車のエアコンを使っていると、時々気になるのが排水の量です。
特に暑い日に長時間エアコンを使用した後、車体の下から水がポタポタと落ちるのを見たことがある方も多いでしょう。
この排水は、基本的には車内の湿気が冷えて結露し、水となって排出されるもので、エアコンの正常な機能によるものであり、多くの場合は問題ありません。
しかし、排水の量が異常に多い場合や水の様子がおかしい場合、エアコンの効きが悪い、異臭がするなどの症状が伴う場合には、何らかのトラブルが発生している可能性があります。
この記事では、車のエアコンから排水が多い場合の要注意なケースと、その確認方法について詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- 車下にできる水たまりは、エアコンからの排水によるものであることが多い
- 排水の量は気温や湿度、外気導入の設定や乗車人数によって異なり、多くても問題はない
- 液体に色やにおいがある場合は、ガソリンやオイル漏れの可能性があるため、ディーラーや整備工場に速やかに相談する
車の下に水が溜まっているけど大丈夫?
車の下に水が溜まっているんだけど、なにかの異常じゃないか心配だな…
ほとんどの場合はエアコンの使用による排水の正常な機能であり、ほとんどの場合は心配は不要ですが、水の様子によっては車にとって重要な警告信号かもしれません。
ここからは、車の下に水が溜まる現象について詳しく解説していきます。
それが無害な結露水なのか、それとも冷却システムやその他の部分のトラブルを示しているのかを見極める方法をご紹介します。
突然の故障や修理のリスクを避け、安心して運転するための知識として身につけておきましょう。
無色の液体はエアコンからの排水
車の下に水が溜まると心配になる方も多いですが、その原因は意外と単純なものであることが多いです。
特に夏場、車のエアコンを使用した後に水溜りを発見すると故障しているのではないかと不安ですよね。
しかしこれはエアコンの結露水が排水される自然な現象です。
水溜りが無色である場合は、ほとんどがエアコンの使用によるものです。
エアコンを使うと、車内の暖かい空気と冷たいエアコン部品が接触することで結露が発生し、この結露水が車外に排出されます。
これは正常な機能の一部なので特に心配する必要はありません。
車体の後ろの方から水が流れ出ている場合は、マフラーからの排水です。
特に冷えた状態のエンジンを始動した直後に見られることが多く、エンジンやマフラーの中に結露した水分が排出されるため、水溜りができますが、これも正常な現象です。
排水の量が多くても大丈夫?
車のエアコンからの排水量は、外気温や湿度、外気導入の設定、乗車している人数などによって変動します。
外気温が高く湿度が高い日は、エアコンが車内の湿気を効率よく除去するため、排水量が増えることがあります。
エアコンユニット内で生成される冷気の設定温度も、排水量に影響する要因です。
冷気の設定温度が低いほど、エアコンの冷却コイルの温度が下がり、空気中の水分が凝結しやすくなります。
つまり吹き出し口の設定温度が低い場合、排水量は増加します。
ただし、水が車内に漏れてくる場合には注意が必要です。
エアコンの排水システムに問題がある可能性も考えられるため、エアコンフィルターや排水ホースの詰まりを確認しましょう。
色やにおいがある液体は注意が必要
車のエアコンは結露水であれば色は透明で無臭ですが、色やにおいがある液体だった場合には、何らかのトラブルが発生している可能性が高いです。
透明な水以外の液体が車の下に溜まっていたら、色やにおいをチェックしてみましょう。
鮮やかな色をしていたり甘いにおいがしていたり、油っぽいにおいがするような特徴があれば、エンジンオイルの漏れの可能性もあるので早急に点検が必要です。
専門の修理工場やディーラーに相談して、早期に原因を特定し、適切な対処を行ないましょう。
車からの液体で注意が必要なケース
車から垂れる無色透明な水以外の液体を発見した場合、車に何らかの問題が発生しているサインであることが多いです。
ここからは、車から垂れるさまざまな液体とその原因、それが示すトラブルのサインを詳しく解説していきます。
車の小さな異変を見逃さず、早期に対処して事故のリスクや高額な修理費用の発生を避けましょう。
緑や赤の液体
車の下に緑や赤の液体が漏れていた場合、エンジン内部の冷却水である可能性が高いです。
冷却水はエンジンを適切な温度に保つための重要な役割を果たしており、通常は防錆剤や不凍剤が混ぜられています。
これにより、冷却システムの内部の錆びや冬場の冷却水の凍結を防いでいるのです。
エンジンルーム内でホースの破損やクランプの緩み、ラジエーターの亀裂などの異常が発生すると、この色付き冷却水が漏れ出すことがあります。
冷却水が適切に循環しないと、エンジンが過熱しすぎてオーバーヒートを起こす危険性が高まります。
緑や赤以外にも、青色やピンク色であることがあるので、色のついた状態であればいずれも注意が必要です。
もし見つけた場合は、すみやかにディーラーや整備工場へ相談して対処しましょう。
黒っぽく粘り気のある液体
車の下に黒っぽく粘り気のある液体が垂れていた場合は、エンジンオイルが漏れている可能性が高いです。
エンジンの潤滑、冷却、清浄、密封といった重要な役割を果たすエンジンオイルが漏れていると、性能に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
黒っぽい液体が確認されたら、まずは車を安全な場所に停め、エンジンを切ってからオイルレベルをチェックしてください。
オイルレベルが低い場合は、オイルが漏れている証拠です。
オイルが不足するとエンジンは適切に潤滑されずに摩耗や過熱を引き起こして、最悪の場合エンジンが焼き付くこともあります。
エンジンオイルの漏れが見つかったら、できるだけ早く修理工場での点検を受けてください。
ガソリンのにおいがする液体
車から漏れてきた液体がガソリンのにおいがする場合は、燃料系統に何らかの異常が発生している証拠です。
ガソリンの漏れは主に、燃料ラインの破損、燃料タンクに穴が開いている、燃料インジェクターの不具合、燃料ポンプのシール不良などから起こります。
これらの部分が損傷すると、燃料が外部に漏れ出して特有のにおいを放つようになるのです。
そしてエンジン周りでガソリンが漏れる場合は、エンジンの高温から引火しやすくなるため大変危険です。
初期対応としては、漏れを最小限に抑えるため、車をなるべく平らな場所に停めて、燃料を追加しないようにしてください。
自分の車だけでなく周囲を危険に巻き込む可能性も考え、迅速な対応を心がけましょう。
助手席の足元が濡れている
助手席の足元が濡れている場合、カーエアコンの水漏れが考えられます。
熱交換器であるエバポレーターという部分は車内の空気を冷やす役割を果たしていますが、冷却の過程で水滴が発生します。
通常、この水滴はドレンホースから車外へ排出されますが、ホースが詰まったり損傷したりしていると、排水がうまく流れずに車内に漏れ出すのです。
ドレンホースの詰まりの原因は、ホース自体の劣化や破損、ほこりやゴミの蓄積、虫などが入り込むことも考えられます。
詰まりによって水が逆流し、助手席の足元に水が溜まっているのです。
まずはドレンホースの詰まりを確認し、必要に応じて清掃または交換を行ないましょう。
メンテナンス時にドレンホースの詰まりチェックも併せて行なうと、カーエアコンからの水漏れを未然に防げます。
異常な液体流出はディーラーや整備工場に相談
あきらかに異常な液体が車体から流出していた場合、大きなトラブルや故障を示すサインです。
特に、エンジンなどの車の重要な機能に関わる可能性がある場合、走行動作に直接影響を及ぼす可能性があるため見過ごすわけにはいきません。
エンジンオイルが漏れていれば、エンジンは適切な潤滑を失い、過度の摩耗や故障を引き起こすリスクが高まります。
オイル漏れは、地面に焦茶色や黒い染みとして現れることが多く、エンジン下部からの滴下が目視で確認できることもあります。
冷却水の漏れはエンジンの過熱を招き、重大な損傷につながる危険が高いです。
これらの異常を見つけた場合は、自分で対処するよりも専門のディーラーや整備工場へすみやかに相談することがベストです。
色やにおいで判断できない場合は場所で確認
車から垂れている液体を色やにおいで判断できない時は、液体が溜まっている場所によって原因を特定することができます。
液体漏れの場所 | 液体漏れの原因 |
---|---|
車体下、マフラー下、助手席下 | エアコンからの排水 |
エンジンルーム先 | エンジンルームの冷却水漏れ |
エンジンルーム下 | デフオイル・エンジンオイル・ミッションオイル漏れ |
左右のタイヤ中間部分 | ギヤオイル |
助手席の下に水が溜まっている場合は、エアコンからの排水が原因で無害です。
しかしエンジンルームの先や下から水漏れがあった場合、冷却水やデフオイル、エンジンオイル、ミッションオイルが漏れている可能性があります。
車の動作に重要な役割を果たすオイルなので、異常があれば早急に点検修理をしてください。
左右のタイヤの中間部分に水があったら、ディファレンシャルギヤオイルの漏れが疑われます。
車の駆動系統に関わるオイルで運転性能に影響を与える可能性があるため、こちらも迅速に修理依頼をしましょう。
液体漏れの場所から原因を把握することで、適切な対応が取れて安全に車を走行させることができます。
車下のエアコン排水が多くても大丈夫!その他の可能性にも注意!
車のエアコンからの排水が目立って多いとき、何か問題が発生しているのではないかと心配になります。
しかしほとんどの場合、エアコンを長時間使用することで生じる結露が正体です。
車内の湿気が冷たいエアコンシステムで冷やされることで水となり、車外に排出されるため、特に夏場にはよく見られます。
しかしエアコンの排水以外にも、車下から漏れる液体には注意が必要です。
エンジンオイル、クーラント、ブレーキフルードなどから液体が漏れている場合には、排水に鮮やかな色や粘度、においがあります。
これらが漏れている場合は、車の故障やトラブルのサインである可能性が高いです。
車からの液体漏れは、量や状況によっては何らかの警告信号かもしれません。
漏れの原因を早期に特定して必要な対応をとることで、車の性能を維持し安全を確保できます。
異常を感じた際は見過ごさず、ディーラーや整備工場へ早急に相談してみてください。
時間の取れない方は、以下のような出張車両整備サービスを利用するのもおすすめです。