「エアコンはつけっぱなしの方が電気代が安くなる」「エアコンをつけっぱなしにすると壊れる」などさまざまな情報があるため、エアコンの使い方について悩んでいる方もいるでしょう。
この記事では、エアコンをつけっぱなしにすると壊れるのかどうか、またつけっぱなしにした際の電気代やメリット・デメリットを解説します。
エアコンの電気代の節約方法も紹介するのでぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- エアコンはつけっぱなしで壊れることはないが、使用時間の分、寿命は短くなっていく
- つけっぱなしでの使用では電気代はそこまで上がらず、むしろ頻繁にオン/オフするより節約につながる
- つけっぱなしにする際はこまめにフィルターを掃除し、自動運転を使うのがおすすめ
エアコンはつけっぱなしで壊れる?
エアコンをつけっぱなしにすると壊れるって聞いたことがあるけど、本当なのかな?
エアコンを長時間連続して使用すると、壊れてしまうのではないかと心配な方も多いのではないでしょうか。
この章では、エアコンをつけっぱなしにすると壊れるのかどうか、火災になるのかどうか、またエアコンが壊れる原因について解説します。
エアコンを正しく安全に使用するためにも、ぜひ参考にしてください。
つけっぱなしでは壊れない
エアコンを長時間連続して使用すると、機器に過度の負荷がかかり壊れるのではないかと心配する人もいるかもしれません。
しかし、実際にはエアコンの設計は長時間の運転を想定しており、適切にメンテナンスを行っていればつけっぱなしで故障することはほとんどありません。
ダイキンのホームページには以下のような記載があります。
エアコンを連続で運転しても安全上の問題はありません。安心してご利用ください。
引用:ダイキン
ただし、長期間連続で運転すると稼働時間が長くなり、製品の使用期間(寿命)は縮まることがあります。
このようにエアコンは長時間運転を前提に設計されているため、適切なメンテナンスを行っていれば、つけっぱなしで使用しても問題は生じません。
エアコンが壊れる原因とは?
エアコンが壊れる原因は多岐にわたりますが、最も一般的なのは電子部品の不具合です。
特にエアコンの基盤やその他の電子部品は、経年劣化により故障しやすくなります。
これには、使用頻度が高いことや、時間の経過に伴う自然な摩耗が影響しています。
また、製造時の初期不良や設置後の漏電も故障の一因となることも。
エアコンの冷媒系統も、故障の一般的な原因です。
冷媒系統にはエアコンの核となる部分が含まれており、この部分に問題が生じると、冷却や暖房の機能が正常に働かなくなる可能性があります。
冷媒系統の故障は、施工の不備や経年による配管の腐食、破損が主な原因で、これにより冷媒が漏れ出すことがあります。
つけっぱなしで火災になる?
エアコンを長時間使用していると火災のリスクが高まると考えられがちですが、現代のエアコンは安全性が高く設計されているため、正常に機能している限り、つけっぱなしで火災になる可能性は低いとされています。
ただし、メンテナンス不足や設置不備、製品の欠陥がある場合には火災のリスクがあります。
主なリスクは、内部の配線が老朽化してショートすることや、モーターの過熱、電気接続部の不具合によるものです。
また、フィルターが詰まり過ぎているとエアコンが過労状態になり、過熱してしまうこともあります。
これらの問題を避けるためには、定期的にメンテナンスを受けることが重要です。
自身でも定期的にフィルターをを掃除し、運転に異常がないかチェックしてみましょう。
エアコンの設置場所にも注意が必要で、燃えやすい物質が近くにないか、十分な通気性が確保されているかを確認することも火災防止に繋がります。
エアコンをつけっぱなしにしたら電気代は?
エアコンを長時間運転する際、心配なのが電気代でしょう。
特に、夏の暑い期間や冬の寒い期間にエアコンをつけっぱなしにすると、電気代が高くなると考えがちです。
しかし、ダイキンの公式サイトでは以下のように解説されています。
日中9:00~18:00の時間帯は、30分間であればエアコンを切るより、「つけっぱなし」にするほうが消費電力量は少なかった。
引用:ダイキン「 夏のエアコンつけっぱなし検証!」
これは、エアコンが運転開始直後に最も多くの電力を消費し、設定温度に達してからは消費電力が減少するためです。
したがって、短時間の外出ならばエアコンを切るよりもつけっぱなしにしておく方が電気代の節約につながります。
外出する時刻や時間の長さを考慮せずに「つけっぱなし」にしていると、「こまめに入り切り」するより消費電力量は多くなった。
引用:ダイキン「 夏のエアコンつけっぱなし検証!
つけっぱなしでも電気代を過度に心配する必要はないものの、1時間以上部屋を空ける場合には、電源をオフにした方が電気代はかかりません。
また室内温度が適温で、外気温を考慮しても安定しそうであれば、エアコンを切っても良いかもしれません。
エアコンは比較的電気代は安い家電と言われていますが、少しでも節約を意識するなら、日頃の使い方を見直してみましょう。
エアコンをつけっぱなしにするデメリット
暑い夏や寒い冬には、エアコンを長時間運転することもあるでしょう。
そのため、つけっぱなしの運転がエアコン本体に及ぼす影響を知っておくことは重要です。
エアコンをつけっぱなしにすることには、確かにメリットもありますが、長期的に見るといくつかのデメリットも存在します。
この章では、エアコンを長時間稼働させ続けることで生じるデメリットについて解説します。
エアコンの適切な使用法を理解することで、エアコンの早期劣化を防ぎ、長期的なコスト削減につなげることが可能です。
製品や部品の寿命が短くなる
エアコンを連続して長時間運転することは、その製品や部品の寿命を短くする一因となります。
特にエアコンのコンプレッサー、ファン、その他の機械部品は、長時間の運用により過度の磨耗が生じやすく、これが故障のリスクを高める要因となります。
コンプレッサーはエアコンシステムの心臓部ともいえる部品で、冷媒を圧縮し循環させる重要な部分です。
このコンプレッサーが常に稼働していると、内部の摩耗が進み、結果としてその効率が低下します。
エアコンの部品が磨耗して効率が悪くなると、設定温度を維持するためにさらに多くのエネルギーを消費することになり、これがさらに部品の負担を増やします。
エアコンの各部位は、使用頻度や使用時間に比例して、劣化していくと考えてよいでしょう。
電気代がかかる
エアコンをつけっぱなしにすることの最も大きなデメリットは、電気代の増加です。
連続して運転することで消費する電力量が増え、それが直接的に電気代の増加につながります。
エアコンの消費電力は、特に運転を開始した直後や、外気温が高い日中に最も多くのエネルギーを必要とするため注意が必要です。
設定温度に達するまでの間、エアコンはフルパワーで動作するため、この期間の電力消費が非常に大きくなります。
その後、設定温度を維持するために必要な電力は少なくなりますが、それでもエアコンを停止することなくずっと稼働させていれば、電源をオフにしているときに比べて、当然電力を消費することとなります。
つけっぱなしによる電気代は高すぎるというものではありませんが、節約を強く意識する場合には、電気代をよりかけずに、体感温度を適切に保てる方法を検討するとよいでしょう。
フィルターが汚れやすくなる
エアコンをつけっぱなしにすることで、フィルターが汚れやすくなるというデメリットもあります。
エアコンのフィルターは室内の空気をきれいに保つために非常に重要な役割を果たしていますが、連続してエアコンが運転されることにより、フィルターを通る空気の量が増え、その結果としてフィルターに蓄積されるホコリや汚れも多くなります。
エアコンのフィルターが汚れると、エアコンの冷却効率や暖房効率が低下する原因に。
フィルターが汚れて空気の流れが妨げられると、エアコンは設定温度に達するために余計なエネルギーを消費してしまいます。
さらに、フィルターが十分に機能しないと、室内の空気質も悪化します。
空気の流れが悪くなることで内部の部品に過度の負担がかかり、特に冷却コイルの凍結や過熱、コンプレッサーの故障など、重大なトラブルの原因となる場合もあります。
したがって、エアコンをつけっぱなしにする際は、フィルターの定期的な清掃や交換を怠らないことが重要です。
エアコンをつけっぱなしにするメリット
エアコンをつけっぱなしにすると聞くと、多くの人が高い電気代を心配するかもしれませんが、実際にはつけっぱなしにすることによるメリットもあります。
この章では、エアコンをつけっぱなしにすることのメリットを解説します。
つけっぱなしにするメリット・デメリットを理解して、エアコンを上手に使いましょう。
電気代が安くなることもある
エアコンをつけっぱなしにすると電気代が高くなると考えられがちですが、実際にはエアコンの種類や使用方法によっては電気代を節約できることもあります。
エアコンのコンプレッサーは起動時に最も多くのエネルギーを消費します。
そのため、頻繁にオンオフを繰り返すよりも一定の設定温度で連続運転した方が、全体のエネルギー消費を抑えられる場合も。
また、室内の温度を感知して運転を調整するため、必要以上に冷暖房をすることなく効率的に室温を維持するモデルもあります。
このようなエアコンは、一定の温度に保つことで効率的に動作し、エネルギー消費を抑えることができます。
つけっぱなしにすることで、より安定した運転が可能となり、結果的に電気代を節約することが可能です。
室内温度を一定に保てる
エアコンをつけっぱなしにするメリットの一つは、室内温度を一定に保つことができる点です。
これは特に、温度変化が激しい日や、家を空ける時間が長い場合に有効です。
エアコンが連続して稼働することで、部屋の隅々まで一定の温度が保たれ、温度変化による不快感を軽減できます。
さらに、室内温度が安定することで、家電製品や家具などの材質へのダメージも最小限に抑えられるでしょう。
木製の家具や楽器などは、温度や湿度の変化に敏感で、環境が安定していないと劣化しやすくなる場合もあります。
また、室内の温度が一定に保たれることで、夏場の熱中症などのリスクも軽減されるでしょう。
エアコンの電気代をおさえる方法
エアコンは快適な室内環境を提供する一方で、電気代に大きな影響を与える家電の一つです。
特に夏の暑い時期や冬の寒い時期にはエアコンの使用が増え、それに伴い電力消費も増大します。
しかし、エアコンの使い方を少し工夫するだけで電気代を効果的に抑えることが可能です。
この章では、エアコンの電気代を節約するための具体的な方法をいくつか紹介します。
これらの方法を適切に実践することで、エアコンを効率良く使用し、快適さを保ちながらも電力消費を減らすことができます。
自動運転を使う
エアコンの自動運転機能は、室内の温度を常に快適な範囲に保ちつつ電気代を節約するのに大いに役立ちます。
自動運転モードではエアコンが部屋の現在の温度を自動的に感知し、必要に応じて冷暖房の強度を調整するため、過剰に冷やしたり暖めたりすることなく、最も効率的な運転を実現します。
また、自動運転モードは手動で温度を頻繁に調整する手間も省け、放っておくだけで快適な温度を保てるのもメリットです。
効率的な自動運転機能を活用することで、快適な室内環境を維持しつつ、電気代を節約しましょう。
温度を調節する
エアコンの温度設定を少し調整するだけで、電力節約が期待できます。
一般的に、エアコンの温度設定を1度上げるだけで使用する電力を約10%削減できるとされています。
夏場は冷房をセットする温度を少し高めに設定し、冬場は暖房をセットする温度を少し低めに設定してみましょう。
例えば、夏場は室内温度を26度から28度に設定し、冬場は20度前後に保つことが一般的です。
この温度範囲は、多くの方に快適でありながら、エアコンの電力消費を大幅に抑えることができます。
また、室内の温度を一定に保つためにカーテンやブラインドを利用し、直射日光を遮ることも効果的です。
これにより、エアコンが過度に働くことを防ぎさらなるエネルギーの節約につながります。
こまめに電源をオン・オフしない
エアコンの電源をこまめにオン・オフすると、一見節電につながるように思えますが、実際にはその逆の効果をもたらすことがあります。
エアコンは起動時に最も多くのエネルギーを消費するため、頻繁にオン・オフを繰り返すと、その都度、大量の電力を使用することになります。
これは、エアコンのコンプレッサーが動き始める時に高いエネルギーが必要とされるためで、その結果、電気代が無駄に高くなってしまうのです。
長期的に見ても、エアコンのコンプレッサーに頻繁な負荷がかかることは、機器の寿命を縮める原因となります。
適切な温度設定で連続運転を行うことにより、エアコンはより効率的に稼働し、不必要なエネルギー消費を抑え、節約につなげられます。
湿度を調整する
湿度は人の体感温度に大きく影響し、エアコンの効率にも関連しています。
暑い時期に湿度が高すぎると、室内がムシムシと感じられ、冷房を強くしてしまいがちです。
逆に寒い時期には、湿度が低すぎると、体感温度が下がるだけでなく、暖房時により空気が乾燥しすぎて、肌や呼吸器に悪影響を及ぼすことがあります。
加湿器や除湿器を使用して快適な湿度に保ち、体感温度を調整することで、エアコンの稼働をおさえることができます。
エアコンの除湿機能を使用することも、湿度を調節できるのでおすすめです。
サーキュレーターを併用する
サーキュレーターをエアコンと併用することで、エネルギー効率を向上させるとともに、室内の快適性を高めることができます。
サーキュレーターは、空気を効率的に循環させ、エアコンの冷暖房した空気を部屋の隅々まで均一に配分します。
これにより、エアコンの設定温度に室内温度が到達しやすくなります。
エアコンの消費電力は、設定温度に到達するまでに最も多くかかるため、なるべく早く室内温度を安定させることが節約に効果的です。
またサーキュレーターを使用することで、室内における温度差も解消できます。
空気の循環は湿度の均一化にもつながり、より快適な室内環境を作り出します。
フィルターを定期的に掃除する
エアコンのフィルターを定期的に掃除することは、エアコンの性能維持や電気代節約に非常に重要です。
フィルターが汚れると、エアコンの冷暖房効率が著しく低下し、より多くのエネルギーを消費してしまいます。
また、フィルターの目詰まりはエアコンの内部部品への負担を増加させ、修理費用がかかる故障の原因となることもあります。
フィルターの掃除は、比較的簡単に自分で行うことが可能です。
フィルターをエアコンから取り外し、ほこりを払った後、水洗いするだけで良い場合が多いです。
洗浄後はよく乾かしてから再びエアコンに取り付けます。
定期的なフィルター掃除は、不必要なエネルギー消費を防ぎ、電気代の節約に繋がるだけでなく、室内の空気品質も改善も期待できます。
エアコンはつけっぱなしでも壊れない!電気代も高くない!
エアコンをつけっぱなしにしても機器が壊れる心配は少なく、また電気代が必要以上に高くなるというわけでもありません。
最新のエアコンは効率的に設計されており、適切な温度設定と定期的なメンテナンスを行うことで、エネルギー消費を抑えつつ長時間運転が可能です。
電気代はつけっぱなしによって高くなるわけではないため、節約を意識してエアコンの使用を控える必要はありません。
自動運転モードを使ったり、温度や湿度を調整したり、サーキュレーターを一緒に使ったりといった使用方法を工夫することで、エアコンの電気代を抑えることもできます。
特に暑い季節などエアコンを長時間使用する時期は、この記事を参考にエアコンを賢く使いましょう。