布団乾燥機で火事は起きる?発火の原因と事例・外出時や延長コードの注意点

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布団乾燥機を使ったあとにコンセントが熱くなっていたり、焦げたようなにおいがしたりして、ひやりとしたことはありませんか。結論からいうと、布団乾燥機で火事は起こり得ます。NITE(製品評価技術基盤機構)には、電源プラグの根元の断線部から発火した事故や、近くで使ったスプレーの可燃性ガスに引火した事故が報告されています。ただし原因の多くは、次の5つを守れば防げるものです。

  1. 延長コード・テーブルタップを使わない:壁のコンセントに単独で差す(日立・アイリスオーヤマ)
  2. プラグを持って抜く:コードを引っ張ると芯線が断線して発火することがある。使用後はプラグを抜く
  3. 本体を布団の中に入れない:吹き出し口・吸気口をふさぐと過熱して火災の原因になる
  4. スプレー缶や油の付いた衣類を近づけない:引火・自然発火のおそれ
  5. つけたまま外出しない:異常に気づいてすぐ止められる在宅中に使う

(参照:NITE「製品安全情報マガジン Vol.99 ふとん乾燥機による事故」、アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書、日立「テーブルタップ(延長コード)を使用しても良いですか」)この記事では、布団乾燥機で火事が起こる原因と実際の事例、今日から実践できる安全対策をまとめました。メーカーが示す運転時間の目安や、除湿機・衣類乾燥機の火事の注意も紹介しているので、すでにお持ちの方もこれから購入する方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

※本記事の情報は2026年10月時点のものです。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

布団乾燥機と発火リスクについて 

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布団乾燥機の火災は、本体そのものより「電源のつなぎ方」と「まわりに置いたもの」から起きています。

  • コンセントやプラグが溶ける、火花が散るといった小さな事故も起きている
  • メーカーは延長コード・テーブルタップでの使用を避け、コンセントに単独で差すよう案内している
  • NITEには電源コードの断線によるスパーク、スプレー缶への引火が報告されている

布団乾燥機は、布団の乾燥や保温に役立つ家電製品です。製品によっては衣類の乾燥、ダニ除去、消臭、花粉対策の効果もあり、年間を通して活用できる点が魅力です。家事の負担軽減や生活の利便性向上に繋がるため、布団乾燥機の導入を検討する方も多くなっています。しかし、実は布団乾燥機による火災事故が度々起こっていることはご存知でしょうか?

コンセントやプラグが溶ける、火花が散る、焦げるといった小さなトラブルから、布団や自宅が燃えるといった大きな火災までさまざまな事故が発生しています。布団乾燥機を安全に使用するためにも、発火リスクについて正しく理解を深めることが大切です。

ここでは、布団乾燥機の温度特性と火事が起きた具体的な事例について解説します。あらゆるシチュエーションにおける火災事例をご紹介しているので、「どんな状況で布団乾燥機が火事を起こすのが知りたい」「既に布団乾燥機を持っているけど自分の使い方が安全なのか分からない」という方はぜひ参考にしてくださいね。

布団乾燥機の温度特性 

家庭用の布団乾燥機には、マットタイプとホースタイプの2種類があります。マットタイプは布団に敷くことで乾燥・保温を行う仕組みになっており、ホースタイプでは温風を送風するホースを布団の中に入れて使用します。布団全体に熱を送り込みやすく、内部の温度のムラが少ない点が特徴です。

一方のホースタイプは、製品によってはホースの先のみが熱くなりやすい傾向にあります。ただし、温風力が強い布団乾燥機やホースが2本付いている製品なら均一に温度が上昇しやすいため、マットタイプと同様の乾燥・保温力を兼ね備えています。

温風の温度や運転時間は機種によって異なります。たとえばアイリスオーヤマの FK-D2 は、取扱説明書で「乾燥・あたためをする寝具の耐熱温度が70℃以上であることを確認してください」としています。使う前に、布団の品質表示と布団乾燥機の取扱説明書を確認しましょう(参照:アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書)。

火事が起きた具体的な事例 

ふとん乾燥機による事故は、製品評価技術基盤機構(NITE)にも継続して報告されています。NITEの製品安全情報マガジンでは、電源コードの断線によるスパークからの発火や、近くで使ったスプレー缶の可燃性ガスへの引火といった事故事例が公表されています。
参照:製品評価技術基盤機構「製品安全情報マガジン Vol.99『ふとん乾燥機による事故』」

2022年にも、布団乾燥機の使用後に電源プラグ部と周辺が焼ける火災がNITEから報告されています。電源コードに繰り返し外力が加わってプラグ内部の芯線が半断線し、接触不良でスパークが起きたと考えられています(参照:NITE「製品安全情報マガジン Vol.406 乾燥機の事故」)。

以下は、布団乾燥機による火事の事例です。

  • 延長コード・テーブルタップの使用
  • 電源ケーブルやプラグの断線・劣化
  • 可燃性物質との接触
  • 布団乾燥機に布団が覆いかぶさる
  • 海外での利用

メーカーが推奨していない誤った使い方をしているケースも見られる一方で、悪条件が重なったことで火災に繋がっているパターンもあります。ここでは、布団乾燥機による火事の事例について、火災の原因も併せて深堀していきます。大規模な火災と小さなトラブルの両方の事例をご紹介しているので、布団乾燥機で起こり得る火事の詳細を確認していきましょう。

延長コードの利用による出火

布団乾燥機で起こりやすい火災の原因に、延長コードの利用があります。「ベッドからコンセントの距離が離れていて付属のケーブルだと届かない」「布団乾燥機を使うためだけに部屋の模様替えをするのは面倒くさい」といった理由から、布団乾燥機を延長コードに繋ぐユーザーが後を絶ちません。

しかし、日立は布団乾燥機のよくある質問で「テーブルタップでのご使用はおやめください。消費電力が680Wあり、テーブルタップが熱を持ったり接触不良が起き易く危険です」と回答しています。アイリスオーヤマも、延長コードを使ってコンセントの定格容量を超えると熱を持ちやすくなるとして、コンセントに単独で使うよう案内しています(参照:日立「テーブルタップ(延長コード)を使用しても良いですか」、アイリスオーヤマ「ふとん乾燥機 コードが熱くなる」)。

布団乾燥機は消費電力の大きい家電です。アイリスオーヤマのふとん乾燥機の場合、シングルノズルで最大560〜1035W、ツインノズルで最大760〜1150Wあります。延長コードやテーブルタップにはそれぞれ定格容量があり、ほかの家電と一緒につなぐと超えやすく、接続部が熱を持つ原因になります。

間取りの都合でコンセントが遠い場合は、延長コードに頼る前にベッドの向きや布団乾燥機の置き場所を見直しましょう。取扱説明書で延長コードの扱いを確認し、「使用しない」とある機種では使わないことが大切です。また、布団乾燥機本体の電源コードを束ねたまま使うのも避けましょう。アイリスオーヤマは、電源コードを束ねて使うと断線の原因になるため、しっかり伸ばしてから使うよう案内しています。使用中にコンセントやコードが触れられないほど熱い場合は製品内部の不具合が考えられるので、使用をやめてメーカーに相談してください(参照:アイリスオーヤマ「ふとん乾燥機 コードが熱くなる」)。

電源ケーブルやプラグの断線・劣化による出火

布団乾燥機の電源ケーブルやプラグが傷んでいると、火災などの事故が起こりやすくなります。NITEが紹介した事例では、布団乾燥機で衣類を乾燥中にプラグから出火し、プラグの刃がコンセントに溶着しました。電源コードを引っ張って抜くことを繰り返したため、プラグの付け根で芯線が断線し、そこからスパークが発生したと推定されています(参照:NITE「製品安全情報マガジン Vol.99」)。

本来、ケーブルを抜き差しする際にはプラグを持って操作することが想定されています。しかし、「わざわざ毎回コンセントの所まで行くのは煩わしい」「時短で布団乾燥機を片付けたい」という理由から、プラグではなくケーブルを引っ張ってコンセントから抜く方も多いのが実情です。

ケーブルに過度な負担をかけ続けると、プラグの根元が断線状態になります。コンセントに差す際にショートしやすくなるため、破裂や火花の原因になる点に注意が必要です。なお、正しい使い方をしていても、長く利用することで布団乾燥機は老朽化していきます。使用年数の経過と共にケーブルの断線の確率も上がっていくので、状態の確認やメンテナンスを徹底することが大切です。

また、プラグとコンセントのすき間にホコリが溜まると、湿気などでトラッキング(火花放電がくり返されて発火する現象)が起こることがあります。NITEは、電源プラグのほこりを定期的に取るよう呼びかけています(参照:NITE「製品安全情報マガジン Vol.406」)。

可燃性物質による出火

NITEが2009年に紹介した事例では、布団乾燥機の背面が焼損しました。原因は、引火性ガスを含むエアゾールスプレーです。エアゾールスプレーとは、いわゆる一般的なスプレー缶のことで、可燃性ガスを噴射剤として使用している点が特徴です。当事者はエアゾールスプレーを使ってバイクの部品を洗浄していたらしく、可燃性ガスが引火したことで近くにあった布団乾燥機に燃え移ったとされています。

この製品の取扱説明書にも「引火性のものを近くで使わない」旨の警告がありました。現行の製品でも、アイリスオーヤマ FK-D2 の取扱説明書は「スプレー(殺虫剤・整髪料・潤滑油など)をかけない」「引火性のもの(灯油・ガソリン・シンナーなど)、可燃性のもののそばで使わない」としています(参照:NITE「製品安全情報マガジン Vol.99」、アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書)。

また、見落としやすい火災の原因が、油・オイル・ガソリンといった可燃性液体の付着です。布団乾燥機の中には、布団だけでなく衣類、靴、帽子などの乾燥に対応している製品もあります。FK-D2 の取扱説明書は「油や溶剤などが付着したものを乾燥しない」(食用油・機械油・ガソリン・ベンジン・シンナーなど)とも定めています。NITEも、美容オイル(アロマオイルなど)や食用油が付いたタオル・衣類は、洗濯した後でも乾燥機で乾燥させないよう呼びかけています。残った油分が酸化熱で自然発火するおそれがあるためです(参照:アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書、NITE「製品安全情報マガジン Vol.406」)。

「クリーニング代わりに布団乾燥機を利用したい」「布団乾燥機で手軽に服を乾かせて便利」と考える方も多いものの、可燃性液体が付着していないかを常に確認することが重要です。

布団乾燥機に布団が覆いかぶさることによる出火

布団乾燥機の本体部分に布団が覆いかぶさり、火事に繋がったケースもあります。布団乾燥機は、本体を布団から出して使うことが前提です。FK-D2 の取扱説明書も「本体をふとんの中に入れない(ホース以外はふとんの中に入れない)」「ノズル(吹き出し口)・吸気口を、布や紙、ビニール袋などでおおったりふさいだりして運転しない(過熱して火災の原因になります)」としています。温風やエアコンの風で布団が動き、本体の上にかぶさることもあるので注意しましょう(参照:アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書)。

同じ取扱説明書では、電気毛布やあんかなど、ほかの暖房機器と併用しない(火災・やけどの原因になるおそれ)ことも求めています。布団乾燥機で温めた布団に電気毛布を重ねて使うのは避け、電気毛布を使うときの注意は「電気毛布はつけっぱなしで火事になる?」を参考にしてください(参照:アイリスオーヤマ FK-D2 取扱説明書)。

吹き出し口や吸気口がふさがれると本体が過熱し、覆いかぶさっている布団に燃え移れば大きな火災につながるおそれがあります。布団乾燥機を安全に使用するためにも、布団が本体に覆いかぶさっていないかを確認したり、保温・乾燥中にこまめに様子をチェックしたりといった工夫が必要です。

海外での利用による出火

普段から布団乾燥機を愛用している場合、「真冬に海外旅行をするので布団乾燥機を持って行って温かい布団で眠りたい」「留学する予定があるから渡航先に布団乾燥機を持参したい」と考える方も多くなっています。しかし、家庭用の布団乾燥機は国内専用として販売されているものがほとんどです。日立は「この製品は国内家庭用です。電源電圧や電源周波数の異なる海外では使用できません」と回答しており、アイリスオーヤマ FK-D2 の取扱説明書も「交流100V以外では使わない(火災の原因になります)」としています(参照:日立「海外で使用できますか?」、アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書)。

コンセントの形が日本と同じ国もありますが、形が同じでも電圧が違えば使えません。変換プラグで差し込めても、100V専用の製品に高い電圧がかかれば故障や発火につながるおそれがあります。海外で布団を温めたい場合は、日本の布団乾燥機を持ち込まず、現地の電圧に対応した製品を使いましょう。

布団乾燥機で火事を防ぐための安全対策 

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対策の要は、安全装置つきの製品を選び、布団と可燃物との距離を保つことです。

  • 温度センサー・サーモスタット・温度ヒューズなど安全装置の有無を確認する
  • 布団の耐熱温度を調べ、本体に布団が覆いかぶさらない位置を保つ
  • スプレー缶は温風が届く範囲に置かない(熱で爆発・破裂する事故がある)

布団乾燥機を導入するなら、安全対策の徹底を心掛けましょう。利便性の高さを兼ね備えている布団乾燥機ですが、使い方次第では火災事故に繋がるリスクがあります。また、例え細心の注意を払っていても、老朽化や布団がかぶさってしまうなどの偶然によって火災が起こる可能性もゼロではありません。安全に布団乾燥機を利用するためにも、さまざまな安全対策を講じることがポイントです。

安全装置が付いている製品を選ぶと、布団乾燥機に異常が発生した時点で運転停止します。危険な状態のまま稼働し続けることがなく、火災に発展する前に事態を収拾しやすい点がメリットです。また、布団の耐熱温度が低い場合、布団乾燥機の温風によって布団がダメージを受ける恐れがあります。素材や室内の状況によっては発火する危険性も考えられるので、事前に布団の耐熱温度を確認しておきましょう。

なお、たとえ布団の耐熱温度が高かったとしても、布団乾燥機の本体に布団が覆いかぶさると火事の原因になります。布団乾燥機と布団の位置を定期的にチェックして、適切な距離を保つことが大切です。もし布団乾燥機を使う部屋の中にスプレー缶がある場合は、布団乾燥機の温風が当たらない場所に移動させましょう。熱されたスプレー缶が破裂して漏れたガスに引火する火災は、ストーブなど暖房器具の周りでも起きているので、布団乾燥機の近くはもちろん、温風が届く範囲内にも置かないようにしてくださいね。

以下では、布団乾燥機を使う上で配慮すべき安全対策についてさらに詳しくお話ししていきます。

安全装置がついているものを選ぶ 

火事のリスクを軽減するためにも、安全装置が搭載されている布団乾燥機を選ぶようにしましょう。布団乾燥機についている機能や性能は、製品によって異なります。火事や事故を防止するための装置が組み込まれている布団乾燥機もあるので、購入の際は必ず安全装置の詳細についても確認することが大切です。

布団乾燥機に搭載されている主な安全装置には、温度センサー・サーモスタット・温度ヒューズなどがあります。たとえばアイリスオーヤマ FK-D2 は、仕様表に安全装置として「温度センサー、サーモスタット、温度ヒューズ」を挙げています(参照:アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書)。

温度センサーとは、その名の通り、布団の中の温度を常に測定するためにつけられているセンサーのことです。サーモスタットは温度を自動で調節する機能のことで、布団の中が高温になり過ぎていると温度センサーが感知することで熱源のスイッチがオフになります。温度が上昇し続ける心配もなく、火災や熱風による火傷なども防いでくれます。

また、温度ヒューズは、異常加熱が発生した際に回路を遮断するためのシステムです。サーモスタットの故障時でも温度ヒューズは作動するので、二重の安全装置を確保できます。電流ヒューズを備える機種もあります。一定以上の電流が流れたときに回路を断ち、過電流による発熱・発火を防ぐ部品です。どの安全装置が付いているかは機種ごとに違うので、仕様表で確認しましょう。

ただし、安全装置はあくまで万一のための備えです。付いているからといって、延長コードの使用や外出中の運転が安全になるわけではありません。より安全に布団乾燥機を使うためにも、製品選びの際は各モデルの安全機能をしっかりとチェックしてくださいね。

布団の耐熱温度をあらかじめ確認する 

布団乾燥機を実際に使いはじめる前に、必ず布団の耐熱温度を確認しておきましょう。布団の中綿には異なる素材が使用されており、素材によって耐熱温度にも違いがあります。確認する場所は、布団に縫い付けられた品質表示・取扱い表示です。先に紹介したアイリスオーヤマ FK-D2 は「乾燥・あたためをする寝具の耐熱温度が70℃以上であること」を条件にしています。耐熱温度が分からない布団や、品質表示に熱への注意がある布団は、布団メーカーや販売店に確認してから使いましょう(参照:アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書)。

布団乾燥機本体に布団がかかっていないか確認する 

布団乾燥機を使う際は、定期的に布団が本体に覆いかぶさっていないかをチェックするのがおすすめです。布団乾燥機による火災の中でも、布団と本体の接触が事故原因となっているケースは比較的多い傾向にあります。布団と本体の距離をしっかりと確保していても、布団乾燥機の温風によって布団が動いてしまう可能性は十分に考えられます。

吹き出し口が熱くなることで発火した場合、布団の素材によっては瞬時に火が燃え広がってしまう点に気を付けなければなりません。火災事故を防ぎながら布団乾燥機を使うためにも、使用中はできるだけこまめに様子を確認することが大切です。

なお、「家が広いのでわざわざ布団乾燥機の様子を確認しに行くのが手間になる」「家事をしながら布団乾燥機を使うから忘れてしまいそう」という場合は、安全装置が搭載されている製品を選ぶようにしましょう。温度センサーやサーモスタットが付いた機種は、異常な温度上昇を検知して運転を止めます。アイリスオーヤマは、吸気口を布団や枕でふさいだり本体が倒れたりするとエラー表示が出て使えなくなると案内しており、その場合は運転を止めてプラグを抜き、本体を冷ましてから置き直すよう求めています(参照:アイリスオーヤマ「エラー表示が出てしまい使う事が出来ません」)。

近くにスプレー缶などを置かない 

布団乾燥機を使うにあたって、スプレー缶などの可燃性物質を近くに置かないように気を付けましょう。スプレー缶の多くにはエアゾールスプレーが採用されており、可燃性のあるLPガスが噴射剤として使用されています。可燃性ガスの引火による火災も実際に報告されているため、温風を発する布団乾燥機から離して設置することが大切です。

エアゾールスプレーには、ヘアスプレー・制汗スプレー・殺虫剤が含まれます。とくにヘアスプレーは一般家庭の寝室に置いていることも多いため、火災などの事故が起こりやすい環境であるということを覚えておきましょう。また、布団乾燥機は温風を出す家電です。そばにスプレー缶を置いておくと、スプレー缶自体が熱を帯びやすくなる点に注意が必要です。

真夏の車内で放置されたスプレー缶が、車内温度の上昇によって爆発したという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?可燃性のスプレー缶は、高温になることで爆発や破裂を引き起こします。布団乾燥機の近くは温度が高くなりやすく、直接熱風がかかっていなかったとしてもスプレー缶の温度を高くする原因になり得ます。スプレー缶が転がって布団乾燥機のそばにいかないようにするためにも、スプレー缶の設置場所や管理を徹底するよう心掛けましょう。

安全に効果を出すための使い方の目安

火災リスクを避けるうえでも、必要以上に長く運転させないことが大切です。目的別に必要な運転時間の目安を知っておくと、無駄な稼働を減らせます。

メーカーが示す運転時間の目安

モード(アイリスオーヤマ FK-D2)使う場面運転時間
冬寒い季節の布団の乾燥高温風60分
夏暑い季節の布団の乾燥高温風60分→送風20分
あたため寝る前に布団をあたためる高温風20分
ダニダニ対策高温風100分

運転時間は機種ごとに決まっているので、上の表は一例です(参照:アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書)。あたための目的なら、自動のあたためモード(FK-D2 は20分)で十分です。「とりあえず長めに」という使い方は電気代の無駄になるうえ、見守る時間も長くなります。ダニ対策は温度と時間が必要で、アイリスオーヤマはダニ対策の乾燥袋について「50℃以上の熱を30分以上あてることでダニを撃退」と説明しています。ダニモードを搭載した機種を使い、必ず在宅中に運転しましょう(参照:アイリスオーヤマ「ダニ退治は布団乾燥機で!」)。ダニ退治後の掃除機がけについては布団乾燥機のあと掃除機は必要?ダニ退治の正しい手順で解説しています。

電気代を抑えるコツ

電気代を抑えるポイントは2つです。ひとつはあたたかさが逃げないよう布団に隙間ができないようセッティングすること。ホース式は布団の内側で温風が循環するよう布団の端の隙間に気を配り、マットタイプはマットが布団とずれていないか確認しましょう。

もうひとつはフィルターのメンテナンスです。布団乾燥機は外部の空気を取り込みながらあたためているので、掃除をしないとフィルターにホコリが溜まり、温風のパワーが弱くなります。パワーが落ちると稼働時間が長くなり電気代がかさむうえ、ホコリの堆積は発熱の原因にもなるため、安全面からもこまめな清掃が欠かせません。

電気代は「消費電力(kW)×時間(h)×31円/kWh」で計算できます。FK-D2 の1時間あたりの消費電力の目安(高温風時)約530Wで計算すると、あたため20分で約5.5円(0.53kW×1/3h×31円)、ダニモード100分で約27円(0.53kW×100/60h×31円)です。単価は全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh(税込)を使っています(参照:アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書、全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問」)。

なお、購入前に必要性を検討したい方は布団乾燥機はいらない?購入前に知っておくべきことをまとめた記事もあわせてご覧ください。

布団乾燥機のよくある質問 

布団乾燥機について正しく知っておくことは、布団乾燥機を安全に使用する上で必要不可欠です。しかし、実際に布団乾燥機を愛用しているユーザーの中には、「基本的な操作方法以外はよく分かっていない」「布団乾燥機の詳細や禁忌を把握しないまま使っている」という方も多くなっています。

ここでは、布団乾燥機に関するよくある質問をテーマに、温風の温度、部屋の湿度による影響、稼働中の外出、除湿機や衣類乾燥機の火事について回答していきます。使用中の発火リスクを最小限に抑えるためにも、布団乾燥機がどのくらい熱くなるのかはもちろん、湿度によって起こり得るトラブルも把握しておきましょう。

また、布団乾燥機を使う場合、用途によっては長時間にわたって運転し続けなければなりません。待ち時間を無駄に過ごしたくないという理由から、布団乾燥機をつけたまま外出したいと考える方や、実際に外出している方もたくさんいます。つけっぱなしで家を留守にすることの是非やリスクについても詳しく説明していくので、利便性と安全性の両方のバランスが取れた使い方を考えてみましょう。

布団乾燥機の温風は何度くらい? 

温風の温度は製品によって異なり、メーカーが吹き出し温度を公表していない機種もあります。目安になるのは寝具側の条件で、アイリスオーヤマ FK-D2 は「寝具の耐熱温度が70℃以上」であることを確認するよう求めています(参照:アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書)。

布団乾燥機を使う主な理由のひとつが、ダニ対策です。アイリスオーヤマは「50℃以上の熱を30分以上あてることでダニを撃退」と説明しています(参照:アイリスオーヤマ「ダニ退治は布団乾燥機で!」)。ダニ対策のモードでは高温の温風を長く出し続けるため、可燃性の高いものを近くに置かないように注意しなければなりません。

乾燥機を使う際に湿度は影響がある? 

布団乾燥機は、湿度の高い場所で使うと非常に危険です。湿度が高い状況とは、空気中の水分が多いということです。水気の多い場所で布団乾燥機を使うと本体の内部に水分が入り込んでしまい、ショートや感電の原因になる恐れがあります。ショートと同時に火花が散ったり火が出たりしたというケースも多いため、布団に火がついて燃え広がりやすい点に注意しましょう。

アイリスオーヤマ FK-D2 の取扱説明書も「水まわり、風呂場など湿気の多い場所では絶対に使用しない」(火災・感電の原因)としています。浴室で布団乾燥機を使って布団を乾かすのはやめましょう。寝室は布団乾燥機を使う上で安全な条件が整っていることが多いものの、不安な場合は事前に部屋の湿度を確認しておくことが大切です(参照:アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書)。洗濯物を乾かすときの置き方は「布団乾燥機で洗濯物を乾かす方法」で詳しく解説しています。

なお、布団乾燥機で布団や洗濯物を乾かすと、使用前と比べて部屋の湿度は上昇します。布団や洗濯物の水分が空気中に分散されるため、運転開始のタイミングで除湿器やエアコンの除湿モードをオンにしておきましょう。また、乾燥目的で布団乾燥機を使う場合、衣類の水滴が本体にかからないようにする必要があります。布団や洗濯物の水気をしっかりと切るのはもちろん、本体とある程度の距離を取ってセッティングしてくださいね。

つけっぱなしで外出しても問題ない? 

布団や衣類の乾燥、布団の保温、ダニ除去といった役割を果たす布団乾燥機ですが、モードによっては運転時間が長くなります。アイリスオーヤマ FK-D2 の場合、あたためは20分ですが、布団の乾燥は60〜80分、ダニモードは100分かかります(参照:アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書)。

用途によっては運転開始から終了まで長時間待たなければならないため、「外出の予定があるから布団乾燥機をつけっぱなしで出掛けたい」「布団乾燥機を使っている間に外で用事を済ませちゃダメかな?」といった疑問を持つ方もたくさんいます。

ふとん乾燥機は、公的機関に発火事故が報告されている家庭用電化製品です。布団乾燥機の破裂・発煙・火花・出火などが起こった場合、できるだけ早い段階で気づけば被害を最小限に抑えられる可能性があります。一方、外出中では異常事態に迅速に対応できないため、火災状況が深刻化しやすいことを覚えておきましょう。安全面を考慮するなら、在宅中にのみ布団乾燥機を使うのがおすすめです。

タイマーで運転が終わる製品でも、わずかな時間でも不在にするのは避けましょう。異常は運転中いつでも起こり得るので、布団乾燥機を使う間は家で過ごし、使い終わったら電源プラグを抜いてください。FK-D2 の取扱説明書も「使用後は、必ず電源プラグを抜く」としています(参照:アイリスオーヤマ ふとん乾燥機 カラリエ FK-D2 取扱説明書)。

毛布や衣類を乾燥機にかけると燃えることはある?

あります。NITEには、電気衣類乾燥機で油分の付いた洗濯物を乾燥し、残っていた油分が酸化熱で自然発火してドラム内の洗濯物が焼けた事故が報告されています。NITEは乾燥機に共通する注意として、美容オイル(アロマオイルなど)や食用油が付いたタオル・衣類は、洗濯した後でも乾燥機で乾燥させない(乾燥機にかける場合はオイルを完全に落とす)よう呼びかけています。毛布も、油分が付いていれば同じです(参照:NITE「製品安全情報マガジン Vol.406 乾燥機の事故」)。

除湿機をつけっぱなしにすると火事になる?

除湿機でも火災事故は起きています。NITEによると、2017〜2021年度に発生した除湿機の事故は49件で、製品の不具合以外による事故8件は、いずれも電源コード周辺からの発火でした。電源コードを切ってつなぎ直すなどの加工や、コードを引っ張る・折り曲げる使い方が原因になっています(参照:NITE「『無謀なDIY』が招く危険 ~エアコンと除湿機の事故~」(2022年6月30日))。

  • 電源コードを加工・延長しない
  • コードを引っ張らず、プラグを持って抜く
  • コードを折り曲げたり、家具の下敷きにしたりしない
  • リコール対象の製品でないか、メーカーのサイトで確認する

衣類乾燥で除湿機を長時間使う場合も、これらを守ったうえで、異常(焦げたにおい・コードやプラグの発熱)に気づける状況で使いましょう。除湿機と衣類乾燥機能の違いは「衣類乾燥と除湿はどっちが速く乾く?」で解説しています。

まとめ

布団乾燥機は、1年を通して活用できる便利な家電製品です。しかし、火災事故や火事に繋がりかねないトラブルなども定期的に発生しており、安全面を配慮しながら使うことが非常に重要です。布団乾燥機に関連する火災は、延長コードの利用、電源ケーブルやプラグの断線・劣化、可燃性物質との接触、海外での使用、布団が本体に覆いかぶさることが原因となっています。

延長コードや海外での利用といったメーカーが禁止している使い方を避けるのはもちろん、電源ケーブルやプラグのメンテナンス、付着物や周辺にある可燃性物質のチェック、布団と布団乾燥機の距離なども確認して、火災が起きないように細心の注意を払いましょう。

また、安全装置の搭載された布団乾燥機を選んだり布団の耐熱温度を把握したりすることも、安全対策を徹底する上で大切なポイントです。不測の事態で火災が発生することもあるので、布団乾燥機の稼働中は外出しないように気を付けてくださいね。安全かつ快適な生活を実現するためにも、発火リスクを最小限に抑えながら布団乾燥機を活用しましょう。

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