電気毛布といえば冬の寒い時期に使う暖房器具ですが、実はペットに使用できる専用の電気毛布があります。
大切なペットのために使うものですので、使用上の注意点や安全性についてよく理解して使用するようにしましょう。
ペット用電気毛布の安全性や選び方、使用する際の注意点についてまとめたので参考にしてみてください。
ペット用電気毛布の基本知識
電気毛布といえば毛布に電熱線を張り巡らし、電気の力で温める暖房器具です。
ペット用の電気毛布の特徴や、人間用の電気毛布との違いについて解説していきます。
ペット用電気毛布とは?
電気毛布とは寒い時期に使用する、電気で熱を発生させて温めることができる暖房器具になります。ペット用の電気毛布は人間用の電気毛布とは異なり、動物の習性や特徴に合わせたつくりをしています。
ペット用の電気毛布について詳細な特徴や、人間用との違いについて解説していきます。
ペットに適した電気毛布の特徴
ペットに使用する電気毛布の購入を検討している場合、人間用と何が違うの?と疑問に思っている方もいると思います。
犬や猫、小動物などのペットには動物の習性があり、人間用の電気毛布が向かない場合があります。そのため、動物の特徴や習性に適した電気毛布を使用することが重要です。
ペットに適した電気毛布の特徴は下記のとおりです。
- 丈夫な素材
毛布には電熱線が全面に工夫されているため、毛布を噛んだり齧ったりすれば故障やペットの怪我に繋がります。そのため、毛布に使用する素材は丈夫である必要があります。
- 動物に最適な温度
動物は人間に比べて体温が高いことが特徴です。そのため動物に合った温度を細かく調節できることが必要になります。
- 防水対応
ゲージ内に電気毛布を置いておくと、ペットの尿やよだれなどがかかることがあります。スイッチが入っている状態の際に濡れても大丈夫なように、素材には防水加工のあるものが好ましいです。
以上のように、ペット用の電気毛布には動物の生態に合った仕様の機能や性能が施されています。
人間用とペット用の違い
人間とペット用の電気毛布は、電気を使って人間やペットを温めるという点は同じですが、人間とペットの特徴の違いから電気毛布の仕様にも違う点があります。
特徴の違いは以下のとおりです。
- 毛布の大きさ
人間用の電気毛布はひざ掛け程度から布団ほどの大きなサイズまでの大きさの電気毛布が主流です。一方でペット用の電気毛布は座布団程度の大きさの電気毛布が主流になっています。
メーカーによっては、大型のペットにも使えるサイズの電気毛布も展開されているため、自分のペットの大きさに合った電気毛布を選ぶようにしましょう。
- 嚙みつき、引っかき防止
人間用の電気毛布の生地には綿やポリエステルが使用されているのに対し、ペット用の素材には噛みついたり、引っかいたりしても良いように、丈夫な素材で作られていることが多いです。
また、コードの部分も人間用の電気毛布はコードがむき出しになっているのに対し、ペット用にはコードの周りをチューブで保護しているタイプもあります。
以上のように、人間とペットでは使用する対象の大きさが全く違います。また、ペットには噛みついたり、引っかいたりする生態があることから、丈夫なつくりである必要があります。
人間用でも使用することはできますが、ペットが使うことを想定して製造された電気毛布を使う方がより安全と言えるでしょう。
ペット用電気毛布の安全性について
ペット用電気毛布は、人間用の電気毛布と同様に安全性が重要です。ペット用電気毛布は、ペットの体温を保つために使用されますが、使用中に事故が起こる可能性があります。また、ペット用電気毛布の安全性については、以下の点に注意する必要があります。
安全性を確保するための機能
ペットに電化製品を使用するのは心配だと思っている方もいるのではないでしょうか。確かに使用方法によっては、事故や怪我の原因となってしまう場合もあります。
ですが、ペット用電気毛布には安全性を確保するための機能が備わっているものもあります。ペット用の電気毛布を購入する際には、以下の機能が付いているものを選ぶことをおすすめします。
- 過熱防止機能
毛布の温度が過度に上がり過ぎることを防止する機能になります。これにより、ペットがやけどしたり、火災になるのを防ぐことができます。
また、温度が高すぎることによるペットの体調不良に関しても防ぐことができるため、過熱防止機能が付いている電気毛布がおすすめです。
- 自動電源オフ機能
メーカーや物によって違いはありますが、10時間や12時間などの連続使用した場合に自動で電源を切ってくれる機能になります。万が一電源を切り忘れた際にも自動で電源を切ってくれるため、火災や事故を防止することができます。
ペットが同じ個所に座り続けることによって起きる、低温やけどについても起きる可能性を下げることができるため、おすすめの機能です。
ペットは自ら危険を感じてスイッチを切ったりすることはできません。ですので、安全性能の高い電気毛布を選んで事故を未然に防げるようにしましょう。
ペットが電気毛布を使う際のリスク
安全性を持った機能も付いており、とても便利な電気毛布ですがペットが使用することによるリスクもあるため注意が必要です。
ペットが電気毛布を使用する際には、以下のリスクがあります。
- 感電
感電の主な原因はコードなどが破損し、電流が流れている部分に触れることによって、人体に電流が流れてしまうことによって発生します。
ペットが電気毛布を使用する場合、毛布やコードを噛んでしまう可能性があります。その結果、コードなどが破損していることに気づかず、電流部分と接触して感電を起こしてしまうのです。
- 熱傷
過度に温度が上がりすぎたり、ペットの移動範囲一面に電気毛布を敷いてしまうことで逃げ場が無くなってしまい、やけどに繋がる恐れがあります。
また、適切な温度で利用指定していた場合でも、長時間使用することによって低温やけどを起こしてしまうこともあります。
- 火災
コードを齧り、破損することによって火災が発生してしまうことがあります。
破損していることに気づかずに使い続けてしまった場合、大電流が流れることによって火花が発生し、最悪の場合火災に繋がってしまうのです。
以上のようにペットが電気毛布を使用することによるリスクがあります。
ですが、使用の前に破損が無いか確認したり、安全な環境を整備することで事故の発生のリスクを減らすことはできます。
事故を防ぐための対策
ペットが電気毛布を使用することによるリスクについて解説しましたが、事故を防ぐための対策を行うことによって、事故の発生のリスクを下げることは可能です。
ペット用電気毛布を使用する際には、以下の対策を実施するようにしましょう。
- 適切な温度設定を行う
ペットは暑い、寒いなどの感情を人間に伝えることが難しいです。気づかないうちにペットの体温が上がり過ぎて健康面に影響が出る場合があるため、ペットの生態に合った温度管理を行うようにしましょう。
また、動物は人間よりも体温が高いのが特徴です。人間の感覚で温度調節をしてしまうと、適切ではない温度を設定してしまうことに繋がるため、ペットの基礎体温や適温について把握しておくようにしましょう。
- 電気毛布のコードを隠す
ハムスターや犬など、物を噛んだり齧ったりする習性のあるペットを飼っている場合は、コードを破壊してしまうおそれがあります。
火災の原因になったり、ペットの怪我にも繋がるためコードが見えないように隠すようにしましょう。
また、製品によってはコードの保護チューブが付属しているものもあるため、齧り癖がある場合は、チューブつきの電気毛布を選びましょう。
- 電気毛布を噛ませない
電気毛布には電熱線が張り巡らされているため、電気毛布を噛んでしまうと故障の原因となってしまいます。
ペットの中にはしつけが難しい種類もいますが、犬などの知能が高いペットには、コードや毛布を噛まないようしつけすることをおすすめします。
しつけが難しい場合は、丈夫な素材の電気毛布を選ぶことで、毛布の部分が破れないように対策することが可能です。
- 電気毛布を長時間使用しない
生き物はもともと自分自身で体温調整を行う能力を持っています。
ですが、長時間に渡って電気毛布を使用することで体温調整ができなくなってしまい、ペットの生命に危険が及ぶ場合もあります。
その他にも、水分不足になってしまうことによる脱水症状や熱中症にかかってし
まう恐れもおるため、長時間の使用には気を付けるようにしてください。
- 全面に電気毛布を敷かない
ゲージ内に電気毛布を敷く場合は必ず全面に敷かずに、電気毛布が無いエリアを作るようにしましょう。
ペットは寒いと感じれば温かい場所へ行き、暑いと感じれば自分から電気毛布から離れることができます。
全面に敷いてしまうことで暑い場所から逃げることができず、脱水症状や体調不良を起こしてしまう原因になってしまいます。
電気毛布を使用した状態のまま、少し家を空けた状態にしたりペットから目を離すこともあるとおもいます。
ペットのためを思っての行為が、怪我や事故に繋がってしまっては元も子もありません。飼っているペットの習性をよく理解し、ペットに合った対策を行うことが重要です。
ペットの快適性を考慮した電気毛布の選び方
ペットのための電気毛布を選ぶ際には、ペットの快適性を考慮することが大切です。
大小の大きさや、動物の種類ごとの特性などによっても、ペットの快適性は変化します。
自分が飼っているペットがどんな特性をもっているかをよく理解したうえで、ペットが快適に過ごせるように、以下の点に注意して選びましょう。
適切なサイズと素材の選び方
ペットのための電気毛布を選ぶ際には、適切なサイズと素材を選ぶことが大切です。電気毛布のサイズには座布団サイズのものから、大き目のものまでさまざま販売されています。
ペットの体型や好みに合わせて、適切なサイズの電気毛布を選びましょう。
また、素材にもこだわりましょう。ペットが嫌がる素材や、アレルギーを引き起こす素材は避けるようにしましょう。
温度調節機能の重要性
ペットのための電気毛布を選ぶ際には、温度調節機能の有無にも注目しましょう。ペットの体温に合わせて、適切な温度に設定できる電気毛布を選びましょう。また、温度調節機能があることで、ペットが快適に過ごせるようになります。
温度を高めに設定した場合に起きること
過度に高い温度を設定した場合、脱水症状を起こしてしまったり熱中症を起こしてしまう可能性があります。
また、40℃以上の温度から長時間高温の毛布に触れることでやけどになってしまう可能性が高くなっていきます。
適切な温度設定
多くの電気毛布では、20℃~50℃程度の温度設定が可能になっています。
犬や猫の体温は39℃程度ですので、4℃~5℃低い34℃~35℃あたりで温度設定をするようにしましょう。
温度が40℃以上しか設定できない場合は、タオルや薄い敷物を間に挟むことで、高温で接触しない状態を作るようにしましょう。
メンテナンスと清潔さの維持
ペットのための電気毛布を選ぶ際には、メンテナンスと清潔さの維持にも注目しましょう。
電気毛布の中には洗濯機で洗濯可能なものや、汚れがつきにくいものがあります。
ペット用の毛布として使用していると尿や糞が付着してしまったり、動物特有の臭いが付いてしまいます。
清潔を保つために定期的に洗濯するのが理想的です。洗濯後には必ず完全に乾かしてから再度使うようにしてください。さらなる臭いの原因や漏電の原因に繋がるためとても危険です。
また、メンテナンス面でも定期的にコードや毛布に破損が無いか確認するようにしましょう。
破損している状態で使用を続けると、ペットが怪我をしたり火災の原因となってしまいます。
おすすめのペット用電気毛布の選び方
ペット用電気毛布を選ぶ際には、安全性と快適性を考慮することが大切です。ペットの体温調節は人間と異なり、体表面からの放熱が少ないため、冬場には体温が下がりやすくなります。そこで、ペット用電気毛布を使用することで、ペットの体温を保ち、快適な環境を提供することができます。
犬用・猫用電気毛布の選び方
犬や猫は、大きさにも違いがありますがもともとの生息地などから、犬種や猫種によっての特性も大きく違いが出てきます。
犬用・猫用電気毛布を選ぶ際には、以下の点に注意することが重要ですが、あくまでも一般的な話になります。
現在飼っている犬種、猫種に合ったものを選ぶようにしましょう。
- 安全性: 電気毛布は、犬や猫が噛んだり、爪で引っ掻いたりすることで破損し、感電や火災の原因になることがあります。そのため、ペット用の電気毛布は、耐久性が高く、安全性に配慮されたものを選ぶようにしましょう。
- サイズ: 犬や猫の体型に合わせた適切なサイズの電気毛布を選ぶことが大切です。小型犬や猫には、小さめの電気毛布が適しています。
ケージ内で使う場合は一面を覆う大きさではなく、伏せをした状態でちょうど収まるくらいの大きさで十分です。
- 温度調節機能: 犬や猫の体温は人間よりも高いため、高温に設定された電気毛布は危険です。温度調節機能が付いているものを選び、適切な温度に設定するようにしましょう。20℃~50℃程度の温度調整ができるものであれば問題ありません。
- 洗濯可能性: 犬や猫用の電気毛布は尿や糞によって直ぐに汚れてしまいます。定期的に洗濯する必要がありますので、洗濯可能なものを選ぶようにしましょう。
- ブランド: 安心して使用できる有名メーカーの製品を選ぶことが望ましいです。また、製品には、安全性や快適性に配慮した機能がついているものが多いため、製品の特徴を確認することも大切です。
犬や猫は、種類によってサイズや性格が大きく変わってきます。飼っているペットに合った性能やサイズの電気毛布を使用することで、安全に快適に使用することに繋がります。
小動物用電気毛布の選び方
電気毛布を使用できる小動物には、ウサギやハムスターがいます。小動物用電気毛布を選ぶ際には、以下の点に注意することが重要です。
- サイズ: 小動物用電気毛布は、ペットの大きさに合わせたサイズを選ぶことが大切です。また、敷きタイプや掛けタイプなど、ペットの好みに合わせたタイプを選ぶことも重要です。
小動物はケージ内で飼っている方がほとんどだと思います。一面を覆うほどの大きさにしてしまうと、暑さから逃げる場所が無くなってしまうため、ケージ内の一部分やゲージに覆うように設置するようにしてください。
- 温度設定: 小動物用電気毛布は、ペットの体温に合わせた温度設定ができるものがおすすめです。また、過熱防止機能がついているものも安心です。
ハムスターは室温を下げ過ぎてしまうと疑似冬眠に入ってしまいます。1日中暖房を付けるのは電気代がかかるから控えたいという方は、電気毛布でケージを覆って温度を下げないようにする方法がおすすめです。ただし、全体を覆わないように注意してください。
- 素材: 小動物用の電気毛布の素材は、ポリエステルやアクリル、コットンなどが使われていることが多いです。ポリエステル100%の生地は薄くても保温性が高く、手触りがいいのが特徴です。また、ポリエステル・アクリル混紡のものもおすすめです。
- 安全性: 電気毛布は、ペットが噛んだり、爪で引っ掻いたりすることで、破損して感電や火災の原因になることがあります。そのため、ペット用電気毛布は、ペットが噛んでも安全な素材で作られていることが望ましいです。また、過熱防止機能がついていることも重要です。
- ブランド: 犬、猫用と同様に安心して使用できる有名メーカーの製品を選ぶことが望ましいです。また、製品には、安全性や快適性に配慮した機能がついているものが多いため、製品の特徴を確認することも大切です。
小動物は、犬や猫に比べてデリケートな性質を持っています。環境が合わないことによるストレスや体調不良が起きやすくなってしまうため、電気毛布を使用する場合は動物に合った環境を作るようにしましょう。また、使用した初めの頃は異変が無いかよく観察するようにしてください。
ペット用電気毛布使用時の注意点
ペットに対して電気毛布を使用する場合、気を付けておきたい注意点がいくつかあります。
お仕事や用事などで家を空ける際に、電気毛布を付けたままにしておきたいという方もいるのではないでしょうか。電気毛布を長時間使用する場合のペットの健康への影響について解説します。
また、電気毛布だけでなく、その他の暖房器具と併用して使うことでより効果的に使用することができるので参考にしてみてください。
長時間の使用と健康への影響
寒い冬にはペットが寒くないか心配になって長時間電気毛布を使用してしまうこともあると思います。ですが、長時間電気毛布を使用することにより、健康面に影響が起きることがあるため注意が必要です。
電気毛布を長時間使用することにより起きる健康への影響には以下のようなものがあります。
- 低温やけど
適切な温度であっても、同じ場所を温め続けることで低温やけどを起こしてしまうことがあります。
定期的にペットの様子を確認したり、長時間の使用は控えるようにしましょう。やけどが特に気になる際は、電気毛布の上にタオルや、薄い敷物を敷くことによって、低温やけどの発症を少しでも押さえることが可能です。
- 脱水症状・熱中症
長時間使用し続けることで、温度が上昇した状態が継続するため脱水症状を起こしてしまったり、冬であっても熱中症になる場合もあります。
こまめに水分を取っているか確認したり、温度調整には適切に行うことが重要です。
電気毛布と他の暖房器具の併用
電気毛布の他にも、ペットに使用することができる暖房器具があります。
過度に併用してしまうと温度が上がり過ぎてしまうため注意が必要ですが、上手に併用することでより効果的に使用することができます。
ペットに使用することができる暖房器具には以下のものがあります。
- 湯たんぽ
お湯を入れるだけなので電気代もかからず、火災の心配もありません。ただ、直に触れたりお湯が漏れたりすることで、やけどしてしまう恐れがあるため安全対策が必要です。
- 電気ヒーター
電気ヒーターは電気から熱を作り出して温める暖房器具になります。
直接的に温める電気毛布とは違い、空気を温めることができるので適切な距離を保つことができれば、安全に使用することができます。
ですが、過度に近づきすぎたり、温度を高くしすぎてしまうと電気毛布と同様に健康面への影響が出てくるため注意が必要です。
- 電気カーペット
電気毛布と構造は似ており、ハードタイプとソフトタイプがあります。
ソフトタイプは肌触りが良いのが特徴ですが、噛み癖があるペットの場合すぐに敗れてしまう恐れがあります。
ハードタイプは素材が丈夫なため頑丈で、防水などに対応している物も多くあります。
まとめ
最近は犬や猫、小動物などの特徴に合わせた性能の電気毛布も多く販売されており、ペットに対して使用することができます。
ですが、場合によっては事故や怪我に繋がる恐れがあるため、ペットが使用するリスクや動物の習性をよく理解しておくことが重要です。また、長時間使用することによるペットの健康面での心配もあるため、長時間使用する場合は動物の様子をよく観察しておくようにしましょう。
人間用の電気毛布も使用することは可能ですが、動物が使用することを想定して機能が備え付けられている、ペット用の電気毛布の方がより安全に使用することができます。
ペットも快適に冬を過ごせるように、使用方法や注意点をよく理解したうえでペットに合う電気毛布を選ぶことが重要です。