引っ越し後に電気が二重契約・二重請求に?症状別の見分け方と対処

引っ越しのあとに「電気の請求が2つ来た」「二重契約になっているのでは?」と不安になる方は少なくありません。
結論から言うと、電気は仕組み上、同じ場所で2社と同時に契約状態になることは原則ありません。
多くは「切り替え・引っ越しの月に旧契約と新契約の請求が別々に来る(正常)」か、「旧居の解約を忘れて基本料金がかかり続けている(要対処)」のどちらかです。
この記事では、あなたの「二重」がどれに当てはまるかを症状から切り分け、解約忘れは早く動くほど損失が小さい理由と対処を、公式情報をもとに整理します。
- 電気が「二重契約」になりにくい理由(仕組み)
- 「二重に見える請求」が正常か要対処かの症状別の見分け方
- 旧居の解約忘れで損する金額の目安(放置月数別)
- 解約忘れに気づいたときの対処ステップ(早いほど損失が小さい理由)
- 主要電力会社の使用停止(解約)のWeb受付の早見表
そもそも電気は「二重契約」になるの?
まず押さえたいのは、同じ場所(供給地点)に対して電気の契約を二重に登録することは、仕組み上できないようになっているという点です。
電力会社の切り替えや引っ越しの手続きは、電力広域的運営推進機関(OCCTO)の「スイッチング支援システム」を通じて処理され、すでに登録されている供給地点への重複した申し込みはエラーとして排除されます(出典:電力広域的運営推進機関(OCCTO)公式サイト)。
電気の使用場所は「供給地点特定番号」という22桁の番号で管理されており、契約先を変えるときにこの番号が使われます(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
さらに電力会社を切り替えるときは、今契約している会社の解約は、切り替え先の会社が代わりに手続きしてくれるため、自分で二重に契約を残してしまうことは通常ありません(出典:資源エネルギー庁公式サイト)。
用語のちがい
「二重契約」は同じ場所で契約が2つある状態(仕組み上ほぼ起きない)。「二重請求」は請求が2つ届くこと(切り替え月は正常なことが多い)。「解約忘れ」は旧居の契約を止め忘れて基本料金がかかり続ける状態(=本当に注意すべきケース)。不安なのは多くが「二重請求」か「解約忘れ」です。
その請求は「正常」か「要対処」か(症状別)
届いた請求が問題ないものか、対処が必要なものかは、次の症状で見分けられます。
まずは自分がどれに当てはまるかを確認しましょう。
| 症状 | よくある原因 | 判定 | まずやること |
|---|---|---|---|
| 引っ越し・切替の月に請求が2つ来た | 旧契約の最終請求(日割り)と新契約の初回請求 | ✅ 正常 | 使用期間が重なっていないか明細を確認 |
| 旧居ぶんの請求が毎月ずっと続く | 旧居の使用停止(解約)を忘れている | ⚠ 要対処 | 旧居エリアの会社へ今すぐ使用停止の連絡 |
| 契約した覚えがないのに電気が使えて請求が来た | 前入居者の解約後、無契約のまま通電していた等 | ⚠ 要チェック | 自分名義で使用開始を申し込む |
| 同じ月ぶんを2回払ってしまった | 口座振替とコンビニ払いが重なった等 | △ 精算対象 | 原則は次回請求と相殺(後述) |
【正常】切替・引っ越しの月に請求が2つ来る
引っ越しや電力会社の切り替えでは、契約の開始・廃止のときに使用日数に応じて日割り計算が行われます(出典:中国電力公式サイト)。
そのため、旧契約の最終請求(前回検針日から停止日まで)と、新契約の初回請求が別々に届くのはごく普通のことです。
使用期間が二重に重なっていなければ問題ありません。
解約後の最終請求のしくみや、いつ届くか・返金までの詳細は電気の解約後の最終請求・精算・返金の記事でくわしく解説しています。
【要対処】旧居の解約忘れで基本料金がかかり続ける
本当に注意すべきなのがこのケースです。
旧居の使用停止(解約)を忘れると契約が続いたままになり、電気を使っていなくても基本料金がかかり続けます。
たとえば東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bでは、基本料金は30Aで935円25銭、40Aで1,247円00銭です。まったく電気を使わなくても基本料金の半額はかかるため、放置するほど損失が積み上がります(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
| 契約容量 | 基本料金/月 | 3か月放置 | 6か月放置 | 12か月放置 |
|---|---|---|---|---|
| 30A | 935円25銭 | 約2,806円 | 約5,612円 | 約11,223円 |
| 40A | 1,247円00銭 | 約3,741円 | 約7,482円 | 約14,964円 |
契約容量や基本料金が小さいプランほど損失は小さくなりますが、いずれにしても気づいたら早く止めるのが正解です。
【要チェック】契約した覚えがないのに電気が使えている
入居してすぐ、自分で契約手続きをしていないのに電気が点いていることがあります。
ただし、一時的に使う場合でも、小売電気事業者との契約は必要です(出典:資源エネルギー庁公式サイト)。
九州電力も、契約手続き前に電気が点いた場合でも使用開始の申し込みが必要と案内しています(出典:九州電力公式サイト)。
放置すると前入居者名義のままだったり、あとでまとめて請求されたりするため、自分の名義で使用開始を申し込みましょう。使用開始の手順は電気の使用開始手続きの記事で解説しています。
解約忘れに気づいたときの対処ステップ
「旧居の請求が続いている」と気づいたら、次の順で対処します。
解約は連絡した日より前にさかのぼれないため、一日でも早く動くことが損失を抑えるコツです。
届いた請求書や検針票、マイページで、どの会社のどの供給地点(旧居か新居か)の請求かを確認します。旧居ぶんが続いているなら、旧居エリアの契約先が対象です。
使用停止の手続きをします。使用停止日は手続き日より前にさかのぼることはできません(出典:中部電力ミライズ公式サイト)。だからこそ、気づいた時点ですぐ連絡するほど基本料金の負担が小さくて済みます。解約手続きの詳細は電気の解約・使用停止の手続きの記事へ。
主要電力会社の使用停止(解約)Web受付 早見表
使用停止(解約)は、多くの会社がインターネットで受け付けています。
ただし受け付けられる停止日の範囲は会社ごとに異なります。
| 会社 | Web受付 | 停止日の目安 |
|---|---|---|
| 東京電力EP | 可 | 原則 当日〜31日先まで(期間外は電話) |
| 関西電力 | 可 | 停止日は翌日以降を選択(一部は電話) |
| 中部電力ミライズ | 可 | 廃止日は手続き日をさかのぼれない |
| 九州電力 | 可 | 電気のみは退去日が本日以降(電気+ガスは2営業日以降) |
同じ月ぶんを二重に払ってしまったら
口座振替とコンビニ払いが重なるなどして同じ月ぶんを二重に支払ってしまった場合は、原則として以後の請求と相殺して精算されます(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
解約後で相殺できない場合の返金方法など、二重払いの精算・返金のくわしい流れは電気の解約後の最終請求・精算・返金の記事にまとめています。
なお、料金を払わずに放置して電気が止まる「滞納」とは別の話です。滞納した場合の流れは電気代を滞納するとどうなるかの記事をご覧ください。
よくある質問
まとめ
引っ越し後の「二重」は、まず症状を切り分けることが大切です。
電気は同じ場所で二重契約にはならず、切替・引っ越し月に請求が2つ来るのは日割りによる正常な現象です。
本当に注意すべきは旧居の解約忘れで、使っていなくても基本料金がかかり続けます。
使用停止は手続き日より前にさかのぼれないため、気づいたら一日でも早く旧居エリアの会社へ連絡しましょう。
二重に払ってしまったぶんは原則として次回請求と相殺されます。
「旧居の解約がまだ」「どこに連絡すればいいかわからない」というときは、早めに相談するのが安心です。
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