車のバッテリー上がりは、運転する人なら誰もが経験するかもしれないトラブルです。
エンジンがかからない、ライトがつかないなど、バッテリー上がりが原因で車が動かなくなってしまうと予定が狂ってしまうだけでなく、時間と手間がかかって大変です。
この記事ではバッテリー上がりの原因や上がるまでの時間、対処法、そして防止方法について詳しく解説します。
バッテリートラブルに悩まされている方、これから車を運転する方はぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 車のバッテリーは、ランプ類のつけっぱなしやACC・アイドリング状態でのエアコンやナビ、オーディオの使用などで起こる
- バッテリー上がりは、早ければ1時間以内、多くの場合数時間~半日程度で発生し、古いバッテリーだとより短い時間でも起こる
- 普段からバッテリーが上がりやすい行動を控え、万が一に備えて小型バッテリーを装備したり、ロードサービスの利用について確認したりしておくことが大切
何をしたら車のバッテリーは上がる?
車のバッテリー上がりはよくあるトラブルだけど、何をしたら上がるのかな?
車のバッテリーは、さまざまな原因で上がってしまうことがあります。
バッテリー上がりとは、蓄えられていた電力が大幅に減少し、エンジンの始動ができなくなった状態です。
一度バッテリーが上がってしまうと、ジャンピングスタートやバッテリー充電などの対処が必要になり、時間と手間がかかってしまいます。
バッテリー上がりを防ぐには、日頃からバッテリーに負担をかけすぎないよう注意することが大切です。
では、具体的にどのような行為がバッテリー上がりの原因となるのでしょうか。
ここからは、バッテリーが上がる主な原因を詳しく解説していきます。
ライト類のつけっぱなし
ヘッドライトやルームランプなどのライト類を、エンジンを切った状態で長時間つけっぱなしにしていると、バッテリーが上がる原因になります。
特に、一晩中ライトをつけたままにしてしまうと、翌朝バッテリーが上がっていて、エンジンがかからないなんてことも。
駐車時はライトが確実に消えているか、ドアがきちんと閉まっているかを確認する習慣をつけましょう。
ドアが半開きの状態だと、室内灯が点灯し続けバッテリーに負荷がかかります。
アイドリングでエアコンを運転
暑い日や寒い日にアイドリング状態でエアコンを使うと、バッテリーに大きな負担がかかります。
アイドリング時はオルタネーターの回転数が低いため、バッテリーへの充電量が少なくなるのです。
また長時間のアイドリングはバッテリーだけでなく、エンジンにも悪影響を及ぼすので避けるべきです。
停車中の空調は、長時間になればなるほど、どうするべきか悩ましい問題ですが、カーエアコン以外の方法を考えるべきでしょう。
アイドリングストップは、近隣に騒音や悪臭の影響を与えたり、大気汚染の原因になったりするため、場所によって禁止されている場合も多いです。
また地域によっては、条例として禁止している場合もあり、そもそもアイドリング状態自体が望ましくないとされています。
ACC状態でテレビやオーディオを使用
ACC(アクセサリー)状態とは、駐車している際にエンジンをかけずにカーナビなどが使用できることをいいます。
ACC状態でカーナビやテレビ、オーディオなどの電装品を長時間使用すると、バッテリーが上がる恐れがあります。
カーナビの設定変更など、どうしてもACC状態で行う必要がある作業は、なるべく短時間で済ませるようにしましょう。
長時間の使用が必要な場合は、エンジンをかけた状態で行うのが賢明です。
長期間にわたる自然放電
バッテリーは使用していなくても、少しずつ自然放電していきます。
車を長期間にわたって使用しないでいると、自然放電によってバッテリー上がりを起こす可能性が高まるのです。
数週間以上車を使用しない場合は、定期的にエンジンをかけて30分ほど走行するのがおすすめです。
これにより、バッテリーへの充電とエンジンの回転を維持できます。
またドライブレコーダーの駐車監視機能など、常時電力を消費する装置を使用している場合は、長期間の駐車には注意が必要です。
日頃からバッテリーに過度な負担をかけないよう、こまめな注意を払うことが大切ですね。
車のバッテリーが上がるまでの時間
車のバッテリーが上がるまでにかかる時間は、さまざまな要因によって変化します。
ライトの消し忘れやエアコンの使いすぎなど、電力を消費する行為を続けるとバッテリーはどんどん放電していきます。
では、具体的にどのくらいの時間でバッテリーが上がってしまうのでしょうか。
ここでは、バッテリーが上がるまでの目安時間を解説します。
ただし、これらの時間はあくまで目安であり、車の状態やバッテリーの劣化度合いによって大きく変動する可能性があります。
日頃からバッテリーの状態に注意を払い、上がりそうな兆候を見逃さないようにすることが大切です。
バッテリーが上がるまでの時間の目安
バッテリーが上がるまでの時間は、何をしているかによっても異なります。
行動別にバッテリーが上がってしまう時間の目安は以下の通りです。
バッテリーが上がる行動 | 上がるまでの時間目安 |
---|---|
ヘッドライトのつけっぱなし | 3~5時間 |
室内灯のつけっぱなし | 半日~1日 |
ハザードランプやウインカーのつけっぱなし | 数時間~十数時間 |
ドアの半開き | 半日~1日 |
ACCモードで放置 | 4~5時間 |
ACC状態でナビやオーディオを使用 | 30分~1時間 |
車を長期間にわたって使用しない | 1か月~ |
多くのケースで、数時間程度でバッテリーが上がると言えるため、注意が必要です。
また場合によっては1時間足らずで、バッテリーが上がることもあるため、極力上記のような行動をとらない方が良さそうです。
バッテリーが上がると、車が動かなくなってしまうため、外出先などでは非常に困ります。
普段から、どのようなことでバッテリーが上がってしまうのが理解しておき、十分に注意しながら車を使用しましょう。
バッテリーの状態によっても時間は変わる
バッテリーの状態によって、バッテリー上がりまでの時間は大きく変化します。
古いバッテリーや劣化が進んだバッテリーは、新品時に比べて容量が減少しています。
そのため同じ原因でも、より短時間でバッテリー上がりを引き起こす可能性があります。
例えばヘッドライトの消し忘れでも、劣化したバッテリーなら1時間でバッテリー上がりを起こすかもしれません。
バッテリーは、一般的に寿命が2年から5年ほどといわれています。
古いバッテリーを使っている場合は、日頃からバッテリーの点検を欠かさないようにしましょう。
車のバッテリーが上がってしまったら
車でドライブ中、突然エンジンがかからなくなったら、まずはバッテリー上がりを疑いましょう。
バッテリーが上がると、スターターモーターが動かなくなり、エンジンを始動できなくなってしまいます。
バッテリー上がりはライトの消し忘れやエアコンの使いすぎなど、ちょっとした不注意から起こることがあります。
またバッテリーの寿命が尽きかけていると、突然の故障につながることも。
もしバッテリーが上がってしまったら、どうすればいいのでしょうか。
パニックに陥る前に、冷静に状況を見極め、適切な対処法を選ぶことが大切です。
ここからは、バッテリー上がり時の対処法について一つずつ解説していきます。
他の車から電気を分けてもらう
バッテリーが上がってしまった時、手っ取り早く対処する方法の一つが、他の車からジャンピングスタートをしてもらうことです。
ジャンピングスタートとは、正常に動いている車のバッテリーから、上がってしまった車のバッテリーに電気を分けてもらいエンジンを始動させる方法です。
ジャンピングスタートには、ブースターケーブルと呼ばれる特殊なケーブルを使用します。
ジャンピングスタートは手軽に試せる方法ですが、手順を間違えるとバッテリーを痛める可能性もあります。
しっかり手順を確認してから行いましょう。
小型バッテリーから電気を供給する
バッテリー上がりの対処法としてもう一つおすすめなのが、ジャンプスターターの使用です。
ジャンプスターターは大容量のモバイルバッテリーのようなもので、上がったバッテリーに直接つないで充電することができます。
メリットは、他の車を必要とせず、自身でバッテリー上がりに対処できる点です。
コンパクトなサイズのものが多いので、常に車に積んでおけばいざという時に役立ちます。
ただし、ジャンプスターター自体が充電切れを起こしていては意味がありません。
定期的に充電し、いつでも使える状態にしておくことが大切です。
また、ジャンプスターターの中にはUSB機器の充電やLEDライトなど、便利な機能を備えたものもあります。
車内の備品として一つ用意しておくと、バッテリー上がり以外の場面でも役立つかもしれません。
バッテリーを取り出して充電する
バッテリーを車から取り外して充電器で充電する方法もあります。
この方法は、バッテリー自体の劣化が原因で上がりを繰り返している場合に有効です。
取り外したバッテリーは、専用の充電器を使って充電します。
バッテリーの種類に合った充電器を選ぶ必要があるので、自信がない場合は自動車用品店などで相談するのがおすすめです。
充電器の取扱説明書に従ってバッテリーを充電し、充電には数時間から十数時間かかることもあるので、十分に時間的余裕が必要となります。
バッテリーの取り外しと充電は、ある程度の知識と技術が必要な作業です。
自信がない場合は、カーショップなどの専門家に依頼しましょう。
ロードサービスを呼ぶ
バッテリー上がりに自分で対処するのが難しい場合は、ロードサービスに助けを求めるのも一つの手です。
ロードサービスとは、車のトラブルに対応してくれる緊急時のサポートサービスのことです。
ロードサービスを提供しているのは、自動車保険会社とJAF(日本自動車連盟)です。
多くの自動車保険には、ロードサービスが付帯されています。またJAFは、会員になることでロードサービスを利用できます。
バッテリー上がりが発生したら、加入している保険会社またはJAFに連絡を取りましょう。
状況を説明すると、現場に駆けつけてくれる業者を手配してくれます。
ロードサービスの費用は、加入している保険やJAFの会員プランによって異なります。
多くの場合、基本的なサービスは無料で利用できますが、一部有料になることもあるので確認が必要です。
バッテリーを新しく取り替える
バッテリー上がりが頻発するようであれば、バッテリーの寿命が尽きている可能性が高いです。
その場合は、新しいバッテリーに交換することを検討しましょう。
バッテリーの寿命は、一般的に2~5年といわれています。
ただし、使用状況や環境によって、より早く劣化することもあります。
バッテリー交換は、カーショップや整備工場に依頼するのが一般的です。
車種に合ったバッテリーを選び、適切な方法で交換してくれます。
バッテリーの価格は車種によって異なりますが、数千円~4万円前後が相場です。
バッテリーを交換する際は、古いバッテリーの適切な処分も忘れずに。
バッテリーには環境に悪影響を及ぼす物質が含まれているため、専門の回収拠点に持ち込むなどして、ルールに従って処分しましょう。
時間の取れない方は、以下のような出張車両整備サービスを利用するのもおすすめです。
車のバッテリー上がりを防ぐポイント
車のバッテリー上がりは、ちょっとした不注意から起こることがあります。
ライトの消し忘れやエアコンの使いすぎなど、日頃の運転習慣を見直すことで、バッテリー上がりのリスクを大幅に減らすことができるのです。
ここでは、バッテリー上がり防止のポイントを詳しく解説します。
エアコンの稼働時間や稼働率を下げる
エアコンは、車の電装品の中でも特に電力消費が大きいパーツです。
夏場は冷房、冬場は暖房と1年を通して使用頻度が高くなります。
エアコンを使う際は、必要以上に長時間つけっぱなしにしないよう注意しましょう。
目的の温度に達したら、こまめにエアコンを切るのがおすすめです。
また、エアコンの設定温度を極端に低くしたり高くしたりすると、コンプレッサーに負荷がかかり余計に電力を消費してしまいます。
適度な温度設定を心がけましょう。エアコンに頼りすぎず、窓を開けて外気を取り入れるのも良い方法です。
電装品の過度な使用を控える
エアコン以外にも、オーディオやカーナビ、シートヒーターなど、車にはさまざまな電装品が搭載されています。
これらを同時に使用すると、バッテリーに大きな負担がかかります。
特に、エンジンを切った状態でこれらの電装品を長時間使うのは厳禁です。
アイドリングストップ中にオーディオを聴き続けるなどの行為は、バッテリー上がりを招く危険性が高いのです。
普段から、電装品の使用は必要最小限に抑えるよう心がけましょう。
使わないものはこまめに電源を切る習慣をつけると良いですね。
ライトのつけっぱなしに注意する
ヘッドライトやフォグランプなどのライト類も、バッテリー上がりの原因となります。
特に、エンジンを切った状態でライトをつけっぱなしにすると、バッテリーの消耗が早まります。
車を離れる際は、必ずライトが消えていることを確認しましょう。
また、ドアを開けた状態で長時間停車していると室内灯が点灯し続け、バッテリーに負担がかかります。
防犯のためにも車を離れる際は、ドアがしっかりと閉まっていることを確認しましょう。
一見些細なことのようですが、こうした小さな積み重ねがバッテリーの寿命を縮める原因となるのです。
アイドリング・ACC状態を長時間続けない
アイドリング状態やACC状態を長時間続けると、バッテリーに負担がかかります。
エンジンがかかっていれば、オルタネーターがバッテリーに充電を行います。
しかしアイドリング状態では充電量が少なく、電装品の使用などでバッテリーの消耗が進んでしまうのです。
一方、ACC状態ではエンジンがかかっていないため、オルタネーターによる充電は行われません。
この状態で電装品を使い続けると、バッテリーの電力が急速に奪われていきます。
どうしても長時間の停車が必要な場合は、時折エンジンをかけてバッテリーに充電するのがおすすめです。
無駄なアイドリングは避けつつ、バッテリーの状態にも気を配る習慣が大切ですね。
小型バッテリーを用意しておく
万が一のバッテリー上がりに備えて、ジャンプスターターと呼ばれる小型バッテリーを用意しておくこともおすすめです。
ジャンプスターターは、大容量のモバイルバッテリーのようなもの。
上がってしまったバッテリーに接続することで、エンジン始動に必要な電力を供給してくれます。
一人で運転することの多い人や、遠出の際の備えとして、ジャンプスターターを車に常備しておくと安心です。
コンパクトなサイズのものが多いので、車内の荷物になりません。
ただし、ジャンプスターター自体のも忘れずに充電しておく必要があります。
使う頻度は少ないかもしれませんが、いざという時に役立つアイテムです。
車のバッテリーが上がる時間は状態や何をしたかによっても変わる
車のバッテリー上がりは、ライトの消し忘れやエアコンの使いすぎ、電装品の過度な使用など、日頃の運転習慣が原因であることが多いです。
バッテリーが上がるまでの時間は状況によって異なりますが、古いバッテリーや劣化したバッテリーは、より短時間で上がってしまう可能性があります。
バッテリーが上がってしまったら、他の車からジャンピングスタートをしてもらう、ジャンプスターターを使う、バッテリーを充電するなどの方法で対処しましょう。
どうしても自分で対処できない場合は、ロードサービスに頼るのも一つの手です。
バッテリー上がりを防ぐにはエアコンや電装品の使用を控えめにし、ライトの消し忘れに注意することが大切です。
また、小型バッテリーを常備しておくことで、もしもの時に備えることができます。
普段からバッテリーの状態に気を配る習慣をつけましょう。