待機電力とは?家庭の約5%を占める待機電力の節約術

「使っていない家電の電気代なんて、大したことないでしょ」と思っていませんか。
実は、コンセントにつないでいるだけで消費される待機電力は、家庭全体の電力消費のうち無視できない割合を占めています。
待機電力とは、リモコンやマイコンなどを組み込んだ家電機器が、使っていないときでもコンセントにつながっていることで消費される電力のことです(出典:資源エネルギー庁)。
この記事では、待機電力とは何か、家庭でどれくらいかかっているのか、そして今日からできる節約術を、公式情報の数値にもとづいて解説します。
抜いてはいけない機器の注意点もあわせて紹介します。
- 待機電力とは何か
- 家庭でかかる待機電力の量と電気代
- 待機電力が大きい機器の例
- テレビ・エアコンの待機電力
- 今日からできる節約術
- 抜いてはいけない機器の注意点
待機電力とは何か
待機電力とは、リモコンやマイコンなどを組み込んだ家電機器が、その機器を使っていないときでもコンセントにつながっていることで消費される電力のことです(出典:資源エネルギー庁)。
たとえば、テレビをリモコンでオフにしても、次にすぐ点けられるように内部では電力を使い続けています。
リモコンやマイコンを組み込んだ機器は、使っていないときでもコンセントにつながっているだけで、少しずつ電気を使っているのです。
1台ずつは小さくても、家じゅうの機器を合わせると、まとまった電力になります。
これが、意識しないうちに積み重なっている「見えない電気代」の正体です。
家庭でかかる待機電力と電気代
では、家庭では実際にどれくらいの待機電力がかかっているのでしょうか。
資源エネルギー庁の平成24年度(2012年度)の待機時消費電力調査によると、家庭1世帯あたりの年間消費電力量4,432kWhのうち待機電力は228kWhで、電力消費の5.1%を占めていました(出典:資源エネルギー庁)。
この228kWhを目安単価31円/kWhで換算すると、1世帯あたり年間約7,000円相当になります(出典:東京電力エナジーパートナー)。
目安単価31円/kWhは、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価が源泉です。
実際の単価は契約している料金プランや燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金によって変わるため、あくまで目安として見てください。
なお、待機時消費電力は近年減少傾向にあります。
それでも、何もしなければ毎年これだけの電気代が待機電力に使われている計算です。
年間約7,000円と考えると、見直す価値は十分にあります。
待機電力が大きい機器の例
待機電力は機器によって大きさが異なります。
東京電力エナジーパートナーによると、待機電力が大きい機器の例は、ガス給湯器・テレビ・エアコン・電話機・BD/HDD/DVDレコーダー・温水洗浄便座などです(出典:東京電力エナジーパートナー)。
これらは、待ち受けや保温、予約機能などのために電力を使い続けています。
とくに、リモコンで操作する機器や、常に何かを表示・保温している機器は待機電力がかかりやすい傾向です。
まずは、こうした機器のうち「長時間使っていないもの」から見直すと効果的です。
逆に、使う頻度が高く抜き差しが手間な機器は、無理に抜く必要はありません。
機器ごとの割合も見てみましょう。
資源エネルギー庁の平成24年度(2012年度)の待機時消費電力調査では、家庭の待機電力量の全体を100%としたとき、機器別の割合は次のとおりでした(出典:東京電力パワーグリッド)。
| 順位 | 機器 | 待機電力量に占める割合 |
|---|---|---|
| 1位 | ガス温水器 | 19% |
| 2位 | テレビ | 10% |
| 3位 | 冷暖房兼用エアコン | 8% |
| 3位 | 電話機 | 8% |
| 5位 | BD・HDD・DVDレコーダー | 6% |
テレビの待機電力
テレビは、2012年度の調査で家庭の待機電力量の10%を占め、機器別では2番目でした(出典:東京電力パワーグリッド)。
ただし、資源エネルギー庁によると、最近のテレビは待機時消費電力が大きく削減されており、0.1W以下の機種も増えています(出典:資源エネルギー庁)。
仮に0.1Wのまま1年間(8,760時間)待機し続けた場合、消費電力量は0.876kWhで、目安単価31円/kWhで換算すると年間約27円の計算です。
資源エネルギー庁は、テレビを消すときは主電源をオフにし、旅行など長期不在のときはプラグを抜くよう呼びかけています(出典:資源エネルギー庁)。
なお、録画機器やインターネット機能と連携している場合は、プラグを抜くと予約録画や更新に影響が出ることもあります(出典:東京電力エナジーパートナー)。
テレビを見ているときの電気代は、テレビの電気代で詳しく解説しています。
エアコンの待機電力
冷暖房兼用エアコンは、2012年度の調査で家庭の待機電力量の8%を占めていました(出典:東京電力パワーグリッド)。
東京電力エナジーパートナーによると、エアコンは使っていない季節でも、内部基板やセンサーなどのために待機電力が発生することがあります(出典:東京電力エナジーパートナー)。
長期間まったく使わない場合は、プラグを抜いたりブレーカーをオフにしたりすると節電につながる場合があります。
ただし、機種によっては長期間の通電停止を勧めていないものや、通電後しばらく時間をおいてから運転するよう案内しているものもあります。
また、日常的にプラグを抜き差ししたり、ブレーカーを頻繁にオン・オフしたりするのは、故障やエラーの原因になるため避けたほうが安心です。
扱いは機種ごとに異なるため、取扱説明書の案内に従ってください。
冷房・暖房を使うときの電気代は、エアコンの電気代で詳しく解説しています。
今日からできる節約術
待機電力の節約は、特別な道具がなくても始められます。
東京電力エナジーパートナーが挙げる方法は、次のとおりです(出典:東京電力エナジーパートナー)。
| 方法 | ポイント |
|---|---|
| 主電源を切る | リモコンオフでなく本体の電源をオフに |
| プラグを抜く | 長時間使わない機器はコンセントから抜く |
| 節電タップ | スイッチ付きタップでまとめてオフ |
| 省エネモード | 機器の節電機能を利用する |
とくにスイッチ付きの節電タップは、プラグを抜き差しせずにまとめてオフにできて便利です。
テレビまわりやパソコンまわりなど、機器が集まっている場所に使うと効果的です。
長期の旅行や帰省で家を空けるときは、必要のない機器のプラグを抜いておくとムダを減らせます。
毎日こまめに抜き差しするのが難しくても、こうした場所や場面を決めておくだけで無理なく続けられます。
どの機器から手をつけるか
待機電力をゼロにすることはできません。
次の章のとおり、安全や機能を保つために、電源を入れておいたほうがよい機器があるからです。だからこそ、効果と手間のバランスで優先順位をつけるのが現実的です。
判断の順序は3つあります。
- 長時間使っていない機器かどうか。
- 抜いても時計や予約の設定が消えないかどうか。
- 抜き差ししやすい場所にあるかどうかです。
3つとも当てはまる機器が最優先になります。
ふだん使っていない部屋のテレビ、録画に使わなくなったレコーダー、使っていない充電器などが当てはまりやすいでしょう。
逆に、毎日使う機器を無理に抜こうとすると手間が続かず、結局もとに戻ってしまいます。
年間約7,000円(228kWh×31円=7,068円)という金額も、仮にその3割を減らせたとして年間約2,120円の差です(当サイト計算)。
一気にやろうとせず、続けられる範囲を決めておくほうが結果的に効きます。
抜いてはいけない機器に注意
ただし、待機電力を減らそうとしてすべての機器のプラグを抜くのは禁物です。
東京電力エナジーパートナーは、電源プラグを抜かないほうがよい家電として、冷蔵庫、モデム・ルーター、ガス給湯器・エコキュート・電気温水器などを挙げています(出典:東京電力エナジーパートナー)。
冷蔵庫は止めると庫内が温まり、食品が傷むおそれがあります。
モデム・ルーターは、抜くとネットや通信が使えなくなります。
ガス給湯器・エコキュート・電気温水器は、抜くと安全装置や凍結防止機能が働かなくなります。
また、機器によっては主電源をオフにするだけでも、時計表示や一部の設定がリセットされることがあります。
節約は、抜いても問題ない機器から進めるのが基本です。
「使っていない・抜いても困らない機器」を選んで、待機電力を減らしていきましょう。
待機電力とあわせて読みたい記事
- 電気代の節約のコツ(家全体の節約)
- 温水洗浄便座の電気代(待機電力の大きい機器)
- 電力会社の切り替え方法(単価の見直し)
よくある質問
まとめ
待機電力とは、機器を使っていなくてもコンセントにつないでいるだけで消費される電力のことです。
資源エネルギー庁の平成24年度調査では年間228kWh・全消費電力量の約5%で、目安単価31円/kWhなら年間約7,000円相当にのぼりました。
使わない機器の主電源を切る・プラグを抜く・節電タップを使う・省エネモードを利用するといった方法で、待機電力は減らせます。
テレビは最近の機種なら待機時消費電力0.1W以下のものも増えており、エアコンは日常的な抜き差しを避けるのが基本です。
ただし、冷蔵庫やモデム・ルーター、ガス給湯器など、止めると食品の保存や通信、安全機能に影響が出る機器は抜かないよう注意しましょう。
抜いても困らない機器から見直すのが、無理なく続けるコツです。
家全体の電気代が気になるときは、料金プランそのものの見直しもあわせて検討してみてください。
電気代の見直し・切り替えの相談なら
「待機電力の節約とあわせて、料金プランも見直したい」という方は、電気手続き受付センターにお気軽にご相談ください。
電気の契約・切り替えの手続きを、まとめてサポートします。