LANケーブルを壁に配線したいけどなんだか難しそうと思っていませんか?壁に配線した経験がないと何が必要なのかもよく分からないですよね。この記事ではLANケーブルを壁に固定するためのアイテムと、壁に配線するのに向いたおすすめのLANケーブルを紹介します。
壁に傷をつけられないアパートやマンションでもスッキリ配線できるようにサポートするので参考にしてみてください。
LANケーブルは露出配線で壁に沿わせて設置しよう
LANケーブルを壁に配線する方法には「壁内配線」と「露出配線」があります。壁内配線は壁の中にLANケーブルを埋め込んでしまう配線。露出配線はLANケーブルを壁に沿わせる配線です。
壁内配線は工事が必要になり、素人が自分で配線するのはやや難しいです。賃貸に住んでいる場合はそもそも工事の許可が下りないかもしれません。一方、露出配線はモールや固定フックを使ってLANケーブルを壁に沿わせるだけなので、自分で作業しやすいでしょう。
LANケーブルを床に置いていると足が引っかかったり、踏んでLANケーブルが劣化したりとトラブルの元になります。また、見た目も美しくなく生活感が漂ってしまいます。トラブルを防ぎ、部屋をスッキリさせるためにもLANケーブルは露出配線で壁に配線しましょう。
LANケーブルを露出配線にするメリット・デメリット
LANケーブルを露出配線にするメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | ・自分で作業しやすい ・あまり手間がかからない ・LANケーブルを交換しやすい |
デメリット | ・壁内配線に比べると見た目がすっきりしない |
露出配線は壁に穴を開けなくてもよいので、自分でも作業しやすい配線です。簡単な道具さえあればできるのであまり手間はかかりません。LANケーブルを買い替えたときも、壁内配線より交換しやすいのも魅力です。
一方、壁に埋め込むわけではないので、LANケーブルやモールは部屋の中から見える状態になります。そのため、壁内配線に比べると見た目はすっきりしません。とはいえ、床にLANケーブルが散らかっているよりはぐっと見た目は良くなります。
LANケーブルを壁に固定するためのアイテム
LANケーブルを壁に固定するためにはモールか固定フックを使います。両方ともECサイトなどで安く売っているので手に入れやすいですよ。それぞれ作業内容や仕上がりの印象が異なるのでお好みの方を選んでください。ここからはモールと固定フックについてそれぞれの特徴を解説します。
モール
モールは壁に配線をしながら、LANケーブルを隠せるアイテムです。主にパイプと蓋で構成されていて、パイプにLANケーブルを通して蓋をするとLANケーブルが外から見えなくなります。簡単な作業手順は以下の通りです。
- 取り付ける壁を掃除する
- パイプを必要な長さに切る
- 壁に両面テープを貼る
- 壁にパイプを貼り付ける
- ケーブルをパイプに入れる
- 蓋をする
部屋の壁と似た色のモールを購入すればあまり違和感を感じない見た目になります。少し設置に手間はかかりますが、見栄えがよいのでおすすめの方法です。
なお、モールには丸形と角形があります。丸形は床に設置するためのものです。壁への配線には角形のモールを選んでください。
固定フック
固定フックは粘着面によってさまざまな場所にくっつきながらケーブルを固定できるアイテムです。固定フックを使った配線の簡単な作業手順は以下の通りです。
- 壁を掃除する
- フックの粘着面を壁につける
- 一定時間放置する
- ケーブルを通す
固定フックを使った配線作業は非常に簡単です。その代わりLANケーブルが外から見える状態になるので、モールほど見た目はすっきりしません。見た目よりも作業の簡単さを優先したい場合には固定フックを選びましょう。
壁に配線しやすいLANケーブル
壁に沿わせて配線するなら、要所要所で特殊なLANケーブルを使うのがおすすめです。普通のLANケーブルと形状や特徴が違うので取り回しがしやすく、配線によるトラブルの心配も少なくなります。ここからは壁に配線しやすいLANケーブルを紹介します。
フラットLANケーブル
フラットLANケーブルは平たいLANケーブルです。普通のLANケーブルのように丸くないのですきまに通しやすいのが魅力です。しかし、平たい分普通のLANケーブルほど耐久性は高くありません。劣化しやすいので取り扱いには注意し、ドアなどで挟み込まないようにしてください。
またフラットLANケーブルは普通のLANケーブルに比べると通信品質が低下しやすいのがデメリット。フラットLANケーブルを使う必要のない箇所では普通のLANケーブルを使いましょう。
高屈曲LANケーブル
高屈曲LANケーブルは90°の角度でも曲がるLANケーブルです。角を曲がる配線などに便利に使えます。普通のLANケーブルは直角に曲げると断線する危険があるので、屈曲させるのは厳禁です。角などにLANケーブルを這わせる場合は高屈曲LANケーブルを使いましょう。
すきま用LANケーブル
すきま用LANケーブルは、ドアなどのすきまが狭すぎる場合に使うすきま専用のLANケーブルです。アルミなどでケーブルが強化されていて、狭いすきまにも配線しやすくなっています。
普通のLANケーブルやフラットLANケーブルを狭いすきまに配線してしまうとドアなどで擦れて劣化や断線を招いてしまうので、狭いすきまでは無理せずすきま用LANケーブルを使いましょう。
ただしすきま用LANケーブルであっても、あまりに環境が悪いと断線の危険があります。常にドアなどの開け閉めによって衝撃が加わる場所や鋭角の物に接触する場には使えないので要注意です。
壁配線におすすめのLANケーブル
まずは壁配線におすすめのLANケーブルを紹介します。家の間取りや、どこからどこまでLANケーブルを引きたいかによって、買った方がよいLANケーブルは異なります。すきまや角をいくつ経由しそうかを確認して、以下のLANケーブルを検討してみてください。
なおLANケーブルには「カテゴリ」があります。カテゴリによって通信速度などが異なるので、LANケーブルを買うならカテゴリをチェックしてから買うのがおすすめです。
◆LANケーブルのカテゴリについては下記の記事を参考にしてみてください。
バッファロー BUFFALO ツメの折れないLANケーブル BSLS6AFU20BK2
ツメが折れないのが魅力のフラットLANケーブルです。長さは2mあるので、余程長い距離を繋ぐのでなければ十分でしょう。カテゴリが6aなので通信速度も良好。必要な設備さえ揃っていればPCゲームをするのにも十分使える通信速度が出ます。
コネクタが抜き差ししやすく持ちやすいデザインになっていて、日頃の使い勝手にも配慮されています。フラットLANケーブルで迷っているなら選んでおいて損はない商品です。
カテゴリ | 6a |
長さ | 2m |
lovicool LANケーブル
8mのフラットLANケーブルです。普通のフラットLANケーブルでは長さが足りないなら、こちらの商品を検討してみましょう。カテゴリは6なので他の設備に問題がなければ動画もサクサク観られます。
ケーブルがやわらかいので取り回ししやすいのも魅力です。10mの長さがありながら重量は僅か160gなので扱いやすく感じるはずです。
カテゴリ | 6 |
長さ | 8m |
サンワサプライ 高屈曲フラットLANケーブル KB-FL6FA-005BK
0.5mの高屈曲フラットLANケーブルです。配線箇所に角があるなら、こちらの商品を使いましょう。屈曲試験30万回に耐えた製品なので屈曲に強く、薄さ1.4mmのフラットな形状なのですきまにも配線できます。
カテゴリは6なので通信速度も問題ありません。1本持っておくと便利に使える商品です。
カテゴリ | 6 |
長さ | 0.5m |
エレコム LANケーブル すきま用 LD-VAPF/SV05
アルミでケーブルを強化したすきま用LANケーブルです。薄さ約1.4mmですきまの配線にぴったりです。カテゴリは5eで一般家庭なら許容範囲。通信速度が速い方がよい人はオプションでCAT6Aの商品を選びましょう。
カテゴリ | 5e |
サイズ | 21.79×8.79×4.9 cm |
F-Factory 隙間LANケーブル FE-PLN-SKC605
薄さ約1.5mmのすきま用LANケーブルです。高耐久なのが特徴で、適切に使えば長持ちします。カテゴリ6なので一般家庭で使いやすいでしょう。長さも50cmあれば、どんな自宅のすきまにもほぼ対応できるはずです。特に欠点が見当たらず使いやすいおすすめの商品です。
カテゴリ | 6 |
サイズ | 30.2×7.4×1.3 cm |
◆以下の記事で、おすすめのLANケーブルを紹介しています。参考にしてみてください。
壁配線におすすめのLANケーブル固定アイテム
壁配線におすすめのLANケーブル固定アイテムも紹介します。モールと固定フックからおすすめの商品を2品ずつ選びました。
それぞれサイズや色などの特徴が異なるので、自宅に合った商品を選びましょう。仕上がりの好みや作業の難易度などを考えながらそれぞれの固定アイテムを検討してみてください。
3M ケーブルクリップ CMG-S-CL20
強く接着してキレイに剝がせるのが売りの固定フックです。付属の粘着テープを1つ1つフックの裏に貼る作業があるので少し面倒ですが、簡単に貼り付けられるので不器用な人でも困りません。クリアタイプなので目立ちにくいのも魅力です。
直径6mmのコードまで対応しており、20個入りです。あまり長い配線をしないなら十分足りるでしょう。キレイに剥がせる目立たない固定フックを探している人におすすめです。
Viaky ケーブルクリップ
白色で小型の固定フックです。テープ台紙を剥がして押し付けるだけで接着できるので簡単に使えます。小型でも内径が大きいので直径7mmのコードまで対応できるのが特徴。
60個入りなので余程長い配線でなければ数も十分足りるはずです。白のクリップが目立たない部屋であればおすすめです。
Suke 配線モール
付属している両面テープで簡単に設置できる配線モールです。モール同士の接続方法は複数選べるので、角があってもLANケーブルを隠したまま配線できます。
そのほか直角の配線やT字の配線もできるので、複雑な配線がしたい方におすすめの商品です。商品のリンク先は白色の商品ですが、黒色の商品もあります。
サイズ | 40×1.5×0.9cm |
本数 | 15本 |
leocaslet 配線カバー
高い耐久性を持つ丈夫な配線モールです。カット済みの両面テープが付属しているので、経験がない人にも設置しやすいでしょう。しかし、モール同士の接続方法はありません。そのため、角などではモールを繋ぐものがなく、LANケーブルが露出します。
LANケーブルが露出してしまうと散らかった印象になってしまうので、あくまで直線的に配線したいときに使うのがおすすめです。色は白色のみの展開ですが、塗装しやすいのでDIYが得意な人は部屋の壁の色に合わせて塗装できます。
サイズ | 40×1.5×0.9cm |
本数 | 15本 |
壁にLANケーブルを配線する際の注意点
壁にLANケーブルを配線する際にはいくつか注意した方がよい点があります。特に注意したいのは以下の点です。
- モールやフックは巾木(はばき)に固定する
- LANケーブルの1点に重さがかかるようにしない
まず、壁にLANケーブルを配線する際にはなるべく巾木にモールやフックを固定するようにしましょう。巾木とは、壁と床の間の部材を指します。モールやフックを壁紙に直接固定するよう促す商品も多いですが、商品によっては貼り付けた跡が残ってしまいます。
マンションやアパートでは退去するときのトラブルの元にもなるので、なるべく壁の一番下の固い材質の巾木に固定しましょう。
また、LANケーブルは断線や劣化を防ぐために1点に重さがかからないようにしてください。特にフックを使って固定する場合は、フックの数を少なくするとLANケーブルに負担がかかってしまいます。なるべくこまめにフックを使いましょう。
まとめ
今回はLANケーブルを壁に配線するのにおすすめのケーブルと固定アイテムを紹介してきました。自分でLANケーブルを配線するなら、壁に沿わせて配線する露出配線がおすすめです。注意点を踏まえて、適切な固定アイテムで配線を行えば壁に傷をつけずに配線できますよ。
LANケーブルを壁に配線できたら、もうつまずく心配もありませんし、見た目もすっきりします。不便さから解放されて、LANケーブルも長持ちしやすくなるのでメリットばかりです。配線作業は少し面倒に感じるかもしれませんが簡単に作業できるアイテムも多数出ています。