携帯電話料金を抑えたい場合に、まず候補に挙がるのが格安SIMです。
格安SIMはau・ドコモ・ソフトバンクの大手携帯電話会社よりも安い月額料金で契約できるのが魅力。
ただし、その分通信速度が遅い場合があるといった注意点もあります。
そんな格安SIMですが、中には0円で利用できるサービスがあるのをご存じでしょうか。
格安SIMの最大のメリットと言えば料金が安いことなので、0円で使えるとなれば利用したいと思いませんか?
そこでこの記事では、0円で使える格安SIMや、0円に近い格安中の格安で使えるSIMについて解説します。
もちろんただ料金が安いだけではなくデメリットもあるため、料金と合わせて総合的に判断してみてください。
現在の携帯電話料金を安く抑えたい場合や、現在使用している格安SIMよりもさらに安い製品を探している場合は、ぜひ本記事の内容を要チェックです。
月額0円で使える格安SIM2選
月額0円で使える格安SIMについて解説します。
内容は以下の2社です。
【月額0円の格安SIM】
- povo
- DTISIM
いずれも料金が0円という破格の金額が売りですが、当然条件や注意点があるので解説します。
とにかく料金を抑えたいという場合に、注意点を留意のうえ検討してみてください。
povo
auが提供する格安SIMである「povo」は、基本料金が0円となっています。
概要は以下の通り。
基本料 | 0円 |
データ容量 | 0GB |
通信速度 (データトッピング未購入時) | 最大128kbps |
通話 | 30秒あたり22円 |
契約期間 | なし |
povoは基本料金が無料ですが、以下のような注意点もあります。
同一名義で5回線契約の場合累計6回線目以降、税込3,300円/回線の契約事務手数料が必要
※2022年12月20日以降の契約が対象
過去1年以内に解約済だったり、180日間以上有料トッピングの購入等がなかったりする場合、利用停止、契約解除となる場合ある
0円0GB時は、送受信最大128kbpsとなる
基本的に、必要な時に都度「データのトッピング」として必要な通信容量を購入する形式となります。
トッピングの内訳は下記の通り。
トッピング容量 | 料金 | 有効日数 |
1GB | 390円 | 7日 |
3GB | 990円 | 30日 |
20GB | 2,700円 | 30日 |
60GB | 6,490円 | 90日 |
150GB | 12,980円 | 180日 |
使い放題 | 330円 | 24時間 |
大手携帯電話会社の回線を間借りしている格安SIMとは違い、povoはauが提供しているため、データトッピングを行えばauと同じ通信の品質で利用可能。
また、トッピングを行わなければ送受信の速度は最大で128kbpsとなり、動画視聴などはかなり厳しい通信速度になってしまいます。
しかし、メールの送受信程度であれば問題なく行えるため、必要に応じてデータをトッピングしていけばよいでしょう。
ただし、180日間有料トッピングが無い場合は契約解除になる可能性があるため、時折データを購入しておく必要があります。
加えて特徴的なサービスとして「ギガ活」があります。
これはpovoの公式サイトからエントリー後、対象店舗でauPAYを利用すると、データ通信に使えるギガが付与されるというサービス。
対象店舗の例は以下のようなものがあります。
店舗 | 条件 | 付与ギガ | 有効期限 |
ローソン | 500円(税込)以上の購入 | 300MB | 3日間 |
サンドラッグ | 500円(税込)以上の購入 | 300MB | 3日間 |
カインズ | 2,000円(税込)以上の購入 | 1GB | 7日間 |
ドトールコーヒーショップ | 500円(税込)以上の購入 | 300MB | 3日間 |
(株)モンテローザの各ブランド | 2,000円(税込)以上の購入 | 1GB | 7日間 |
日常生活でギガが貯まるため、日ごろから買い物でauPAYを利用するという人にはおすすめです。
DTI SIM
大手プロバイダのDTIが提供する「DTISIM」においても、0円で利用できる「半年お試しプラン」があります。
利用している回線はドコモです。
DTISIMの「データプラン3GB」と「データSMSプラン3GB」が半年間利用可能で、「でんわ定額プラン」については1ヶ月目から料金がかかります。
また、「データ半年お試しプラン」と「データSMS半年お試しプラン」については音声通話ができないため注意が必要です。
各プランの料金については以下の通り。
容量 | データプラン | データSMSプラン | 音声プラン |
1GB | 660円 | 825円 | 1,320円 |
3GB | 924円 ※半年間0円 | 1,089円 ※半年間0円 | 1,639円 |
5GB | 1,342円 | 1,507円 | 2,112円 |
10GB | 2,310円 | 2,475円 | 3,080円 |
毎日1.4ギガ使い切り | 2,420円 | 2,585円 | 3,190円 |
注意点として、各プランは初期費用として契約事務手数料3,300円(税込)とdocomo SIM 発行手数料433円(税込)が必要。
これ以外にもユニバーサルサービス料が必要ですが、こちらは月額で2円~3円程度なのであまり気にしなくてもよいでしょう。
自宅の回線をDTI光にすることで、月額料金が165円割引になるため、ネット回線の契約を考えている場合は合わせて利用がおすすめ。
お試しプランがあることで、使ってみて試せるので、格安SIMの利用に不安を感じている場合にお試ししやすいのが利点となっています。
0円に近い料金で利用できる格安SIM
0円に近い料金で利用できる格安SIMを3つご紹介します。
内容は以下の3点。
【月額0円に近い格安SIM】
- HISモバイル「ビタッ!プラン」
- b-mobile「190PadSIM」
- NUROモバイル
「月々のスマホ代を安く抑えたいけど、0円の格安SIMは自分には合わなそう」という場合に合わせて検討してみてください。
いずれも料金が安く、比較的使いやすい格安SIMとなっています。
ひとつずつ特徴を解説していきます。
HISモバイル「ビタッ!プラン」
HISモバイル「ビタッ!プラン」は大手旅行会社のH.I.Sが提供する格安SIMです。
最安で月額290円から利用できるため、0円の格安SIMが合わないと感じた人は検討してみてはいかがでしょうか。
音声通話のかけ放題の有無によって基本料金が変わり、かけ放題無しかつ月の利用データが100M未満の時に最安料金で利用可能。
内容は下記の通りです。※料金は全て税込です
データ容量 | 音声通話付 ※音声通話+データ+SMS | 音声通話+5分かけ放題 ※音声通話+データ+SMS+5分かけ放題 | 音声通話+完全かけ放題 ※音声通話+データ+SMS+完全かけ放題 |
100MB未満の月 | 290円 | 790円 | 1,770円 |
1GB | 550円 | 1,050円 | 2,030円 |
3GB | 770円 | 1,270円 | 2,250円 |
7GB | 990円 | 1,490円 | 2,470円 |
20GB | 2,190円 | 2,690円 | 3,670円 |
50GB | 5,990円 | 6,490円 | 7,470円 |
データチャージ | 200円/1GB | 200円/1GB | 200円/1GB |
100MB・3GB・7GBと通話料金は業界最安クラスの基本料金なので、0円SIMの代替案としておすすめ。
「初回契約事務手数料」として3,300円(税込)が別途必要なので注意してください。
b-mobile「190PadSIM」
b-mobile「190PadSIM」は、知名度こそ低いものの格安SIMとしては老舗で、ソフトバンク回線とドコモ回線から選択可能。
最安で月額209円(税込)から利用できるので、こちらも格安SIMの代替案としておすすめです。
料金体系はシンプルで、利用したデータ容量に応じて料金が上がっていきます。
内容は以下の通り。※料金は税込です
データ使用量 | データ通信専用SIM ※ドコモorソフトバンク | SMS付SIM ※ドコモのみ |
---|---|---|
100MBまで | 209円 | 352円 |
1GBまで | 528円 | 671円 |
3GBまで | 935円 | 1,078円 |
6GBまで | 1,595円 | 1,738円 |
10GBまで | 2,409円 | 2,552円 |
15GBまで | 3,608円 | 3,751円 |
他社同様、申込パッケージ代(初期手数料)として3,300円(税込)が必要です。
音声通話SIMは選べないので注意が必要ですが、データ通信のみの格安SIMとしては料金はお得。
また、通信容量を追加チャージができない点にも注意しましょう。
データを使いすぎないよう上限設定が可能で、初期の上限は10GBとなっています。
NUROモバイル
NUROモバイルはSONYが提供する格安SIMです。
音声、データ+SMS、データのみの3種類から容量に応じたプランを選択可能で、利用スタイルに合わせてプランを選択しやすいのが利点。
料金プランの内訳は以下の通りです。※料金は全て税込
プラン名 データ容量 | 音声通話付きSIM | データ+SMS | データのみ |
NEOプラン Lite 20GB | 2,090円 | - | - |
NEOプラン 20GB | 2,699円 | - | - |
VSプラン 3GB | 792円 | 792円 | 627円 |
VMプラン 5GB | 990円 | 990円 | 825円 |
VLプラン 10GB | 1,485円 | 1,485円 | 1,320円 |
かけ放題プラン 1GB | 1,870円 | - | - |
お試しプラン 0.2GB | - | 495円 | 330円 |
LINE、Twitterなど対象サービス利用時に、データ通信量を消費しない「NEOデータフリー」というサービスがNEOプランで利用できたり、VLプランではLINEの利用時に消費しない「バリューデータフリー」が使えたりなど、プランごとに選べるオプションが豊富な点も特徴です。
お試しプランでは0.2GBまで最安330円(税込)で利用できるので、データの利用の少ない人にもおすすめ。
こちらも登録手数料3,300円(税込)が別途必要です。
0円格安SIMの注意点
0円格安SIMの注意点について解説します。
注意すべきポイントは主に以下の2点です。
【0円格安SIMの注意点】
- 低速通信のみの場合がある
- 手数料や追加料金がかかる場合がある
0円という料金だけに気を取られていると、意外なデメリットがあることに気づいて戸惑う可能性があります。
上記の2点を押さえておくことで、0円格安SIM契約後に後悔する可能性を軽減できるでしょう。
ひとつずつ解説するので、これから0円格安SIMの利用を検討している場合は要チェックです。
低速通信のみの場合がある
0円格安SIMの場合、速度が128kbpsと低速通信のみの場合があります。
速度を上げるために、ギガを購入する場合がほとんどで、ギガは自身の利用スタイルに合わせて必要な分を購入したり、プランを選んで契約するなどさまざまです。
そもそも、回線速度を現す[bps」とは、1 秒間でどのくらいのビット数を転送できるかを表しています。
数値が大きくなるほど速度が上がり、単位も「kbps」「Mbps」「Gbps」と上がっていくことに。
0円格安SIMでありがちな、128kbpsとはどの程度の早さなのでしょうか。
スマホで動画視聴などを快適に利用するには最低でも3Mbpsは必要と言われています。
128kbpsはそれよりも大きく速度が下回っているため、快適な利用には程遠い通信速度です。
スマホで容量制限を受けた場合の速度が大体128kbpsなので、日常的な利用に支障が出るレベルの遅さと考えてください。
メールなどのテキストデータのやり取り程度であれば行えますが、基本的にはスマホとして利用するには無理があると思っていた方がよいでしょう。
手数料や追加料金がかかる場合がある
0円格安SIMを契約する場合、基本料金は0円でもそれ以外の手数料などがかかる場合はあります。
新規契約事務手数料が3,300円(税込)ほど必要な場合が一般的。
また、他にも通話料が30秒ごとに22円かかるなど、電話として利用すると結局0円では済まないと考えたほうがよいでしょう。
それ以外にも、前述の通り結局はギガを追加購入して利用することになるので、まともにスマホとして動作させるには追加で料金がかかる場合がほとんどです。
とは言え、基本料金0円は魅力的なポイントで、追加でギガを購入したりプランを選択したとしても、大手キャリアを契約するよりもかなり安く料金を抑えられます。
自身の利用スタイルに合わせて料金を設定しやすいのが利点なので、契約を検討中の格安SIMがある場合は、実際のところ毎月どの程度の金額がかかるのかをチェックしておきましょう。
現在のスマホから乗り換えを検討している場合は、自身が毎月使用している大体の通信容量をもとにプランやギガを選んでみてください。
0円の格安SIMまとめ
この記事では、0円で利用できる格安SIMについて解説しました。
内容をまとめると以下の通りです。
【まとめ】
- 0円や0円に近い格安SIMは多数ある
- 実際に利用するとなると追加料金でギガの購入などが必要
- 0円のままだと通信速度は不安がある
0円という金額は魅力的ですが、そのままだと利用しにくいという注意点があります。
しかし、基本料金がかからないというのは大きな利点で、自分の必要な分だけ通信容量を設定すれば、一般的なキャリアでスマホを利用するよりも安く抑えられます。
格安SIMは上手く活用することで普段の携帯電話料金を大幅に安くできるので、ぜひ本記事の内容を参考に検討してみてください。
格安SIMは種類が多くどれを選べばいいか迷ってしまいがち。
もしもどれをいいか分からないという場合は、本記事でご紹介した中から選ぶのもおすすめです。