親が施設に入所したら実家の電気は家族が止められるか|申込める人と支払いの移し方

「母が施設に入ることになった。実家の電気、契約者は母のままだけど、自分が電話して止めてもいいの?」
じつは、契約者以外の家族がどこまで手続きできるかは、電力会社によって公式の書き方が異なります。
申込み方法によっては家族を申込み対象者と明記している会社もあれば、FAX申込みなどで「契約者の同意」を条件にしている会社、そもそも明記していない会社もあります。
この記事では、親が介護施設・老人ホームに入所したり長期入院したりしたときに、家族が実家の電気について何をどこまでできるのかを、各社の公式FAQをもとに整理します。
- 家族からの解約申込みについての各社の書き方(家族を対象と明記・契約者の同意が条件・明記なし)
- 家族が動く前に、親と確認しておくこと
- 支払いだけを子の口座・カードへ移す方法
- 名義変更をすると未払いまで引き継ぐ点
- 請求書の送り先を変える・明細を家族で見守る方法
親が施設に入っても実家の契約は続く
親が施設に入所しても、誰かが手続きをしない限り、実家の電気の契約は親の名義のまま続きます。
しかも、長期不在のための一時停止は受け付けていない会社があります。
たとえば九州電力は「長期間不在にする場合の電気契約の一時停止は受付できません」と案内しています(出典:九州電力公式サイト)。
四国電力も、不在の期間も契約を継続することになると回答しています(出典:四国電力公式サイト)。
なお、この2社では、基本料金のある契約で検針期間内に電気をまったく使わなかった月は、基本料金が半額になります(出典:九州電力公式サイト・四国電力公式サイト)。
契約を残すか止めるかの考え方そのものは、空き家の電気と同じです。
使う予定と毎月の固定費から判断する方法は、別荘・空き家の電気は残すか止めるかの記事で詳しく解説しています。
この記事では、その判断のあとに出てくる「契約者ではない家族が、どこまで代わりに手続きできるか」に絞って説明します。
家族が解約を申し込めるかは会社ごとに書き方が違う
実家の電気を止めるとき、最初に気になるのが「契約者でない自分が申し込んでよいのか」という点です。
各社の公式FAQや申込みページを調べると、家族からの申込みについての書き方は大きく3つに分かれました。
家族を申込み対象者として明記している会社、契約者の同意を条件にしている会社、そして家族からの申込みについて明記していない会社です。
| 会社 | 契約者以外(家族)からの解約申込みについて | 公式の記載のある窓口 |
|---|---|---|
| 沖縄電力 | 申込み対象者は「ご契約者本人またはご家族」 | Webのご使用廃止申込み |
| 北海道電力 | 契約者本人または「契約者さまの同意を得た方」に限る | FAXのご使用廃止申込み |
| 東京ガスの電気 (大手電力とは別の小売電気事業者) | 引越し(転出)で解約するときは契約者本人(または配偶者)による申込みを依頼 | 電気契約の解約ページ |
| 東北・東京・中部・北陸・関西・中国・四国・九州 | 家族からの申込みの可否を明記したFAQは見当たらず | 契約先の窓口に公式で確認 |
沖縄電力は、Webでのご使用廃止の申込み対象者を「ご契約者本人またはご家族」とし、該当しない場合はコールセンターへの電話を案内しています(出典:沖縄電力公式サイト)。
北海道電力は、FAXでの廃止申込みを「契約者ご本人さま、または契約者さまの同意を得た方」に限っています(出典:北海道電力公式サイト)。
家族であることだけでなく、親の同意を得ていることが前提になっている点に注意が必要です。
大手電力10社とは別の小売電気事業者である東京ガスの電気は、引越し(転出)で解約する場合、電気の契約者本人(または配偶者)による申込みをお願いしています(出典:東京ガス公式サイト)。
子が申し込む場面は、この書き方には含まれていません。
大手電力10社のうち、沖縄・北海道を除く8社は、家族からの解約申込みの可否を明記したFAQが見当たりませんでした。
明記がないことは「できない」という意味ではありませんが、「できる」という保証でもありません。
電話をかける前に、親が契約者であること、自分が子であること、親が施設に入所したことを伝えて、家族からの申込みで受け付けてもらえるかを最初に確認するのが確実です。
なお、新電力と契約している場合も同じで、窓口は実家の契約先です。
契約先が分からないときは、今の電力会社の調べ方から確認できます。

電気の停止や名義・支払いの手続きを、まとめてサポートします。
送信後は担当者からお電話でご案内します
家族が動く前に親と確認しておくこと
家族からの申込みが受け付けられる会社でも、手元に情報がなければ手続きは進みません。
さらに、契約の内容を契約者以外には答えない窓口もあります。
東北電力は、貸家の入居者の退出に関する問い合わせに対して、契約情報は個人情報のため契約者本人に確認してほしいと案内しています(出典:東北電力公式サイト)。
親と話せるうちに、次の順で確認しておくと安心です。
実家に届いている検針票や請求書、会員サイトで、契約している会社とお客さま番号を確認します。九州電力では、インターネットで停止手続きをする場合にお客さま番号(19桁)を用意するよう案内しています(出典:九州電力公式サイト)。
北海道電力のFAX申込みのように、契約者の同意を条件にしている窓口があります。電話で家族が申し込むときに説明できるよう、親の了解を得ておきます。
家族からの申込みを受け付けるか、何を伝えればよいかを最初に確認してから、停止日や支払いの話に進みます。
北海道電力のFAX申込みでは、エネモールなどで供給地点特定番号を確認するよう案内されています(出典:北海道電力公式サイト)。
番号の見方は、検針票の見方の記事にまとめています。
支払いは名義を変えずに子の口座へ移せる場合がある
施設への入所後、親の口座の管理が難しくなり、電気代の引き落としを子の口座やカードに移したいという場面もあります。
このとき、大手10社のうち5社は、契約者の名義はそのままで、別名義の口座での支払いを申し込めると公式FAQで回答しています。
| 会社 | 契約名義と異なる口座・カードでの支払い | 補足 |
|---|---|---|
| 北海道電力 | 口座振替の申込みが可能 | インターネット申込みは口座名義人本人に限る |
| 東北電力 | 口座振替の申込みが可能 | 申込書で契約名義を通帳・カードの名前に変えることも可能(名義が変わる手続き) |
| 東京電力エナジーパートナー | 口座引き落としが可能 | 公式FAQは口座振替について回答 |
| 中部電力ミライズ | 口座・カードとも申込みが可能 | 申込書に契約者との間柄を記載 |
| 四国電力 | 口座・カードとも申込みが可能 | カードはホームページで手続き可 |
| 北陸・関西・中国・九州・沖縄 | 別名義の可否を明記したFAQは見当たらず | 公式で確認 |
北海道電力は、契約者と支払者(口座名義)が異なっていても口座振替の申込みができると回答しています(出典:北海道電力公式サイト)。
ただし、インターネットでの口座振替の申込みは口座名義人本人に限られます(出典:北海道電力公式サイト)。
インターネットで子の口座に移すなら、口座の持ち主である子自身が申し込む形になります。
中部電力ミライズでは、申込書に電気の契約者との間柄を書くよう案内しています(出典:中部電力ミライズ公式サイト)。
四国電力も、口座名義と契約名義が異なっていても口座振替を申し込めると回答しています(出典:四国電力公式サイト)。
支払い方法の変更手続きの流れは、電気の支払い方法を変更する方法で解説しています。
名義を子に変えると未払いまで引き継ぐ
「いっそ契約者を自分に変えたほうが手続きしやすいのでは」と考える方もいるでしょう。
しかし、名義変更は支払いの付け替えとは重さが違います。
四国電力は、名義変更では旧名義の人から権利(料金プランなどの契約内容)と義務(支払われていない電気料金など)をすべて引き継ぐと説明しています(出典:四国電力公式サイト)。
北海道電力も、新名義の人が旧名義の人の電気に関する権利・義務をすべて引き継ぐとしています(出典:北海道電力公式サイト)。
東北電力の場合、家族間の名義変更は書面での手続きで、約1か月かかります(出典:東北電力公式サイト)。
新名義の人がすべての権利・義務を継承する点も、同じページに書かれています。
親がいずれ実家に戻る可能性があるなら、まずは名義を変えずに支払いだけを移す方法から検討するとよいでしょう。
名義変更の窓口や手順は、電気の名義変更のやり方にまとめています。
請求書の送り先を変えて家族で見守る
実家が空いているあいだ、請求書や使用量のお知らせが実家のポストに届き続けると、毎月の金額や使用量の変化に気づきにくくなります。
送り先を子の住所に変えておけば、毎月の請求を手元で確認できます。
- 東京電力エナジーパートナー:請求書などの郵送先をWebで変更でき、受付後の次回請求分から変わる(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)
- 東北電力:請求書や領収証などの送付先の変更を電話で受け付け(出典:東北電力公式サイト)
- 中国電力:請求書や領収証の送り先の変更を電話またはインターネットで受け付け(出典:中国電力公式サイト)
- 九州電力:会員サイト「My九電」は契約者本人の同意を得た家族も利用でき、明細の通知先を1契約につき最大5件、家族のLINEにも設定できる(出典:九州電力公式サイト・同)
- 中部電力ミライズ:「カテエネ」は契約名義人と家族が利用でき、家族は契約者本人の同意を得て登録する(出典:中部電力ミライズ公式サイト)
九州電力と中部電力ミライズの会員サイトは、どちらも家族の利用に契約者本人の同意を求めています。
ここでも、親と話せるうちに了解を得ておくことが役に立ちます。
上に挙げていない会社は、契約先の窓口で送り先の変更方法を確認してください。
実家の電気を止めると決めたら
片付けが終わり、当分は誰も住まないと決まったら、使用停止(解約)を申し込みます。
申込みの方法や停止日の決め方は、電気の解約・使用停止の手続きの記事で詳しく説明しています。
転出するときの扱いとして、九州電力は分電盤にあるリミッター等のスイッチをすべて「切」にするよう案内しています(出典:九州電力公式サイト)。
あわせて、電気給湯器がある場合は、給湯器本体のスイッチも「切」にするよう求めています。
解約後に届く最後の請求の仕組みは、電気の解約後の最終請求・精算で確認できます。
なお、親が亡くなったあとの手続きは、存命中とは扱いが変わります。
その場合は電気の契約者が亡くなったときの相続と精算をご覧ください。
親の施設入所と電気にあわせて読みたい記事
- 別荘・空き家の電気はどうする?(契約を残す・止める判断と基本料金)
- 電気の解約・使用停止の手続き(電話とネットでの止め方)
- 電気の支払い方法を変更するには?(口座振替・クレジットカード)
- 電気の名義変更のやり方(大手各社の窓口と家族の手続き)
- 電気の契約者が亡くなったときの相続と精算(継承の扱いと未払い)
よくある質問
まとめ
親が施設に入所しても、実家の電気の契約は誰かが手続きをするまで親の名義のまま続きます。
そして、契約者ではない家族がどこまで手続きできるかは、電力会社によって公式の書き方が異なります。
沖縄電力のWebの廃止申込みのように家族を申込み対象者に含める会社、北海道電力のFAX申込みのように契約者の同意を条件にする会社があり、多くの大手は明記していません。
だからこそ、親と話せるうちに契約先とお客さま番号を控え、家族が手続きすることへの了解を得ておくことが、いちばんの準備になります。
支払いを子の口座に移すだけなら、名義は親のまま別名義の口座で申し込めると公式FAQで回答している会社があります。
名義変更は未払いの料金まで引き継ぐため、目的に合わせて選びましょう。
請求書の送り先を変えたり、家族向けの会員サイトで明細を見守ったりしながら、片付けが済んで当分使わないと決まった時点で解約に進むのが無理のない順番です。
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