないケースがあります。
一方が故障した場合、保証が無効になる可能性があり修理費用が高額になるリスクもあるでしょう。
大抵の場合、室内機と室外機が別売りされていることはないため、そもそも別々で購入すること自体できないと言えます。
故障の際は修理か買い替えを検討
エアコンが故障した場合には、故障している箇所の修理をおこなうか、セットで新しいモデルへ買い替えるかの2択となります。
たとえどちらか一方のみが使えるとしても、室内機・室外機のみを購入することはできません。
修理か買い替えかをどう判断するは、故障の原因と範囲、エアコンの現在の状態と年数によって異なります。
購入から間もない比較的新しいエアコンの場合や、エアコンの部品が故障している場合、また簡単に交換できる部分に問題がある場合は、修理の方が経済的です。
一方大きな故障が発生しており、修理費用が新しいエアコンの購入費用に匹敵する場合は、新しいモデルへ買い替えるのが望ましいです。
購入からかなりの期間が経っている場合にも、部品の手配などが難しい場合もあり、買い替えの方がコスパが良いかもしれません。
古いモデルはエネルギー効率が低いため、運転コストが高くなっています。エネルギー効率の良い新しいエアコンに買い替えることで、長期的な節約が期待できます。
エアコンの寿命はどれくらい?
エアコンの寿命は多くの要因によって影響を受けますが、一般的には約10年から15年とされています。
この期間は、使用環境、使用頻度、メンテナンス、製品の品質によって大きく異なることがあります。
適切な使用と定期的なメンテナンスが寿命を延ばす重要なポイントです。
- 使用環境:エアコンが設置されている場所の環境は、寿命に大きく影響します。例えば、高温多湿な環境にあるエアコンは内部の腐食が進みやすく、故障のリスクが高まるので注意が必要です。
- 使用頻度:エアコンが年間を通じて頻繁に使用される場合、機械的な摩耗が早く進むため、寿命が短くなる可能性があります。逆に、季節によって使用頻度が低い場合は、比較的長持ちすることが一般的です。
- メンテナンス:定期的なクリーニングと適切なメンテナンスは、エアコンの効率を保ち、故障を防ぐために非常に重要です。メンテナンスを怠るとエアコンの性能が低下し、早期に寿命を迎える原因となります。
- 製品の品質:高品質のエアコンは、耐久性のある材料と先進の技術で製造されているため、長期間にわたって高い性能を維持することが可能です。一方で、安価なモデルや信頼性の低いブランドの製品は、寿命が短い傾向にあります。
エアコンの寿命を最大限に延ばすためには、定期的なメンテナンスを行い、適切な使用方法を心がけることが重要です。
エアコンの購入費用の目安
エアコンの購入は、快適な室内環境を確保するために重要な投資です。
市場にはさまざまな種類のエアコンがあり、価格はその機能、容量、エネルギー効率によって大きく異なります。
初期投資は高く感じるかもしれませんが、選択するモデルによっては、長期的な運用コストを抑えることが可能です。
この章では、一般的な家庭用エアコンの購入費用の目安と、価格に影響を与える要因を詳しく解説し、購入時の参考になる情報を紹介します。
エアコンの購入費用
エアコンの購入費用は、一般的に5万円から20万円以上まで幅広く設定されています。
また、エアコンの価格は、その冷房・暖房能力に大きく依存します。
高いエネルギー効率を持つエアコンは初期費用は高いものの、電気代を節約できるため、長期的には経済的です。
空気清浄機能、除湿機能、スマート機能(Wi-Fi接続で遠隔操作)など、多機能を備えたモデルは価格が高くなります。
エアコンの設置費用
エアコンの設置費用は、購入費用とは別に必要です。
設置費用は、エアコンのタイプや設置の複雑さによって異なり、おおよそ10,000円から50,000円程度が一般的です。
室内機と室外機が別々の設置は、一体型や窓用エアコンよりも高額になる傾向があります。
壁に穴をあける必要がある場合や、電源が遠い場所にある場合、追加の配線が必要な場合など、工事が複雑になるほど費用は高くなります。
さらに設置業者によっても価格は異なりますので、複数の見積もりを比較することが重要です。
◆以下の記事で、おすすめのエアコンを紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
エアコンの修理費用の目安
エアコンのトラブルは季節を問わず発生する可能性があり、その修理費用は故障の種類や部品の価格、そして修理サービスの料金によって大きく異なります。
予期せぬ故障に備えて、修理費用の目安を知っておくことは重要です。
この章では、エアコンの室内機と室外機の修理にかかる一般的な費用を解説します。
室内機の修理費用目安
エアコンの室内機の修理費用は、故障の内容によって大きく異なります。
主な症状 | 修理費用の目安 |
---|---|
風が出ない | 10,000~130,000円 |
冷暖房が効かない | 30,000~170,000円 |
電源が入らない | 10,000~90,000円 |
羽が動かない | 5,000~30,000円 |
水漏れ | 10,000~60,000円 |
一般的なフィルター清掃や冷媒ガスの補充などの簡単なメンテナンスは比較的安価で、数千円から対応可能ですが、基盤の交換やファンモーターの故障などの複雑な修理が必要な場合は、数万円~数十万円の費用がかかることもあります。
特に、電子制御部分が故障した場合、修理費用は高額になる傾向にあり、新しいまた、修理業者の選定によっても費用は変動しますので、暮らしのマーケットやエアコンを購入することと比較する必要があるでしょう。
また、修理業者の選定によっても費用は変動しますので、くらしのマーケットやミツモアなどのサービス利用して、複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。
室外機の修理費用目安
室外機の修理に関しては、室内機と同様に故障の内容によって費用が大きく異なりますが、室外機の場合は修理がさらに高額になることが一般的です。
主な症状 | 修理費用の目安 |
---|---|
室外機が動かない | 20,000~110,000円 |
室外機は気象条件に直接さらされるため、コンプレッサーやファンなどの重要な部品が損傷しやすく、これらの部品を交換する場合、数万円から十万円以上の費用が発生することも珍しくありません。
特にコンプレッサーの交換は高額であり、エアコン本体の交換を検討するほどの費用がかかることもあります。
室外機の修理は専門的な技術を要するため、信頼できる修理業者に依頼することが重要です。
また、保証期間内であればメーカー保証が適用される場合もあるため、購入時の保証書の確認も忘れないようにしましょう。
エアコンの室外機と室内機は必ずセット!
エアコンの室内機と室外機は、効率的な空調システムを実現するためにはセットで購入する必要があります。
これらは互いに技術的に調整されており、一方のユニットだけを交換することは推奨されていません。
また家電量販店やインターネットショップでも、室外機と室内機は基本的にセットで販売されており、別々で購入すること自体できません。
室内機が空気を冷却または加熱し、室外機がこのプロセスで発生する熱を効果的に排出することで、全体として最高の性能を提供します。
適切なペアでなければ、エアコンの効率が低下し、エネルギーコストの増加や早期の故障につながる恐れがあります。
一方が故障した、知人から一方のみを譲り受けたなどのことがあっても、別々のモデルで使用することは避け、必ず室外機と室内機はセットとして使用するようにしましょう。