感震ブレーカーは付けるべき?4つのタイプの違いとデメリット・補助金の探し方

本記事の情報は2026年10月時点のものです。感震ブレーカーの補助・配付の制度や費用の目安は、自治体や資料の年度によって異なり、変更される場合があります。最新情報は内閣府・消防庁・お住まいの自治体の公式サイトでご確認ください。

「感震ブレーカーって、本当に付けたほうがいいの?」
じつは、内閣府などがまとめた資料では、阪神・淡路大震災の地震火災139件のうち85件(約6割)が電気火災でした(出典:内閣府など 令和8年1月資料)。
一方で、内閣府の検討会資料は、揺れと同時に電気が遮断されると、夜間は照明が点かないなど避難の支障になることが懸念されるとしています。

この記事では、感震ブレーカーの4つのタイプの違いと費用の目安、付ける前に知っておきたいデメリット、賃貸での付け方、市区町村ごとに違う補助金の探し方を、内閣府・消防庁・自治体の公式情報をもとに整理します。

📋 この記事でわかること
  • 感震ブレーカーが止める電気と、地震火災との関係
  • 分電盤タイプ・コンセントタイプ・簡易タイプの違いと費用の目安
  • 夜間の停電や医療機器など、付ける前に知っておきたいデメリット
  • 自宅に付いているかの確かめ方と、賃貸での付け方
  • 市区町村ごとに違う補助金・配付の探し方と、点検商法への注意
  • 地震のあと、電気を戻すときに確かめること

感震ブレーカーとは大きな揺れで電気を自動で止める器具

内閣府のチラシ(令和8年3月作成)は、感震ブレーカー等を、震度5強相当以上の揺れを感知した際に、ブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に止める器具と説明しています(出典:内閣府 防災情報のページ)。
同じチラシは、アンペアブレーカーや漏電ブレーカーとは異なるものであり、遮断までの時間や作動する震度を変更できるタイプもあるとしています。
内閣府は、不在のときや、ブレーカーを切って避難する余裕がないときに電気火災を防ぐ有効な手段と位置づけています。

どんな火災を防ぐのかは、内閣府の令和8年3月のチラシにある例がわかりやすいでしょう。
外出中に揺れで電気ストーブのスイッチが入り、覆いかぶさった洗濯物に着火する例と、停電から電気が戻ったときに半抜けのコンセントから火花が出て、周りのほこりなどに着火する例が挙げられています(出典:内閣府)。

📊 数字で見る「付ける意味」
  • 過去の地震火災のうち電気火災:阪神・淡路大震災は139件中85件(約6割)、東日本大震災は108件中58件(約5割強)(出典:内閣府など 令和8年1月資料)
  • 首都直下地震の想定:都心南部直下地震(冬・夕方、風速8m/s)で設置率が現状の20%から100%になると、焼失棟数は約268,000棟から約74,000棟(72%減)になる試算(出典:首都直下地震対策検討ワーキンググループ 令和7年12月)
  • いまの設置率:内閣府の令和6年度調査では、首都圏の戸建住宅で危険密集地域30.5%、それ以外の地域20.3%(出典:消防庁 検討会資料)

4つのタイプは止まる範囲と工事の要否が違う

内閣府の令和8年3月のチラシは、分電盤タイプと簡易タイプは家中の電気を一括で遮断し、コンセントタイプは接続した機器だけを遮断すると整理しています(出典:内閣府)。
費用と工事の要否は、内閣府の平成31年4月版のチラシが、分電盤タイプを内蔵型と後付型に分けた4つのタイプで目安を示しています。

タイプ止まる範囲電気工事費用の目安
分電盤タイプ(内蔵型)家中の電気を一括で遮断必要約5〜8万円(標準的なもの)
分電盤タイプ(後付型)家中の電気を一括で遮断必要(漏電ブレーカーがある場合に設置可能)約2万円
コンセントタイプ接続した機器だけを遮断埋込型は必要/タップ型は不要約5千円〜2万円程度
簡易タイプ家中の電気を一括で遮断不要約2〜4千円程度
出典:内閣府 令和8年3月チラシ(止まる範囲)、内閣府 平成31年4月版チラシ(電気工事・費用の目安)

簡易タイプの費用は、資料によって目安が少し違います。
内閣府などの令和8年1月資料の参考頁では、簡易タイプを3,000円〜4,000円程度としています(出典:内閣府など 令和8年1月資料)。
簡易タイプは、ばねの作動や重りの落下などでブレーカーを切る仕組みで、平成31年4月版のチラシはホームセンターや家電量販店で購入できると案内しています(出典:内閣府)。

止まるタイミングもタイプで違います。
内閣府の平成31年4月版のチラシによると、分電盤タイプは地震を検知すると3分間警報が鳴り、3分たってから主幹漏電ブレーカーを自動で遮断します(出典:内閣府)。
令和8年3月のチラシは、遮断までの時間や作動する震度を変更できるタイプもあるとしています。

一方、簡易タイプについて、内閣府の検討会資料は揺れと同時に電気が遮断されることをデメリットに挙げています(出典:内閣府 検討会資料)。

付ける前に知っておきたいデメリットと注意点

内閣府は、感震ブレーカー等を設置する際は、急に電気が止まっても困らないための対策とあわせて取り組むことが必要としています(出典:内閣府)。
公的資料が挙げている注意点を、まとめておきます。

⚠️ 公的資料にある主な注意点
  • 夜は照明が消える:内閣府の検討会資料は、揺れと同時に電気が遮断されると、夜間は照明が点かない・玄関のオートロックが作動しない・テレビやラジオから情報が取れないなど、避難の支障になることが懸念されると整理しています(出典:内閣府 検討会資料)
  • 医療機器:内閣府は、生命の維持に直結する医療用機器を設置している場合は、停電に対処できるバッテリー等を備えるよう求めています(出典:内閣府)
  • 作動のずれ:経済産業省は、設置状況によっては発表震度が設定作動震度より小さくても作動したり、大きくても作動しなかったりする場合があるとしています(出典:経済産業省)
  • 簡易タイプの信頼性:内閣府の検討会資料は、取り付け方などにより地震以外の振動で作動する可能性があることを挙げています(出典:内閣府 検討会資料)
  • コンセントタイプの限界:内閣府などの令和8年1月資料は、コンセント以外の配線、コンセントまでの屋内配線、付けていないコンセントで起きる火災は予防できないとしています(出典:内閣府など)
  • 蓄電池のある家:内閣府は、蓄電池を設置した住宅では、感震ブレーカーを設置していても通電する仕様の場合があるとしています(出典:内閣府)

夜の明かりについて、内閣府は停電時に作動する足元灯や懐中電灯などの照明器具を常備するよう呼びかけています(出典:内閣府)。
経済産業省は、作動のずれがあるため、感震ブレーカー等の有無にかかわらず、避難するときはブレーカーを切るよう求めています(出典:経済産業省)。
簡易タイプについて、内閣府のガイドラインは、分電盤のふたの有無やノブを動かすのに必要な力などの適合性に気をつけ、粘着テープで付ける場合は、誤作動を防ぐため必要に応じて固定状況の確認やテープの交換を行うよう求めています(出典:内閣府 感震ブレーカー等の性能評価ガイドライン)。

わが家に付いているか・どれを選ぶかの確かめ方

最初に、すでに付いていないかを確かめます。
内閣府の令和8年3月のチラシは、分電盤は住宅の玄関・廊下・洗面所・キッチンなどに設置されることが多いとしたうえで、次の2点を確かめる項目に挙げています(出典:内閣府)。

  • 分電盤に感震装置が付いているか
  • 分電盤の近くに、増設型の感震ブレーカーがないか

同じチラシは、感震機能が付いているかどうかを「感震機能付住宅用分電盤・感震装置認定品リスト」で確かめるよう案内しています。
どのタイプにするかについては、チラシのフローチャートが、分電盤の買い換えや機能追加が「できる」人の例を、持家の方(非賃貸)や住宅購入を検討中の方としています。
難しい場合は、簡易タイプやコンセントタイプも検討するよう案内しています。

配付を申請する前に確かめることの一例です。
東京都北区は、窓口で配付を申請する場合、事前に自宅の分電盤にカバー(ふた)が付いているかと、アース付きコンセントがあるかを確かめるよう案内しています(出典:東京都北区)。

後付けの方法と頼み先賃貸の場合の注意

分電盤タイプとコンセントタイプの埋込型は、電気工事が必要なタイプです。
電気工事士法は、第一種または第二種電気工事士でなければ、一般用電気工作物等の電気工事の作業に従事してはならないと定めています(省令で定める作業を除く)(出典:e-Gov法令検索 電気工事士法)。
内閣府の性能評価ガイドラインも、分電盤タイプの設置には電気工事士による電気工事が必要としています(出典:内閣府)。

頼み先について、内閣府の平成31年4月版のチラシは、電気工事を伴うものは近くの電気工事店へ、伴わないものは防災用品等を扱うお店へ問い合わせるよう案内しています(出典:内閣府)。
関西電気保安協会も、知り合いや近くの電気工事店などに相談し、出張費や工事費などの費用も電気工事店などに問い合わせるよう案内しています(出典:関西電気保安協会)。
分電盤ごと新しくする場合の頼み先と費用の考え方は、分電盤・ブレーカーの交換は誰に頼む?で整理しています。

賃貸に住んでいる場合は、付ける前に貸主側と話しておきましょう。
横浜市は、賃貸に住む人は原状回復が必要となる場合があるため、貸主等と相談のうえで感震ブレーカーを設置するよう案内しています(出典:横浜市)。
大阪市の感震ブレーカー設置促進事業(令和8年度・東成区・生野区・天王寺区の一部の対象エリアに限り、RC造・SRC造は対象外)では、賃貸住宅に住む人も申請できますが、建物所有者の同意が必要です(出典:大阪市)。

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補助金・配付は市区町村ごとに違う

内閣府の令和8年3月のチラシは、自治体で感震ブレーカーに関する補助を行っている場合があるとして、お住まいの自治体のホームページ等で確かめるよう案内しています(出典:内閣府)。
ただし、支援がある市区町村はまだ少数です。

消防庁の令和7年度調査では、住民の感震ブレーカーの購入・設置を支援している市区町村は、1,741のうち260(15%)でした(出典:消防庁 検討会資料)。
同じ調査で、支援している市区町村の割合は、鳥取の95%(18/19)から、青森・岩手などの0%まで、都道府県によって差があります。

東京都・横浜市・大阪市の例を並べると、次のとおりです。

自治体対象・内容注意点
東京都区市町村が行う設置支援事業の経費の一部を都が補助対象の機器・世帯は区市町村によって異なる
東京都(購入費補助)都内で新築・リフォームを行う住宅事業者が対象。分電盤タイプ内蔵型の購入費の2分の1(上限3万円)住宅事業者向け。設置費用は対象外
横浜市重点対策地域の世帯は器具代を全額補助、それ以外の地域は一部補助申請期間は令和8年6月1日〜令和9年1月31日(消印有効)。予算に達し次第終了
大阪市東成区・生野区・天王寺区の一部地区の木造等の住宅が対象(RC造・SRC造は対象外)。分電盤タイプの設置費用の3分の2(最大7万円)交付申請前に工事契約をすると原則申請できない
出典:東京都防災ホームページ(区市町村への補助)、同(住宅事業者向け購入費補助)、横浜市、大阪市 令和8年度 手引き

全国の一覧としては、内閣府が「都道府県・市区町村における感震ブレーカーの支援制度一覧(令和6年度)」を、消防庁ホームページの資料へのリンクで公開しています(出典:内閣府)。
令和6年度時点の一覧のため、使える制度があるかの最終確認は、お住まいの市区町村のホームページで行いましょう。

大阪市のように交付申請の前に工事を契約すると、原則として補助を申請できない制度もあります。
申請と契約・購入の順番は、制度ごとの案内で確かめましょう。

分電盤をめぐる勧誘にも気をつけてください。
国民生活センターによると、分電盤の点検商法に関する相談は2025年度に6,545件で、前年度の約5倍でした(出典:国民生活センター)。

国民生活センターは、法定点検では点検後に調査員が分電盤の交換工事の契約を持ち掛けることはないとしています。
本物の点検との見分け方は、「電気の点検に来た」は本物?で詳しく整理しています。

地震のあと電気を戻すときに確かめること

感震ブレーカーが作動したあとも、電気を戻す前の確認が欠かせません。
避難するときから電気を戻したあとまでの流れを、公的機関の案内に沿って並べます。

STEP
避難するときはブレーカーを切る

東京電力パワーグリッドは、避難するときには電気の消し忘れによる事故を防ぐため、分電盤のブレーカーを切るよう案内しています(出典:東京電力パワーグリッド)。

STEP
帰宅して明かりがつかなければ作動を疑う

内閣府は、避難先から帰宅して照明等がつかない場合、感震ブレーカーが作動している場合があるとしています(出典:内閣府)。

STEP
戻す前に家の中を点検する

内閣府は、リセット前の点検として、ヒーターや白熱灯の周辺に可燃物がないこと、すぐに使わないアイロン・ドライヤー等のコンセントを抜くこと、電気製品やコンセントに水がかかっていないことの確認を挙げています(出典:内閣府 感震ブレーカーの取扱いの留意点)。
復電の前には、ガス漏れ等がないことや電気製品の安全も確かめるよう求めています(出典:内閣府)。

STEP
ブレーカーは一つずつ入れる

関西電力送配電は、避難先から戻ったら電気器具やガス器具に異常がないかを点検し、ブレーカーを一つずつ確認しながら入れるよう案内しています(出典:関西電力送配電)。
内閣府は、復電後に焦げたような臭いがしたら、直ちにブレーカーを遮断するよう求めています。

ブレーカーを入れても電気がつかないときや、入れてもすぐ落ちるときは、別の原因も考えられます。
ブレーカーが落ちていないのに停電している場合はブレーカーは落ちていないのに停電するとき、漏電ブレーカーが上がらない場合は漏電している回路の探し方を見てください。

ブレーカーとあわせて読みたい記事

よくある質問

感震ブレーカーは、アンペアブレーカーや漏電ブレーカーと同じものですか?

内閣府の令和8年3月のチラシは、感震ブレーカー等はアンペアブレーカーや漏電ブレーカーとは異なるものとしています。
震度5強相当以上の揺れを感知した際に、ブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に止める器具で、作動する震度や遮断までの時間を変更できるタイプもあります。

感震ブレーカーがあれば、避難するときにブレーカーを切らなくてもいいですか?

経済産業省は、設置状況によっては各地の発表震度が設定作動震度より小さくても作動したり、大きくても作動しなかったりする場合があるとして、感震ブレーカー等の設置の有無にかかわらず、避難するときにはブレーカーを切るよう求めています。

賃貸でも感震ブレーカーを付けられますか?

横浜市は、原状回復が必要となる場合があるため、貸主等と相談のうえで設置するよう案内しています。
大阪市の令和8年度の補助(対象は東成区・生野区・天王寺区の一部の地区で、RC造・SRC造は対象外)では、賃貸住宅に住む人も申請できますが、建物所有者の同意が必要です。
内閣府のチラシは、分電盤の買い換えや機能追加が難しい場合は、簡易タイプやコンセントタイプも検討するよう案内しています。

補助金はどこで調べればいいですか?

内閣府は、自治体で補助を行っている場合があるとして、お住まいの自治体のホームページ等で確かめるよう案内しています。
内閣府が案内している全国の一覧は令和6年度時点のものです。最新の制度は市区町村のホームページで確かめましょう。
消防庁の令和7年度調査では、支援している市区町村は1,741のうち260(15%)でした。

まとめ

感震ブレーカーは、大きな揺れを感知すると電気を自動で止めて、地震のあとの電気火災を防ぐ器具です。
内閣府などの資料では、阪神・淡路大震災の地震火災139件のうち85件(約6割)が電気火災でした。
タイプは分電盤タイプ(内蔵型・後付型)・コンセントタイプ・簡易タイプに分かれ、家中の電気を止めるか、つないだ機器だけを止めるか、工事が要るかどうかで選び方が変わります。

一方で、揺れと同時に電気が遮断されると夜間は照明が点かないことが懸念されるため、内閣府は停電時に作動する足元灯や懐中電灯などを常備するよう呼びかけています。
生命の維持に直結する医療用機器を使う家庭では、内閣府が求めるように、停電に対処できるバッテリー等を備えましょう。

補助や配付は市区町村ごとに大きく違い、支援がある市区町村は消防庁の令和7年度調査で15%にとどまります。
付ける前に、お住まいの自治体のホームページで制度を確かめ、賃貸なら、横浜市が案内するように貸主等と相談してから進めましょう。

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