一人暮らしだけではなく、生活費の中において食費は大きなウエイトを占めています。日々の中でなるべく抑えたいところですが、一人暮らしを始めたばかりでは、節約のコツなどがいまいち掴めていないと思います。
そこで今回は、一人暮らしの方に向けて、食費の平均や節約ポイント、自炊に便利な家電について詳しくご紹介します。自炊に挑戦すれば、健康的でおいしい食事も楽しめますよ。節約ポイントを抑えて家電を上手に活用し、浮いた食費を趣味や貯金に回しましょう。
一人暮らしの食費の平均
大学生から始めた一人暮らし。みんなはどのくらい食費がかかっているのか気になる…!
僕は社会人だけど、営業という仕事柄、外食の機会が多いくて平均より高いかも…。
一人暮らしでは、生活費の中で食費は大きな割合を占めます。社会人になれば収入が増えますが、大学生は仕送りやバイトの給料などの限られた予算内でやりくりしなければならず、食費の節約がより重要なポイントになってきます。
まずは、社会人と大学生の一人暮らしにおける平均食費について見ていきましょう。収入に対する理想的な食費の割合も解説しますので、自分の生活に合った食費の目安を確認してみてください。
社会人の一人暮らしにおける平均食費
社会人の一人暮らしにおける平均食費は、男女によって若干の金額差があります。34歳以下を対象にした社会人男性の平均食費は1ヶ月あたり39,821円、女性は1ヶ月あたり29,405円という平均でした。
2021年の家計調査によれば、単身世帯における1ヵ月の平均食費は38,410円です。総支出は155,046円であることを踏まえると、食費の支出割合は約25%で、家計費のうちの約4分の1を占めていると分かります。
大学生の一人暮らしにおける平均食費
一人暮らしをしている大学生の平均食費は、1ヵ月あたり約24,680円という結果が出ています。勉強がメインの大学生は、バイトに割く時間を捻出するのが難しく、仕事に重きをおく社会人よりも収入が少ないため、かなり食費を削っていることが分かります。
1日あたりにすると約822円なので、平均食費内に収めるには自炊が必須と言えます。この平均額はコロナ禍前の水準よりも低く、コロナの影響を受けてバイトのシフトが減ってしまったことや、食費を削らなければ生活費をやりくりできないといった背景もあります。
収入に対する理想的な食費の割合
一人暮らしにおける理想的な食費は、手取り収入の約15%が目安だと考えられています。手取り収入が15万円の場合、理想の食費は2万2,500円が目安です。あくまで理想的な割合なので、収入額や居住地域の物価、就業状況、他の支出項目とのバランスによっても多少変わります。
例えば、家賃や光熱費が安く、月にかかる交通費も少ない場合には、食費の割合を少し増やしても問題ありません。生活費の4分の1を占める食費を少しでも抑える方法としては、やはり外食を減らして自炊頻度を増やすのが肝心です。
一人暮らしの食費を節約するポイント
続いては、実際に食費を抑えていくためにどうすればいいのか、具体的な節約ポイントを見ていきましょう。一人暮らしの食費を節約するには、月ごとの食費予算を決め、なるべく自炊して外食費を削り、日々の無駄な支出を減らしていくことが大切です。
食費を見直してみたら、やっぱり外食費が高い…少し頻度を減らしてみようかな?
月に参加する飲み会の頻度を決めておいたり、学生であればまかない付きのアルバイトを選ぶのもおすすめです。それでは一人暮らしの食費を節約する、実践的なポイントを解説していきましょう。
自炊する
一人暮らしの食費を節約する、最も確実な方法が自炊です。外食先やファストフードなどのテイクアウトは、手軽である一方、高額になりがちです。また、油物や揚げ物などが多く、栄養バランスが崩れ、カロリーオーバーにもなってしまいます。
自炊では栄養バランスを意識した食事ができるだけでなく、食費を抑えられるメリットもあります。ただし、無計画なままで食材を買っては、食材を余らせてしまい使い切れません。
初めのうちは1週間分の献立を考えるのは難しいので、2〜3日分の献立をざっくりと決めて、計画的に食材を買いましょう。
食費の予算を決める
食費は予算決めが肝心です。予算を決めておかないと、うっかり使いすぎてしまいます。まずは、食費の平均額を目安にして、自分の収入や支出を把握し、1ヵ月あたりの食費目安を決めましょう。その月の食費目安を週ごとに分けて、1週間単位で管理するのもおすすめです。
支出の目安を決めて予測すれば、食費以外の支出とのバランスも取りやすくなり、生活費全体の節約につなげられます。週ごとに食費の予算が決まっていれば、スーパーでの買い物でも予算内に収めようと買いすぎに注意するので、食品ロスも減ります。
外食や飲み会の頻度を決めておく
社会人や大学生の一人暮らしでは、職場や友人との飲み会も楽しみのひとつですね。しかし、あまり多く参加しすぎてしまうと、外食費や交際費がかさんで生活費を圧迫します。
完全に行かないと決めてしまうのは、交友関係に影響する可能性もあるので、あらかじめ参加する頻度を決めておくのも重要です。1ヶ月あたりの飲み会予算を決めたり、週に1回までと決めたりして、その日以外は自炊を心がけましょう。
まかない付きのアルバイトをする
大学生におすすめしたいのが、まかない付きのアルバイトを選ぶことです。アルバイト先でまかないが提供されれば、食事を節約できるだけでなく、自炊時間も短縮できます。
調理スキルも身につくので、家で挑戦できるレシピのレパートリーも増やせます。飲食店や居酒屋などのホール・キッチンスタッフなどの飲食店では、まかない付きのバイトを募集しているので探してみてください。
自炊編|一人暮らしの食費の節約術
食費の節約の肝となるのが自炊です。外食やテイクアウトに比べて安く済み、同じ金額で量もたくさん食べられるので、多く食べる人は自炊のほうが満足度が高いでしょう。しかし、自炊には面倒なことも多く、食材の買い出しなどにも時間を取られます。
自炊はまだ慣れていないけど、少しずつできることを増やして慣れていきたい…!
無理なく続けていくには、負担を少なく抑えるのがポイントです。次は、一人暮らしの食費の節約術における自炊編として、ネットスーパーの利用、まとめ買い、作り置きや冷凍を活用するといった3つのテクニックを紹介します。
■一人暮らしでも自炊を続けられるコツは、以下の記事でも詳しく紹介しています。
ネットスーパーを利用する
一人暮らしの買い物に便利なのが、パソコンやスマートフォンからオンラインで食材を注文して届けてもらえるネットスーパーです。自宅や外出先からでも必要な食材を購入できて、配達日時が指定できるので、自分の都合に応じて届けてもらえます。
買い出しに割く時間を節約できて、重い荷物を一度に届けてもらえるのもありがたいですね。計画を立てて必要な食材だけ買えば、買い出しの頻度も減るので無駄な出費を減らせます。利用には配送料や手数料がかかる場合があるので、注文の前に必ず確認しておきましょう。
まとめ買いする
自炊においてはまとめ買いも有効な節約手段です。1回の買い物で多くの食材をストックしておけば、買い出しの頻度を減らせます。また、一度に大容量の食材を購入することで、商品単価を下げられます。ディスカウントストアなどを利用すれば、特売品などで食材費をかなり安く抑えられますよ。
しかし、せっかく安く購入しても、腐らせては節約どころか無駄遣いになって意味がありません。冷蔵庫の容量以上に買い込まないよう、まとめ買い前には献立予定を立てておき、消費期限に注意して適量を購入しましょう。
作り置きや冷凍保存を活用する
ネットスーパーやまとめ買いなどで購入した食材は、作り置きや冷凍保存を活用しましょう。自炊のハードルは、時間がないこと、面倒なことがほとんどです。休みの日や時間に余裕があるときに前もって準備しておけば、平日に温めるだけで食事の準備が済みます。
野菜などはカットして小分けにしておき、作り置きしたおかずを保存しておけば、必要なときにすぐ使えます。ご飯も多めに炊いてラップで包んで冷凍しておくと便利です。
カットされた冷凍野菜や缶詰など、長期保存が効く食材もおすすめですよ。平日のお弁当作りも、作り置きのおかずを詰めるだけで済み、昼食代も節約できます。
外食編|一人暮らしの食費の節約術
一人暮らしの食費を抑えるには自炊がいちばん効果的ですが、時には外食をしたい日もあるでしょう。次は、そんなシーンで役立つ、外食での食費の節約ポイントをご紹介します。
出来合いの惣菜やお弁当を購入する場所や、クーポンや割引の活用、タンブラーを持参して飲料代を節約する方法など、3つを解説していきます。どれかひとつ取り入れるだけでも、日々の節約につながるので参考にしてみてくださいね。
お弁当やお惣菜はスーパーで購入する
日々の生活の中では、どうしても疲れてしまって、自炊したくない日もあるかと思います。そんなときに出来合いの惣菜やお弁当は、温めるだけでさっと食べられて便利ですよね。
弁当や惣菜を購入するときには、コンビニなどではなく、なるべくスーパーで購入するよう心がけましょう。夕方以降に行けば、消費期限の近い惣菜や弁当類がタイムセールで販売されているので、お得に購入できますよ。帰ってその日のうちにすぐに食べられる場合にはおすすめです。
クーポンや割引を活用する
飲食店で外食するときは、店舗からクーポン配布や割引サービスが行なわれていないか確認しましょう。よく行く店舗がアプリを提供していれば、アプリ上から利用可能なクーポンを確認できます。
アプリをダウンロードすると、初回利用者限定で割引クーポンがもらえる場合もあります。飲食店の入口などに紙のクーポンが置かれていることもあります。クーポンが1枚で会計が安くなるのなら、ぜひ活用しておきたいところです。初めて入る店舗などでは、入店前にさりげなくチェックしてみてください。
飲み物はタンブラーなどで持参する
外での飲み物代は、思ったよりも高くついてしまいます。そこで取り入れたいのが、タンブラーなどで自宅から飲み物を持参することです。常に飲み物があれば、喉が渇いたからとカフェに入ったり、コンビニでペットボトル飲料を買ったりする出費がなくなります。
会社でウォーターサーバーなどが提供されていれば、飲み終えたタンブラーに注いで、自分のデスクでこまめに水分補給できます。外でコーヒーを買うときも、マイボトルを持参すると割引を受けられる店舗もあるので活用してみてください。
一人暮らしの自炊に便利な家電
やることが多く忙しい一人暮らしでは、時間や心の余裕がないと、なかなか自炊をする気が起きないものです。片付けが面倒であったり調理に長く時間がかかったりしても、億劫になってしまいます。
仕事で疲れて帰ってくると、ついテイクアウトで済ませてがち…。何か工夫できる方法はないかな?
そこで肝心なのが、料理の効率性や時間管理です。料理をはじめるまでの重い腰を軽くするために、自炊に便利な電気圧力鍋やオーブンレンジなどを取り入れてみるのもおすすめですよ。
食事を作るのは好きだけど、後片付けが面倒だという人は、ボタンひとつで食器をきれいに洗浄できる、食洗機の導入も検討してみましょう。
電気圧力鍋
火を使わずに調理できる電気圧力鍋は、火を見張っている必要がないので、じっくりと煮込み料理などを作っている間に、掃除や洗濯などの家事を片付けられます。しかも、圧力をかけて調理することによって、短時間でも味が染み込んでおいしく仕上がることが特徴です。
豚バラ肉や牛すじなど、固い部位を柔らかく仕上げたい場合にも役立ちます。カレーをたっぷりと作り置きして、数日間に分けて食べるのも節約になって良いですね。電気圧力鍋は炊飯も行なえるので、炊飯器の代用品もかねて買っておくと便利です。
アイリスオーヤマの電気圧力鍋 PMPC-MA2-Bは、もともと15種類の調理メニューがプリセットされています。米や豆、魚、肉、野菜など、多彩な料理に対応しており、食材を入れてメニューをセットすれば、料理に不慣れな人でも簡単に調理できる点がおすすめです。
保温機能もあるので、炊きたてのご飯や温かいスープをいつでも美味しく食べられます。調理後の手入れも簡単で、内鍋も取り外して洗えるので衛生的です。
山善の電気圧力鍋 EPCA-250Mは、使いやすさとコストパフォーマンスに優れていますす。5つの圧力調節機能を搭載しており、タイマー機能を使って予約調理も簡単に行なえます。約3Lの大容量で、炊飯から煮物、蒸し料理まで幅広く使えます。
内鍋はテフロン加工されているため、食材がこびりつきにくくお手入れも簡単です。保温機能がついているので、できた料理を温かいまま保存できます。再加熱もできるため、食材を衛生的に保てます。価格も機能面もバランスがよく、初めて電気圧力鍋を使う人にはおすすめです。
オーブンレンジ
オーブンレンジを持っていると、自炊がより手軽になります。オーブンレンジは、電子レンジとオーブンの2つの機能が組み合わされた調理器具です。ピザやグラタンなど、オーブン調理が必要なレシピも手軽に作れます。
鶏肉や野菜などをローストすることもできるので、レパートリーの幅が広がりますね。スチーム機能付きのオーブンレンジでは蒸し料理も作れるので、1台で作れるレシピ数が豊富です。お菓子作りなども楽しめるので、休日を使ってお菓子作りにチャレンジしてみるのもおすすめですよ。
パナソニックのオーブンレンジNE-MS4Cは、食品の種類や量に応じた自動加熱メニューが14種類用意され、初心者でも簡単に美味しい料理を作ることができます。「中華10分」メニューでは、2〜3人分の中華メニューを手軽に作れるので、作り置きのおかずや時間がないときに加えるもう1品として便利です。
冷凍したひき肉を、下ごしらえしやすい状態に解凍してくれる「全解凍」も便利な機能のひとつです。外観はスタイリッシュなデザインで、シンプルながらも高級感があります。容量は26Lと広く、家庭用オーブンとして十分なサイズです。
日立のオーブンレンジ「MRO-F5Y」は、高出力でスピーディーな調理を行なえるのが魅力です。7つの自動メニューがあり、ボタンタッチだけで自動調理ができるため忙しい時間帯にも便利です。
解凍機能は4段階あり、食品に応じてスムーズに解凍できます。タイマーは時間設定が細かく行えるため、失敗せずに調理できるのもポイントです。炒め物、煮物、蒸し物をオート運転で作れる「10分メニュー」コースもとても便利です。
食器洗い乾燥機
調理後や食事後の後片付けが苦手な人には、食洗機の導入がおすすめです。乾燥機能付きのものを選べば、翌朝にはきれいな状態の食器をすぐに使えます。洗剤による手荒れも防げるので、洗剤に弱く肌が荒れやすい人にもおすすめです。
食洗機は単身者向けのコンパクトなサイズも展開されており、狭いキッチンスペースでも無理なく置けます。大きめの容量を選べば、食器だけではなく調理器具もまとめて洗浄できるので便利です。
ただし、汚れ具合によっては食洗機へ投入する前に、簡単な予洗いが必要な点や、食洗機専用の洗剤が必要である点は覚えておきましょう。
シロカのSS-MU251は、手動給水でのタンク式と、水栓に取り付ける分岐水栓式の2wayで使える食洗機です。幅が44cmとかなりコンパクトなので、設置場所に困りません。
シロカ独自の「トルネード除菌洗浄 75」で99.9%除菌を実現した洗い上がりで、洗浄モードは6種類から、汚れ具合に応じて適したものを選択できます。乾燥機能付きなので、洗い終わった食器を拭く手間もありません。
「UV除菌専用コース」を使えば、洗い終わった食器類を清潔に保管しておけるだけでなく、水洗いの難しい小物類を除菌することもできます。
サンコーの「ラクアmini」は、タンク式の食洗機で、面倒な水栓工事が必要なく、すぐに使い始められます。幅は約31cm、奥行きは31cmとかなりのコンパクトボディなので、シンクにおいても調理の邪魔になりません。
最大75度にも及ぶ高温洗浄で、手洗いでは落としにくいがんこな油汚れなども、きれいに洗い上げます。最大で12枚の食器を収納できて、1〜2人分は余裕で洗えるゆとりあるサイズです。洗浄コースは4種類から、食器の汚れ具合によって最適なコースを選択できます。
一人暮らしの食費をおさえるなら効率的に自炊を!
今回は、一人暮らしの食費の平均額を踏まえて、節約ポイントや自炊に役立つ便利家電をご紹介してきました。
- 自炊は食費を減らせるだけでなく、自分好みの味付けや食材を使える
- 食費予算を決めて、買い出しは予算内で行なう
- 飲み会なども回数を決めて参加して、外食費を抑える
- 学生の場合は、まかない付きのバイトも検討してみる
- ネットスーパーやまとめ買いを上手に活用して単価を下げる
- 作り置きは忙しい日もすぐ食事を用意できて、お弁当にも使える
- 自炊のハードルを下げるには、効率を上げる便利な家電を取り入れる
自炊には手間や時間がかかると感じるかもしれませんが、週末や休みの日にまとめて料理を作る、下ごしらえを事前にしておく、ご飯を多めに炊いて冷凍しておくなどの工夫をすることで、効率的な自炊ができます。
自炊に苦手意識を持っている人は、作業効率を上げたり、手間を減らしてくれる便利な家電に頼るのも手段のひとつですよ。また、忙しい日に出来合いの弁当や惣菜を購入するときには、スーパーで購入するよう心がけるのも節約のコツです。
一人暮らしの食費を抑えるためには、自炊が欠かせません。無理なく効率的に自炊をして、賢く健康的に食費を抑えましょう。