分電盤やブレーカーの交換は誰に頼む?契約アンペアの変更で無料になる場合と費用がかかる場合

本記事の情報は2026年10月時点のものです。設備の持ち主の区分、工事の費用や有料サービスの料金は、送配電会社・電力会社によって異なり、改定される場合があります。最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。

「ブレーカーが古いみたい。交換は電力会社に頼めばいいの?」
じつは、分電盤の中のブレーカーは、種類によって持ち主が違い、頼む先も費用の負担も変わります。
北陸電力送配電のように、契約アンペアを決めるアンペアブレーカーは送配電会社の設備で、漏電ブレーカーや配線用遮断器はお客さま所有の設備としている会社があります。

この記事では、どのブレーカーを誰に頼むか、公式に出ている費用の目安、賃貸の場合の負担を、各社の公式情報と法令をもとに整理します。

📋 この記事でわかること
  • ブレーカーの種類ごとの持ち主と、頼む先
  • アンペアブレーカーの取替を無料とする会社と、その条件
  • 漏電ブレーカーや配線用遮断器の交換に資格が要ること
  • 公式に出ている費用の目安と、交換時期の考え方
  • 賃貸の場合に費用を負担する人

どのブレーカーかで持ち主が分かれる

分電盤には、役割の違うブレーカーが並んでいます。
北陸電力送配電は、アンペアブレーカーは同社が設置する同社所有の設備で、漏電ブレーカーはお客さまが設置するお客さま所有の設備だとしています(出典:北陸電力送配電・同)。
同社は、配線用遮断器もお客さま所有の設備だとし、つまみが上がらない場合は本体や屋内配線の故障が考えられるとして、電気工事店等に点検・修理を依頼するよう案内しています(出典:北陸電力送配電)。

会社公式の案内
北陸電力送配電アンペアブレーカーは同社所有。漏電ブレーカー・配線用遮断器はお客さま所有
中部電力サービスブレーカーは中部電力パワーグリッドの設備
九州電力送配電リミッターや計量器は同社設備。漏電遮断器や配線の故障などお客さまの設備は同社では改修できない
四国電力送配電ブレーカーが度々落ちるときのFAQで、ブレーカーはお客さま設備で同社では取替などができないとする
北海道電力ネットワーク回路用ブレーカーや屋内配線の調査・改修は有償
出典:北陸電力送配電・同 漏電・同 配線用遮断器/中部電力/九州電力送配電/四国電力送配電/北海道電力ネットワーク(いずれも公式サイト・2026年10月確認)

境目になるのが、引込線取付点です。
東京電力パワーグリッドは、引込線取付点がお客さまの設備と東京電力の設備の境目(保安責任・財産の分界点)だと説明しています(出典:東京電力パワーグリッド)。

中部電力も、引込線取付点がお客さまと中部電力パワーグリッドとの財産および責任の境界で、家庭の電気設備はお客さまの財産だとしています(出典:中部電力)。
ブレーカーの種類と呼び方の違いは、ブレーカーが同じ場所だけ落ちるときの見直し方で紹介しています。

「契約アンペアの変更をどこに申し込めばいいか分からない」という方は、電気手続き受付センターにご相談ください。
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アンペアブレーカーは契約アンペアの変更として頼む

アンペアブレーカーを替えたいとき、多くは契約アンペアを上げ下げしたい場面です。
東京電力エナジーパートナーは、契約アンペアの変更のときにアンペアブレーカーを取り外してスマートメーターで設定し、北海道電力・北陸電力・九州電力は、契約アンペアの変更として取替工事を行うとしています。
ほかの会社や新電力と契約している場合は、契約中の電力会社に申込先を確かめましょう。

四国電力は、四国内の契約ではアンペア契約を導入していません。
取替を無料とする会社と、その条件は次のとおりです。

会社取替・変更の費用注意点
東京電力エナジーパートナー変更前後が10〜60アンペアの範囲なら無料。ブレーカーを外してスマートメーターで設定アンペアブレーカーが付いていないなど電気工事が必要な場合
北海道電力契約用安全ブレーカーの取替は北海道電力ネットワークが無料新たに取り付ける場合や、分電盤・屋内配線の状況による場合
北陸電力契約ブレーカーの取替は無料お客さまの設備に工事費がかかる場合
九州電力アンペア変更の取替工事は無料屋内配線の容量が小さい場合などは変更できない場合がある
四国電力四国内の契約は最低料金制でアンペア契約は導入していない設備容量を増やしたいときは電気工事店に申し込む
出典:東京電力エナジーパートナー・同FAQ/北海道電力/北陸電力/九州電力/四国電力(いずれも公式サイト・2026年10月確認)

東京電力エナジーパートナーは、アンペアブレーカーの取り外し工事の際に10〜15分程度停電するとしています(出典:東京電力エナジーパートナー)。
北陸電力は、お客さまの設備の工事費の目安として、分岐回路の増設工事15,000円程度、引込口配線の太線化工事30,000円程度(20アンペア以下から30アンペア以上に変える場合に必要となる場合がある)、引込口配線の3本線工事100,000円程度(40アンペア以上に変える場合に必要となる場合がある)を示し、あくまで目安で詳しくは電気工事店に相談するよう案内しています(出典:北陸電力)。

九州電力は、集合住宅では建物全体の配線容量が不足する場合があり、所有者や管理者の承諾が必要となることがあるとしています(出典:九州電力)。
申込みの流れや停電・立会いは、契約アンペアの変更手続きガイドで詳しく解説しています。

漏電ブレーカーや分電盤の交換を頼む先

漏電ブレーカーや配線用遮断器の交換・修理は、電気工事店に頼むよう案内している送配電会社があります。
一方で、北海道電力ネットワークや東京電力パワーグリッドのように、有償サービスとして取替を受ける会社もあります。

四国電力送配電は、ブレーカーが度々落ちるときのFAQで、ブレーカーはお客さま設備で同社では取替などができないとして、電気工事店等へ連絡するよう案内しています(出典:四国電力送配電)。
関西電力送配電は、お客さま設備に不具合があった場合は同社で修理できない可能性があり、その場合は電気工事店へ依頼し費用はお客さま負担になるとしています(出典:関西電力送配電)。
沖縄電力も、引込線接続点以降の設備(メーターを除く)はお客さま設備で、改修や故障修理はお客さまが電気工事店もしくは電気設備保守センターへ依頼するよう案内しています(出典:沖縄電力)。

交換には電気工事士の資格が要る

電気工事士法は、第一種または第二種電気工事士でなければ、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業(保安上支障がないとして省令で定める作業を除く)に従事してはならないとしています(出典:e-Gov法令検索 電気工事士法)。
関東電気保安協会は、配線用ブレーカーやコンセント(露出型を除く)の交換には第二種電気工事士以上の資格が必要だと回答しています(出典:関東電気保安協会)。

一方で、経済産業省は、電力量計と電流制限器(アンペアブレーカー)は電力会社が契約電力に基づき設置する機器であるため、電気工事士法の対象外とされていると説明しています(出典:経済産業省)。
アンペアブレーカーは電気の契約先、漏電ブレーカーや配線用遮断器は資格のある電気工事店と分けて考えると、頼む先を間違えにくくなります。

公式に出ている費用の目安

今回確かめた範囲では、分電盤本体の交換費用を示した公式の情報は見つかりませんでした。
送配電会社の有料サービスでは、次のような料金が案内されています。

会社・サービス料金(税込)補足
北海道電力ネットワーク電気安全サポートサービス基礎作業費8,800円+材料費参考価格:回路用ブレーカー(単二100V20A)の取替11,000円、漏電ブレーカー(単三100V30A)の取替25,300円(いずれも基礎作業費込)
東京電力パワーグリッド安全点検サービス平日日中13,000円、夜間・土日祝日17,000円島しょ地域を除く。ブレーカーの取替工事は設備や機器で金額が異なる
九州電力送配電停電時の点検・調査平日昼間6,600円、平日夜間8,800円(1回)改修工事が必要な場合は電気工事店への負担が別途必要な場合がある
北陸電力送配電でんきお助けサービス(停電時の点検・調査)日中7,700円、その他の時間9,900円漏電遮断器の取替などお客さま設備の改修工事は受けていない
東北電力ネットワークでんきのSOS電話案内は無料、駆けつけ・応急処置は7,700円同社の設備が原因なら無料
出典:北海道電力ネットワーク/東京電力パワーグリッド/九州電力送配電/北陸電力送配電/東北電力ネットワーク(いずれも公式サイト・2026年10月確認)

同じ「有料サービス」でも、北海道電力ネットワークや東京電力パワーグリッドのように取替まで受ける会社と、北陸電力送配電のように改修工事は受けない会社があります。
分電盤の交換を考えるときは、国民生活センターが呼びかけているとおり、複数の業者に見積もりを取り、機能や価格を十分に確認した上で契約しましょう(出典:国民生活センター)。

交換時期の目安と「法律で15年」の誤解

まず押さえておきたいのは、住宅用分電盤の使用期限を定めた法律はないことです。
国民生活センターは、住宅用分電盤の使用期限を定めた法律はないとし、分電盤の交換は電気工事士の資格が必要な工事のため信用できる業者に依頼するよう呼びかけています(出典:国民生活センター)。
同センターは、「分電盤の耐用年数は法律で15年と決まっている」と交換を勧められ約14万円で契約した事例も紹介しています(出典:国民生活センター)。

そのうえで、目安を示している案内もあります。
東京電力パワーグリッドの工事サービスのページは、電気安全関東委員会を出典として、漏電ブレーカーは製造後15年を過ぎたら取替をすすめるとしています(出典:東京電力パワーグリッド)。

同社のサービスサイトのコラムは、漏電ブレーカーの交換推奨時期は使用開始後13〜15年と言われているとしています(出典:東京電力パワーグリッド)。
いずれも同社のサービスサイトにある目安(15年は電気安全関東委員会を出典とするもの)で、法律で決まった年数ではありません。

賃貸なら修繕は原則として貸主の負担

賃貸住宅の分電盤やブレーカーが故障した場合は、まず管理会社や大家さんに知らせます。
民法第606条は、賃貸人は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負うとし、賃借人の責めに帰すべき事由で修繕が必要となったときはこの限りでないとしています(出典:e-Gov法令検索 民法)。
民法第615条は、賃借物が修繕を要するときは、賃借人は遅滞なく賃貸人に通知しなければならない(賃貸人が既に知っているときを除く)としています。

🏠 賃貸で知っておきたい決まり
  • 国土交通省の賃貸住宅標準契約書
    修繕費用は、借主の責めに帰すべき事由によるものは借主、その他は貸主が負担するとしています。
    借主が自ら行える軽微な修繕の例として、電気まわりではヒューズの取替えと電球・蛍光灯の取替えを挙げています。
  • 国土交通省の原状回復ガイドライン
    機器の寿命による設備機器の故障・使用不能は、経年劣化による自然損耗で、賃借人に責任はないと考えられるとしています。
  • 民法第607条の2
    修繕が必要だと通知しても貸主が相当の期間内に修繕しないときや、急迫の事情があるときは、借主が修繕できるとしています。

出典:国土交通省 賃貸住宅標準契約書/国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン/e-Gov法令検索 民法(いずれも2026年10月確認)。
実際の負担は、賃貸借契約書の内容で確かめましょう。
契約アンペアを上げたい場合も、中部電力ミライズのカテエネのコラムは、集合住宅では建物によって使える電気の量が決まっているため大家さんや管理会社への確認が必要で、工事が必要な場合は費用負担や原状回復も確かめるよう案内しています(出典:中部電力ミライズ カテエネ)。

交換をすすめる訪問や電話にはその場で応じない

「点検に来ました」と言って分電盤やブレーカーの交換をすすめる業者には注意が必要です。
国民生活センターによると、分電盤の点検商法に関する相談は2025年度に前年度の約5倍になりました(出典:国民生活センター)。

同センターは、一般家庭で4年に1回行われる法定点検は無料で、点検後に調査員が分電盤の交換工事の契約を持ち掛けることはないとしています(出典:国民生活センター)。
経済産業省も、家庭の分電盤等の法令に基づく点検について、点検日時を電話で知らせることはなく、訪問した点検作業員がその場で設備交換等の契約を持ち掛けることもなく、交換工事には電気工事士の資格が必要だとしています(出典:経済産業省)。

関東電気保安協会は、点検で修理の必要な箇所が見つかればお客さまに知らせるが電気工事は行うことができず、知り合いの電気工事店に依頼するよう案内しています(出典:関東電気保安協会)。
交換が必要と言われても、その場では決めず、自分で選んだ電気工事店に見てもらいましょう。

ブレーカーとあわせて読みたい記事

よくある質問

アンペアブレーカーの交換に費用はかかりますか?

契約アンペアの変更に伴う取替は、北海道・北陸・九州の各電力会社が無料としています。
東京電力エナジーパートナーは、変更前後が10〜60アンペアの範囲なら無料で変更し、アンペアブレーカーは取り外してスマートメーターで設定するとしています。
ただし、アンペアブレーカーが付いていない場合や、配線など家の設備の工事が必要な場合は、お客さまの負担になるとしている会社があります。

漏電ブレーカーが古いので、電力会社に替えてもらえますか?

北陸電力送配電は、漏電ブレーカーはお客さまが設置するお客さま所有の設備だとしています。
四国電力送配電も、ブレーカーが度々落ちるときのFAQで、ブレーカーはお客さま設備で同社では取替などができないとして、電気工事店等へ連絡するよう案内しています。
一方で、北海道電力ネットワークや東京電力パワーグリッドは、有償サービスとしてブレーカーの取替を受けています。
どちらに頼む場合も、料金と対応範囲を事前に確かめましょう。

分電盤は15年で交換しなければいけないのですか?

国民生活センターは、住宅用分電盤の使用期限を定めた法律はないとしています。
東京電力パワーグリッドの工事サービスのページは、電気安全関東委員会を出典として漏電ブレーカーを製造後15年を過ぎたら取替をすすめていますが、法律で決まった年数ではありません。

賃貸で分電盤が壊れたら、誰が修理代を払いますか?

民法第606条は、賃貸人が修繕をする義務を負い、賃借人の責めに帰すべき事由で修繕が必要になったときはこの限りでないとしています。
国土交通省の原状回復ガイドラインは、機器の寿命による設備機器の故障は賃借人に責任はないと考えられるとしています。
まず管理会社や大家さんに知らせ、契約書の内容も確かめましょう。

自分でブレーカーを交換してもいいですか?

関東電気保安協会は、配線用ブレーカーの交換には第二種電気工事士以上の資格が必要だと回答しています。
電気工事士法も、資格がなければ一般用電気工作物等の電気工事の作業(保安上支障がないとして省令で定める作業を除く)に従事してはならないとしています。
資格のある電気工事店に頼みましょう。

まとめ

分電盤やブレーカーの交換を誰に頼むかは、ブレーカーの種類で変わります。
北陸電力送配電のように、アンペアブレーカーは送配電会社の設備、漏電ブレーカーや配線用遮断器はお客さま所有の設備としている会社があります。

東京電力エナジーパートナー・北海道電力・北陸電力・九州電力では、アンペアブレーカーの取替や取り外しは契約アンペアの変更として申し込みます。
北海道・北陸・九州の各電力会社は取替を無料としていますが、新たな取付やお客さま設備の工事が必要な場合は負担になったり、変更できなかったりする場合があります。

漏電ブレーカーや配線用遮断器、分電盤の交換は、資格のある電気工事店に頼むのが基本です(北海道電力ネットワークや東京電力パワーグリッドのように、有償で取替を受ける送配電会社もあります)。
関西電力送配電は、お客さま設備の不具合で電気工事店に依頼した場合の費用はお客さま負担になるとしています。

賃貸なら、民法は借主の責めによる場合を除いて修繕を貸主の義務としているので、まず管理会社や大家さんに知らせましょう。
住宅用分電盤の使用期限を定めた法律はないため、「法律で15年」と交換を迫られても、その場で契約しないでください。

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