家電の寿命はだいたい10年と言われていますが、正しく丁寧に使用しての10年であり、実際はもう少し短いと言えるでしょう。家電商品は次々に新しいものが出てきて、新商品には新しい機能が搭載されているので、実際は寿命が来なくても買い替えている人も多いのではないでしょうか。
炊飯器を買い替えるときには、反応がないなど壊れた時、他の製品が魅力的に感じた時、炊きたてのごはんがおいしく感じない時などが挙げられます。しかし炊飯器も決して安いとは言えない値段なので、買い替えを躊躇する場合も少なくないでしょう。少しでも長く、良い状態で使うためには、日頃の使い方やお手入れが重要です。
今回の記事では、炊飯器の寿命の目安や買い替えのサイン、炊飯器をより長持ちさせるコツを紹介していきます。買い替え時がよくわからないと感じている人も、ぜひこれから紹介する寿命の目安を参考にしてみましょう。
炊飯器の寿命の目安
炊飯器の寿命は、炊飯器の使用する頻度や使い方などによっても異なりますが、だいたい平均して5年前後と言われています。家電は約7年~10年が寿命と言われる中で、炊飯器は比較的短いと言えるでしょう。その理由は、パーツが多く、また炊飯器の内釜の寿命が短いからと言えます。
家電ってだいたい10年くらいで壊れるイメージがあったけど、炊飯器は5年なんて短いんだな~
最近は多機能な炊飯器も増え、内釜の性能もかなり向上したものが多いですが、内釜は火力などによりコーディングがはがれてきたり、変形してきたりする傾向があります。
内釜の寿命だけではなく、炊飯器の部品の交換や修理は、製造が打ち切られてから6年間という決まりがあります。そのため、買ったときにすでに製造が打ち切られている商品であれば、その後故障が起きても、修理部品がなく、修理ができないということが考えられます。
これは選んだ商品の製造が、いつ打ち切られるかによっても異なります。またもちろん修理ができないという可能性はありますが、故障が必ず起きるわけではないので、5年以上使用できる可能性も十分にあります。
しかしながら、一般的な寿命としては5年程度とされているため、買い替えにあたっては一つの目安としてとらえておくと良いでしょう。
炊飯器の買い替えのサイン
炊飯器の寿命の目安は約5年ですが、期間に関わらず、炊飯器の異変によっても買い替えを判断すべきでしょう。それが平均の5年を満たしていなくても、故障や異変が生じていたら、買い替えを考えなければなりません。
炊飯器の買い替えサインには、さまざまなものがあります。故障のサインを見逃して使い続けていると、稀ですが健康被害や火災などにも繋がる恐れがあるため、日頃からしっかりチェックしておきましょう。
電源が入らない
炊飯器の電源が入らないようになれば買い替え時です。そもそも電源が入らなければ、ごはんを焚くことができず、機能しないので必然的に買い替える必要があります。
電源が入らない時には、まずコンセントが差し込まれているのかチェックしましょう。場合によっては、電源タップが機能しているかの確認もしてみましょう。電源タップが機能していれば、確実に炊飯器側の故障です。
炊飯器内の部品が壊れている、もしくは電源コードの断線やコードが機能しなくなっているというような原因が考えられますが、このような原因は修理が難しいので買い替えが必要です。放っておいて使い続けると火災につながる恐れもありますので、使用を速やかに控えましょう。
正しい分量なのにうまく炊けない
いつも通り正しい分量で炊いているのにうまく炊けなくなるのは、炊飯器の故障が原因であることも考えられます。最も多い現象はごはんに芯が残ってしまうという状態です。この状態が数回続いたら、故障を疑いましょう。
もちろん、分量が誤っていたり、容量以上の米を炊いていたりすると、うまく炊けないことがあります。しかし、正しい規定量を守っているにも関わらず、うまく炊けていない場合は、火力が十分に出ていないといった故障が考えられます。
取扱説明書を今一度チェックし、よくある質問などに記載してある不具合も併せて確認してみましょう。うまく炊けないことが続くようであれば、故障の可能性が高いと言えるでしょう。
炊飯器内部や炊いたごはんから異臭がする
いつも通りご飯を炊いたにもかかわらず、炊飯器の中や炊いたご飯から異臭がする場合には、故障の可能性を疑いましょう。しかし普段のお手入れが不十分だったり、掃除も全くしていなかったりする場合は、雑菌が湧いている可能性もありますので要注意です。基本的に使用した後は外れるパーツを外してキレイに洗いましょう。
毎回キレイに洗っていても、異臭がするということであれば、米が問題である可能性も考えられます。古い状態の米を使っていたり、洗う必要のある米をしっかり洗わずに炊飯していたりすると、異臭の原因になります。
しっかりお手入れをしており、お米に問題ないという状態であっても、異臭がするのであれば、炊飯器の故障かもしれません。異臭が続く場合には、買い替えたほうがよいでしょう。
炊飯中に異常音がする
炊飯中にいつもとは違う異常音がしたら故障の可能性があります。炊飯する時には、多少音はするものです。しかし急にいつもと違う音がしたり、激しい音がしたりするなら故障の可能性が考えられます。特に年数が経過しているものであれば故障の確率は高いでしょう。
時々切り替えのカチっという音や保温中のジジジーという音、水がはじくパチンという音は自然になってもおかしくない音です。このような自然音以外の音がした場合は、メーカーに修理を依頼するか買い替えをします。
しかし異音がする場合の故障は、修理不可能である場合が多いようなので、買い替えたを選択した方が早いかもしれません。
内釜のコーティングが剥がれている
内釜のコーティングが剥がれてきたら、寿命であると判断できます。少しづつは剥がれてくるものなので仕方がないことでもあり、剥がれてからしばらくは問題なく使用できます。しかし時間の経過とともに焦げ付きや炊きムラにつながっていきます。
最近いつも通りに炊いているのに焦げ付きがあって不思議だったんだけど、コーティングが剥がれていたのかも!
内釜は毎日使用していることでコーティングが摩耗していきます。これにより温度センサーに狂いが生じ、ご飯が炊けないということもあり得ます。
内釜の寿命がきても、本体に全く問題がなけれな内釜だけ買い替えることで対処できます。内釜はごはんの味、食感に直接的に影響するため、内釜の劣化があるなら買い替えを検討すべきです。
炊飯器を長持ちさせるコツ
炊飯器は、決して安価なものではないのでなるべく長く使えるようにしたいですよね。
とはいえ、炊飯器はほぼ毎日稼働させるものであり、内釜も使用頻度が高くなります。あまり長持ちしづらい家電だとしても、少しでも良い状態で長持ちさせていきたいはず。少しの工夫とお手入れで、炊飯器の寿命を延ばすことが可能です。
内釜でごはんをとがない
そもそも米は内釜でとぐものではなく、ざるなどで研いでから焚き上げるために使用することが基本です。内釜は部厚く頑丈に見えて、かなり繊細に作られています。洗い方が雑だったり、米を入れて強くとぐことでフッ素加工が傷ついてしまうのです。フッ素加工の傷が増えることでコーティングはどんどんはがれていくことになり、内釜の劣化につながります。
ボウルやザルなど利用して米を洗い、その後に内釜にいれて焚き上げる習慣をつけると、内釜の摩耗を減らすことができます。
内蓋は使用後に必ず洗う
内釜は使用した後には都度必ず洗いましょう。不衛生な状態は内釜の急激な劣化を促します。
さらに洗う時にはお湯を使わず水で洗うようにしましょう。お湯の方がこびりつき硬くなった米を落としやすいですが、内釜に温度の高いお湯を入れることでコーティングの剥がれにつながります。
内釜は使用するたびに毎回水で洗うようにしましょう。また、金属のスポンジを使用したり、強くこすったりして洗うことも、内釜の劣化に繋がります。柔らかい素材のスポンジを使用して、優しく洗うよう心がけましょう。
また、食洗機に対応していないのに食洗機で洗浄することも厳禁です。説明書に沿ってお手入れをおこないましょう。
吸気口・排気口を定期的に掃除する
使用の度に内釜や内蓋を洗う人は多いですが、意外と本体の底にある吸気口や排気口は見逃しているのではないでしょうか。この吸気口や排気口は熱を逃がすための場所です。
本体底にあることもあり、ホコリの温床になりやすい場所です。だいたい一週間に一度程で良いので定期的に掃除をするようにしてください。また細かい部分は、綿棒や歯ブラシを使うとよりキレイにホコリが取り除くことができます。
■炊飯器の正しい掃除方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
保温機能を長時間使いすぎない
炊飯器を長持ちさせるための重要なポイントの一つとして、保温機能を使いすぎないことが挙げられます。基本的には、炊飯器の説明書においしく保温できる時間が記載してあります。この保温時間を守るようにしましょう。
この保温時間を超えての保温は、ごはんがおいしくなくなるだけでなく炊飯器の劣化にもつながる行為です。常に高温の状態を保っているので機器やパーツが消耗していきます。保温機能は便利ですが、説明書の時間通り、その時間以内で正しく使用しましょう。
■適した保温機能の使い方や、時間の目安は以下の記事で詳しく解説しています。
温度センサーを拭く
炊飯器には、温度センサーが必ずあります。メーカーや製品によって場所は異なりますが、たいてい炊飯器の底あたりに設置してあることが多いでしょう。この温度センサーの反応によって、ご飯がおいしく炊けるかが左右されます。
温度センサーが汚れたり壊れたりして、正常でないと温度調整が効かなくなるため、ごはんがおいしく炊けない原因になります。また場合によっては、炊飯器が故障する可能性もあります。
温度センサー部分は、乾いた布でサッと拭くくらいの掃除でよいので、常に綺麗を保てるよう毎日使用のについでに掃除をしましょう。
炊飯器の寿命はお手入れや普段の使い方で伸ばせる!
炊飯器の寿命は家電製品の中でも短く、平均約5年と言われています。使用頻度も高いため、劣化が早い家電と言えるでしょう。しかし、炊飯器も決して安価な買い物ではないため、少しでも長く愛用していきたいですよね。
少しでも炊飯器の寿命を長くしたいなら、毎日のお手入れや正しい使い方が重要です。日々のお手入れをきちんとおこなうことはもちろん、日頃から丁寧に使用することで、内釜や本体の劣化・摩耗を軽減することが可能です。
正しいお手入れは、炊飯器を長持ちさせられるのはもちろん、おいしいご飯を炊くことにも繋がります。正しい使い方や説明書の内容を理解して、丁寧に使用しましょう。
心がけ次第でおいしいごはんが炊ける炊飯器を長持ちさせることができます。