アイロンがけは、清潔な身だしなみを保つ上で必要性の高い作業ですが、面倒だと感じる方がとても多いとされています。その理由の1つに、手順の多さが考えられ、1つひとつは些細な準備であってもそれが積み重なると面倒に感じられるものです。アイロンマットは、アイロン台の代わりになる便利なアイテムで、注目を集めています。ここでは、アイロンマットについての基本的な情報や、おすすめの選び方、効果的な使い方や収納の仕方を見ていきましょう。
アイロンマットの基本と選び方
アイロンマットについてよく知らないという方のために、まずは基本的な情報を解説します。
アイロンマットとは?アイロン台との違い
アイロンマットは、アイロンがけの時に役立つアイテムです。床やテーブルなど、平らな場所に広げて使用することができ、素材やサイズは製品により異なります。
アイロン台のように固い台や台を支える脚はなく、サッと広げるだけで使えるという手軽さが大きな魅力です。近年、アイロンがけの手間を少なくすると話題を集めており、見聞きしたことのある方も多いのではないでしょうか。
もちろん、アイロンがけのために開発されているため、アイロンの熱には強い素材が用いられています。衣類等のシワを伸ばしやすくするような機能を売りにした製品もあるため、アイロン初心者の方にも使いやすいでしょう。
アイロンマットの種類と特徴
アイロンマットは、素材や形状によって特徴が異なります。それぞれの特徴を見た上で、自分に合うものを選びましょう。
アルミコーティング
アルミコーティングされたアイロンマットは、綿だけのものに比べて熱伝導率が高く、アイロンがけにかかる時間を短縮してくれます。また、シワが伸びやすく、実用性も高い点が特徴です。比較的リーズナブルな製品が多いのも嬉しいポイントでしょう。
セラミックス加工
アルミコーティングよりもさらに熱伝導率が高いのが、セラミックス加工されたアイロンマットです。価格はアルミコーティングのものより値が張りますが、アイロンがけをよりスムーズに行いたい人には便利でしょう。
銀メッキコーティング
綿素材のアイロンマットに銀メッキコーティングを施したものは、アイロンの熱の反射によってシワが伸ばしやすく高い熱効率が期待できるという特徴があります。グリッド線が入っているものや、キルティング加工されているものなどは、滑りにくくなっており便利です。
あて布付き
あて布は、アイロン台を使う場合でも必要になることが多いです。生地が熱で溶けてしまうのを防ぎ、テカりや伸びの防止にもつながります。特に、シルクやレーヨンなど熱に弱い素材にアイロンをかける際は必須です。アイロンマットにあて布がついたタイプなら、わざわざ別で準備する必要がありません。状況により、マットだけ、あるいはあて布だけを使用することも可能な製品が多いです。
折り畳めるタイプ
コンパクトに収納できるという特徴に惹かれて、アイロンマットの購入を検討される方もいるでしょう。アイロン台よりもはるかに小さく、タオルを畳むようにまとめることができれば、収納場所に困らずに済みます。
長期の旅行や出張などでアイロンを持ち運ぶ場合にも便利です。
アイロンバッグにもなる2wayタイプ
広げればアイロンマットとして使うことができ、折り畳むとバッグとして使えるタイプもあります。バッグをアイロンの収納にしてしまえば、どちらかを失くして困ることもないでしょう。
おすすめのアイロンマット選び方
アイロンマット選びに迷った時は、以下のポイントを参考にしてみてはいかがでしょうか。
サイズで選ぶ
アイロンマットなら、机の上や床の上に広げて使用できるため、面積の広い衣類や布などのアイロンがけにも向いています。普段、アイロンがけするものを思い浮かべて、大きめが良いのか、一般的なサイズでもストレスなく使えるのか考えてみましょう。
収納のしやすさで選ぶ
くるくると丸めたり、畳んだり、バッグのようにしたりと、アイロンマットの種類によって収納の仕方は異なります。コンパクトにまとまるものは、収納場所に困らないという面では便利ですが、折り線が残ってしまうと使いにくくなる点には注意が必要です。畳んでも折り線が出にくいものかどうか、購入前にチェックしましょう。
熱の通りやすさで選ぶ
アルミコーティングやセラミックス加工が施されているものは、熱が通りやすく効率的です。アイロンがけの時間を短縮したい方は、綿素材のみのものよりも、熱伝導の良いものを選びましょう。
機能面で選ぶ
あて布付きのアイロンマットは、洋服のテカり防止に役立ちます。仕上がりを柔らかくしたい場合にも便利です。一方、あて布をせずにアイロンがけをすると、パリッとした仕上がりになります。好みや、アイロンがけをする衣類の種類によって使い分けたい場合は、取り外し可能なあて布付きが良いでしょう。
アイロンマットのメリット
ここまででも少し触れましたが、アイロンマットを使うメリットについて整理して解説します。
軽くてコンパクト
従来のアイロン台に比べると、アイロンマットははるかに軽くて小さく、そして薄いため収納場所にも困りません。サッと取り出して広げるだけなので、設置の手間も少なくて済みます。
作業しやすい高さでアイロンがけしやすい
アイロン台を使用する場合、床に座って作業することも多いでしょう。しかし、床に座り慣れていない方や、足腰が不自由な方にとっては、床に座った状態での作業が負担になることもあります。アイロンマットなら、床でも机でも使うことができ、自分の楽な体勢で作業しやすい点がメリットです。
リーズナブルなものが多い
アイロンマットの価格帯は製品によって差があります。安いものなら、100円ショップでも購入できるほどリーズナブルです。代表的なメーカーのものでも、1,000円以内で購入できるものが多いため、気軽に試すことができます。
アイロンマットの効果的な使い方
面倒なアイロンがけも、短時間で綺麗に仕上げることができると、さほど負担を感じなくなるでしょう。ここからは、アイロンマットを使う際に知っておきたいポイントをご紹介します。
下にバスタオルを敷く
アイロンマットはアイロン台よりも薄いため、熱を逃がすのがやや苦手です。基本的には、熱に強い素材が使われていますが、スチームの使用には注意しましょう。
机や床の上に、そのままアイロンマットを置くのではなく、間にバスタオルを挟むのがおすすめです。こうすることで、アイロンマットの熱を逃がし、蒸気が溜まりにくくなります。特にスチームを利用する場合は、バスタオルを使用しましょう。
もし、アイロンマットを直に敷いた場合、熱や蒸気で床や机を傷める可能性があります。十分に注意しましょう。
高温が苦手なテーブル・床での使用は控える
バスタオルを敷いたとしても、やはり熱による影響は心配です。特に、ビニールクロスを敷いたテーブルの上や、ニス塗装を施した机の上では、熱や蒸気の影響で変形・変色の可能性があります。
アイロンマットを使った衣類のアイロンがけ例
それでは、アイロンマットを賢く活用した、衣類のアイロンがけ例をいくつか見ていきましょう。
横幅の長いアイロンマットを活用
これまで、ズボンのような長い丈のある衣類は、何度かアイロン台の上でずらしながらアイロンする必要がありました。しかし、横幅の長いアイロンマットなら、ズボンをずらすことなく一気にアイロンがけできます。
小さなアイロンマットで小物を手軽に処理
最近は、シワの目立ちにくい素材なども増え、衣類のアイロンがけの頻度が減ったという家庭も多いでしょう。しかし、ハンカチや布製のマスク、子どものお遊戯袋などの小物は、アイロンをささっとかけたい時もあるのではないでしょうか。
そんな時は、ランチョンマットくらいの小ぶりなアイロンマットが便利です。サッと取り出せてすぐに仕舞える、ちょうど良いサイズ感が魅力です。
アイロンマットの収納とメンテナンス
アイロンマットを使い始めてから、従来のアイロン台は思いきって処分したという方も少なくありません。一方で、「アイロンマットはどのくらい長持ちするのかな?」と疑問に思い、なかなか手放せない人もいます。アイロンマットとアイロン台は、上手に使い分けるのも1つの方法です。アイロンマットを良い状態で長く使うコツや収納についても押さえておきましょう。
スペースを取らないおしゃれなアイロンマットの収納術
物をスッキリとコンパクトに収めたい方のために、アイロンマットの収納術のアイデアをいくつかご紹介します。
アイロンバッグにもなるタイプを使用する
広げればアイロンマットとして活用でき、使わない時はバッグになるタイプのものを選ぶと、その中にアイロンを仕舞うことができます。バッグとアイロンマットを兼用することで、物が1つ減り、収納場所もアイロン1台分のスペースだけで済むため身軽です。
籠やバスケットに収納する
生活感のあるものや、ごちゃごちゃしたものは、籠やバスケットに入れてしまうと見た目がスッキリします。布、ワイヤー、木、スチール、プラスチック、竹、籐など、籠やバスケットに使われる素材は多種多様。お部屋の雰囲気に合わせて、いくつか同じものを用意して収納してしまうのも良いでしょう。
お気に入りの手提げ袋に入れる
少し大きめの巾着や、帆布でできた手提げなどに入れると、ハンガーにかけたり壁のフックに吊るしたりして収納できます。アイロンの大きさと、アイロンマットを畳んだ時の大きさを考慮して、適切なサイズを選びましょう。
キッチンワゴンを活用する
アイロンがけの頻度が高い方や、ハンドメイドで布製品を扱うことの多い方は、その他のアイロングッズと一緒にキッチンワゴンに収納するのもおすすめです。裁縫道具や霧吹きなども一緒に仕舞っておくと、アイロンがけに必要なアイテムがまとめて収納でき便利です。
アイロンマットのお手入れとメンテナンス
アイロンマットは、常に清潔な状態で使いたいものですね。お手入れやメンテナンスについては、製品によって異なるため、取り扱い説明書をよく読んでおきましょう。
アイロンマットの中には、品質の保持のために洗濯ができないものもあります。汚れてしまった時は、固く絞った綺麗な布等で軽く拭く程度にとどめなければならないことも。
定期的にお洗濯をしたい場合は、水洗い可能・洗濯機での洗濯が可能なタイプを選ぶと良いでしょう。
アイロンマットの長持ちさせるコツ
アイロンマットは、正しい使い方を心得ておくことで、良い状態が長持ちしやすくなります。
よく乾かして収納する
アイロンマットに水分が残ったまま収納してしまうと、カビの発生や雑菌の繁殖による悪臭を招きやすくなります。必ず、しっかりと乾燥させた状態で仕舞いましょう。
湿度が高くなりすぎない場所に保管する
押し入れなど、湿度の高い場所に長く保管していると、カビが発生する原因になることもあります。定期的に空気を入れ換えて、湿度が高くなりすぎない環境で保管しましょう。
バッグとして活用できるものは破損に注意する
アイロンマットがバッグにもなるタイプのものは、アイロンの保管バッグとして役立てる方が多いでしょう。持ち手に負荷がかかりすぎない状態で保管すると、型崩れを起こしにくくなります。
アイロンマットのデメリットと対策
メリットの多いアイロンマットですが、考え方や使い方によってはデメリットを感じる部分もあります。しかし、デメリットに思える部分は工夫次第で解消できることも。これから購入を考える方は、これらをよく考慮した上で検討しましょう。
アイロンマットの一般的なデメリット
まずは、アイロンマットを使ってデメリットに感じやすい点をご紹介します。
サイズによってはマットの広さが足りない場合がある
これはアイロン台にも言えることですが、アイロンがけしたい衣類等のサイズがマットよりも大きかった場合、途中で衣類を動かす必要があります。アイロンマットには、コンパクトな製品も多いため、注意が必要です。
立体仕上げが難しい
ワイシャツを立体的に仕上げたい時などは、アイロン台のように高さがあり引っ掛けられる部分がないと困難です。例えば、肩の部分の丸みを残したアイロンがけは、アイロン台の方がやりやすいと感じる方が多いのではないでしょうか。
熱が伝わりやすい
アイロンマットは薄く、テーブルや床にアイロンの熱が伝わりやすいという点もデメリットです。特に熱に弱い素材の上に乗せて使おうとすると、傷んでしまう可能性があります。
スチームの蒸気でアイロンマットの下が濡れる
スチームアイロンが使える場合でも、注意が必要です。アイロンマットの下と床や机との間に蒸気がたまり、濡れてしまうことが多々あります。この場合、カーペットや畳といった、濡れると困る場所での使用はできません。
デメリットを解消するアイロンマットの活用法
一見、デメリットともとれるアイロンマットの難点も、工夫や活用の仕方によっては気にならなくなるかもしれません。具体的に、どのような点に注意すれば良いのか確認しておきましょう。
アイロンがけする衣類等の大きさを考えて選ぶ
衣類のアイロンがけが多い場合と、小物類のアイロンがけが多い場合とでは、適したサイズが異なります。日頃、どのようなものをアイロンするのか思い浮かべながら、大きさの合うものを選びましょう。
熱やスチームを遮断できるものを選ぶ
生地表面にアルミコーティングを施したものなどは、耐熱性にすぐれスチームも遮断してくれる可能性があります。製品にもよりますが、熱やスチームの影響が少ないものを選ぶと、テーブル等への影響も少なくなるでしょう。
熱やスチームの影響が気になる場合は厚手のタオルを敷く
アイロンマットの下に熱や蒸気がこもるようなら、厚手のタオルを敷くのがおすすめです。こうすることで、机や床の傷みを防ぐことができます。
おすすめのアイロンマット
アイロンマットは、様々なメーカーが販売しており、それぞれ特徴も異なります。
セラミックスアイロンマット スタンダード
スチームアイロン、ドライアイロンのどちらにも対応できる、セラミックス加工のアイロンマットです。熱伝導率が高いため、アイロンがけの時間は短くて済みます。また、この製品の場合、裏面には滑り止めが施されており、つるつるした机などの上に置いてもマットがずれません。細く折り畳めば、ワイシャツの袖口のアイロンもしやすくなります。
メーカー | ダイヤ株式会社 |
サイズ | 幅72cm×奥行48cm |
重さ | 約80g |
表面素材・加工 | アルミセラミックスコーティング |
平型アイロン台 1222
こちらは、木の繊維の板にクッションや布があしらわれたシンプルなタイプのアイロンマットです。折り畳みによってコンパクトになることはありませんが、アイロン台に近い固さと形状で、スチームアイロンとドライアイロンの両方に対応してくれる点が魅力。一般的なアイロンマットよりも重さがありますが、薄いため家具の隙間などに収納しやすくなっています。
メーカー | 山崎実業 |
サイズ | 幅60cm×奥行36cm×高さ2cm |
重さ | (梱包時)約990g |
表面素材・加工 | 綿、ポリエステル |
折りたたみアイロンマット
くるくると丸めて収納できる、銀コーティングのアイロンマットです。熱伝導率が高く、とても軽い。断熱性も高いため、テーブル等を傷めることなく使用できます。手洗いができる点も魅力です。
メーカー | OKUSU-JP |
サイズ | 幅85cm×奥行48cm |
重さ | 約250g |
表面素材・加工 | 綿100%、銀メッキコーティング |
スムースアイロンマット ドット柄
表面は綿100%、アルミニウム、ポリエステル、シリコンオイルが施された多重構造になっていて、熱反射により効率的にアイロンがかけられます。幅95cm、奥行55cmという、大きなサイズもポイントです。ズボンやロングスカート、ワイシャツなどを広げても、一度にアイロンがけできる面積が広いため、手間をできるだけ少なく済ませたい方にも使いやすいでしょう。
メーカー | セイエイ (Seiei) |
サイズ | 幅95cm×奥行55cm |
重さ | 250g |
表面素材・加工 | 綿100%、アルミニウム、ポリエステル、シリコンオイル |
くるくるあて布付き アイロンマット4029
くるくると巻くと、細長い円柱状になります。ひっかけるための持ち手がついており、ハンガーにかけるとクローゼット等での収納に便利です。コンパクトになり価格もリーズナブルですが、床やテーブルといった土台が熱の影響を受けやすいため、バスタオルを敷くなどの対応が必要になります。
メーカー | 山崎実業 |
サイズ | 幅72cm×奥行48cm |
重さ | 130g |
表面素材、加工 | 綿100%(アルミコーティング)、ポリウレタンフォーム |
アストロ アイロンマット
パタパタと折り畳んでコンパクトになります。アルミコーティングが施されており、熱効率が良いため時短にも。洗濯はできないため、汚れには注意しましょう。
メーカー | アストロ |
サイズ | 幅73cm×奥行45cm |
重さ | ー |
表面素材、加工 | 綿(アルミコート)、ウレタン |
アイロン収納マット タワー
畳むと収納バッグにもなります。アイロンをきちんと守って収納し、できるだけコンパクトに納めたい方の希望を叶えてくれます。蓋の部分は取り外し可能で、ミニアイロンマットとして使うことも可能。長細く折り畳んでワイシャツの袖を整えながらアイロンをかけたりと、何かと便利に使えます。
メーカー | 山崎実業 |
サイズ | (バッグにした時のサイズ)幅33×奥行18×高さ18cm |
重さ | 約350g |
表面素材、加工 | 綿100%(アルミコーティング加工) 裏面 : 綿100% 中綿 : ポリエステル クッション材 : ポリウレタンフォーム(ボンディング加工) |
アイロンマット ウルトラワイド
幅130cmのワイドサイズのアイロンマットです。大判サイズを求めている方には、特に使いやすいのではないでしょうか。熱効率の良いセラミックスコートで、アイロンマットの下も湿りにくい点も嬉しいポイント。4層構造からなり、熱やスチームでテーブル等が熱くなるのを防いでくれます。
メーカー | ダイヤ (Daiya) |
サイズ | 幅130cm×奥行 70cm×高さ 0.7cm |
重さ | 350g |
表面素材、加工 | アルミニウム, ポリウレタン |
アイロンマット
リーズナブルでコンパクト、気軽に持ち運びやすい点が特徴です。出張先にも持ち運びやすいため、遠出する機会の多い方にもぴったりでしょう。
メーカー | オカザキ |
サイズ | 35.3cm×15.8cm×2.2 cm |
重さ | 20g |
表面素材、加工 | ポリエステル, アルミニウム, ポリウレタン |
まとめ
アイロンマットは、アイロン台の収納や扱いに困る方が気軽に使える便利なアイテムです。素材や大きさ、形状はそれぞれ特徴があり、自分の求める機能をよく考えながら選びましょう。アイロンマットの中には、熱がテーブルや床に伝わりやすく、その影響で変形や変色などを招くものもあります。バスタオル等を活用しながら、安心して使える方法もチェックして試しましょう。