電気毛布は、寒い季節に体を温めるために使用される家電製品です。
暖房器具にはこたつやエアコンなどもありますが、電気代や特徴の違いが気になる方もいるのではないでしょうか。
また、使用するにあたって安全面や健康面のリスクについても、よく理解しておく必要があります。
本記事では電気毛布の基本知識、安全な使い方、種類と特徴について解説します。
電気毛布の基本知識
電気毛布は、電気を通して発熱することで体を温める製品です。生地の素材にはポリエステルやアクリル繊維が使用されていることが多く、毛布一面が温かくなるように電熱線の配線が工夫されています。電源は一般的なコンセントからの商用電源を利用し、コードの中間にあるコントローラーから温度などを調整します。
電気毛布の安全な使い方
電気毛布は火を使わず気軽に持ち運べる点、とても便利な暖房器具ですが使用方法次第では危険に繋がることもあります。
電気毛布を安全に使用するためには、以下の点に注意する必要があります。
- 就寝中に使用する場合オフタイマーを設定する
就寝中は体の変化に気付きづらいため、体温が上がった状態が長時間続くことで汗を大量にかいて脱水症状を起こしたり、睡眠の質を下げる原因となってしまいます。
- 電気毛布を畳んだり、圧迫したりしない
電気毛布には電熱線が埋め込まれているため、畳んだ状態で使用すると電熱線が破損する場合があります。また、熱が集中することで過度に温度が上昇してしまうためとても危険です。
- 濡れた状態で使用しない
電気毛布が濡れた状態で使用することは破損に繋がるだけでなく、感電や火災の原因になってしまうため絶対に止めましょう。電気毛布は水洗い可能な物がありますが、必ず完全に乾燥させてから電源をつけるようにしてください。
- 電源コードやプラグに異常がないか確認する
電気毛布が火災の原因になる場合、電源コードの断線からショートしてしまい火災に繋がることが多いと言われています。
使用する前は必ずコードやプラグに異常がないか確認するようにしましょう。
以上が使用時に気を付けたい注意点になります。中には火災に繋がり大変危険ですので、取扱説明書に記載の注意事項を必ず守り安全に使用するようにしましょう。
電気毛布の種類と特徴
電気毛布には、敷きタイプ、掛けタイプ、両用タイプなどがあります。敷きタイプは、布団の下に敷いて使用することができ、掛けタイプは、毛布のように体にかけて使用することができます。
両用タイプは、敷きタイプと掛けタイプの両方の機能を持っています。また、電気毛布には、温度調節機能やオフタイマー機能などが搭載されているものもあります。
安全面では、毛布温度をサーミスタで検出しているため、適切な温度に保つとともに異常な過熱を未然に防止しています。
- 敷毛布: ベッドの上に敷いて使用するタイプです。横になって寝る際に使用することが多く、縦の長さにバリエーションがあります。
また、足元の配線密度を変えた「頭寒足熱配線」の物もあるため、寝る時に顔が熱くなるのを避けたい方におすすめです。
- 掛毛布: 肩や体の上に掛けるタイプで、ひざ掛けサイズが主流です。肩に掛けたり、体全体に掛けられるように大きめのサイズに作られているものもあります。薄手のものであれば収納しやすく、持ち運びにも便利です。
- 掛け敷き兼用タイプ: 掛毛布と敷毛布の両方で使用できるタイプです。普段はひざ掛けとして使い、就寝する際には布団に敷いて使うことができます。1つで2役を果たしてくれるため、省スペースで収まります。
以上が主な電気毛布の種類になります。
使用用途に合わせて選ぶことによって、より効果的に体を温めることができます。
電気毛布はつけっぱなしでも大丈夫?
電気毛布をつけっぱなしにしても、基本的には問題ありません。
特に寒い日は、就寝時や日常生活中など長時間使いたい方も多くいると思います。
その反面、長時間使用することによる安全面や健康面でのリスクが気になっている方もいるのではないでしょうか。
使用環境や使用時間によっては、さまざまなリスクがあることを知っておく必要があります。
つけっぱなしでの電気代はどれくらい?
電気毛布を使いっぱなしにすると電気代がどれくらいかかるかは、電気毛布の種類や温かさの強弱によって異なります
例えば、山善の製品を参考にすると、掛け敷き両用タイプの電気毛布を使用した場合は以下のとおりになります。
強 | 適温 | 弱 |
約1.5円 | 約0.8円 | 約0.4円 |
※1kW/h(1時間あたりの電気代)27円の場合
[山善] 電気毛布
この電気毛布は、小林製薬の持続性抗菌剤である「KOBA-GUARD(コバガード)」を使用しているところが特徴です。ニオイの原因菌の増殖を押さえる制菌効果と、汗の臭いに効果がある消臭の特殊加工が施されており、より快適に使用することができます。
また、コントローラー以外の毛布はまるごと水洗いすることが可能です。
メーカー | 山善(YAMAZEN) |
型番 | YKSG-F42(GG/BR) |
サイズ | 188 x 130 cm |
素材 | ポリエステル |
色 | グレージュ×ブラウン |
長時間使用による健康リスク
次に、長時間使用による健康リスクについてです。
長時間の使用は電気代が高くなるだけではなく、健康面にも悪影響を及ぼす危険性があるため注意が必要です。
以下は電気毛布を長時間使用することによる健康面でのリスクになります。
- 脱水症状を引き起こす可能性がある。
人間は汗をかくことで体温を調整しています。長時間使用することによって汗を大量にかいてしまい、脱水症状を引き起こすことがあります。
また、就寝時に布団と一緒に使用する場合は、更に高温の状態になってしまうため注意が必要です。
- 体温調節ができなくなる。
電気毛布を長時間使用することで体温調節が苦手になる可能性があります。人間の体には生まれつき体温調節機能が備わっています。寒い時は筋肉を活動させることで体温を上げ、暑い時は汗をかくことで体温を下げます。
しかし、長時間電気毛布を使用することで、自力で体温を上げる必要がなくなり体温調節機能が低下する原因になってしまいます。そのため寒い環境に体が適応できなくなる可能性もあります。
また、睡眠時に下がるはずの心拍数が下がらないため、心臓にも負担がかかります。
- 脳梗塞の危険性が高まる。
電気毛布を長時間使用すると、体の中の水分が大量に蒸発し脱水状態になる懸念があります。身体の中から水分が失われると、血液の濃度が上がり、血糖値も上がってしまいます。その結果脳梗塞や心筋梗塞になるリスクを高めることがあります
- 眠りの質が低下する。
睡眠中に体温を下げることで深い眠りにつきやすくなるのですが、電気毛布をつけっぱなしで寝ると体温を下げることができなくなってしまいます。
その結果熟睡できず、夜中や明け方ごろに目が覚めたりして眠りの質が低下し、疲れが取れない原因となってしまいます。
火事のリスクと予防策
火事のリスクと予防策についてです。
電気毛布をつけっぱなしにすることで、火災のリスクがあることを知っておくことが必要です。特に、敷布団の上に敷いたまま寝る場合は、電気毛布が過熱して発火する可能性があります。
また、電気毛布の上に洋服や布団などが覆いかぶさった状態で長時間放置していると、熱が籠ってしまうためとても危険です。
電気毛布を使用する前に必ず取扱説明書を読み、正しく使用するようにしましょう。
電気毛布と他の暖房器具の比較
電気毛布vsエアコン:電気代の違い
設定温度や使用環境にもよりますが、エアコンを24時間つけっぱなしにしていた場合の1日の電気代は約400円あたりと言われています。
一方で、電気毛布の場合は1時間あたり1円~2円程度で収まる物がほとんどのため、1日中使用したとしても電気代を約24円~48円程度に抑えることができます。
また、暖房は喉や肌が乾燥するため苦手という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
電気毛布だと部屋全体ではなく、ピンポイントで体を暖めることができるため、エアコンが苦手な人にもおすすめです。
こたつと電気毛布:どちらが経済的?
こたつは、電気毛布よりも消費電力が多く、電気代が高くなる傾向があります。
こたつの1時間あたりの電気代は約10~20円程度と言われており、電気毛布を使用した場合のおよそ10倍です。
また、こたつはテーブルと一体化しているため便利ではありますが、中に入らない肩や背中を温めることは難しいです。その反面、電気毛布は体のどこにでもかけることができるため、場所を選ばず温めることができます。
ホットカーペットとの比較
ホットカーペットは、電気毛布と同じくらいの消費電力で床を暖めることができます。
しかし、ホットカーペットは床に敷くことが前提のため、脚やお尻を暖かくすることはできますが、体全体を暖めることに長けていません。
一方、電気毛布は直接体に掛けることができるため、体全体を温めることができます。
また、掛け敷き両用の物を選ぶことによってホットカーペットのように使用したり、布団の上に敷くことによって就寝時にも使用可能です。
まとめ
電気毛布には、敷きタイプ、掛けタイプ、両用タイプなどがあり、用途に合わせて選ぶことで、快適に使用することができます。
直接体にかけることができるため、直ぐに体を温めることができます。また、電気毛布は暖房器具の中でも電気代が安く、快適な睡眠をサポートする優れた家電製品です。
しかし、長時間の使用や本来の使用用途に合わない使い方をすると、安全面や健康面に悪影響を及ぼす可能性があります。
長時間使用したい場合はリスクや注意点をよく理解し、安全に使用するようにしましょう。