自宅のテレビを抜群に聴きやすく、立体的なサウンドに変えられるスピーカーが人気です。
本記事では、テレビとスピーカーの接続方法にフォーカスして解説します。
スピーカーは、有線接続の場合も、基本的にはケーブル1本でかんたんに接続できるので、AV機器に詳しくなくても十分に扱えます。ただ、事前に調べておかないとテレビに合わないスピーカーや無駄なケーブルを購入してしまう恐れもあります。チェックポイントを確認してください。
自宅テレビとスピーカーのスペックが合っていなかった場合の対処法も解説しているので、いま慌てている人も、ぜひお読みください。
テレビの音質を向上させるスピーカー接続の基本
テレビとスピーカーの接続方法のうち、代表的な接続方法を押さえておきましょう。接続方法は、テレビやスピーカーのモデルによって複数あります。
スピーカー接続の基本的な方法
スピーカーの接続方法は大まかに分けると「有線接続」か「無線接続」の2種類です。どの接続方法を選ぶかの前に、2点をチェックして準備しましょう。
- テレビのスペックをチェックする。
- テレビに適した接続方法のスピーカーを選ぶ。
有線接続
有線接続の場合には、テレビの背面を見て、備わっている端子の種類を確認してください。
有線接続には、テレビの背面にあるHDMIや光デジタル(OPTICAL)端子、赤白のRCA音声端子、AUX(3.5㎜オーディオケーブル)などを使います。それぞれ専用のケーブルを使って、テレビとスピーカーの同一の端子同士を繋ぎます。
多いのはHDMIで、HDMIケーブルはスピーカーに同梱されている製品が多いです。
無線接続
無線接続は、Bluetooth方式で接続する場合が多いですが、2.4GHzデジタルワイヤレス方式もあります。
Bluetooth方式の場合、テレビがBluetoothを搭載しているか確認してください。取扱説明書は各メーカーのホームページ上でも検索できます。
Bluetoothはスマホやタブレット、パソコンとの接続もしやすく、屋外利用や複数機器との接続におすすめです。
古いテレビの場合は、Bluetooth接続に対応していないこともあります。Bluetoothトランスミッターを活用すると接続できる場合があります(後述)。
2.4GHzデジタルワイヤレス方式の場合は、2通りの接続方法があります。
1つ目は、スピーカー付属の送信機をテレビに接続する方法です。
ただ、2.4GHz帯は電子レンジなど多くの家電で利用されているので、他の機器と電波干渉する可能性があります。ノイズが入ってしまう場合には2.4GHzの機器と距離を離しましょう。
2つ目は、テレビに光デジタル端子がある場合に使える方法で、光デジタルケーブルを用意してテレビと送信機をデジタル接続します。音質が1つ目の方法より良くなる方法です。
◆ワイヤレスタイプのスピーカーの設置方法はこちらでも紹介しています。
◆ワイヤレスタイプのスピーカーのおすすめはこちらで豊富に紹介しています。
HDMI、光デジタル、アナログ接続の違い
有線接続のうち、代表的な3つの接続方法を取り上げます。
使用しているテレビに搭載されている端子の種類によりますが、基本的には、いずれかの方法で接続できるはずです。
HDMI
テレビの背面にある「HDMI端子(ARCまたはeARC)」を利用して、「HDMIケーブル」を利用して接続します。HDMI端子もHDMIケーブルも複数種類あるのでよく確認してください。
HDMIは、映像と音声を伝送する規格のことで、両方を一気に伝送できるので、映像や音声機器で広く使われています。
HDMIで接続できると、スピーカーもテレビのリモコンで操作できます。
HDMI接続はよく使われる方法なので、HDMIケーブルはスピーカーに同梱されていることが多いです。
テレビにHDMI端子があるか、HDMI端子が「ARC」または「eARC」のどちらか、あるいは両方に対応しているのか、を確認してから、適合するスピーカーを選びましょう。
ARCなのかeARCなのかは、テレビのHDMI端子の場所に記載されています。テレビにHDMI端子は複数ありますが、ARCまたはeARCと表示されたHDMI端子に接続しないと、スピーカーに音は出力されません。
ARCとは、オーディオ・リターン・チャンネルといって音声信号に関する技術のことです。現在はほとんどのオーディオ製品がARC対応のHDMIを搭載しています。eARCはARCの拡張機能で「Dolby Atmos」のような3Dサラウンドまで再生できます。
HDMIケーブルのバージョンにも注意が必要です。
eARC対応のスピーカーなら、HDMIケーブルもeARC対応の「ウルトラハイスピードタイプHDMI 2.1」でないと問題が出る場合があります。
eARCの場合なら、テレビ、スピーカー、HDMIケーブルともeARC対応で揃えましょう。
光デジタル
光デジタル接続は、テレビの背面にある「光デジタル端子(OPTICAL)」を利用して、「光デジタルケーブル」で接続します。テレビにHDMI端子が無い場合も、光デジタル接続が選択できます。
テレビに「光デジタル」と書かれた端子があるか確認しましょう。
光デジタルケーブルの先端は2種類あります。
「光角型プラグ」は、先端が角形の形状で、対応機器が多いです。
「光ミニプラグ」は、先端が細長くて丸い形状です。光角形プラグよりもサイズが小さいので、小型のスピーカーに使用します。
光デジタル端子も多くのテレビやスピーカーに搭載されています。
アナログ
アナログ接続では「RCA音声端子(赤白)」や「AUX(3.5㎜オーディオケーブル)」を使います。
アナログ端子には、ノイズが入りやすいデメリットがあります。
ですので、よりきれいな音で聴けるHDMI接続や光デジタル接続の方がおすすめです。
RCA音声端子で繋ぐ方法は比較的古いテレビの場合に使われます。
RCA端子の赤白はスピーカーの右と左に対応して音を伝送しています。テレビの端子部分の表記通りの色を差し込みましょう。
「AUX(3.5㎜オーディオケーブル)」端子には、ヘッドフォンを繋いだことがある人も多いでしょう。
比較的安価で手頃に用意できるスピーカーで採用されていることが多く、AV機器に弱くてもとても馴染みやすい方法です。
おすすめのテレビ用スピーカー
おすすめのテレビ用スピーカーから3タイプ紹介します。
スピーカーの価格帯は数千円から数十万円まで幅広くあるので、予算に合わせて選びましょう。
サウンドバー:コンパクトで高音質
最も主流で、テレビの前に置いて使う横長の細いバー(棒状)タイプのスピーカーです。
シンプルな形状で邪魔になりにくく、テレビとつなぐだけでかんたんに使えます。
スリムでコンパクトでも高音質なので人気です。
サイズも様々な製品がありますが、テレビの横幅より短いものだと収まりが良いです。カラーはテレビの枠と同系色にするとインテリアに馴染ませやすいでしょう。例えば以下のような商品があります。
◆以下の記事でサウンドバーの置き場所やおすすめ商品を紹介しています。気になる人はチェックしてくださいね。
サラウンドスピーカー:臨場感ある音響体験
サラウンドは「取り囲む」の意味で、セットになった複数個のスピーカーを、聴く人を取り囲むように配置して使います。
設置スペースに余裕があって、高い音響効果を求める人におすすめ。
より本格的なスピーカーで、まるで映画館のような迫力の音声を実現するので、映像の世界観への没入感がたまらないことでしょう。
サラウンドには「5.1ch」「7.1ch」「2.1ch」などの表記があります。これらの数字はスピーカーの数を表しています。
例
「7.1.2ch」:
スピーカーの数:7、サブウーハーの数:1、上方向のスピーカーの数:2
つまり、7つのスピーカーを周囲に配置し、サブウーハー(重低音用)を1つ、上方向(天井面)に2つのスピーカーを配置した構成を意味。
サウンドバータイプでも、バーチャルサラウンド効果を持たせた製品も多くなってきています。部屋のスペースを感知するので、1本のスピーカーだけでも、従来製品よりも高い音響効果を発揮するようになっています。
サラウンドスピーカーは、バーチャルサラウンドに対して、リアルサラウンドともいわれます。例えば以下のような商品があります。
ワイヤレススピーカー:設置の自由度が高い
ワイヤレススピーカーは置く場所を選びません。テレビ側ではなく聴く人の手元に置けるので、音量を上げなくても聴きやすさがアップします。
作業しながらのながら聴きや、大きな音量を出したくない深夜の利用におすすめ。
充電式や乾電池式のコンパクトな本体を手軽に移動できるので、料理中にキッチンで楽しんだり、ダイニングテーブル上に移動したりできます。
Bluetoothでスマホとも接続できるタイプなら、アウトドアにも使えます。以下のような商品がワイヤレススピーカーです。
◆高音質にこだわりたいなら、こちらの記事を参考にしてみてください。
◆リーズナブルなスピーカーをお探しなら、こちらの記事が役立ちます。
テレビの音をスピーカーから出すために必要なものは?
テレビとスピーカーを接続する際に必要なものを確認しましょう。
テレビとスピーカーの仕様が合っていなかったり、ケーブルの長さが足りない場合に別途用意すると便利なものも紹介します。
必要なケーブルとアダプター
基本的にはスピーカー購入時に同梱されていて、スピーカーを購入すればすぐ使いはじめられる仕様のものがほとんどでしょう。
ケーブル
ケーブルは、接続方法によって使うものが変わります。同梱されていない場合には、別途準備しましょう。
端子とケーブル
HDMI →HDMIケーブル
光デジタル →光デジタルケーブル
AUX →AUX3.5㎜オーディオケーブル
RCA音声端子(赤白) →RCAケーブル
Bluetoothワイヤレス →ケーブル不要
2.4GHzデジタルワイヤレス →光デジタルケーブル(またはケーブル不要)
HDMIやAUXの場合は、スピーカーに同梱されている場合が多くなっています。ただ、もっと長さが欲しい場合や断線してしまった場合にはAmazonなどでも購入できます。
アダプター
ACアダプターは、充電式のスピーカーの場合、USB用のACアダプターなどが同梱されている場合がほとんどです。故障した場合には、メーカーホームページなどで購入できる製品もあります。
乾電池式などのスピーカーは、ACアダプターなしで使えます。充電式のスピーカーは、購入前に、一度の充電でどのくらい使えるのか(連続再生時間)と、充電にかかる時間をチェックするようにしましょう。連続再生時間は、音量など使用環境でも変わってきますが、あまり頻繁に充電しなければならないとストレスに感じがちです。
テレビとスピーカーのポート(端子)が合わない場合には、変換アダプターを活用することもできます。
たとえば、AUX端子がないテレビの場合、RCA音声端子で繋げるようにできるのが以下のような製品です。
Bluetoothトランスミッターの活用
「Bluetoothトランスミッター」とは、Bluetooth非搭載のテレビをBluetooth接続できるように変えられる小型の機器です。
こんな時に便利に使えます。
ワイヤレス接続するつもりでBluetoothスピーカーを購入したのに、テレビが非搭載モデルなので困った…。
テレビにはBluetooth搭載モデルと非搭載モデルがあります。しかも、搭載されていたとしても「受信」のみの場合には、スピーカーと繋げられません。
トランスミッターとは、データや信号を受け取り、それらを指定の形式(有線または無線)に変換してくれる回路を指します。
手の平サイズで扱いやすく、使い方も簡単です。例えば以下のような商品があります。
Bluetoothトランスミッター購入時のチェックポイント
- テレビの端子と合っているか(AUX(3.5㎜オーディオケーブル)、光デジタル)
- スピーカーのBluetoothのバージョンに合っているか(バージョン4.0・5.2など)
Bluetoothトランスミッターを接続するときも、テレビの端子と合わせて繋がなくてはなりません。
トランスミッターの接続方法は、1種類から複数タイプまであります。そのため、テレビに備わっている端子を確認してから、Bluetoothトランスミッターを選びましょう。
ほとんどの場合、トランスミッターは「AUX(3.5㎜オーディオケーブル)」端子を使って接続します。
AUXは、ヘッドホンを繋ぐときに使うので、ほとんどのテレビに備わっている端子です。
もし「光デジタル」端子を備えているトランスミッターとテレビなら、光デジタルでも接続できます。光デジタルの方が、AUXより遅延しにくく、音もいい性質があります。
次に、Bluetoothトランスミッターは、スピーカーのBluetoothのバージョンと合う製品を選びます。
Bluetoothのバージョンは「3.0」以前と「4.0」以降で兌換性がありません。そのため、スピーカーとBluetoothトランスミッターはともに「4.0」以降のバージョンでないと繋げません。
「4.0」が出たのは2009年のため、新品を購入する場合には気を付けなくても問題ありませんが、フリマサイトなどでの購入時には気をつけましょう。
バージョンが異なるデバイス同士で接続できた場合は、低いバージョンに合わせて接続されます。つまり、高いバージョンで改良された性能が発揮できなくなるので、その点は注意が必要です。
「5.0」以降ではBluetoothの弱みだった音の遅延などが軽減されているのでおすすめです。できるだけ最新バージョンを選んでおく方が使用感が良くなります。
Bluetoothトランスミッターの使い方
Bluetoothトランスミッターを「TXモード」にしてテレビに取り付ける。
Bluetoothトランスミッターには「TXモード(送信機モード)」と「RXモード(レシーバーモード)」の2つのモードがあるので、「TXモード」にしてテレビに取り付けることで、テレビの音声をスピーカーに送れます。
手持ちのテレビがBluetoothを搭載していない場合には、上記に気をつけて、ぜひ、適合するBluetoothトランスミッターを用意しましょう。
スピーカーケーブルの選び方
ケーブルは、基本的にはスピーカーに同梱されているもので支障ありません。
別途購入する場合には、スピーカーの製品説明書で適合するコネクタの形状やバージョンを確認してから購入しましょう。HDMIケーブルや光デジタルケーブル自体にもコネクタの形状やバージョンが複数あります。
◆HDMIケーブルの詳細はこちらの記事が参考になります。
別途で購入することにもメリットがあって、高品質のケーブルに変えると音質を上げられる場合があったり、延長ケーブルで長さを足せます。
長さは、スピーカーを手元で使いたい場合には5mほど長さがあると快適です。部屋のスペースによるので、テレビからのおおよその距離を測って準備しましょう。
たとえばこんな製品があります。
ケーブルは、扱い方によって断線してしまったり、脱着をくりかえすとコネクター部分が破損したりしてしまいます。とりわけ、光デジタルケーブルは折り曲げや圧迫に弱いので、扱いに注意しましょう。
まとめ
スピーカーをテレビに接続して使いたいときは、テレビについて各端子やBluetoothの「搭載・非搭載」「種類」「バージョン」「形状」などをよくチェックしてからスピーカーを購入しましょう。確認したいポイントは以下の通りです。
有線接続したい場合
- テレビに備わっている端子の種類を確認し、仕様の合ったスピーカーを購入する。
- 別途購入が必要なケーブルがあれば、取扱説明書で適合する製品をよくチェックしてから購入する。
無線接続したい場合
- Bluetoothの場合は、非搭載テレビでもBluetoothトランスミッターが活用できる。
- Bluetoothにもバージョンがあり、なるべく最新のトランスミッターとスピーカー同士がおすすめ。
スピーカーをテレビに接続すれば音質にこだわった快適空間が手軽に作れるので、ぜひ生活に導入してみましょう。