最新のエアコンは単に温度を調節するだけでなく、使用状況や環境を感知して運転効率を最適化する高度な技術が搭載されています。
しかし、これらの省エネ機能がどのように電気代の節約に貢献するのかについては詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
エアコンの省エネ機能に対して、本当にその機能は電気代の削減に役立つのかと疑問に感じている声は意外と多いものです。
本記事では、さまざまなメーカーから展開されている省エネ機能とその効果について迫り、詳しく解説していきます。
また、主要なエアコンメーカーの採用している省エネ技術にも焦点を当てて、その節電効果を掘り下げていきます。
この記事でわかること
- 近年のエアコンには、AI機能やセンサー、自動お掃除機能、インバーターなど、多彩な省エネ機能が搭載されており、節約に効果的
- エアコンの省エネ性能は、省エネ達成率や多段階評価点、年間消費電力などを参考にして図ることができる
- 各エアコンメーカー特有の省エネ機能の特徴を詳しく紹介
エアコンの省エネ機能とは?
近年のエアコンは、ただ部屋を涼しくするだけでなく、使用電力を抑える省エネ機能も備えています。
まずは、エアコンの省エネ機能がどのように電力消費を減らして節電するのかについて詳しく解説します。
省エネ機能が搭載されたエアコンを選ぶことのメリットを知り、その機能の仕組みを理解することで、環境にも家計にもやさしいエアコンを選びましょう。
これから新しく購入しようと考えている方や買い替えを検討している人にも役立つ情報が満載です。
AI機能
エアコンの省エネ機能は、エネルギー消費の削減とコスト削減の両方を実現する技術です。
特にAI(人工知能)を搭載したエアコンは、運転の効率性と省エネ性能において一歩先を行っています。
AI機能によりエアコンは室内の環境をリアルタイムで分析し、温度調整や湿度管理を自動で行ないます。
無駄な電力消費を削減し、エネルギー効率を最適化できるのです。AI機能搭載のエアコンは、室内にいる人数や活動量を感知できて、それに応じて運転モードを調整します。
また、日々の使用パターンを学習することで、家庭の生活リズムに合わせた最も効率的な運転スケジュールを自動で作成し、無駄な運転を減らしてくれます。
人感センサー
人感センサーは、室内に人の存在を検知し、自動的にエアコンの運転モードを調整することで、使用していない時間の無駄なエネルギー消費を削減します。
例えば、部屋に人が少ない場合やまったくいない場合、エアコンは自動的に省エネモードに切り替わり、冷暖房の出力を下げることで電力消費を抑えます。
不要なときには運転が行なわれず、人が部屋にいる時だけ適切な温度を保つように働くので、長期的な目で見ると大きな電力の節約につながるのです。
このセンサーは部屋の中で人が最も多く時間を過ごす場所を識別し、エアコンがそのエリアを中心に効率的に冷暖房することも可能です。
全体としてエアコンのエネルギー効率が向上し、環境への負荷も軽減されます。
インバーター搭載
インバーター搭載モデルのエアコンは、部屋の温度を快適に保つための運転に大きくかかわる技術です。
インバーター制御を採用したエアコンは、冷房や暖房を開始する際には必要に応じて最大限の運転能力を発揮し、部屋の温度が設定値に達すると、より低い運転能力で運転を続けるので、最小限のエネルギーで運転可能です。
従来の非インバーター式エアコンは、設定温度を維持するためにオンとオフを繰り返す必要がありましたが、インバーター式エアコンでは運転のオンオフを繰り返さずに温度を一定に保つため、エネルギーの無駄遣いを大きく減らせます。
夏場のピーク時や冬場の極寒時における電力需給のバランスを保つ上で大きく貢献しています。
再熱除湿 熱リサイクル方式
再熱除湿 (熱リサイクル)方式とは、除湿運転の技術のひとつです。室内機で一旦冷やした室内の空気を除湿して、下がった空気を温めてから再び室内に戻します。
特に、肌寒く多湿状態である梅雨に使うことで、大きな省エネ効果を発揮する機能です。
再熱除湿機能を搭載したエアコンは、室内の湿度をコントロールするために空気を冷却しますが、従来の除湿方法と異なり、室温を大きく下げることなく除湿を行なえます。
室外機から排出される熱の一部を再利用して室内空気を再熱するため、追加の電気ヒーターを使わずに済む点が省エネです。
ヒートポンプ
エアコンのヒートポンプ技術とは、冷媒を強く圧縮することで高温の気体にして、冷媒の熱を高いところから低いところへと移る熱の性質を使って移動させ、暖房運転を行なう技術です。
現代の省エネ技術の中でも特に効率的なシステムのひとつとして、多くの家庭用エアコンや業務用のエアコンに採用されています。
ヒートポンプシステムは化石燃料に頼る暖房方法に比べて、電気を動力に用いて外気の熱を移動させるだけで済むため、燃料の消費を減らして二酸化炭素の排出量も大幅に削減できるのです。
環境にやさしいというだけではなく、長期的に見れば大幅な電気代の節約にもつながります。
電力量の削減によって、家計にも環境にもやさしい生活を実現できる賢い選択です。
フィルターの自動清掃
エアコンのフィルターの自動清掃機能は、エアコンの性能維持と電力消費の効率化に大きく関係する掃除機能です。
エアコンのフィルターが汚れると空気の流れが悪くなり、冷暖房の効率が下がってしまい、同じ快適さを保つために余分な電力を消費します。
フィルターの自動清掃機能は、エアコンが一定時間ごとにフィルターの汚れを自動で掃除し、常に最適な状態で運転を続けられるよう設計されています。
冷暖房効率が維持され、長期的に見て電力消費を大幅に削減できる機能ですし、定期的な掃除の手間も省ける点も大きなメリットと言えるでしょう。
自動清掃機能を持つ分、初期投資はやや高くなるかもしれませんが、電気代の節約やメンテナンスの手間削減、そしてエアコン自体の寿命を延ばすことを考えると、長期的に見て経済的な選択です。
省エネ機能って意味ないの?
省エネ性能の高いエアコンって価格がすごく高いけど、電気代がちゃんと安くなるのかな?
省エネ機能にすぐれている家電製品は、本体価格が高く設定されていることが多いです。
そのため、受けられる節電効果について疑問を持つ人も少なくありません。
ここからは、省エネ機能の真価に迫り、日常生活にどのようなメリットをもたらすのか、省エネ製品を選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。
省エネ機能に関する知識を学ぶことで、賢い製品選びができるようになるでしょう。
省エネ機能のメリット
省エネ機能を備えたエアコンは、ただ部屋を冷やしたり温めたりするだけでなく、エネルギー効率の向上とランニングコストの削減を実現しています。
省エネ機能のメリットには環境への配慮と、ユーザーの経済的な利益の両方があります。
例えば、インバーター技術を搭載したエアコンは、コンプレッサーの速度を変化させることで、必要最小限のエネルギーで室温を維持します。
この結果、従来型のエアコンと比較して大幅に電力消費を抑えて大幅な電気代の削減に直結するのです。
最新のエアコンには、部屋の使用状況を検知して最適な運転モードを自動で選択するスマート機能も搭載されています。
部屋に人がいないときは自動で運転を停止したり、日差しの強さに応じて冷房や暖房の強度を調節したりすることで、無駄なエネルギー消費をさらに削減してくれるのです。
省エネタイプの電気代
省エネエアコンの特徴は、高効率のコンプレッサーや熱交換器を使用することで、少ないエネルギーで効率よく部屋を冷暖房できる点です。
インバーター技術の採用により、運転負荷に応じて電力消費を調整し、無駄なエネルギー消費を減らします。
それでは、省エネ性能の高いエアコンの電気代は、具体的にどの程度安くなるのでしょうか。
エアコンの電気代には、電気料金の単価以外にも、稼働時間や設定温度、外気温や室内環境など複数の要因が関係します。
あくまで目安ではありますが、一般的な省エネタイプの製品では、従来型に比べて消費電力を20〜30%程度削減できると言われています。
積み重ねれば月々の電気代において大きな差となっていくため、年間を通してみればその節約効果はさらに大きいと言えるでしょう。
エアコンの省エネ性能を測るポイント
省エネをうたったエアコン製品が節電効果が高いということは分かりましたが、市場にある省エネエアコン製品からどれを選べばいいのか、モデル同士を比べたときにどちらがすぐれているのかが分かりにくいかと思います。
そこでチェックしておきたいのが「統一省エネラベル」です。
ここからは、省エネ性能のエアコンの比較ポイントについて、判断項目の見方を解説していきます。
具体的な評価指標に注目すれば、より賢く省エネエアコンを選べますよ。
省エネ達成率
エアコンの省エネ性能を測るには多くの指標がありますが、もっとも分かりやすい指標は「省エネ達成率」です。
省エネ達成率とは、製品が消費するエネルギー量に対して、どれだけ効率的に冷暖房を行なえるかを数値化したものです。
具体的には、ある基準となるエネルギー消費効率(EERやCOP)に対して、そのエアコンがどれだけすぐれた性能を持っているかをパーセンテージで表しています。
省エネ達成率が100%を超える製品は、業界標準よりも高い省エネ性能を有していることを意味します。
こうして数値でパーセンテージ化されていれば、専門的な知識がなくても性能を比べやすいですね。
省エネ性能 多段階評価点
エアコンの省エネ性能では、単一の指標だけではなく、多段階評価点を考慮することもポイントです。
多段階評価点とは、エアコンのエネルギー効率を総合的に表して、より環境にやさしく経済的な製品選びをするための基盤といえます。
多段階評価点は高い方から5~1までの数値で示され、ラベルでは分かりやすく5つの☆マークで表記されています。星の数が多いほど、多段階評価にすぐれている製品です。
多段階評価点の内容 | 概要 |
---|---|
エネルギー消費効率(EER) | 消費電力量に対してどれだけの冷暖房能力を発揮できるか |
年間消費電力量 | 年間に消費する推定電力量 |
インバーターの有無 | 運転モードを細かく制御できる |
内訳にはエネルギー消費効率(EER)、年間消費電力量、インバーター技術の有無などが含まれます。
EERはエアコンの消費電力量に対してどれだけの冷暖房能力を発揮できるかを示したもので、数値が高いほど効率が良いとされます。年間消費電力量は、エアコンが年間に消費する推定電力量を示し、これが少ないほど省エネ性能が高いと言えます。
インバーター技術は、運転モードを細かく制御して無駄な電力消費を抑えるために重要です。インバーター搭載モデルは、非搭載モデルに比べて効率的に電力を使えるので、長期的な節電に貢献します。
期間消費電力量
省エネ性能を見極める指標のひとつが「期間消費電力量」です。この指標は省エネラベル上では「APF」という項目で表記されます。
APFとは「Annual Performance Factor」の略で、エアコンの年間性能係数を意味しています。
エアコンが年間に消費する電力量に対してどれだけの冷暖房能力を発揮するかを示す指標で、このAPF数値が高いほど、効率的に運転していると評価される項目です。
年間の目安電気代
エアコンの年間消費電力量に注目することで、そのエアコンが1年間でどれだけの電力を消費し、それがどの程度の電気代になるかを具体的に把握できます。
省エネラベルには「この製品を1年間使用した場合の目安電気料金 ◯◯円」と大変分かりやすく記載されているので、一目で製品ごとの年間電気料を比較できます。
購入にかかる初期費用とそれを回収できるまでの期間や、年間のランニングコストの目安算出に役立てましょう。
搭載されている省エネ機能
搭載されている機能にも注目してみましょう。省エネ機能の代表的なものには、以下のような機能があります。
- 自動掃除機能:エアコンのフィルターが定期的に自動で清掃され、フィルターの目詰まりを防ぐ
- センサー機能:室内の温度や人の位置、動きを感知し、エアコンが効率的に作動するように気流を調整する
- AI機能:室内の温度・湿度や外気温、人の存在の有無や使用状況などを考慮して、AIが適切な風向や風量、温度設定をおこなう
- スマホ連動機能:スマートフォンに専用アプリをダウンロードして遠隔でコントロールできる
センサー機能やAI機能は、無駄な運転や電力消費を防ぎ、効率的に部屋の温度を整えるのに役立つので、節約を考えるならぜひ取り入れたい機能と言えるでしょう。
こうした省エネにつながるさまざまな機能は、メーカーや製品によって、搭載の有無や機能の詳細が異なります。
ライフスタイルや使い勝手に合わせて、搭載機能をチェックしてみましょう。
各メーカーの省エネタイプと機能
現代のエアコン市場では、環境への配慮と電気代の節約を目指す消費者の需要に応えるべく、各メーカーが競い合って省エネ型の製品を開発しています。
ここでは国内で展開されている主要なエアコンメーカーを挙げて、各メーカーが提供する最先端の省エネ技術と、それぞれの製品が持つ独自機能について詳しく解説していきます。
市場にさまざまな製品が溢れていて、メーカーごとの違いが分からないというときにはぜひ参考にしてみてください。
パナソニック エオリア
パナソニック「エオリア」シリーズは、省エネ性能にすぐれたエアコンとして知られており、その中でも「エオリアAI」と「エオリアアプリ」は特に注目される機能です。
機脳 | 特長 |
---|---|
エオリアAI | 室内環境やライフスタイルを学習 自動で最適な運転モードを選択 |
エオリアアプリ | スマートフォンからエアコンを遠隔操作 |
「エオリアAI」は、人工知能を活用してユーザーの生活パターンを把握し、それに応じてエアコンの運転モードを自動調整することで、無駄な電力消費を削減します。
「エオリアアプリ」は、ユーザーはアプリを通じてどこからでもエアコンの操作が可能となり、エネルギー消費の詳細をリアルタイムで確認できるため、より効果的な節電が可能です。
エネルギー消費量のモニタリングや運転スケジュール設定ができて、無駄のないエアコン運転を行なえます。
ダイキン うるさらX
省エネ性能と快適性を高度に融合させたダイキン「うるさらX」は、AI快適自動運転、節電自動運転、フィルター自動お掃除という3つの省エネ機能が人気です。
機能 | 特長 |
---|---|
AI快適自動運転 | 室内の温度変化・湿度・時間帯・季節を考慮して最適な運転モードを自動選択 |
節電自動運転 | 使用状況をAIが解析 不要な電力消費を抑える運転に自動切り替え |
フィルター自動お掃除 | フィルターの汚れを検知して自動清掃 |
AIによって使用状況を学習して室内環境を最適化するので、ユーザーの快適性を最優先に考えた運転が実現します。
電気代の節約に関係しつつも節電と快適性のバランスを自動調整して快適さを損なわない「節電自動運転」も便利です。
フィルターの自動掃除機能によって常に清潔な状態を維持し、運転効率を向上させて省エネ運転をサポートする点も魅力的です。
三菱電機 霧ヶ峰
三菱電機「霧ヶ峰」シリーズは、高い省エネ機能を持った製品として人気です。
AIの先進技術を駆使して快適な室内環境を維持しながら、エネルギー消費を抑えることを目指して設計されています。
機能 | 特長 |
---|---|
エモコアイ | 室内の温度・湿度を考慮して運転を制御 |
ムーブアイmirA.I.+ | 室内の人の位置や活動レベルを検知 |
ハイブリッド運転 | 外気温に左右されずに省エネ運転を可能 |
エコスタート | 起動時の消費電力を抑える機能 |
特に注目すべきは、独自の省エネ機能である「エモコアイ」や、無駄なく効率的に冷暖房を行なう「ムーブアイmirA.I.+」、熱交換器の効率を最大限に引き出す「ハイブリッド運転」、電力使用のピークをコントロールしながら効率良く室温を調整する、「エコスタート」の4つです。
使用状況や環境に応じて最適な運転モードを自動で選択し、柔軟にエアコン効率を最大化して電気代の節約に貢献してくれます。
日立 白くまくん
日立「白くまくん」シリーズは、最先端の省エネ機能を備えた、省エネ運転と快適性のバランスがちょうどいいエアコン製品です。
機能 | 特長 |
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自動お掃除 | エアコンの内部を定期的に清掃 |
eco運転/ecoこれっきり運転 | 設定温度に応じて運転を最適化 不要な電力消費を削減 |
オートオフ | 一定時間操作がない場合に自動的に電源をオフ 無駄な電気使用を防ぐ |
くらしカメラAI | 居住者の位置や活動量を認識 運転モードを自動調整 |
「くらしカメラAI」は、エアコンが部屋の使用状況を見える化し、それに応じて運転を調整することでエネルギー効率を最大化しています。
高度なセンサー技術とAIを駆使して、部屋の温度だけでなく居住者の生活パターンまでも分析し、最適な運転モードを自動で調整します。
シャープ
シャープは、最先端の技術を駆使して、高い省エネ性能を持ったエアコン製品を展開しています。
その中核をなすのが「COCORO AIR」シリーズです。COCORO AIRとは、シャープよって開発されたスマートエアコン制御システムで、IoT技術を活用してエアコンの運用を最適化し、エネルギー消費を削減します。
機能 | 特長 |
---|---|
COCORO AIR | AIがユーザーの生活パターンに合わせて運転を最適化 省エネと快適性を両立 |
エコ自動 | 室内の温度変化に応じて自動で運転モードを切り替え |
おでかけオートセーブ/オートオフ | 外出時に省エネモードに自動切替え、または自動オフで無駄遣いを防ぐ |
新サイクル制御 | 最新のコンプレッサー技術により動作を最適化 |
COCORO AIRは使用者の生活リズムや好みを学習し、それに基づいてエアコンの設定を自動で調整します。
人がいない時間帯の冷暖房を控えるなど、より精度高くエネルギー効率の良い運用が可能です。
また、スマートフォンアプリを通じて、外出先からでもエアコンを制御できるので、帰宅前にエアコンをオンにしたり、不要なときにはオフにして無駄遣いを防ぎます。
東芝
東芝は、エアコンの設定変更や運転状態を確認できて、外出先からでも管理できる連携アプリの利便性と節電設計から、省エネ技術面で高評価を受けています。
機能 | 特長 |
---|---|
日当たり節電 | 太陽光の強さに応じて冷房の運転効率を自動調整 |
不在節電 | 室内に人の存在を検知しない場合、省エネモードに自動切り替え |
AI快適 | 室内環境や外気温をAIが解析し、最適な運転モードを自動選択 |
IoLIFEアプリ | スマートフォンアプリを通じてエアコンを遠隔操作 |
フィルター自動お掃除 | フィルターの汚れを自動で検知し清掃を行なう機能 |
「日当たり節電」では、直射日光が多い日には冷房能力を向上させ、曇りや雨の日は運転を控えめにすることで無駄な電力消費を削減できます。
無人時の電力消費を大幅に下げる「不在節電」や、ユーザーの快適さを保ちながらエネルギー効率を最大化する「AI快適」、清潔なフィルターでエアコンの効率を維持し、余分な電力を消費せず運転を継続する「フィルター自動お掃除」などが特筆すべき省エネ機能です。
富士通ゼネラル ノクリア
富士通ゼネラル「ノクリア」シリーズは室内の温度や湿度、人の活動パターンをAIが学習し、これらのデータから最適な運転モードを判断する「ダブルAI技術」を採用したシリーズです。
機能 | 特長 |
---|---|
ダブルAI | 室内環境をAIが分析し、最適な運転モードを自動で選択 |
ノクリアアプリ | スマートフォンから遠隔操作で設定変更が可能 |
フィルター自動お掃除 | 内部フィルターを自動掃除 運転効率を維持 |
室温センサー | 室内の温度を正確に感知 必要最低限の冷暖房で省エネ運転 |
人感センサー | 人の存在を検知し、無人時は運転を停止または最小限に抑えて消費削減 |
フィルター自動お掃除では、フィルターが常に清潔に保たれ、エアコンの性能を最適な状態で維持できます。
室温センサーは精密な温度感知により、室内の環境に応じて自動で温度設定を調整。過度な冷暖房を防ぎつつ省エネ運転が可能します。
人感センサーは部屋に人がいるかどうかをセンサーが検知し、誰もいない時には自動的にエアコンの運転を停止または節電モードに切り替え、不在時の無駄な電力消費を削減します。
遠隔でエアコン操作が行なえる「ノクリアアプリ」にも対応しています。
今あるエアコンでの省エネ・節電方法
エアコンを買い替える予定がまだないという人も、今使用しているエアコンを上手に活用すれば、省エネ・節電を実現できます。
ここからは、既存のエアコンの運転効率を上げて電力消費を抑え、節電につなげるためのいくつかの方法を紹介していきます。
快適性を維持しながら節電できるヒントを取り入れて、日々の電気代をもっと賢く抑えましょう。
湿度を調整する
室内の湿度が適切にコントロールされていると、空調設備がより効率的に機能して快適な室温を低いエネルギー消費で維持できます。
湿度が高すぎると、人の体感温度は実際の室温よりも高く感じられます。
そのためエアコンで温度を下げすぎてしまうことがよくありますが、湿度を適切に管理すれば設定温度を高めに保ちつつも、快適な環境を実現できるのです。
エアコンの「ドライモード」を活用すると、室内の余分な湿度を取り除き、過度に温度を下げることなく快適な湿度を維持できます。
特に湿度が高い日や梅雨の時期には効果的で、エアコンの冷房機能をフルに使うより賢く電力消費を抑えられます。
湿度管理には換気も効果的です。エアコン使用前に室内の湿気を外に排出しておくとエアコンの負荷を減らせます。
設定温度を変更する
エアコンの設定温度はエネルギー消費量に大きく影響します。適切な温度設定を心がけることで、快適な室温を保ちつつ電力使用量の削減を目指せます。
夏の冷房時には、外気温との温度差を小さく保つことがポイントです。
一般的に、室内温度を外気温よりも約5度低く設定し、外気温との温度差を10度以内に抑えるのが理想とされています。
外気温が30度の場合、室内温度を25度に設定すると良いでしょう。
冬の暖房時には、室内温度を過度に高く設定することなく、適度な暖かさを保つことがポイントです。
寒い日でも室内温度を20〜22度程度に設定することで、エネルギーの無駄遣いを防ぎつつ快適な環境を維持できます。
サーキュレーターを併用する
エアコンの運転とあわせてサーキュレーターを併用すると、エアコンによって冷やされた空気や暖められた空気を室内で均一にかき混ぜられるため、運転の負担を軽減しながらより部屋全体を快適な温度に保てます。
エアコンの設定温度を夏場は高め、冬場は低めに設定しても、エアコンの稼働時間が減少して電力消費を大幅に削減できるのです。
また、サーキュレーターを利用することで、エアコンの風が直接体に当たることを避け、冷えすぎや暖かすぎるといった不快感も軽減できます。
◆以下の記事で、サーキュレーターの効果的な置き方について解説しています。参考にしてみてください。
電源を頻繁に入/切しない
エアコンなどの家電製品は、こまめに電源を入れたり切ったりするほうが節電効果が高いように思えますが、省エネと節電を実現するためにはその反対で、電源の頻繁なオン・オフを避けることがポイントです。
エアコンの起動時には、設定された温度に到達するために多くの電力を消費します。
そのため何度も電源を入れたり切ったりすると、その都度に高い電力を消費することになり、結果として無駄なエネルギー消費を招くのです。
長時間オフにしていると、再び快適な室温に戻すために余計なエネルギーが必要になるので、室温が快適範囲に達したらエアコンの温度設定を少し調整する程度にして、よりエネルギー効率の良い運転を心がけましょう。
フィルターをこまめに掃除する
エアコンを使用する際、節電と省エネの観点から見逃せないのが、フィルターの定期的な清掃です。
エアコンのフィルターが汚れていると空気の流れが妨げられ、エアコンが必要以上に力を使って働かなければならず、運転効率が落ちて消費電力が増加してしまいます。
ほとんどのエアコンでは、フィルターを取り外して軽く水洗いする程度で汚れを落とせます。
わずか数分程度で済むので、手間ではありますが清掃を定期的に行なってエアコンの性能を維持しましょう。
使用状況にもよりますが、フィルターの掃除を2週間に1回から月に1回程度行なうことが推奨されています。
ペットを飼っている家庭や花粉の多い時期などは、フィルターがより早く汚れるため、掃除の頻度を増やすことが望ましいでしょう。
◆以下の記事で、エアコンの掃除方法について紹介しています。参考にしてみてください。
エアコンの省エネ機能を活用して節電・節約!
最新のエアコンには多彩な省エネ機能が搭載されており、これらを上手く活用することで、消費電力を抑えて節電につなげられます。
一見電気代とは関係なさそうな自動掃除機能なども、フィルターを定期的に掃除することで運転効率を上げるために欠かせない省エネ機能です。
他にも、センサー機能やスマートフォンと連携したアプリ機能なども組み合わせることで、さらに運転効率やエネルギー効率を高めて経済的な負担を軽減できます。
エアコン本体の性能だけでなく、室内の湿度を調整したりサーキュレーターを活用して室内の空気を循環させたりといった工夫をすると、エアコンの風量や温度に頼らずとも効率のいい運転が可能です。
エアコンを購入する際は、省エネ機能の高いエアコンを選ぶことで、日々の電気代を削減して経済的に使用できるでしょう。
◆以下の記事で、おすすめのエアコンを紹介しています。参考にしてみてください。