エアコンの湿度戻りしないメーカーはどれ?対策やおすすめ機能を解説

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エアコンの湿度戻りしないメーカーはどれ?対策やおすすめ機能を解説

エアコンの製品選びで重視すべきポイントのひとつに「湿度戻り」の少なさがあります。

特に日本のような高湿度の地域では、この湿度戻りが室内の快適さを大きく左右するポイントです。

メーカーによっては、特殊な技術や機能を搭載して湿度戻りを低減させるモデルもあります。

この記事では、湿度戻りを抑える技術が優れているエアコンメーカーの製品を紹介し、それぞれの機能性についても深堀りします。

また、エアコンを選ぶ際に考慮すべきその他の要素として、エネルギー効率や使用環境に応じた最適な機能についても解説していきましょう。

この記事でわかること

  • 室内温度が設定温度に達した際に、排出されるべき水分が室内に戻ってくることがあり、これを「湿度戻り」という
  • 室内の湿度が上がると、体感温度が上がり熱中症のリスクが高まったり、カビの発生原因になったりする
  • 湿度戻りを避けるためには、冷房の設定温度を下げたり、再熱除湿機能を使用したりすることができる

エアコンの「湿度戻り」とは?

「湿度戻り」ってあまり聞いたことのない言葉だけど、どんな現象のことを言うの?

エアコンの「湿度戻り」とは、エアコンが室内の湿気を効率的に外に排出した後に、再びその湿気が室内に戻ってしまう現象です。

室内の温度が設定温度まで達すると、エアコンは送風状態となりますが、その際に起こります。

冷房をつけているのに、なんだかムシムシするといった経験はないでしょうか?それが「湿度戻り」です。

この問題は、特に湿度が高い地域でのエアコン使用時に顕著になり、快適な室内環境を維持する上で大きな障害となることがあります。

湿度戻りが発生すると、室内がムシムシとした不快な状態になり、エアコンが冷房または除湿をさらに強めて対応しなければならず、結果としてエネルギーの無駄遣いにつながることも少なくありません。

湿度が上がるとどうなる?

適度な湿度は過ごしやすさを整えるために必要ではありますが、湿度が高すぎると体感温度の上昇を感じるだけでなく、カビやダニの繁殖などのトラブルリスクが増加します。

それでは、エアコンによる湿度戻りが起きて部屋の湿度が上昇した場合、具体的にどのような影響が出るのでしょう。

ここからは、室内の湿度が高い状況が続くことによってもたらされる影響について詳しく解説していきます。

体感温度が上がる

エアコンの湿度戻り現象が引き起こすひとつの問題は、室内の体感温度が実際よりも高く感じられることです。

高い湿度の環境下では、湿度が高いと空気中の水蒸気が飽和状態に近づき、人体の汗が蒸発しにくくなるため、自然な体温調節機能がうまく機能しなくなります。

皮膚表面の汗が蒸発する速度が遅くなるために、体から熱を放出する過程が妨げられて体温が下がりにくくなるのです。

体温が下がりにくくなってしまうと熱中症のリスクも高まります。

また、不快感だけでなく睡眠の質にも影響を与えるため、じめじめとした環境での睡眠は健康にも影響を及ぼしかねません。

熱中症のリスクが高まる

エアコンの湿度戻りは不快なだけでなく、室内の熱中症リスクを高める要因です。

エアコンの目的は室内温度を快適に保つことにありますが、湿度戻りが発生すると、本来排出されるはずの湿気が室内に再蓄積され、それがさらに湿度を増す一因となります。

高湿度環境下での体感温度は、実際の気温よりも高く感じられ、湿度が高いことで汗が蒸発しにくくなって自然な冷却作用が抑制されてしまうのです。

室内の温度が下がっていても、高湿度が継続することで蒸し暑さが増し、熱中症のリスクが上昇してしまいます。

特に夜間にエアコンを使用している場合、多湿環境が長時間継続すると、睡眠中の体温調節が難しくなって熱中症に至ることもあります。

カビが発生しやすくなる

エアコンの使用において湿度戻りは、室内の湿度を意図せず高めてしまう一因となり、高温多湿の環境はカビの繁殖を促進してしまいます。

特に湿度戻りでは、湿気が室内に再蓄積されることにより、壁や床、家具の表面に結露を生じさせます。

この結露がカビの胞子にとって絶好の成長環境をもたらし、放置することで健康リスクを伴うほどカビが増殖する可能性もあります。

カビは見た目にも不快感を与えるばかりか、アレルギー症状の悪化や喘息発作を引き起こす原因です。

小さな子どもや高齢者、呼吸器系の弱い人にとって、住環境の質を大きく下げる原因となってしまいます。

快適な湿度はどれくらい?

一般的に、人が快適さを感じる室内湿度は40%から60%の間とされています。

この範囲を保つことで、空気が適度に湿っていて呼吸を楽にできて、肌や喉の乾燥も防げます。

しかし湿度戻りによってこの範囲を超えると、不快な環境が生まれて健康問題にも繋がりかねません。

室内の湿度が60%以上になると、空気中の水分が多すぎて体温調節が難しくなってしまい、体に熱がこもりやすく感じるために熱中症のリスクもかなり高まります。

部屋の湿度が高い場合には除湿機などを併用して、湿度を適切に保つための対策が必要となるでしょう。

湿度戻りしないおすすめのエアコンメーカー

湿度戻りを最小限に抑えるエアコンを選ぶことは、特に湿気が多い住まいにおいて重要です。

市場には多くのメーカーが存在しますが、すべてのエアコンが同じ性能を提供しているわけではありません。

ここでは湿度戻りを効果的にコントロールするための高機能を搭載した、おすすめのエアコンメーカーを紹介します。

それぞれのメーカーがどのような技術を用い、どのような利点があるのかを詳しく解説し、快適な室内環境を維持するための最適な選択肢を探しましょう。

湿度戻りしない「再熱除湿」機能

エアコンの再熱除湿機能は、湿度戻りを防ぎながらも室温を快適に保つ機能です。

エアコンが室内の湿気を吸収した後、冷却過程で除去された水分を外に排出する前に、再び熱を加えて室内の空気を温める仕組みです。

その結果、冷えすぎを防ぎつつ湿度をコントロールできるもので、特に梅雨時や湿度が高い日には有効な機能です。

一般的な除湿・ドライ機能は、室温を下げながら除湿をする機能であり、冷房をつける程でもない季節には寒すぎてしまうこともありますが、再熱除湿機能なら、室温を下げずに湿度だけを下げられます。

ただし、この再熱除湿機能はすべてのエアコン・メーカーで採用されている機能ではなく、こだわる人はエアコン選びから注視しておかなければなりません。

また再熱除湿機能では、空気を加熱する工程が加わっているため、電気代が冷房や除湿よりも高くなるという面もあります。

以下では、各メーカーの再熱除湿機能について詳しく解説していきます。

三菱電機「さらっと除湿冷房」

三菱電機の独自機能「さらっと除湿冷房」は、高湿度の環境下でも快適な室内環境を実現する技術です。

最大の特徴は、室内の湿度を感知し、自動で最適な運転モードに切り替える能力です。

通常の冷房モードと除湿モードの中間に位置し、室内の温度を大きく下げることなく湿度だけをコントロールします。湿度戻りの問題を大幅に減少させながら、エネルギー消費を抑えられるのです。

センサーが室内の湿度を継続的に監視し、設定した快適範囲を超える湿気が感知された場合には、除湿力を強化して対応します。

モデル名霧ヶ峰 MSZ-X4024S(霧ヶ峰 Xシリーズ)
畳数目安14畳用
冷房対応畳数冷房17畳まで
暖房対応畳数暖房14畳まで
年間電気代31,428円
本体サイズ(室内機)幅799mm×高さ295mm×奥行389mm
重量(室内機)17 kg

ダイキン「さらら除湿」

ダイキンエアコンは「さらら除湿」機能で知られています。さらら除湿機能を搭載したダイキンのエアコンは、ただ冷やすだけではなく、室内の湿度を適切に管理し、湿度戻りの問題を解決します。

「さらら除湿」は通常の冷房モードとは異なり、冷却過程で室内の湿気を計算し尽くした上で、最適な温度まで下げることなく湿度だけを効率よく除去します。

室内は過剰に冷やされることなく、常に快適な湿度レベルを保てます。無駄な冷房運転を減らすことで電力消費を抑え、環境にも優しい運用が可能です。

室内の湿度と温度を個別にコントロールすることで、エアコンが不必要に動作することがなく、結果としてランニングコストの削減にもつながります。

モデル名うるさらX S404ATRP-W(うるさら RXシリーズ)
畳数目安おもに14畳用
冷房対応畳数冷房17畳まで
暖房対応畳数暖房14畳まで
年間電気代28,782円
本体サイズ(室内機)幅798mm×高さ295mm×奥行370mm
重量(室内機)16.5kg

日立「カラッと除湿」

日立のエアコンは「カラッと除湿」機能を搭載しており、特に湿度が高い日本の夏に最適な性能を発揮します。

「カラッと除湿」はただ単に湿気を取り除くのではなく、室内の温度を大きく下げることなく湿度をコントロールするので、冷えすぎを防ぎながらも空気をさわやかに保てます。

大きな特徴は、高精度な湿度センサーが連続して室内の湿度を測定し、湿度が設定値を超えるとエアコンに信号を送り、除湿モードが働きます。理想的な湿度レベルを自動で維持する点がとても効率的です。

また、日立のエアコンは、除湿中にも室温の変動を最小限に抑える技術を採用しています。

従来の除湿機能では室温が低下しすぎることがありましたが、「カラッと除湿」ではその点が大きく改善され、夏場でも冷えすぎによる不快感を感じることなく、適度な涼しさを保ちます。

モデル名白くまくん RAS-X40N2(白くまくん Xシリーズ)
畳数目安おもに14畳用
冷房対応畳数冷房17畳まで
暖房対応畳数暖房14畳まで
年間電気代27,972円
本体サイズ(室内機)幅798mm×高さ295mm×奥行385mm
重量(室内機)16.5kg

富士通ゼネラル「さらさら冷房」

富士通ゼネラルでは、「さらさら冷房」という機能を搭載し、室内の湿度と温度を適切にコントロールして不快な湿気を感じさせずに快適な空間を保ちます。

エアコンが自動で湿度を調整し、冷気だけでなく湿度も同時に管理するため、室内がべたつかずにいつでもさらさらとした空気です。

高度な湿度センサーが室内の湿度レベルをリアルタイムで測定し、データを基に湿度が高くなりすぎないよう運転モードを調整しています。

湿度が急激に変化する日本の梅雨時や夏場でも、室内環境を一定に保つことが可能です。

無駄な冷房運転を抑えることで消費電力を節約し、電気代の削減にも関係します。

モデル名ノクリア AS-W404R2(ノクリア Wシリーズ)
畳数目安おもに14畳用
冷房対応畳数冷房17畳まで
暖房対応畳数暖房14畳まで
年間電気代30,942円
本体サイズ(室内機)幅798mm×高さ293mm×奥行385mm
重量(室内機)17.5kg

湿度戻りの対処法

湿度戻りは、エアコンが室内の湿気を効果的に排出できていないことを示す現象で、これを解決するための対策は多岐にわたります。

ここからは、湿度戻りを最小限に抑える具体的な方法を紹介し、より快適な室内環境を保つためのアドバイスを解説していきましょう。

適切なエアコンの選び方から、日常の湿度管理まで、家庭やオフィスの空間をより快適に保って快適に過ごすための実用的なヒントが満載です。

エアコン使用時の不快感を解消し、快適な生活空間を維持するための知識が得られます。

設定温度を下げる

湿度戻りを効果的に管理する方法として、エアコンの設定温度を適切に下げることが挙げられます。

設定温度を下げるとは、エアコンの温度設定を通常よりも低くすることです。

一般的に、エアコンの設定温度を22〜25度の間に設定することが多いですが、湿度戻りが問題となる場合は、20〜22度に設定を下げることを試みると良いでしょう。

この温度範囲ではエアコンが空気中の水分をより効率的に凝縮して除湿できます。

設定温度を下げると冷却コイルに通過する空気の温度が低くなるため、空気中の水蒸気が冷却コイル上でより多く凝縮されます。

室内の湿気が効果的に除去され、湿度戻りの問題を大幅に軽減させることが可能です。

設定温度を下げ過ぎるとエネルギー消費が増加するため、経済性と環境負荷のバランスも考慮しなければなりません。

除湿運転を使用する

エアコンの除湿運転機能を利用するのも、湿度戻りを管理する方法です。

単に室内の空気を冷やすのではなく、空気中の余分な湿気を積極的に取り除いて湿度をコントロールします。

除湿運転は、エアコンが冷却モードよりも低い能力で運転を行ない、空気から水分を効率良く除去します。

エアコンのコイルを通過する空気が冷やされ、その過程で空気中の湿気が結露としてコイルに集まり、ドレインを通じて室外に排出されるため室内の湿度が管理されるのです。

除湿モードの使用は特に、湿度が高い日や雨天時に効果を発揮します。

さらに湿度が適切に管理されることで、カビの発生やダニの繁殖を防ぎ、アレルギーの原因となる要素を減少させられます。

ただし再熱除湿ではない一般的な除湿機能では、室温も下がってしまうため注意が必要です。

風量を弱にする

湿度戻りの簡単な対処法のひとつとして、風量を弱に設定することも有効です。

風量を弱に設定することによって、空気をゆっくりと吹き出す低速運転が行なわれます。

エアコン内部の冷却コイルで空気が長く留まり、湿気をより多く凝結させて外に排出する効率を高められるのです。

速い風量では空気が急速に通過するため、湿気を捕捉し冷却コイルで凝結させる時間が不足し、結果として湿気が室内に戻りやすくなります。

風量を弱に設定することは、エアコンのエネルギー消費を削減する効果もあり、ゆっくり運転することで消費電力が減少し節電にも繋がります。

室内の温度変化も緩やかになるので、体感温度の急な変化による不快感を避けられます。

フィルターの掃除をする

エアコンのフィルターが汚れていると、本来排出されるべき湿気が室内に戻ってしまい、空気の流れが妨げられて運転効率が大きく低下し、湿度戻りの原因となってしまいます。

フィルター掃除の基本は、エアコンを使用するシーズンの始まりと終わりに、少なくとも2回は実施することです。

掃除方法はフィルターをエアコンから取り外し、軽い汚れであれば掃除機で吸い取るか、水洗いをしてください。

水洗いだけでなく、ぬるま湯と中性洗剤を使うとよりきれいに汚れを落とせるので効果的です。

湿った状態でフィルターを戻すとカビの発生や不快な臭いの原因となるため、洗った後はしっかりと水分を取り除き、完全に乾かしてから再度取り付けます。

フィルターの掃除頻度はペットを飼っている家や、街中で外気の汚染が激しい場所に住んでいる場合などにはフィルターが早く汚れやすいため、2週間に1回、もしくは月に1回のクリーニングが推奨されます。

◆以下の記事で、エアコンのフィルター掃除とその効果について詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。

室外機の掃除をする

エアコンの室外機はエアコンシステムの中で熱交換を担う重要な部分です。

この室外機に万が一のトラブルなどがあると、正しく冷暖房の運転が行なわれなかったり、熱効率を著しく低下させたりします。

効率が低下すると、エアコンは冷却能力を維持するために余計なエネルギーを消費し、それが湿度戻りの原因となることもあるのです。

室外機の掃除は、熱交換器のコイルやファンの汚れを取り除くことに重点を置きましょう。

特に熱交換器のコイルについては、汚れが蓄積すると冷却効果が阻害され、冷媒の温度が下がりにくいです。

掃除を行なう際には、まず室外機を遮るものがないか確認し、十分な空気の流れを確保してください。

エアコンの湿度戻りには再熱除湿が有効!

エアコンの湿度戻りを効果的に抑制するためには、再熱除湿機能を備えたモデル選びがおすすめです。

再熱除湿は、除湿した後の空気を再び温めることで室内の湿度レベルをコントロールし、快適な室温を維持するものです。

湿度を下げるだけでなく、冷えすぎを防ぎながら室内環境を快適に保てます。

再熱除湿機能を持つエアコンは、特に湿度が高く不快感を感じやすい季節に最適です。

湿度が制御されることで、カビの繁殖やダニの活動が抑えられ、アレルギー症状や呼吸器系の問題を引き起こすリスクも低減されます。

再熱除湿機能付きのエアコンを選ぶ際には、その機能の効果を最大限に引き出すため、部屋のサイズや形状、日常的な使用状況を考慮した上で、最適な製品を選びましょう。

また、定期的なメンテナンスを忘れずに行ない、エアコンの性能を常に最良の状態に保つことも欠かせません。

再熱除湿機能を活用して、より快適で過ごしやすい生活空間を実現しましょう。

◆弱冷房除湿と再熱除湿の見分け方は、下記の記事で詳しく紹介しています。

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