クエン酸を洗濯機で使用することが話題になっています。
クエン酸は洗濯機に安全に使用できるのでしょうか?
クエン酸を洗濯機で使うメリットにはどのようなものがあるのでしょう?
この記事では、クエン酸を洗濯機で安全に使用する方法や注意点について紹介します。
またクエン酸の代替洗剤についてもお伝えするので、最後まで記事をチェックしてくださいね!
クエン酸を洗濯機で使うメリットとは?
クエン酸を洗濯機で使うと、どのようなメリットがあるのでしょうか?クエン酸を洗濯機で使うことによる効果やメリットについて、以下で詳しくご紹介します。
クエン酸の基本的な効果と洗濯での活用法
クエン酸を洗濯に使用するなら、まずクエン酸の基本的なことを知っておくことが必要。クエン酸の基本的な効果は、以下の通りです。
- 殺菌効果
- 防臭効果
- 疲労回復効果
- マグネシウムやカルシウム、鉄の吸収をサポート
- 食欲増進
- 下痢や便秘の改善
- 血糖値の抑制
クエン酸は食品添加物としても使用されており、食用として使用した場合には、疲労回復や食欲増進など、さまざまな効果が期待できます。また殺菌効果、防臭効果もあるので、お掃除などに利用されることも多いです。
さらにクエン酸は、重曹を混ぜて使うことで炭酸水を作ることも可能。冷蔵庫の炭酸水が切れていても、すぐに作れて便利です。
こうした幅広い効果・効能が期待できるクエン酸は、洗濯に使用してもさまざまなメリットがあります。クエン酸を洗濯に使用した場合のメリットを、以下にまとめました。
- 防臭効果がある
- アルカリ性を中和し、衣類の繊維を保護する
- アルカリ性の汚れを落とし、衣類の黄ばみを防ぐ
- 自然由来の成分なので、アレルギーのリスクを低減する
クエン酸で洗濯というと、「大丈夫なのかな」と思う方も多いかもしれませんが、このように洗濯に使ってもさまざまな効果が期待できます。
洗濯機でのクエン酸使用が衣類に及ぼすプラスの影響
洗濯機でクエン酸を使用することで、衣類にはいくつものプラスの影響を与えられます。単なる洗剤としての役割だけではなく、クエン酸にはさまざまな効果が。洗濯機で洗剤としてクエン酸を使用した場合の衣類への影響は、以下の通りです。
- クエン酸は自然素材なので衣類が触れても肌にやさしい
- 衣類の色落ちや形崩れ、伸び縮みなどを防ぐ
- 衣類についたにおいを分解する
- 衣類がふんわりと仕上がるので柔軟剤代わりにも使える
クエン酸には化学的なものは使用されておらず、自然素材なので、洗濯をした衣類が体に触れても安心。通常の洗剤ではアレルギー反応が出てしまう敏感肌の人にも、クエン酸での洗濯はおすすめです。
またクエン酸は酸性という特性があり、アルカリ性を中和してくれる働きがあります。そのため、洗濯によるダメージを軽減し、色落ちや型崩れ、衣類の伸びや縮みなどを防いでくれることも。おしゃれ着など、ダメージを与えたくない衣類の洗濯にも使えます。
さらにクエン酸自体に消臭効果があるため、洗濯物のにおいを分解し、においを抑えてくれるのも嬉しいポイントです。またクエン酸を使った洗濯では衣類がふんわりと仕上がるので、柔軟剤代わりにも使用できます。
環境に優しい洗濯補助剤としてのクエン酸の役割
クエン酸は自然由来のものなので、環境に優しい点もポイントです。市販の洗剤の場合、成分によっては排水した際に水を汚してしまう可能性があります。洗濯の水が、最終的に河川の汚染に繋がって問題になることもあります。クエン酸は環境にやさしい成分なので、排水しても環境に悪影響を与える心配がありません。
また洗剤や柔軟剤による香害も話題となっていますが、クエン酸自体ににおいはなく、クエン酸は消臭効果もあるため、強い香りが苦手な方などへの配慮にも繋がります。
クエン酸は洗剤のように汚れを徹底的に落とすことはできないため、洗剤補助剤として優秀です。週に1度程度、クエン酸の洗濯を取り入れることで、衣類にも環境にもやさしい効果が期待できます。
クエン酸使用による洗濯コストの削減効果
クエン酸を洗濯に使用することによって、洗濯コストも削減可能です。クエン酸は100均ショップでも販売されており、洗濯に使用する量も、1回の洗濯で大さじ1杯から2杯程度。通常の洗濯用洗剤を使用するよりも、ずっと安く洗濯できます。
洗剤に使用できるクエン酸を、以下にまとめました。
メーカー名・商品名 | 内容量 | 料金 |
---|---|---|
ダイソー | 200g | 110円(税込) |
セリア | 120g | 110円(税込) |
シャボン玉石けん | 300g | 550円(税込) |
激落ちくんクエン酸 | 300g | 302円(税込) |
ミヨシ石鹸 暮らしのクエン酸 | 330g | 432円(税込) |
商品によって価格の差はありますが、クエン酸はいずれもお手頃な価格で購入できます。食用の場合は食用のクエン酸を購入する必要がありますが、洗濯の場合ならどのクエン酸でも問題ありません。
またクエン酸は粉状になっているため、水で薄めて使用すると大変コスパが良いです。多くの洗濯用洗剤は液体なので、クエン酸を水に溶かして使用するのに比べると、コスパが悪いと言えるでしょう。
クエン酸は普段か料理などで使用しているという場合は、そのままそれを使えばOK。料理に使用できるクエン酸は不純物が取り除かれているだけなので、成分に違いはありません。
クエン酸を洗濯機で使う際のリスクとその対策
クエン酸を洗濯機で使用する場合には、リスクがあることも覚えておきましょう。クエン酸の洗濯にはリスクもありますが、対処法があるので心配いりません。以下でクエン酸の洗濯のリスクとその対策について解説します。
洗濯機が錆びる原因とクエン酸の関連性
クエン酸を洗濯で使用するリスクの1つに、洗濯機が錆びてしまうというものがあります。クエン酸で洗濯機が錆びる理由は、クエン酸と鉄の相性が悪いことです。クエン酸を使用する際に鉄製のものが近くにあると、錆びてしまうことがあります。
洗濯機の洗濯槽にも鉄が使われている部分があり、クエン酸が残ってしまうと錆びてしまうのです。そのため、洗濯機でクエン酸を使用する場合には、クエン酸が残らないようにしっかりすすぐことが大切。洗濯を終えた後、一度すすぎを行うと良いでしょう。
またお掃除にクエン酸を使用する場合も、鉄部の近くにクエン酸が残らないように気をつけることが必要。
ただクエン酸は錆落としにも使えるアイテムです。ステンレスなどの錆は、クエン酸を使用すると綺麗に落ちることがあります。また頑固な錆の場合は、クエン酸と重曹をあわせて使用することで、綺麗に落ちることも。
いずれにしても、洗濯槽にクエン酸が残ってしまうと錆が発生する可能性があり、洗濯機が故障する可能性があるので、クエン酸はしっかり落としましょう。
クエン酸使用による洗濯機の故障事例と予防策
クエン酸を使用した場合の洗濯機の故障事例には、以下のようなものがあります。
- 残っていたクエン酸が洗濯槽の金属部分を腐食させてしまう
- 排水経路が詰まってしまう
- クエン酸の酸が部品に影響して運転不良に繋がってしまう
上記のような故障を防ぐためには、クエン酸をぬるま湯などでしっかり溶かしてから使用するのがおすすめです。またクエン酸を使用して洗濯した後には、クエン酸が残らないようにしっかりすすぎましょう。
また、以下でも紹介しますが、クエン酸の量は守り、入れすぎないようにするのも大切です。クエン酸はきちんと注意を守って使用すれば、便利に使用できます。
クエン酸の適切な使用方法と量の調整
クエン酸での洗濯をリスクを減らして行うには、適切な使用方法と量の調節が大切です。クエン酸での洗濯は、洗浄力に関しては市販の洗剤に比べると弱いので、クエン酸の量を増やしてしまう人もいるかもしれません。
ただクエン酸の量は多ければ良いというものではなく、多すぎると溶けずに残ったり、衣類にも残ってしまう可能性もあります。クエン酸の量は、あくまでも適量を守りましょう。クエン酸の適量は、15リットルの水に対して大さじ1〜2杯程度です。
クエン酸を使用した洗濯の方法は、以下のように行いましょう。
- 水15リットルに対して、大さじ1〜2杯のクエン酸を洗濯槽に入れる
- 洗濯物を入れ、洗濯機をまわす
- 洗濯が終わったら、通常の洗濯をもう一度行う
3の洗濯は、別の洗濯物を入れても大丈夫です。あくまでも、洗濯機に残ったクエン酸を取り除くための洗濯なので、洗濯物がなければ、空回しでもかまいません。
またクエン酸を柔軟剤のように使用する場合は、以下の手順で行いましょう。
- 洗濯洗剤と洗濯物を入れ、通常通りに洗濯機をまわす
- すすぎの段階で、水30リットルあたり3グラムのクエン酸を入れる
- すすぎが終われば脱水する
柔軟剤代わりにクエン酸を使用すると、衣類が柔らかくふんわりと仕上がるのでおすすめです。
洗濯機メーカーの推奨事項と非推奨の見解
洗濯の際にクエン酸を使用することに対して、洗濯機メーカーは推奨しているのでしょうか?調べて見たところ、洗濯機メーカーは、クエン酸を洗濯機に使用することについて、非推奨の場合が多いようです。
クエン酸については動作確認を行っていないメーカーも多いので、メーカーとしては、何があっても自己責任というスタンス。メーカーがクエン酸を非推奨にする理由は、クエン酸の酸が洗濯機の部品の鉄に錆を起こしたりする可能性を考慮してのことのようです。
洗濯機のメーカーの1つであるPanasonicは、公式サイトのFAQで以下のようにクエン酸の使用について言及しています。
「機器内部の部品に悪影響を与えたり、運転不良につながります。」※引用:Panasonic公式サイトFAQより
またPanasonicは上記のFAQの中で、クエン酸を使用した自動投入のお手入れなどについては、決まった使用量とやり方を守ってするようにと説明しているようです。
自動投入のお手入れの際には、水やぬるま湯約200㎖に対し、クエン酸小さじ一杯をしようとのこと。洗濯機に対してクエン酸を使用することを禁止しているのではなく、鉄部に触れる可能性がある場合のクエン酸の使用について、注意喚起を行っているようです。
クエン酸の代替洗濯補助剤と比較
洗濯洗剤の代替品として利用できるのは、クエン酸だけではありません。クエン酸以外の洗濯洗剤代替品の紹介と比較について、以下にまとめました。
クエン酸と重曹・酸素系漂白剤の効果比較
クエン酸の代替洗剤補助剤としては、重曹と酵素系漂白剤があります。これらの成分と効果は、以下の通りです。
クエン酸 | 重曹 | 酵素系漂白剤 | |
成分名 | クエン酸 | 炭酸水素ナトリウム | 過炭酸ナトリウム |
液性 | 酸性 | 弱アルカリ性 | 弱アルカリ性 |
期待できる効果 | 洗浄・消臭 | 洗浄・研磨・消臭 | 漂白・消臭・除菌 |
※参照:シャボン玉石けん通販ショップ
上記の表でも分かるように、クエン酸と重曹・酵素系漂白剤は、それぞれ液性や期待できる効果が異なります。そのため、あわせて使うことで、より効果がアップすることも。
ただ水に溶かしたクエン酸、酵素系漂白剤は、密閉が厳禁となっています。またクエン酸・重曹・酵素系漂白剤ともに作り置きはできません。
洗濯槽の掃除に最適な洗濯補助剤の選択
クエン酸は洗濯槽の掃除に最適な洗濯補助剤ですが、クエン酸の他にも洗濯槽の掃除に便利なアイテムはあります。クエン酸以外に使える洗濯槽の掃除アイテムは、重曹と酢・酵素系漂白剤です。
重曹を使用して洗濯槽を掃除する場合は、以下の方法で行いましょう。
- 糸くずネットをはずす
- 洗濯槽にお湯をためる
- 重曹を入れて、標準の洗濯を行う
- 5時間程度、放置する
- 浮いている汚れをすくい取る
- 洗濯機をサイドまわす
- 浮いている汚れを取る
- 排水する
- すすぎと排水を2,3回繰り返す
- 洗濯槽を乾かす
次に、酢を使用した場合の洗濯槽の掃除方法をご紹介します。
- 洗濯機に酢を500mlほど入れる
- 洗濯槽に水を入れる
- 半日ほど放置する
- 洗濯機を標準コースで回す
最後に、酵素系漂白剤を使用した洗濯槽の掃除をご紹介しましょう。
- 40〜50度のお湯を洗濯槽にためる
- 酸素系漂白剤をお湯約10リットルに対して100g程度入れる
- 洗濯機を3分程度まわす
- そのまま3〜4時間放置する
- 3分ほど洗濯機を回す
- 浮いてきた汚れをネットなどで取る
- すすぎと脱水を行う
上記の方法を用いて洗濯槽を掃除すると、驚くほど汚れが浮いてくるのが分かります。汚れが酷い場合は、何度か掃除を繰り返すと良いでしょう。その場合は、すすぎをしっかり行ってください。
自然派洗剤としてのクエン酸の立ち位置
クエン酸は自然派洗剤の代表格でもあります。クエン酸は、柑橘類などに含まれる有機化合物のことで、自然由来の健康食品としても有名です。
クエン酸には食用のものとそうでないものがありますが、成分は同じ。食用の食品添加物のクエン酸は、不純物が少ないだけで、通常のクエン酸とほぼ変わりません。そのため、体に害のあるものが入っていないという点で、自然派洗剤として注目されています。
クエン酸の代わりに使用できる自然派洗剤に酢がありますが、酢はにおいが気になる方も多いでしょう。酢を洗濯に使用した場合、衣類は乾かせばにおいは気にならなくなりますが、洗濯槽にはにおいが残ってしまうことも。その点、クエン酸ならにおいがほぼないので安心です。
クエン酸以外の環境に優しい洗濯アイテム
クエン酸以外の環境に優しい洗濯アイテムには、以下のものがあります。
- 重曹
- セスキ炭酸ソーダ
- アルカリ電解水
クエン酸以外の環境に優しい洗濯アイテムとしては重曹・セスキ炭酸ソーダ・アルカリ電解水があります。クエン酸は酸性ですが、重曹・セスキ炭酸ソーダ・アルカリ電解水は弱アルカリ性です。
洗濯に使用する際には、酸性の汚れに対しては弱アルカリ性の重曹・セスキ炭酸ソーダ・アルカリ電解水を、アルカリ性の汚れに対してはクエン酸を使用するようにすると効果的でしょう。
ただしいずれの場合も、洗濯槽に成分が残らないように、洗濯を終えた後に通常洗濯を行うなどの対策をしておくことが必要です。
まとめ
クエン酸を洗濯機で使用する方法についてお伝えてしてきました。結論から言うと、クエン酸は洗濯機で使用でき、以下のような効果が期待できます。
- 衣類のにおいを抑制する
- アルカリ性を中和し、衣類の繊維を保護する
- アルカリ性の汚れを落とし、衣類の黄ばみを防ぐ
- 自然由来の成分なので、アレルギーのリスクを低減する
またクエン酸を使用した洗濯をすることで、衣類には以下のようなメリットも。
- クエン酸は自然素材なので衣類が触れても肌にやさしい
- 衣類の色落ちや形崩れ、伸び縮みなどを防ぐ
- 衣類についたにおいを分解する
- 衣類がふんわりと仕上がるので柔軟剤代わりにも使える
クエン酸を使用した洗濯には良いことも多いですが、洗濯槽が錆びてしまうなどのリスクの心配もあります。クエン酸を使用した洗濯を行う場合は、用量や手順を守って行いましょう!