枕は毎日使うものなので目に見えていなくても汚れが非常に溜まっているものです。枕は人間の皮脂を吸収して湿気も多いので、ダニの温床になったり、カビが発生したりしやすいと言えます。
カバーを洗って替えていても、どうしても枕には汚れが溜まってしまうため、定期的に洗うことがおすすめです。しかしながら、手で家族分の枕を頻繁に洗うのは面倒。できれば洗濯機で洗ってしまいたいところです。
しかし、すべての枕が洗濯機で洗えるわけではありません。また洗濯機で洗うにしても、枕の破損や洗濯機の故障が起こらないよう、注意が必要です。この記事では、洗濯機で洗える枕の種類や、洗う際の注意点などを解説します。
毎日使う枕を清潔に保って質の良い眠りにつなげましょう。
枕は汚れやすい
枕は毎日使うものです。枕は人間の皮脂や髪を洗った後の水分などが吸収され、すぐに汚れてしまいます。たとえカバーをつけて綺麗に使っていると思っていても、目に見えない汚れや蓄積された汚れが付着しています。
枕の汚れにはどんなものがあり、どれくらいの頻度で洗うことが清潔を保てるのかを説明します。
枕の汚れとは
枕の汚れには様々なものがあります。よく考えてみると睡眠時間というのは、一日の生活のうちでも長い時間を占めています。例えば8時間の睡眠であればそれだけの時間、頭と枕は接していることになります。寝る前にお風呂に入り髪はきれいにして、ドライヤーで乾燥しているから大丈夫だと思いがちですが、やはり頭皮の皮脂や寝ている間の汗は枕に確実に吸収されていきます。
特に子供は汗をかきやすく、冬でも汗をかいて寝ていることもあります。その皮脂汚れや汗の汚れが夜間の間に付着してしまうのです。また日に当たっていない部屋や風通しが悪い部屋である場合、溜まった汚れにダニが寄ってきたり、汗の水分でカビの温床になったりしやすいと言えます。
睡眠中は、想像以上に人間は汗をかいているのです。その証拠に寝ている間の熱中症や寝ている間の脱水を防ぐ目的として、寝る前にある程度の水分を取ることも推奨されています。
このように毎日の就寝中に汗や皮脂で汚れてしまう枕は、定期的なお手入れが必要です。
枕を洗う頻度
枕を洗うにも、枕そのものを洗うことと、枕カバーを洗うことの二つの方法が考えられます。
枕カバーを清潔に使用したいと思うなら、毎日洗うことがおすすめです。替えの枕カバーも用意しておいて、洗濯できない日があっても清潔な枕カバーに交換するようにしましょう。特に夏の期間などは毎日洗うことが必須と言えるでしょう。枕カバーは常時複数用意しておき、頻繁に代えながら使うことで、いつでも清潔な状態をキープできます。
もし毎日は大げさだと感じるのであれば、最低でも週に1~2回は枕カバーを洗いましょう。最低限その回数は洗っておくことで、ダニやカビの繁殖を防ぐことは可能でしょう。
枕本体を洗うのは、半年に一度くらいの頻度がおすすめです。春や夏、秋のはじめなら洗濯も乾きやすいので、そのころに本体を洗うことが良いでしょう。基本的には枕カバーを洗い、半年に一度本体を洗うというサイクルでOKです。
枕を洗う前に確認すべきこと
枕カバーを洗うのはそのまま洗濯機に入れて洗えばよいですが、枕本体を洗うとなると、洗う前に確認すべき事項があります。枕にはいくつかの素材がや種類があり、羽毛、ポリエステルのわた、そばがら、パイプなど自分の好みの素材があるはずです。
まずは枕本体の素材を確認して、洗える素材なのかどうなのかチェックしましょう。洗えない素材であっても、干してケアしたり日を当ててケアしたりすることもできますので、まずは枕の洗濯表示をチェックしてみてください。
洗える素材と洗えない素材
まずは、枕の本体が洗えるものか洗えないものかをチェックしましょう。枕の本体が洗えるかどうかは、枕の中身によって変わります。基本的に、羽毛、ポリエステル綿などはそのまま洗濯が可能です。しかし、パイプやマルコビーンズなどの中身の場合、洗えるものの少し工夫が必要です。
また、羽根やパイプ、ビーンズでも洗えない種類のものもありますので、洗濯表示は必ずチェックするようにしましょう。一般的に低反発枕に多いウレタンや昔ながらのそば殻の中身のものは基本的に洗えません。
それでは洗える枕の洗い方を説明していきます。
羽根・ポリエステルわたの枕の洗濯
- 中のユニットを取り出す
- 中性洗剤で押し洗いをする
- すすぐ
- 脱水機を3分かける
- 風通しのよい場所で、自然乾燥させる
ただし、羽根の素材の場合は、乾燥するまでに3日前後かかります。十分に乾燥するようにしてください。
パイプ、マルコビーンズの枕の洗濯
- 中のユニットを取り出し洗濯用ネットに入れる
- 少なめの洗剤を使って洗濯機の弱水流、またはおしゃれ着コースで洗う
- 風通しのよい場所で自然乾燥させる
洗濯機の中でもドラム式の場合は、洗濯できない枕もあります。洗濯機の説明書も事前にチェックしておきましょう。
洗えない素材の枕は干してケア
洗えない素材の枕は、干すことで清潔に保つことができます。
低反発ウレタンフォームの枕は、風通しのよい場所で陰干しをすることで湿気を取り除くことが可能です。そばがらの素材は、天日干しをすると、枕が傷んでしまうため天日干ししないように注意しましょう。
そのほかにも、ダニやハウスダスト対策として使える、以下のような布団クリーナーを枕にかけることでもケアできます。洗えない素材のものは、定期的に天日・日陰干しをしたり、クリーナーをかけたりするなどして、お手入れをするのがおすすめです。
枕の洗濯タグをチェック
枕を洗ってもよいか、どのようにしたら枕を清潔に保てるかを確認するなら、まずは枕の洗濯タグをチェックすることが重要です。枕の洗濯タグにも、桶(バケツ)マークがあり、洗濯機で洗えるか、水流の強さや適した洗浄水の温度などが示してあります。
洗濯タグを参考にしながら、お手入れをおこないましょう。タグに記載の内容に従わないと、枕が破損したり傷んだりする場合があります。場合によっては、洗濯機内で破裂するなどして、洗濯機が壊れてしまうこともあり得ます。
面倒でも必ずタグを確認し、内容にしたがったお手入れをおこないましょう。
洗濯機で枕を洗う方法
枕はポリエステル、羽毛の一部などであれば洗濯機で洗うことも可能です。しかし、洗濯機で洗うことで枕を傷める可能性もありますし、洗濯機の破損も考えられます。洗濯機で枕を洗う時はどのように洗えばよいのか説明していきます。
枕をネットに入れる
まず最初に洗濯機で枕を洗う場合は、必ず枕を洗濯ネットに入れましょう。ネットを使用しないでそのまま枕を洗濯機内に入れることで、洗濯機の内部で枕が破損してしまう危険があります。
また、中身の綿やビーズなどが洗濯機内で散乱してしまうと、洗濯機の故障にも繋がります。綿やビーズを取り除くことも非常に大変で、排水ホースに詰まると水漏れが起こる危険性も。万が一のためにも、枕は必ずネットに入れて洗うようにしましょう。
手洗いモードなどで洗浄
通常の洗濯モードで洗濯してしまうと、水流が激しく枕を傷める可能性があります。さらに水流により生地の目が緩み中身が暴発して綿が出てしまう恐れもあるでしょう。そのため枕を洗濯機で洗う際は、水流弱めの手洗いモードやおしゃれ着コースなどで洗浄するようにしてください。汚れはそれでも十分に取れます。
さらに使用する洗剤も、中性洗剤、もしくはおしゃれ着用の専用洗剤を使うことがおすすめです。このような洗剤は繊細な衣類を洗浄するときに使用するものなので、枕の生地も傷めずに洗うことができます。
枕を洗濯機で洗濯している最中に、洗濯機の異音や大きな振動が聞こえたらすぐに洗濯機を止めて、様子を確認しましょう。原因がわからないようであれば手洗いに変える方が良い場合もあります。
天日干しでしっかり乾かす
枕を干す際は、基本的には天日干しでしっかり乾かすようにしてください。枕は思っている以上に乾きづらいため、数日かけて乾かすことをおすすめします。中までしっかりと乾燥しなければ、カビなどの原因にもなり得ます。
枕の中身の種類や素材により天日干しではなく、陰干しが推奨されているものもありますので、枕の洗濯表示をチェックして、正しい方法で乾燥させましょう。
洗濯機で枕を洗う時の注意点
枕を洗濯機で洗おうとしても、中身や素材によって正しい洗浄方法が異なります。しっかりと確認しないまま選択してしまうと、枕の破損だけではなく、洗濯機の故障にも繋がる恐れがあります。
以下のようなポイントを留意して枕を正しく洗浄しましょう。
必ず中身の素材をチェックする
まずは枕の中身の素材を必ずチェックしておきましょう。中身の素材によっては洗濯機で洗えないものもあります。また、洗濯機を使うにしても手洗いコースなどの洗い方が推奨されているものもあります。
干し方なども素材によって適した方法が異なるため、事前に必ず枕の中身が何なのかを確認し、その素材に合った方法で洗いましょう。代表的な素材で言えば、そば殻や低反発のウレタン素材は、洗濯機で洗浄できませんので注意しておきましょう。
優しく洗うコースを選択する
素材によって枕は洗濯機で洗うことはできますが、通常の衣類のような強さはなく、なるべく優しく洗浄する必要があります。手洗いで洗うほか、洗濯機を使用するなら、優しく洗うコースを選択するようにしましょう。優しく洗うコースは、ほとんどの洗濯機に標準装備されていて、「手洗いコース」「おしゃれ着コース」「ホームクリーニング」などの名称で機能が付いています。
枕を通常の強さで洗濯すると強い水流や摩擦により傷める可能性もあり、最悪な場合、中綿が全部出てしまうということも起こりえます。枕の破損を防ぐためにも、弱い水流で洗うコースがおすすめです。洗濯機の取扱説明書にも、どのコースで洗うべきか記載されていることもありますので、洗う前に確認しておくのがよいでしょう。
必ずネットに入れて洗う
枕を洗濯機で洗浄する際は、必ず洗濯ネットに入れるようにしてください。ネットに入れないことで枕の破損や洗濯機の故障につながる恐れがあります。
枕の中身が洗濯機内で散乱してしまうと、洗濯槽の穴や排水ホースに詰まり、故障の原因になることも。万が一、枕が破れて中身が出てしまっても、ネットに入れておけば、中身の散乱を防げるでしょう。綿やビーズなどの枕材が洗濯機内で散乱してしまうと、後片付けも非常に大変です。
枕のサイズに合ったネットに必ず入れて洗濯機にかけることはもちろん、ネットに破れやファスナーの破損がないかなども確認しておきましょう。
無理せず場合によっては手洗いする
枕は洗濯機で洗えるものが多いですが、場合によっては無理をせず手洗いすることがおすすめです。大事に長く使いたいのであれば洗濯機可能の枕も手洗いすることにより劣化を防ぐこともできます。
それに清潔を保つのであれば、手洗いでもこまめに洗浄することで十分汚れを取ることが可能です。手洗いは面倒だと、素材やサイズを無視して、無理やり洗濯機で洗ってしまうと、枕の破損や洗濯機の故障の危険があります。
枕の洗濯表示をチェックして少しでも不安があるのであれば手洗いをおこなうのがおすすめです。
洗濯機で枕をきちんと洗って清潔に!
枕は毎日使うものであり、一日の中でも特に長い睡眠時間に使用するものなので、頭と枕の接している時間も長く、頭の皮脂や寝ている時の汗などで毎日汚れは蓄積しています。
枕を清潔に保つためにも、枕カバーを複数枚用意し、定期的に取り換えましょう。また枕自体の洗浄は半年に一度を目安におこなうことがおすすめです。しかし枕の中身の素材によっては、洗えるものと洗えないものがあります。洗えないものは日陰干しや布団クリーナーでケアすることでも、カビやダニの繁殖を防止できるでしょう。
洗濯機で洗える枕だとしても、素材や洗濯機によって、正しい洗い方は異なります。洗濯表示をチェックして、必ずその枕に合った洗濯方法で洗うことが重要です。こまめなお手入れで、清潔な枕を保ちましょう。