入浴は健康に良いと分かっていながらも、何もしないで長時間浸かるのはちょっと退屈ですよね。そんなバスタイムのお供になるのが、浴室でも視聴できる防水機能付きのお風呂テレビです。
一日の疲れを癒しながら好きな番組やコンテンツを視聴できるお風呂テレビは、災害時の情報入手に役立つポータブルテレビとしても活躍します。
今回は、防水機能付きのお風呂テレビの選び方について、種類や機能の違いをご紹介していきます。
防水お風呂テレビの種類
防水のお風呂テレビには、大きく分けると2つの種類があります。気軽に使える「ポータブル型」と多機能を持つ「埋め込み型」です。
それでは、ポータブルタイプと埋め込みタイプのそれぞれのメリットやデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
賃貸でも使用できるポータブルテレビ
ポータブルとはいわゆる「据え置き型」のテレビです。受信設定の手間がなく手軽に視聴を楽しめる点がメリットになります。
手頃なサイズ感で持ち運びが可能なので、電波さえ届けばどこでも視聴が可能です。災害時にも役立つため、近年では有事の際の防災グッズとしても注目されています。
デメリットとしては、電波を受信するチューナーがテレビ本体に内蔵されているので、埋め込み型などと比べると、テレビ本体がやや大きくなることが挙げられます。
本格的な機能を持つ後付け工事
後付け工事が必要なタイプには、「壁掛け型」と「埋め込み型」があります。ポータブル型と比べ、本格的な機能を備えており、埋め込むことでテレビが落下せず、デザインやインテリアとしても優れています。
埋め込みや配線工事が必須になるので、工事の時間や手間、初期費用はかかりますが、高画質での視聴や多機能を備えた快適な視聴を楽しめます。賃貸での設置工事は難しいため、持ち家の方におすすめのタイプです。
工事費用を含め、とにかく初期費用を抑えたい場合におすすめなのが、壁掛け型です。配線工事は必要になりますが、液晶の埋め込みは不要で、浴室の壁に掛けて使用するタイプになります。ただし、取り付けのビスが緩むと落下の危険性もあるので、メンテナンスに注意が必要です。
防水お風呂テレビの機能
お風呂テレビを選ぶ際には、製品の持つ機能に注目して選ぶことがおすすめです。
浴室用として重視したい防水性能にもレベルがあり、レベルが高いほど防水性が高くなります。他にも、画質や再生時間、Wi-Fiに対応しているかどうかなども、重視すべきポイントです。
続いては、お風呂テレビ選びで着目したい、テレビの機能についてご紹介しましょう。
防水性能
お風呂テレビの防水性能にはレベルがあります。性能の高さは「IPX」という数値によって表され、これが高いほど防水性が高い機器となります。
IPXは、5以上のものが防水機能付きとされますが、浴室用としては最低でもIPX6以上のものだと安心です。IPX7にもなると、水中に30分間沈めるテストをクリアしているので、うっかり湯船に落としても壊れる心配がありません。ちなみにIPX8では、水面下で使用できるテストをクリアしています。
画面サイズ
浴室で使用するテレビとなると、浴槽や窓の縁部分に置いたりと、テレビを置くスペースが限られてしまいますよね。浴室に無理なく置ける画面サイズとしては、10インチから15インチ程度をがおすすめです。
12インチは、一般的なタブレットやノートパソコンの画面サイズとしても主流なので、大きすぎず小さすぎず、適した大きさすと言えます。10インチはスマートフォンよりもやや大きいサイズ感で、湯船に浸かりながら手持ちで視聴することも可能です。
ポータブル型ではどうしても機器の厚みが生じますので、省スペースでテレビを置く場合には、下にトレイを置くなど工夫すると安定感が出ます。
画質と電波
テレビ視聴では、画質と電波も気になるポイントです。電波の受信環境は「フルセグ」と「ワンセグ」の2種類に分けられます。フルセグは、リビング用のテレビなどと同じ画質を持ち、フルHDの高画質で視聴することも可能で、番組表などのコンテンツも閲覧できます。
デメリットとしては、浴室の場所や電波状況によっては、通信が繋がりにくくなる点です。ただし、室内アンテナを設置することで通信状態を改善できます。
どうしてもフルセグで電波が届きにくい場合は、ワンセグタイプをおすすめします。カーナビやスマートフォンでも視聴できるワンセグは、フルセグと比べると解像度が粗くはなりますが、安定した電波受信が可能です。製品によっては、フルセグ・ワンセグのどちらにも対応しており、電波状況に応じて自動で切り替わるものもあります。
Wi-Fi対応の有無
Wi-Fiに対応している機器は、YouTubeやAmazonプライム、Netflixといった、オンラインの動画配信サービスも視聴できます。
Wi-Fi接続が可能なお風呂テレビは、主にチューナーが分離しているタイプの製品です。製品によっては、テレビ上からログインすれば、面倒な設定手順を踏まなくても簡単に視聴利用できるものもあります。有料系の動画配信サービスをメインに視聴予定の方は、Wi-Fi対応製品を購入しましょう。
連続再生時間
浴室に持ち込んで使用するお風呂テレビは、バッテリーの持ち時間も考慮すべきポイントです。連続再生時間が長ければ、「うっかり充電を忘れてしまい、入浴中に視聴できなかった…」という失敗も減らせます。
一般的な防水機能付きテレビは、ほとんどが3時間から3時間半程度、連続使用が可能ですが、1時間以上入浴する方や家族の多いご家庭は、より長く連続再生できる製品を選びましょう。仮に1回の入浴時間を1時間とすると、4時間連続再生できる製品なら、単純計算で4日に1度の充電で済み、手間が少なく済みます。
録画機能の有無
お風呂テレビは、HDDが内蔵されているタイプや、外付けして接続できるタイプがあります。こういった製品を選べば、リビング用テレビと同様に番組録画が可能です。
録画番組は、気づくとどんどん溜まってしまい、休日にまとめて視聴する方も多いはず。入浴時間を利用して視聴すれば、録り溜めた番組をこまめに消化できますよ。
バスタイムを充実させたい方や、時間を有効に活用したいと考えている方は、予算に余裕があれば録画機能付きのテレビを検討しても良いでしょう。
その他の便利機能
お風呂テレビには、様々な便利機能を持つ製品が登場しており、映像ディスクの再生やチャンネル予約など、リビングで使うテレビとほとんど変わらない機能を持つ製品もあります。あることでさらに便利さが増す機能について、いくつか見ていきましょう。
DVD・ブルーレイ再生
お風呂でお気に入りのDVDやBlu-rayを楽しみたい方は、映像ディスク再生に対応している機器がおすすめです。お気に入りのアーティストのライブDVDを再生すると、浴室がライブ会場に様変わりしますね！
チューナーが内蔵されているタイプの場合は、映像ディスクを本体にセットして視聴します。チューナーが分離しているタイプでは、チューナーに映像ディスクをセットして視聴します。
多機能レコーダーとの連携
Panasonicの「ディーガ」といった、多機能レコーダーをすでにお持ちの方には、レコーダーとの連携機能を持ったお風呂テレビがおすすめです。
多機能レコーダーと連携させることで、過去に録画したお気に入りの番組や映画を見返すこともできるので、お風呂テレビをサブとして便利に使うことができます。
タッチパネル・リモコン操作
お風呂テレビには、リモコン操作やボタン操作以外にも、スマートフォンやタブレット端末のようにタッチパネルで操作できるタイプがあります。
タッチパネル操作では濡れている手でもタッチ操作が可能なので、普段から慣れている方は直感的な操作ができて便利です。特に、動画配信サービスなどで見たいタイトルを検索する際に、タッチパネルの方がリモコンやボタン操作よりも文字入力が簡単にできます。
リモコン操作の場合は、やや離れた場所からテレビ視聴する際に遠隔操作ができるため便利ですが、リモコンには防水性能がない場合が多いため、水場での操作は注意が必要です。
タイマー表示
キッチンでテレビを視聴しながら調理をする場合は、タイマー表示機能付きの製品が便利です。テレビでレシピや調理手順を確認しながら、タイマー機能も果たしてくれます。
番組を観ていると、予定よりも長湯してしまいがちですが、タイマーを設定して入浴すれば、自分の決めた時間で入浴できます。
また目覚ましとしても使える「オンタイマー」、就寝時に便利な「オフタイマー」といった機能もあります。
チャンネル切替予約
チャンネル切替予約機能とは、あらかじめ視聴したい番組を設定しておくと、番組が開始したときに自動でチャンネルを切り替えてくれる機能です。また、テレビの電源をオフにしていても、時間になると自動で電源がオンになるので、アラームとしても利用できます。
チャンネル切替予約機能を使えば、家事や作業などに夢中になっていても番組を観忘れる心配がありません。
防水お風呂テレビの選び方
便利な機能が搭載されたモデルが多く販売されているお風呂テレビ。豊富なラインナップの中から何を選べばいいのか迷ってしまいますよね。
そんなあなたに、お風呂テレビを選ぶ際のポイントを絞ってみました。これからご紹介する4点を着目ポイントとして、自分の使い方や環境にぴったりな製品を選んでみましょう。
画質と電波の良さ
フルセグ・ワンセグのどちらかにより、画質と電波の良さが異なります。電波が届きにくいとスムーズに番組を視聴できず、せっかくのリラックスタイムにストレスが溜まってしまいますね。普段から高画質に慣れている方や、画質にこだわりがある方は、ワンセグで視聴すると解像度の粗さが気になるかもしれません。
自分がストレスなく視聴を楽しむために、画質と電波状態のどちらを優先するかを検討しましょう。
防水機能の高さ
浴室で視聴するテレビですから、防水機能の高さも重要視しておきたいポイントです。うっかり湯船に落として壊してしまわないか、気づかないうちにシャワーが長く当たって壊れないかなど不安な方は、高い防水機能を持った製品を購入すれば安心ですよ。
お風呂テレビの基本的な防水基準IPX6以上を目安に、利用シーンを考慮しながら検討しましょう。
お風呂以外での用途の有無
お風呂テレビを、浴室以外でも使用する場合には、操作性にも注目しましょう。例えば、キッチンでレシピ動画などを観ながら調理時に視聴する場合には、タッチパネル操作の製品が便利でしょう。濡れた手でも操作ができますし、いちいちリモコンを手に取る手間がありません。
また、屋外でもテレビを使う予定がある方には、ポータブル型の購入がおすすめです。チューナーが一体になっているポータブル型では、電波さえ届けばどこでもテレビを視聴できます。
Wi-Fi対応の有無
テレビよりもオンラインでの動画配信サービスや動画サイトを視聴する頻度が多くなりそうな方は、Wi-Fiに対応している製品を選びましょう。Wi-Fiに繋ぐことができれば、AmazonプライムやNetflixなどの動画配信サービスで映画やドラマを視聴したり、YouTubeでお気に入りのチャンネルをチェックしたりすることができます。
おすすめの防水お風呂テレビ
ここからは、おすすめしたい防水お風呂テレビについて、具体的な製品をご紹介していきます。どれも大手のブランドばかりで、高品質のものが提供されています。
Panasonicプライベート・ビエラ
日本が誇る家電メーカー、Panasonicから販売されているお風呂テレビでは、プライベート・ビエラがおすすめです。画面サイズはコンパクトな10v型から迫力ある映像を楽しめる19v型まで展開されており、ポータブル型とチューナー分離型があります。動画配信サービス対応の機種が多く、連続再生時間は最大で約3時間半の製品が販売されています。
中でも「UN-15LD11」モデルは、500GBの内蔵ハードディスクが搭載されており、最長で約672.5時間の番組を録画できる優れものです。2番組を同時に録画することもできるので、観たい番組が重なってしまったときも安心です。
SHARP AQUOSポータブル
SHARPの「AQUOSポータブル」は、防水機能付きのタッチパネルなので、操作がとても簡単でスピーディーに行えます。スワイプやピンチイン、ピンチアウトといった操作性も備わっているため、スマートフォンやタブレット感覚で使用できます。
液晶画面は撥水コーティング仕様なので、浴室以外にも油や調味料などの跳ねが気になるキッチンでも、気にせず使える製品です。
山善 キュリオム
山善から販売されている「キュリオム」は、災害時の使用に特化したポータブルテレビです。電源は、乾電池やモバイルバッテリーの他に、AC100Vや手回しでの充電にも対応しています。搭載されているコンデンサー充電池は、10年間使用せずに放置していても充電ができる、長寿命の電池です。10年経っていても、手回しで充電すれば電源が入ります。
非常時の備蓄品として、食料品はこまめに期限を確認して買い替える必要がありますが、キュリオムは一度購入すれば、レギュラーとして10年は使えるのです。他にも、LEDライト機能やサイレン機能なども搭載されており、防災グッズとして一台用意しておきたいテレビと言えるでしょう。
ツインバード
続いては、工事が必要な後付け型のお風呂テレビのご紹介です。
ツインバードでは、「心にささるものだけを。」をコンセプトに、シンプルなお風呂テレビを取り扱っています。多機能を必要とせず、最低限の機能があればいいという方は、ツインバードのお風呂テレビがおすすめです。
画面サイズは12v型から32v型の大型液晶まで展開されており、見慣れた浴室がワンランク上のラグジュアリー空間に様変わり。工事と含めて初期費用はかかりますが、こだわりのリラックス空間を作りたいという方にはおすすめです。
リンナイ
浴室の一流メーカーとして有名なリンナイでも、埋め込み型のお風呂テレビを取り扱っています。
優れている点としては、高い防水性とお手入れのしやすさです。壁にすんなりとなじむデザイン性は、拭き取り掃除がしやすく、浴室の悩みの種でもあるカビが発生しにくく設計されています。浴室メーカーであるからこそ、お手入れなどの衛生面にも配慮されて作られているのが嬉しいポイントですね。
また、主に工事費を含んだ価格で販売されているので、初期費用を抑えたい方にはおすすめのメーカーです。工事対応エリア内であれば、自身で業者を手配する必要もなく、工事保証も5年間付いています。
ノーリツ
同じく浴室関連のメーカーであるノーリツからも、最新のワンセグ技術が搭載されたお風呂テレビが販売されています。ワンセグというと、どうしても画質が粗かったり色調が悪かったりというイメージがありますが、ノーリツのお風呂テレビは段階補正機能やガンマ補正機能が搭載されており、くっきりと高画質の映像を楽しめますよ。
「電波状況が悪くてワンセグにせざるを得ないけど画質はなるべく良いものにしたい…」とお悩みの方にはノーリツがおすすめです。埋め込みタイプでも比較的リーズナブルな価格設定なので、お財布にも優しいという点も嬉しいポイントです。
防水お風呂テレビは機能と予算を照らし合わせて選ぼう
今回は、お風呂で視聴できる防水機能付きのテレビについて、機能の違いや選び方のポイントなどをご紹介してきました。
お風呂テレビを選ぶ際には、まずは防水性能に注目し、画質や電波の良さ、画面サイズや連続再生時間などもチェックしてみてください。また、最近のモデルには便利な機能も多く搭載されていますので、自分の使い方やライフスタイルに合うものを選びましょう。
ゆっくり湯船に浸かりたいけど早風呂になってしまいがちな方は、浴室にテレビを導入してみましょう。疲れた体を癒しながら心もリラックスできれば、バスタイムがより充実したものになりますよ。
