自由な時間を楽しめる一人暮らしですが、生活費の管理は悩ましい問題ですよね。この記事では、一人暮らしの生活費の平均費用や、節約のコツをたっぷりと解説します。無理なく節約できるアイデアや習慣を取り入れることで、生活費のムダな出費を減らせます。
収支把握の方法や家計簿の大切さ、光熱費や固定費の節約方法など、すぐに取り入れられる実践的なヒントが満載です。節約のコツを学んで、お金に悩まない心地よく堅実な暮らしを手に入れましょう。
一人暮らしの生活費の目安
やっと慣れてきた一人暮らし。みんなはどれぐらい生活費がかかってるんだろう?
一人暮らしにおける生活費の目安は、個人の生活状況や地域によって異なりますが、一般的な基準から予算を立てられます。主な生活費の内訳は、家賃などの住居費、水道光熱費、食費、交通費、通信費などです。必要に応じて、交際費や学習費、保険料などが含まれます。
手取りの収入から考えると、家賃の目安が手取りの3分の1といわれているので、そこから月々貯金したい額を引き、残った額が使える生活費です。
一般的な平均
1人あたりの生活費は、平均して月に12~13万円程度だと言われています。総務省統計局が公表した家計調査(2022年度)によると、一人暮らしの1ヶ月の平均生活費は、家賃費を含めて全体では161,753円です。ただし、これは全国平均値で、住む地域や年齢、収入によって差が生じます。
大学生・社会人別に見てみると、大学生は約13万円、若い社会人では約14.7万円が月の平均生活費です。大学生は学生寮やシェアハウスなどを利用しているため、家賃が安く抑えられています。生活費は節約の工夫や努力によって抑えられます。収入に余裕があれば、貯蓄や投資に回すことも大切です。
男女・年齢による差異
一人暮らしの生活費は、性別や年齢によっても異なります。年齢別に見ると、若い世代は収入が低いので節約志向が強く、生活費が低い傾向があります。20代の平均的な生活費は18.8万円ですが、30代では収入が増えて生活レベルが上がり、食費や住居費、趣味や旅行にかける費用や交際費の出費も増えています。
男女別に見ると、男性のほうが生活費や交際費が高い傾向です。特に食費の違いが大きく、平均食費は男性が約4万円、女性が約3.5万円というデータがあります。被服費や生活用品費に関しては女性のほうが高い傾向にあります。
地域による差異
家計調査によると、一人暮らしの平均生活費は地域によってもばらつきがあります。
北海道・東北地方 | 約14.6万円 |
関東地方 | 約17.8万円 |
北陸・東海地方 | 約15.5万円 |
近畿地方 | 約15.9万円 |
中国・四国地方 | 約14.8万円 |
九州・沖縄地方 | 約14.0万円 |
関東地方が最も高い平均生活費なので、東京・神奈川エリアでの一人暮らしでは、生活費の目安を多めに見積もりましょう。その他のエリアでは月に16万円以下の生活費でも十分に暮らせます。
支出別に見ると、食費は物価や食文化の影響から関東地方が最も高く、光熱費は気候やエネルギー事情で北海道・東北地方が最も高い傾向があります。交通費や交際費においても、都市部エリアでは高くなりやすいです。
一人暮らしにおける生活費を管理するポイント
毎月の生活費をもう少し抑えたい!おすすめの節約方法は?
年齢や性別、住む地域によって生活費の差がありますが、適切な予算管理と賢い節約術を取り入れることで、生活費をコントロールできますよ。無駄な支出を減らし、安定した家計を管理するには、これから解説する生活費を管理するポイントを抑えておきましょう。
収入と支出のバランスを把握するために簡単な家計簿をつけたり、いらない費用がないか定期的に見直したりすることも大切です。支出のパターンや傾向を把握できれば、節約の余地やムダな出費を発見できます。
1か月の収支を把握する
一人暮らしにおける生活費管理では、1か月の収支を把握するのが肝心です。収入と支出のバランスを正確に把握すれば、自身の経済状況が分かります。まずは、給与や副業・投資収入など、すべての収入源をまとめて収入額を算出します。
支出では、食費、光熱費、住居費、交通費、通信費、娯楽費、医療費など、大まかなカテゴリーを基にして明細を整理します。月単位で収入と支出のバランスを確認し、残金がプラスであれば収支は健全です。マイナスの場合は支出の見直しや、収入を増やす策を考える必要があります。
簡単に家計簿をつけてみる
生活費の管理には、簡単でも構わないので家計簿をつけ、支出が見えるように把握することが大切です。月単位で家計簿をつけようとすると億劫になって続かないので、毎日の隙間時間で簡単に記入できるシンプルなものがおすすめです。無料の家計簿アプリを使うのも便利ですよ。
クレジットカードは後日まとめて支払われるため、現金とカード支出を分けて記録することも重要です。支払いカードごとに支払い日を記録し、何の出費であったかを分かりやすくしておきます。日々の記入ができたら、当月末や翌月初に集計と振り返り、無駄な出費や改善の余地がある項目を探してみましょう。
いらない費用がないか見直す
定期的に支払っている契約やサブスクリプションサービスなどは、本当に必要なのか見直してみましょう。テレビやインターネットのプラン、携帯電話のプランなどを見直すことで、無駄な費用を削減できるかもしれません。
他にも、定期購読している雑誌や新聞、クラブなどの会費や、動画のサブスクリプションサービスも見直しの対象です。入会していることを忘れて、使わないのに払い続けているサービスがあれば解約して、無駄な支出を減らしましょう。
クレジットカードのポイントをうまく活用する
日々の支払いをクレジットカードにして、買い物時に貯まるポイントをうまく活用するのも、賢い節約方法のひとつです。日常の支出に応じて自動的にポイントが貯まるので、意識的に貯めようとしなくても積み上げていけます。
クレジットカード利用に応じてポイントが貯まるカード会社を選ぶと、ポイントを現金やギフト券に交換できたり、月々の支払いに充当できたりします。ただし、クレジットカード利用では、リボ払いなどの多用で負債を抱えないよう注意が必要です。計画的な支出と返済を心がけ、ポイントを有効に利用しましょう。
固定費|一人暮らしにおける生活費の節約方法
毎月の支払いが必要な固定費は、定期的に見直すことで無駄な出費を減らせます。まずは住居費に着目しましょう。家の場所や広さを見直して、都市部から少し離れたエリアや、ワンルームやシェアハウスなどのコンパクトな住まいを選べば、家賃を大幅に抑えられます。
インターネットなどの通信費や、電気やガスの契約会社も見直して、自分のライフスタイルや使い方、使用量に適した節約効果の高いプランへの切り替えも検討します。毎月の固定費が浮けば、その分を貯蓄へ回すことができますよ。
家賃が妥当であるか見直す
毎月の生活費の中で、最も大きな割合を占める固定費が家賃です。一般的に、収入の手取り額の3分の1以下が家賃の目安とされています。例えば、手取りが20万円で、生活費が10万円、貯蓄額が2万円だとすると、家賃の上限は8万円です。
収入に対して家賃が高すぎる場合には、長期的な節約を考えて、引っ越しも検討してみましょう。家賃は立地や設備によって変わります。都心部や駅近、新築や築浅、オートロックなど設備が充実した物件は家賃が高く、郊外や駅から遠い、築年数が古い、設備が簡素な物件は家賃が安い傾向にあります。
保険料が妥当であるか見直す
世の中には、医療保険や生命保険、自動車保険、ペット保険など、さまざまな保険商品があります。保険料が収入に占める割合は、一般的に収入の5~10%が目安で、目安範囲以上を保険料に充てていれば見直しの余地がありそうです。保険料の見直しには、自分に必要な保障内容の確認が重要です。
病気や怪我での療養中の生活費、医療費や介護費などの将来的なリスクも把握しましょう。医療保険や生命保険では、年齢が若く健康なうちに加入すると月々の保険料を安く抑えられ、オンライン申し込みで割引を受けられるケースもあります。
食費編|一人暮らしにおける生活費の節約方法
食費の節約にはやっぱり自炊!
苦手だけど取り組んでみよう!でも何から始めればいいかな?
食費の節約は、健康的な食事をしながら貯金を増やしていける、メリットの大きな節約手段です。一人暮らしでは、外食やテイクアウトを減らすだけでも大きな節約につながります。無理のない範囲で自炊を行ない、まとめ買いなどで食材単価を抑えましょう。
冷凍保存をうまく使えば、食材の長期保存や作り置きの保存によって、自炊の効率を高められます。おかずを多めに作ってお弁当を持参したり、休日の外食を自宅で済ませるのも効果的です。食費をコントロールしながら自炊スキルを高め、健康的な食生活を送りましょう。
できる範囲で自炊を取り入れる
外食やインスタント食品は、一食あたりの単価が高い食品です。できる範囲で自炊をすれば、食費を大幅に節約できます。また、ファストフードやテイクアウト食品は塩分や油分が多く、栄養バランスが悪い場合が多いです。
自炊では好みや体調に合わせて、野菜やタンパク質などの必要な栄養素を摂取し、健康的な食生活へと整えられます。毎日きちんと作るのは負担にもなり得ますので、週末にまとめて作っておく工夫も必要です。平日は忙しくて料理する時間がなくても、ストックがあればレンジで温めるだけで手軽に食べられます。
お惣菜などはスーパーで購入する
一人暮らしでは自炊する時間や気力がない日もありますよね。すぐに食べられるお弁当やお惣菜を購入するときは、スーパーで買うよう心がけると食費を節約できます。コンビニやデパートよりも価格が安く、栄養バランスまで考えられていることも多いです。
また、夕方から閉店間際の時間帯にかけては、廃棄を防ぐために惣菜や弁当類が値引きされています。タイムセールの時間帯を狙えば、さらに安く食品を手に入れられますよ。
まとめ買いや冷凍を上手く活用する
まとめ買いや冷凍を上手く活用することで、食費を節約できます。まとめ買いでは量が多くなるほど単価が下がることがあります。まとめ買いの食材はそのまま保存しておくと消費期限までに使いきれませんが、冷凍しておけば鮮度を長持ちさせられます。
パン類などは袋ごと冷凍して、野菜や生鮮食品などは使いやすいようにパッキングしておきましょう。野菜はあらかじめカットしてから冷凍すると、調理で使いたいときにすぐ使えて便利です。
水道光熱費編|一人暮らしにおける生活費の節約方法
続いては、水道光熱費の効果的な節約方法についてです。水道光熱費の支出は、日頃のこまめな節電・節水対策、エアコンの温度設定管理も大切ですが、契約会社の根本的な見直しも大きな節約効果を得られます。
「電力自由化」と聞くけど、契約会社って変えられるの?
電気やガスの提供が自由化された今では、限られたサービスからではなく、自分にとって最もメリットのあるサービス会社を選択できるようになりました。基本プランをはじめ、提携サービスやポイント付与なども考慮して、自分に適した会社と契約しましょう。
契約会社を見直す
水道光熱費を節約するには、契約会社や料金プランの見直しが肝心です。電気やガスは自由化されており、消費者が各社の料金やサービスを比較検討して、自分のライフスタイルに合う会社を選べるようになりました。
電気とガスをセットで契約することで割引が受けられる場合もあります。契約会社によって、利用料金に応じたポイントが付与されるサービスもあり、TポイントやPontaポイントなど、普段から貯めているポイントサービスを扱っている会社を選ぶと、効率よくポイントが貯まります。
こまめに節電・節水をおこなう
水道光熱費は大きな出費のひとつです。電気代を節約するには、必要なときだけ電気をつけることが基本です。部屋を出るときや寝る前には、必ず電気を消しましょう。また、スタンバイ電力も無駄になるので、電化製品のコンセントも抜くようにしましょう。
水道代の節約では、水を使う回数や量を減らすことがポイントです。歯磨きや洗顔時には、水を出しっぱなしにせず、シャワーを使っている時間もこまめにお湯を止めましょう。節水用のシャワーヘッドを取り付けるのもおすすめです。
エアコンの温度を上げる・下げる
夏や冬はエアコンの使用が多くなり、電気代が高くなりがちですが、温度設定を調整することで電気代を節約できます。冷房温度が1度高くなると約13%、暖房温度が1度低くなると約10%もの電力削減につなげられます。温度設定の目安としては、夏は28度、冬は20度が目安です。
扇風機やサーキュレーターと併用して空気を循環させることで、効率の良い冷暖房運転が行なえてさらに電気代を抑えられます。暑い夏場には、カーテンやブラインドを閉めて日差しを遮ることも効果的です。
その他の費用|一人暮らしにおける生活費の節約方法
一人暮らしの生活費には、通信費や娯楽費などの費用も含まれます。通信費においては、スマートフォンやインターネットの契約プランを見直しましょう。自分にとって必要な通信量や通話時間を把握して、適切なプランに切り替えるだけでも無駄な費用を減らせます。
毎月のスマホ料金が高いな…もう少し削れないかな?
格安スマホが安いって聞くけど…乗り換えの手続きが大変そう。
必要に応じて格安スマホへの乗り換えも検討すると、月々の通信費を大きく抑えられますよ。娯楽費の節約には、定額制サービスやストリーミングサービスの活用すると、月々の定額内で収まって家計の把握もしやすいのでおすすめです。
格安スマホに乗り換える
格安スマホの契約プランは、SIMカードを端末に差し替えることで利用できます。SIMフリーの端末では差し替えてすぐ利用開始できますが、SIMロック端末で他社サービスを利用する際には解除が必要です。
格安スマホは月額料金が安く、大手キャリアと比べて半額以下になることもあり、契約期間や解約金がなく、プランやサービスを自由に変更・解約できるメリットの多いサービスです。ただし、地域によっては電波圏外となるところもあるので、自分の住む地域が対応しているか確認しましょう。
娯楽費は予算を決める
一人暮らしでは自分の好きなことに自由にお金を使えますが、娯楽費は気づかないうちに多くなってしまうことがあります。まずは収入と支出を把握することが大切です。毎月の収入と固定費を引いた残りの金額から、食費や日用品などの必要経費を差し引き、残る金額が娯楽費の上限です。
上限金額をあらかじめ現金で引き出して、封筒や財布などに分けて管理すると使いすぎを防げます。自分の趣味や好みに合わせて、レンタルやストリーミングサービスを利用するのも節約のコツです。本や雑誌などの読み物は、図書館の利用や中古本の購入で節約できますよ。
一人暮らしの生活費をうまく管理してしっかり貯金することを心がけよう
一人暮らしでは生活費をうまく管理して貯金することが大切です。貯金しておくことで、予期せぬ出費への備えや万が一働けなくなった場合の生活費を確保できます。
- 収入と支出のバランスを把握し、毎月の生活費の目安を設定する
- 簡単な家計簿をつけて全体収支を把握する
- 必要経費を見極めて、無駄な出費を避ける
- 外食やテイクアウトを控え、自炊をして食費を抑える
- 欲しいものは勢いで買わず、本当に必要か考えて衝動買いを避ける
- 電気・ガス会社やスマホの契約会社の見直しも大切
生活費をしっかりとコントロールするには、自分自身で収支や家計を把握しておくことが最も重要です。そのためにも、家計を見える化できる家計簿を記入しましょう。手書きが面倒な人はアプリを使って隙間時間に入力すると楽に続けられます。
また、家計簿は記入して終わるのではなく、月ごとにまとめて振り返りを行なうことがポイントです。無駄な出費はなかったか、削れる項目はないかどうかなど、毎月振り返ることで節約効果をさらに高められます。