賃貸物件で和室は選ぶべきではない?メリットとデメリットを詳しく解説!

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賃貸物件で和室は選ぶべきではない?メリットとデメリットを詳しく解説!

ネット上では、「賃貸で和室はやめとけ」と目にすることがありますが、本当なのでしょうか?

結論、和室がデメリットだらけというわけでは、まったくありません。

  • 和室でも快適に暮らせる。
  • 手軽にできるDIYで洋室風に使える。
  • 畳や障子、襖は、洋室とは違うお手入れが必要。

とはいえ、「やめとけ」と言われる理由も気になりますよね。

本記事では、和室の日常のお手入れ方法から、光熱費や退去時のコストを抑えるテクニックまで紹介します。

契約や入居前に知っておかないと、退去時に焦ることになるかもしれないので、ぜひチェックしてください。

和室賃貸の基本:メリットとデメリット

和室賃貸の基本:メリットとデメリット

ライフスタイルの変化により、近年は洋室の需要が高く、和室の住宅は1990年代から減ってきています。知られざるメリットやデメリットをまとめます。

和室の賃貸が持つ独特の魅力

和室には、おしゃれなイメージの洋室とは、ひと味異なる魅力があります。さらには、わびさびの趣きが好きな人や、ファミリー層にはうれしいメリットもあります。

  • 味わいある和の雰囲気
  • 空間を広く使える
  • 押入れの収納力
  • 防音性
  • やわらかさ

和室は元々、春夏秋冬のある日本の気候に合うように設計されていました。畳は断熱効果や吸湿性(湿気を吸い取る性質)が高く、夏の暑さを感じにくくしてくれます。裸足で居ても、夏場や冬でも快適に過ごしやすいのも魅力です。

畳が敷いてある和室は、座ったり横になりやすく、ローテーブルやちゃぶ台が似合います。洋室では、ベッドやソファを置くのでスペースを取りますが、和室向きの低い家具は圧迫感が少ないので、コンパクトな部屋でも広く感じられます。

洋室のクローゼットは衣類やバッグの収納のために設計されています。一方で、クローゼットよりも間口や奥行きが十分に大きい押入れは、寝具や季節家電をしまっておくには、大変使い勝手がよいものです。

畳は、フローリングに比べてクッション性が高く、足音が響きづらいメリットもあります。上の階や下の階への足音や生活音が気になりにくいのが、集合住宅ではうれしいポイントです。とはいえ、物件の防音性には、壁の薄さなども関わってきますので、内見時には、音の響きも確かめてみてください。

転倒時に怪我しにくいのもうれしいポイントです。赤ちゃんや小さなお子様、お年寄りがいても安心できます。

畳のメンテナンスとそのコスト

和室の畳には魅力があるものの、メンテナンス方法やコストが気になりますよね。

日常的なお手入れとしては、畳だからといって高価なメンテナンスが必要なわけではありません。

日常生活では、チリやホコリを掃き掃除し、雑巾で乾拭きしておきます。

湿気を溜めないよう、換気に気をつけて生活するのがポイントです。

一方で、賃貸の退去時には、畳の原状回復費用が発生する場合があります。

畳の原状回復費用は、1枚あたり5,000円が目安です。

原状回復の定義

原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること

(参考:国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

賃貸の場合、経年劣化や自然消耗の範囲内であれば、貸主が負担するのが基本になります。通常生活している範囲で起こる、畳の日焼けなどによる色の変化や小さなささくれなどに対して請求されることはないでしょう。

一方で、故意や過失によって破損・変色させてしまった場合には、退去時に請求が発生してくるでしょう。家具の引きずりによる傷や、ペットの排泄物や子どもの落書きなどは注意が必要です。

フローリングの原状回復費用の目安は、傷やへこみの補修で8,000円~となります。
畳はフローリングより傷みやすい性質はありますが、洋室の床でも退去時には費用を請求されることはあります。

賃貸の場合、どのくらい住むかによって、退去時に請求されうる畳の原状回復費用は変わってきます。また細かくは、契約書の内容によっても変わってくるので、賃貸借契約書の内容をよく確認しておくことが大切です。

和室の賃貸が不人気の理由

「和室の賃貸はやめとけ」というワードが気になりますよね。なぜ、和室の賃貸は不人気といわれるのでしょうか?

1つ目の理由は、和室の賃貸物件は、一般的に築年数が古いものが多いからです。特にワンルームの和室は築年数が古いことが多いでしょう。

新築物件では、洋室が一般的です。現在のライフスタイルに合わせて、使い勝手や機能性が変化したためです。

ですが、2LDK以上であれば、比較的築浅でも和室の賃貸が見つけられます。ファミリー層を中心に、畳ならではのあたたかみややわらかさが見直されているためです。

2つ目の理由は、長年の洋室生活で、洋室に合った家具を持っている場合、和室では馴染みにくい場合が多いからです。

最後に、和室の畳や障子、襖は、洋室に比べて、シミが付きやすく、お手入れの手間がかかることもあるので、日常生活での注意点を知っておく必要があります。

和室の賃貸で知っておくべき日常の注意点

和室には、畳や障子、襖などがあり、洋室のドアやクローゼットなどよりも汚れに弱いので、日常生活でちょっとした注意が必要です。

湿気対策

和室の畳や和紙は、湿気や水気に弱いので、日常的にまめな換気が必要です。

梅雨時期を中心に除湿器を使いましょう。もし、室内干しするという場合には乾燥機を使った方が良いでしょう。カビやダニの発生の原因になります。

布団は敷きっぱなしにしないようにし、よく乾燥させておきましょう。

◆部屋の換気にも使えて便利な布団乾燥機のおすすめは、こちらの記事で紹介しています。

大きな家具や、畳の上の敷物は、定期的に移動させて空気に触れさせ、掃除しましょう。

押入れの収納には、すのこを使うと空気が循環しやすくおすすめです。

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シミ対策

畳や襖は、汚れが染み込みやすく、シミになりやすい性質があります。

飲み物などをこぼしてしまった場合には、乾いた布ですぐに拭き取ってください。ゴシゴシこするのではなく、水分を吸い取るイメージで、やさしく叩きます。

畳の目に入ってしまった汚れが気になる場合には、歯ブラシで掻き出すように軽くこすってください。

飲食するスペースを決めておき、シートを敷いておくようにするとよいでしょう。

畳のへこみ対策

畳は、重い家具を置くことなどにより、へこんでしまう性質があります。

畳がへこんでしまったら、霧吹きなどでへこんだ箇所をいったん湿らせてドライヤーをかけるか、衣類用のスチームアイロンを当てると、多少は戻せます。

本棚やベッドなど重たい家具、また、キャスターや細い脚付きの家具を配置する場所には、コルクマットクッションシートを使いましょう。

通気性が悪くなる場所には、併せてカビ対策をしてください。

和室のリフォームと洋室化

和室のリフォームと洋室化

和室の物件でも、洋室として使いたい場合には、賃貸でもできるリフォーム方法が気になりますよね。方法や注意点を紹介します。

和室を洋室に変える簡単DIY方法

賃貸物件でも取り入れられるDIY方法を紹介します。

和室でも、洋室風に使えるようになるアイテムを、リンク先の商品ページでぜひチェックしてください。

フローリングタイルやフローリングカーペットを敷くと、畳の部屋でも洋室のように使えます。裏面に滑り止めの加工がされている製品を選んでください。接着剤なしで使えます。

◆フロ―リングタイルの選び方はこちらの記事でまとめています。気をつけるポイントがあるので、ぜひ確認してください。

ラグやカーペットを敷くのも手っ取り早い方法です。洗えるタイプを選び、敷きっぱなしにせず、こまめに干すようにしましょう。

いずれも、畳にカビが発生しないよう、敷きっぱなしにせず、定期的に空気に触れさせるようにしてください。

下にダニよけシートを敷いておくとよいでしょう。

壁紙

貼って剥がせる壁紙を使うと、賃貸でも部屋の雰囲気を手軽に変えられます。

跡が残ってしまうと、退去時に請求される可能性が高くなるので、製品選びには注意してください。

ロールスクリーン

障子が気になる場合には、ロールスクリーンを取り入れると、窓の明るさを保ちつつ、障子を隠せます。突っ張り棒や磁石で設置できるタイプなら手軽です。

サイズを測って間違えずに購入してください。

ドア

襖が気になる場合には、襖を外すことができます。襖を鴨居の中心に移動させて、左右を抱え込むように持ち、上方向へ力を加えると外せます。

無理に外すのはやめましょう。歪みが生じている場合などは外せないこともあります。

退去時に思いがけない修繕費を請求されないよう、部屋を傷つけるようなDIYはしないでください。

賃貸物件には原状回復義務があります。賃貸契約書に記載されている物件工事・改修の記載項目を確認した上で、事前に大家さんや管理会社に確認しておきましょう。

リフォーム時のコストと効果

リフォームは、目指す最終形によって、コストが全く変わってきます。

物件のリフォームでは、数百万円をかけることも珍しくありません。

ですが、賃貸物件には原状回復義務があるので、和室から洋室への完全なリフォームを行うには無理があります。

洋室を希望していても、賃料の抑えられる和室の賃貸を見つけた場合には、原状回復できる範囲でのリフォームに留めることが必要です。

リフォーム後のメリットとデメリット

手頃な和室の賃貸を見つけた場合に、洋室へリフォームすれば、手持ちの家具とも相性のよい部屋にできて、快適さを感じられるでしょう。

一方で、床の畳を隠す敷物を敷いた場合には、掃除が少々、大掛かりになります。

畳の上の敷物を敷きっぱなしにしてしまうと、カビが発生するなどして畳を傷めてしまいます。家具をどかして敷物を外し、畳を風に当てる工程は、やや負担に感じるでしょう。時間がなかなか取れない人は、小さめのラグを敷くに留め、壁面のDIYを楽しむのもおすすめです。

床や壁を傷つけてしまい、退去時に思いがけない修繕費用を請求されてしてしまうこともあります。釘やネジを使うのは控えておくのが賢明です。

和室リフォームの成功例と失敗例

和室リフォームを成功させるために、コツを押さえましょう。

先に完成形を固めてから、測定し、材料を揃えたので、イメージ通りになった。
床にシートを敷くなど手軽な方法に留めておいた。

元の和室より、狭く感じるようになってしまった。
ほかの部屋とチグハグになってしまった。

ポイント

  • 空間を広く見せる素材や色を使う。
  • ほかの部屋とテイストを合わせる。
  • 固定には、剥がせるシール、磁石、突っ張り棒、マジックテープを使う。
  • 家具の移動を注意深くする。

畳のメンテナンスと寿命

畳は、メンテナンス次第で長くきれいに使うことができますが、寿命もあります。コツや相場を知っておきましょう。

畳を長持ちさせる方法

畳を長持ちさせるには、3つのポイントに気をつけましょう。

  • 湿気をためない
  • ダニの発生を抑える
  • 傷やヘコミをつけない 

十分に換気し、季節によっては除湿器を使って、湿気を溜めないようにしましょう。

ダニおよびカビが好むホコリやチリを取り除く掃除をこまめにしてください。

家具の足元は、クッションシートなどで保護し、傷つけない工夫をしておきましょう。重い荷物や家具の引きずりにも注意しましょう。汚れが付きやすい場所には、予め敷物をして保護し、定期的に剥がして空気にも触れさせてください。

畳を長持ちさせるためにも、荷物をすっきりとさせ、風通しのよい空間を作っておきましょう。

畳の交換時期とその費用

畳は、大切に使っても交換が必要です。時期や目安を一覧にまとめました。

畳のメンテナンス料金相場

張替時期1畳あたり料金相場
新調15年7,000~20,000円
表替え5年4,000~15,000円
裏返し3年4,000~10,000円

畳は年数によって扱い方が変わり、費用も異なります。

表替えとは、既存の畳床を使って、畳表のみを新品に交換する方法です。
裏返しとは、劣化した畳表をいったん畳床から剥がして裏返し、きれいな部分を表面にすることです。

また種類や規格によっても費用が変わってきます。

イグサなのか美草(ポリプロピレン製)なのか、関東か関西か、琉球畳か、日本製か海外製かなどで費用が変わります。

業者を手配する際は、賃貸の契約内容を確認した上で、管理会社へ相談し、了承を得てください。時期によっては、貸主の負担で行ってもらえることもありえます。

畳の掃除とカビ防止対策

畳の持ちは、日ごろの掃除とカビ対策で変わってきます。

畳の掃除方法

まずは、掃除機でのこまめな掃除が大切です。

畳の目に沿って、掃除機をゆっくり動かしましょう。1畳あたり30秒ほどが目安です。畳の目は、チリやホコリが溜まりやすくなっているので、ゴミを十分に吸い取りましょう。

拭き掃除をする場合には、乾拭きが基本です。汚れが気になる場合には、お湯で固く絞った雑巾で拭き、湿気を残さないようにしてください。

畳用のお掃除シートやコロコロ、ホコリ取りも便利です。

畳のカビ防止対策

畳には湿気を吸収してくれる働きがあるので、カビ対策が必要です。

毎日の換気を十分にし、湿度の高い日には、エアコンの除湿機能を使ったり、除湿器をかけるとよいでしょう。室内干しは控えましょう。結露が付いてしまうときは、まめに拭き取りましょう。

家具は壁に密着させず、隙間を作って風通しよく配置しておくのが対策になります。

予防のためには、よく乾燥した日を選び、酢水(水バケツ1杯に対し酢コップ1杯)を沁み込ませた雑巾で拭いておく方法もあります。

もしカビが生えてしまったら、次の工程できれいにしましょう。

  1. エアコンの除湿機能などを使って乾燥させる。
  2. 乾いたら、掃除機でカビを吸い取る。
  3. 畳の目に詰まったカビがあれば、歯ブラシなどで掻き出す。
  4. エタノールをしみ込ませた布で拭き上げる

畳の臭いとダニ対策

畳には独特の香りがあります。特に新しいイグサは強い香りがし、癒し効果もあります。

ですが、汚れや生活臭が付着して、次第に臭いが気になってしまうことも出てきます。換気と乾拭きが対策になります。換気には、窓やドアをできれば対角線上に2つ以上開けて、空気の通り道を作りましょう。

また、ダニは、カビと同じく湿ったホコリっぽい環境を好みます。こちらも、カビ対策と同じように、チリやホコリ、湿気を溜めないようにしてください。

観葉植物やペットがダニ発生の原因になることもあります。畳の部屋には入れないようにするのがおすすめです。

ペットの排泄物が付いてしまった場合には、熱湯をかけて臭いを消しましょう。乾いてから少量ずつの熱湯をかけては拭き取る作業を繰り返してください。

畳の上に敷物をする場合には、防虫シートを重ねて敷くと、ダニ対策になります。

和室の賃貸における退去時の注意点

和室の賃貸における退去時の注意点

賃貸では退去時にかかる費用が気になります。無駄なお金を請求されないために知っておきたいポイントをまとめます。

退去時の清掃と修繕

和室は、退去時に自分で掃除するだけでも、ある程度きれいな状態に戻せます。

障子や鴨居に溜まったホコリははたきで落とし、掃除機をかけましょう。

畳や壁紙は、乾拭きし、必要に応じて、歯ブラシで汚れを掻き出しましょう。換気をしてよく乾燥させてください。

賃貸では、借主に原状回復義務があるものの、国土交通省のガイドラインでは、原状回復とは「賃借人が借りた当初の状態に戻すことではない」ことが明確化されています(参考:国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について)。

無理な清掃や修繕を行おうとせず、取れる範囲の汚れを取っておきましょう。

退去時にかかる費用とその節約方法

退去時には、原状回復のための清掃費用などが敷金から差し引かれます。事前に知っておけば、節約できる可能性もあるので、ポイントをチェックしておきましょう。

敷金返還と退去費用の交渉ポイント

退去時の交渉にあたっても重要になってくるのが、「入居時チェックリスト」です。

入居したらすぐに、部屋の状態を確認し、管理会社へ「入居時チェックリスト」を返送するのが一般的です。チェックリストは、物件の原状確認書です。

退去時の敷金精算時のトラブルを防止するためにも役立つので、控えを取っておき、状態は画像に収めておくと後々わかりやすいでしょう。

入居前から付いていた傷や汚れを明らかにしておき、退去時に誤って請求されないようにしましょう。

退去時の請求額に納得がいかない場合には、貸主が手配した見積書を請求してみましょう。不当な請求がある場合には、国民生活センターへ相談する方法があります。

和室特有の修繕必要箇所

和室の修繕必要箇所には、洋室にはないものがあって、「畳」「襖」「障子」の張替えなどです。いずれもある程度は丁寧に扱わないと傷つきやすい部分ですので、気をつけましょう。

ただし、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損でない限りは、一般的には大家さんや管理会社の負担となります。

特約などが設定されている場合には、判断が変わるため、契約時に確認しておきましょう。

また、次の入居者を確保する目的で行う設備の交換や、化粧直しなどのリフォームも、大家さんや管理会社の負担というのが、国土交通省によるガイドラインに記されています。

和室賃貸のエネルギー効率と季節対策

和室賃貸のエネルギー効率と季節対策

和室に住んだことで、光熱費が上がってしまったらショックですよね。対策アイテムを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

和室の冷暖房効率と改善方法

気密性の高い集合住宅では、和室があるからといって、冷暖房効率が変わることはないでしょう。ですが、築年数の古いワンルームの和室などでは、冷暖房効率が下がりがちです。

和室によくある、薄い窓ガラスや障子では、外部からの冷気や熱気を遮断しにくくなります。また、室内の快適な空気も外に逃げやすくなっています。

さらに、冬場の和室では、冷気が気になることがあります。

和室の床下に通気を目的とした通気口が設けられていることがあって、外気が直接床下に入り込むことがあります。また、畳の下には断熱材がないことが多いので、床面を冷たく感じやすいでしょう。

冷暖房効率を改善するためには、窓付近や床面に対策をしましょう。素人でも手軽に取り入れられるアイテムがあるので、後述します。

冬の寒さ対策と夏の涼しさを保つ方法

和室で冬場を快適に過ごすためには、こたつやセラミックファンヒーターがおすすめです。

こたつは、足元から身体を温められるので、部屋全体の暖房と比べて電気代も抑えられます。ただし、熱とともに湿気もこもりやすくなるので、お手入れに気をつけてください。

◆こたつのお手入れ方法は、こちらの記事で詳細をまとめています。ダニ対策を知っておくと安心できます。

セラミックファンヒーターは、短時間で温められて、収納もコンパクトに収まるので、賃貸暮らしにもぴったりです。

夏場には、和室では、エアコンの除湿機能を使うのがおすすめです。畳のイグサは湿気を吸い込みやすく、夏場には飽和状態になってカビやすくなってしまうため、エアコンを使って湿度調整しましょう。

和室でのエネルギーコスト削減テクニック

和室での冷暖房費を抑えるために役立つ5つのアイテムを紹介します。

厚手のカーテン

最も取り入れやすいのが厚手のカーテンです。外気の侵入を防ぎ、室内の暖かい空気を保持する効果が期待できます。遮熱カーテンを選んだり、薄手のレースカーテンと組み合わせると効果がアップします。
緩衝材として「プチプチ」シートを窓ガラスに貼る方法もあります。水を吹きかけるだけで簡単に貼ることができます。

日除け

日射による熱や地面からの照り返し熱を抑えられるので、室内の温度が下がり、エアコン効率が上がります。

遮熱フィルム

外光の入りを妨げずに、暑さの原因になる日射熱をカットできるアイテムです。断熱タイプのガラスフィルムなら、夏は外気熱を遮り、冬は暖房熱を逃しにくくなります。

断熱シート

床からの冷気を遮断するシートもあります。畳によっては、その下に敷ける場合があります。

断熱テープ

熱が伝わりやすい金属製の窓枠を保護すると、エアコン効率が上がります。開口部の隙間は、隙間シートで埋めていくと、隙間風をシャットアウトできます。

気軽に取り入れられるアイテムなので、リンク先で詳細を確認してみてください。

自然素材の利点とそのエコフレンドリーな特性

和室には、自然素材が多く使われています。畳や和紙、土壁などです。

これらの素材は、本来は、除湿や加湿、風通しのよさなど、部屋の快適さを保つ機能に優れているのが特徴です。

天然の畳には調湿機能が備わっていて、湿度が高いときには湿気を吸収し、空気が乾燥していると湿気を放出してくれます。

和室は、風通しをよくしておくことで、年中過ごしやすい環境でもあります。

和室の賃貸と健康

和室の賃貸と健康

洋室にはない素材が使われている和室では、独特の癒し効果もあります。逆にアレルギーなどの害を発生させないための注意点も確認しておきましょう。

畳が健康に及ぼす影響

畳のある部屋に住んだからといって、それだけで健康に影響が出ることは考えにくいでしょう。

ですが、天然のイグサを使った畳には、癒し効果もありますよ。

淡い緑色が目にやさしく、気持ちをやわらげてくれます。

また、「フィトンチッド」という森林浴効果をもたらす成分が含まれていて、リラックス効果が期待できます。また、空気清浄作用や、鎮静効果のある成分も含まれており、ストレスの軽減にも役立つといわれています。

ですが、掃除を怠ると、ホコリやダニによって健康を害することがあるので、お手入れは忘れずにしていきましょう。

和室での適切な湿度管理

畳には空気中の湿度を調整する機能(調湿性)が備わっていますが、湿度が高い時期には、飽和して調湿性が機能しなくなってしまいます。乾燥した時期に加湿器を使用しすぎても、よくありません。

湿度計を置いておき、チェックするのがおすすめです。湿度の目安は、おおよそ40~60%です。

アレルギー対策としての畳の利点と欠点

畳そのものが、アレルギーの原因になったり対策になることはないでしょう。

ですが、掃除や換気を怠った場合に、畳はフローリングに比べると、ダニの繁殖やカビの発生がしやすい床材です。

特に注意したいのが、ダニです。ダニは、フンや死がいもアレルギーを引き起こす原因になるからです。布団は上げ下げするか、部屋の端に寄せておき、敷きっぱなしにしないようにしましょう。布団乾燥機の使用もおすすめです。

長時間の作業における和室のエルゴノミクス

エルゴノミクスとは、「人間工学」とも訳され、人間がより快適に効率的に使用できる工業デザインのことです。

現代では、テレワークや、趣味のゲームなどで、長時間同じ姿勢で作業することも多くなっています。

ソファやベッドがなくても、サッと寝転がれる畳の和室は、伸びや気分転換がしやすいでしょう。

畳に置きやすいよう設計された座椅子も見つけられますよ。床との設置面積が広く、荷重を分散するので、畳への負担が少ないのが特徴です。

和室賃貸の法律と規制

和室賃貸の法律と規制

和室の賃貸契約において知っておきたい法律や規制について解説します。

和室の賃貸における法的要件

賃貸物件の取扱いの基本は、賃貸借契約書を参照します。

基本的には、経年劣化や通常損耗によって必要となる費用は、大家さんや管理会社などの貸主が負担します。一方で、入居の借主に落ち度があった場合には、借主の負担となります。

こぼれた飲み物を放置して付いてしまったシミや、物を引きずってできた畳の傷は、入居者の負担になります。

和室では、畳や和紙など、洋室よりも繊細な素材があるため、家具を置くときや掃除の際は注意深く行いましょう。

逆に、通常の生活をしている場合には、経年劣化による修繕は大家さんや管理会社の負担になるため、それほど気にする必要はありません。

賃貸借契約書の内容は、物件によって異なるため、契約時にはよく確認してください。ものによっては、借主負担という特約が付けられているケースもあるため、個別の確認が必要です。

賃貸契約時の畳の状態のチェックリスト

賃貸契約においては、初期状態を確認し、記録に取って管理会社へ共有しておくことが大切です。

入居時にチェックしておきたい畳の状態

  • 畳の割けや傷がないか。
  • 表面の毛羽立ちの状態。
  • 足で踏み込んだときにへこみや膨らみがないか。
  • 靴下にイグサが付くことがないか。
  • 湿気ていないか。
  • 色の状態(焼け、色村)。
  • 臭いの状態(カビ臭さ)。
  • 縁が擦り切れたり変色していないか。
  • 畳と畳の間に隙間がないか。

入居したらすぐに、畳も含めた部屋の状態を確認し、管理会社へ「入居時チェックリスト」を返送しておきましょう。

賃貸市場での和室の立場

賃貸市場では、築年数の古いワンルームの和室は敬遠される傾向が強いものの、2LDK以上の間取りでファミリー層に人気な側面もあります。一部では、おしゃれな和室賃貸も登場しています。

ファミリー層には、転んだときの衝撃が少ない畳が赤ちゃんによいからと、あえて和室が好まれる場合もあります。

オムツをかえやすい、ハイハイをし出したときに心配が少ない、音が階下へ伝わりにくい、などの理由からです。

また、おしゃれな畳も登場していて、家の一部に取り入れるオーナーもいます。

たとえば、琉球畳は、縁がなく、カラーバリエーションも豊富です。おしゃれな雰囲気で、和モダンや洋風のインテリアにマッチします。

畳の素材としても、天然のイグサだけでなく、和紙や樹脂の畳も登場していて、扱いやすくなっています。丈夫で汚れにくい上に、ダニやカビの発生も抑えやすいのが特長です。

ファミリー層を中心に、見直されたり、進化しているのが、現在の賃貸市場における和室の立場です。

未来の賃貸市場における和室の位置づけ

和室の賃貸は、将来的にはどうなるのでしょうか。

未来の賃貸市場では、和室は、築年数の古い物件として残る面と、進化した和室として新しく定着していく面がありそうです。

先述の通り、新築物件やリフォーム物件に畳の部屋があえて導入されるケースが出てきています。

インテリアや家具のバリエーションも増え続ける現代では、洋室にも和室にもマッチするアイテムも選びやすくなっています。

独特の魅力が光る和室は、2020年代以降も進化しながら生き残っていくのではないか、と予想できます。

まとめ

まとめ

「賃貸の和室はやめておけ」と言われるのは、和室が、20年以上前に建てられた物件に多いことに大きな理由があります。湿気を吸い込みやすく、お手入れによっては傷みやすい畳や障子は、古い物件では特に敬遠される傾向があります。

ですが、ファミリー層を中心に、和室のあたたかみややわらかさ、使い勝手のよさが見直されてきてもいます。

気になっている賃貸に和室がある場合は、本記事で紹介したテクニックで快適に過ごせないか、ぜひ検討してみてください。

賃貸は、和室であっても、家具の設置時に傷つけないよう注意し、こまめに換気や掃除をすれば、素敵に暮らせます。

賃貸契約時には、契約書の内容や物件の状態をチェックして保管し、退去時まで気持ちよく暮らしましょう。

企画・制作:株式会社ClassLab.「RIRIFE編集部」

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