電気の契約者が亡くなったときの相続と精算|継承の扱いは電力会社で違う

親などご家族が亡くなったとき、実家の電気をどうすればいいのかは、意外と迷いやすい手続きです。
「電気は自動で止まるの?」「名義変更と解約どっち?」「料金の支払いはどうなる?」——こうした疑問を、電力会社や公的機関の公式情報をもとに整理します。
この記事では、まず何を判断すればよいか、名義変更と解約(廃止)の手続き、料金の精算、そして相続との関係までをやさしく解説します。
- 契約者が亡くなったとき、まず何を決めればいいか
- 電気を使い続ける場合の名義変更のしかた
- 誰も住まない実家の解約(廃止)と料金の精算
- 手続きの連絡先(どの会社に電話する?)
- 電気料金の未払いと相続の関係
契約者が亡くなっても電気は自動で止まらない
まず大切なのは、契約者が亡くなっても、電気の契約はそのまま続くということです。
放っておいても自動では止まらず、その間の電気料金は発生し続けます。
そのため、状況に応じて次のどちらかの手続きが必要になります。
- その家で電気を使い続ける(同居のご家族が住み続ける等)→ 名義変更
- もう誰も住まない・使わない(空き家・売却・解体等)→ 解約(使用停止・廃止)
どちらにあたるかで手続きが分かれます。まずはこの2つのどちらかを決めるところからです。
| これからの使い方 | 必要な手続き | ポイント |
|---|---|---|
| 家族が住み続ける | 名義変更 | 契約はそのまま、名義だけを変える |
| 誰も住まない(空き家・売却) | 解約(使用停止・廃止) | 使用停止日までの料金で精算 |
| 支払う人をはっきり分けたい | 廃止+新規契約 | 故人の分を精算し、新しい名義で契約し直す |
使い続ける場合は会社ごとに扱いが分かれる
名義変更そのものの手順や、結婚・同居家族への変更など死亡以外のケースを含めた全体像は 電気の名義変更のやり方 にまとめています。
ここでは、契約者が亡くなったときに特有の論点——会社によって継承できるかが分かれる点と、未払い料金が相続にどう関わるかに絞って解説します。
同居のご家族が引き続き住むなど、その家で電気を使い続ける場合の手続きは、会社によって呼び名も扱いも違います。
そのまま契約を引き継げる会社と、いったん契約を終わらせて新しい名義で契約し直す会社があります。
どちらの扱いでも、料金の支払いが新しい名義の人に引き継がれる点は共通です。
引き継ぎたくない場合の考え方や、名義変更に必要なものは 電気の名義変更のやり方 で解説しています。
故人の未払い分を分けたいときは、後述の相続との関係もあわせてご確認ください。
たとえば東京電力エナジーパートナーは、名義変更(契約者の逝去による継承等)の手続きを電話で受け付けると案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー)。
一方、九州電力は「ご使用実態に変化のあるもの(契約者のご他界に伴う名義変更等)は現在のご契約を終了のうえ、新しい名義でご契約を承ります」としています(出典:九州電力)。
このようにそのまま継承できるか、契約終了+新名義になるかは会社ごとに異なります。
どちらになるかで必要な連絡や支払いの区切り方が変わるため、契約先の案内を必ず確認してください。
死亡診断書や戸籍は必要になる?
手続きに用意するもの(お客さま番号など)は死亡の場合でも通常と同じで、電気の名義変更のやり方 で解説しています。
ここで多くの方が迷うのが、死亡を証明する書類が要るのかどうかです。
電気の名義変更について、各電力会社の公式案内では、死亡診断書や戸籍などの提出を必須とする記載は見当たりません(電話でお客さま番号や新しい名義を伝える方式が中心)。
ただし「必要書類は一切不要」と断定できるわけではなく、支払いを分ける・相続がからむケースなどでは会社が別途確認を求める場合があります。
必要なものは契約先の電力会社に確認するのが確実です。
誰も住まない場合=解約(使用停止)の手続き
実家を空き家にする、売却する、解体するなどもう誰も電気を使わない場合は「解約(使用停止・廃止)」をします。
使用停止日を決めて契約先に連絡すると、その日までの料金で精算されます。
東京電力エナジーパートナーは、使用停止について「停止日当日中はご利用いただけます。停止日の夜0時に電気が止まります」と案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー)。
片付けや遺品整理で当日まで電気を使いたい場合は、この点を踏まえて停止日を決めるとよいでしょう。
また、故人の分と新しく住む人の分で支払いをはっきり分けたい場合は、名義変更ではなく廃止と新規契約に分ける方法があります。
中部電力ミライズは「旧契約名義人と新契約名義人で、電気料金のお支払いを分ける場合については、電気のご使用廃止およびご使用開始のお手続きが必要となります」としています(出典:中部電力ミライズ)。
連絡先は「契約している電力会社」
手続きの連絡先は、故人が契約していた電力会社(小売電気事業者)です。
電力の小売は自由化されており、大手電力会社だけでなく新電力と契約しているケースもあります。
資源エネルギー庁は「一般家庭においても、ライフスタイルなどに合わせて電力会社を自由に選ぶことができるようになりました」とし、あわせて「送配電部門については、電力小売全面自由化後も、政府が許可した事業者が担っています」と説明しています(出典:資源エネルギー庁)。
そのため、まずは検針票や口座引き落とし・クレジットの明細で、どの会社と契約しているかを確認しましょう。
停電や設備の不具合はこの送配電会社の担当ですが、名義変更・解約などの契約手続きの連絡先は、契約している小売の電力会社になります。
電気料金の未払いと相続の関係
電気の名義変更は、相続の手続きそのものではありませんが、料金の未払いがあると相続と関わってくることがあります。
故人が支払うべきだった未払いの料金は、相続の場面では「差し引くことができる債務」に含まれます。
国税庁は、相続で差し引ける債務を「被相続人が死亡したときに現に存在した被相続人の債務(借入金や未払金など)で確実と認められるもの」と説明しています(出典:国税庁)。
電気料金の未払いも、こうした未払金の一つとして扱われる可能性があります。
一方で、借金など故人の債務を一切受け継ぎたくない場合は、相続放棄という方法があります。
裁判所は、相続放棄について「相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない」もので「家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません」と案内しています(出典:裁判所)。
相続放棄を検討している場合は、電気などの名義変更・支払いをする前に、専門家(弁護士・司法書士等)や家庭裁判所に相談するのが安全です。
契約者が亡くなったときの電気とあわせて読みたい記事
- 電気の名義変更ガイド(引っ越し・改姓など名義変更全般)
- 電気の解約・使用停止の手続き(止め方・解約金・タイミング)
- 電気の最終請求・精算のしくみ(使用停止後の料金と支払い)
よくある質問
まとめ
契約者が亡くなっても電気は自動では止まらず、手続きが必要です。
家族が住み続けるなら名義変更、誰も住まないなら解約(使用停止・廃止)と、これからの使い方で手続きが分かれます。
名義変更で継承すると請求中の支払いも引き継がれること、会社によって「継承」か「契約終了+新名義」かが分かれることに注意しましょう。
連絡先は故人が契約していた小売の電力会社で、まず検針票などで契約先を確認します。
未払い料金は相続の債務に関わることがあり、相続放棄を考えるなら支払い前に専門家や家庭裁判所へ相談すると安心です。
実家の電気の手続きでお困りなら
「実家の電気をどうすればいいか分からない」「名義変更か解約か迷っている」という方は、電気手続き受付センターにお気軽にご相談ください。
電気の名義変更・解約・切り替えの手続きを、まとめてサポートします。