電気の契約者が亡くなったときの相続と精算|継承の扱いは電力会社で違う

本記事の情報は2026年10月時点のものです。手続きの呼称や受付方法は電力会社により異なり、変更される場合があります。最新情報は各電力会社・小売電気事業者の公式サイトでご確認ください。

親などご家族が亡くなったとき、実家の電気をどうすればいいのかは、意外と迷いやすい手続きです。
「電気は自動で止まるの?」「名義変更と解約どっち?」「料金の支払いはどうなる?」——こうした疑問を、電力会社や公的機関の公式情報をもとに整理します。

この記事では、まず何を判断すればよいか、名義変更と解約(廃止)の手続き、料金の精算、そして相続との関係までをやさしく解説します。

📋 この記事でわかること
  • 契約者が亡くなったとき、まず何を決めればいいか
  • 電気を使い続ける場合の名義変更のしかた
  • 誰も住まない実家の解約(廃止)と料金の精算
  • 手続きの連絡先(どの会社に電話する?)
  • 故人の口座から引き落としていたときの支払方法
  • 電気料金の未払いと相続の関係

契約者が亡くなったらまず契約先に連絡する

まず大切なのは、家族から契約先の電力会社に連絡して手続きをするということです。
東京電力エナジーパートナーは名義変更(契約者ご逝去による継承等)を電話で(出典:東京電力エナジーパートナー)、東北電力は契約者の逝去に伴う名義変更をチャットサポートでも受け付けています(出典:東北電力)。

確認した範囲(東京電力エナジーパートナー・東北電力・中部電力ミライズ・九州電力の名義変更の案内)では、契約者が亡くなると電気が自動で止まるという記載は見当たりませんでした。
そのため、これからの使い方に応じて次のどちらかの手続きを進めます。

  • その家で電気を使い続ける(同居のご家族が住み続ける等)→ 名義変更
  • もう誰も住まない・使わない(空き家・売却・解体等)→ 解約(使用停止・廃止)

どちらにあたるかで手続きが分かれます。まずはこの2つのどちらかを決めるところからです。

これからの使い方 必要な手続き ポイント
家族が住み続ける 名義変更 会社により継承、または契約終了+新しい名義
誰も住まない(空き家・売却) 解約(使用停止・廃止) 停止日を決めて契約先に連絡
支払う人をはっきり分けたい 廃止+新規契約 支払いを分けて、新しい名義で契約し直す
「廃止+新規契約」は中部電力ミライズの案内の例です。手続きの呼称・受付方法は電力会社により異なります。契約先の公式案内でご確認ください。

使い続ける場合は会社ごとに扱いが分かれる

名義変更そのものの手順や、結婚・同居家族への変更など死亡以外のケースを含めた全体像は 電気の名義変更のやり方 にまとめています。
ここでは、契約者が亡くなったときに特有の論点——会社によって継承できるかが分かれる点と、未払い料金が相続にどう関わるかに絞って解説します。

同居のご家族が住み続けるなど電気を使い続ける場合も、会社によって扱いが違います。
たとえば東京電力エナジーパートナーは、名義変更(契約者の逝去による継承等)の手続きを電話で受け付けると案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー)。
一方、九州電力は「ご使用実態に変化のあるもの(契約者のご他界に伴う名義変更等)は現在のご契約を終了のうえ、新しい名義でご契約を承ります」としています(出典:九州電力)。

このようにそのまま継承できるか、契約終了+新名義になるかは会社ごとに異なります。
どちらになるかで必要な連絡や支払いの区切り方が変わるため、契約先の案内を必ず確認してください。

死亡診断書や戸籍は必要になる?

中部電力ミライズは、名義変更などの電話の際に「お客さま番号」を手元に用意するよう案内し、番号がない場合は「ご住所およびご契約名義などからお調べいたします」としています(出典:中部電力ミライズ)。
用意するもの全般は 電気の名義変更のやり方 で解説しています。
ここで多くの方が迷うのが、死亡を証明する書類が要るのかどうかです。

確認した4社(東京電力エナジーパートナー・中部電力ミライズ・九州電力・東北電力)の名義変更の案内には、死亡診断書や戸籍などの提出を求める記載は見当たりませんでした。
受付方法は会社で異なり、東京電力エナジーパートナー・九州電力は電話で受け付ける一方、東北電力は名義変更を「原則として書面での変更手続き」としています(出典:東京電力エナジーパートナー・九州電力・東北電力)。

ただし「必要書類は一切不要」と断定できるわけではありません。
必要なものは契約先の電力会社に確認するのが確実です。

「実家の電気の手続きをどう進めればいいか分からない」「そもそもどの会社と契約しているのか分からない」という方は、電気手続き受付センターにご相談ください。
電気の名義変更・解約・切り替えの手続きを、まとめてサポートします。

誰も住まない場合=解約(使用停止)の手続き

実家を空き家にする、売却する、解体するなどもう誰も電気を使わない場合は「解約(使用停止・廃止)」をします。
使用停止日を決めて、契約先に連絡します。

東京電力エナジーパートナーは、使用停止について「停止日当日中はご利用いただけます。停止日の夜0時に電気が止まります」と案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー)。
片付けや遺品整理で当日まで電気を使いたい場合は、この点を踏まえて停止日を決めるとよいでしょう。

また、故人の分と新しく住む人の分で支払いをはっきり分けたい場合の扱いは、契約先で確認しましょう。
たとえば中部電力ミライズは「旧契約名義人と新契約名義人で、電気料金のお支払いを分ける場合については、電気のご使用廃止およびご使用開始のお手続きが必要となります」としています(出典:中部電力ミライズ)。

連絡先は「契約している電力会社」

手続きの連絡先は、故人が契約していた電力会社(小売電気事業者)です。
東京電力エナジーパートナーや九州電力も、名義変更を自社の窓口(電話)で受け付けています(出典:東京電力エナジーパートナー・九州電力)。

電力の小売は自由化されており、大手電力会社だけでなく新電力と契約しているケースもあります。
資源エネルギー庁は「一般家庭においても、ライフスタイルなどに合わせて電力会社を自由に選ぶことができるようになりました」とし、あわせて「送配電部門については、電力小売全面自由化後も、政府が許可した事業者が担っています」と説明しています(出典:資源エネルギー庁)。

そのため、まずは検針票や口座引き落とし・クレジットの明細で、どの会社と契約しているかを確認しましょう。

故人の口座から引き落としていたとき

電気料金を故人名義の口座から引き落としていた場合は、名義変更とあわせて支払方法も見直す必要があります。
法務省の資料によると、相続された預貯金は、2019年6月までの制度では遺産分割が終わるまで相続人が単独で払い戻すことができませんでした(出典:法務省)。
2019年7月からは、遺産分割の前でも、口座ごとに「相続開始時の預貯金額×3分の1×その相続人の法定相続分」まで(1つの金融機関からは150万円まで)、相続人が単独で払戻しを受けられる制度ができています(出典:法務省)。

故人名義の口座からの引き落としを続けられるかは契約先に確認し、使い続ける人の口座やクレジットカードへの切り替えも検討しましょう。

引き落としができなかったときの扱いは、たとえば東京電力エナジーパートナーでは契約内容によって異なります。
東京電力エナジーパートナーは、口座振替日の指定がない契約で初回の振替日に引き落としができなかった場合、理由が残高不足以外なら再振替をせずに振込用紙(請求書)を送ると案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー)。

同社の規制料金プラン(従量電灯など)では、引き落としができないと口座振替払いが解約され、次回以降は振込用紙での支払いになる場合があります(出典:東京電力エナジーパートナー)。
支払方法を変える手順は、電気の支払い方法を変更するにはで解説しています。

電気料金の未払いと相続の関係

故人に電気料金の未払いがあると、電気の手続きが相続と関わってくることがあります。
国税庁は、相続税を計算するときに遺産総額から差し引ける債務を「被相続人が死亡したときに現に存在した被相続人の債務(借入金や未払金など)で確実と認められるもの」と説明しています(出典:国税庁)。
同庁のこの説明に電気料金の記載はないため、故人の未払いの電気料金をどう扱うかは、相続税の申告が必要な場合に税理士などの専門家に確認しましょう。

未払いの料金があるときは、名義変更で支払いがどう扱われるかも確認しておきましょう。
東京電力エナジーパートナーでは、継承などで名義変更をすると「現在ご請求中のお支払いも名義変更後の方に引き継がれます」と案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー)。

同社は、引き継ぎを希望しない場合は「一度、契約を終了して新規でのご契約が必要です」としています(出典:東京電力エナジーパートナー)。
引き継ぎたくない場合の考え方や、名義変更に必要なものは 電気の名義変更のやり方 で解説しています。

一方で、借金など故人の債務を一切受け継ぎたくない場合は、相続放棄という方法があります。
裁判所は、相続放棄について「相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない」もので「家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません」と案内しています(出典:裁判所)。

相続放棄を検討している場合は、電気などの名義変更・支払いをする前に、専門家(弁護士・司法書士等)や家庭裁判所に相談するのが安全です。

契約者が亡くなったときの電気とあわせて読みたい記事

よくある質問

契約者が亡くなったら、電気は自動で止まりますか?

確認した範囲(東京電力エナジーパートナー・東北電力・中部電力ミライズ・九州電力の名義変更の案内)では、自動で止まるという記載は見当たりませんでした。各社とも家族からの連絡で名義変更などを受け付けています。家族が住み続けるなら名義変更、誰も住まないなら解約(使用停止)と、状況に応じて契約先に連絡しましょう。

名義変更に、死亡診断書や戸籍は必要ですか?

確認した4社(東京電力エナジーパートナー・中部電力ミライズ・九州電力・東北電力)の名義変更の案内には、死亡診断書や戸籍の提出を求める記載は見当たりませんでした。受付方法は電話や書面など会社で異なります。ただし「一切不要」と断定はできません。必要なものは契約先にご確認ください。

どの会社に連絡すればいいか分かりません。

故人が契約していた電力会社(小売電気事業者)が連絡先です。大手電力だけでなく新電力の場合もあるため、まず検針票や口座引き落とし・クレジット明細で契約先を確認しましょう。

故人の未払い電気料金は、誰が払うのですか?

東京電力エナジーパートナーでは、名義変更で契約を継承すると請求中の支払いも新しい名義の人に引き継がれます。同社では、引き継ぎたくない場合は一度契約を終了して新規で契約し直す必要があります。債務を一切受け継ぎたくない場合は相続放棄という方法があり、家庭裁判所への申述が必要です。判断に迷う場合は専門家に相談しましょう。

まとめ

契約者が亡くなったら、家族から契約先の電力会社に連絡して手続きをします。
家族が住み続けるなら名義変更、誰も住まないなら解約(使用停止・廃止)と、これからの使い方で手続きが分かれます。
東京電力エナジーパートナーでは継承すると請求中の支払いも引き継がれること、会社によって「継承」か「契約終了+新名義」かが分かれることに注意しましょう。

故人の口座から引き落としていた場合は、支払方法の切り替えも忘れずに。
連絡先は故人が契約していた小売の電力会社で、まず検針票などで契約先を確認します。
相続放棄を考えるなら、支払い前に専門家や家庭裁判所へ相談すると安心です。

実家の電気の手続きでお困りなら

「実家の電気をどうすればいいか分からない」「名義変更か解約か迷っている」という方は、電気手続き受付センターにお気軽にご相談ください。
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