食洗機を取り入れる家庭が増えていることに伴い、食洗機の種類もかなり豊富になってきました。システムキッチンに組み込んであるビルトインタイプ、後付けする据え置きタイプがあり、その中でもドアの開き方や分岐水栓の可否など、さまざまな機能や形式があります。
大人数家族や一人暮らしなど、それぞれのライフスタイルに適した食洗機があり、サイズや洗浄できる点数なども考慮して、製品を選択できる幅が大きく広がっています。
各メーカーの強みを生かした製品が数多く提供されていますが、適したものを選ぶことによって、各家庭の家事の時間が短縮され、効率的になります。
今回の記事では食洗機の種類やタイプ別の選び方、各メーカーから出ているおすすめ製品を紹介していくので、ぜひ自分のご家庭に適した食洗機を選び、家事の効率化を図りましょう。
食洗機の種類
食洗機の種類は大きく分けて「ビルドインタイプ」と「据え置きタイプ」に分かれます。ビルトインタイプはシステムキッチンに最初から組み込まれているタイプで、据え置きタイプはシンク横やキッチンボードに置くタイプです。
そしてそれぞれのタイプにもさらに機能が分かれていて、ビルドインタイプでは「フロントオープン式」と「スライドオープン式」があり、据え置きタイプには「分岐水栓」と「タンク式」があります。
それぞれのタイプと形式を詳しく説明していきます。
ビルトインタイプ
ビルトインタイプは、システムキッチンに最初から組み込まれている食洗機のタイプです。主に新築や家の建て替え、キッチンのリフォーム時などに設置を考えることが多いでしょう。あたら行くシステムキッチンに取り換えるときはもちろん、既存のシステムキッチンに組み込むことも可能です。
ビルトインタイプは、システムキッチンの中に食洗機を組み込めるため、キッチンスペースを狭めることなく設置できる点がメリット。シンク横などに置く必要がないため、すっきり広々と調理スペースを確保できる特徴があります。
ビルトインタイプの食洗機では、扉の開き方によって大きく2種類に分けられます。
フロントオープン
フロントオープンは、扉を前側に向かって大きく開閉する扉の開き方で、海外メーカーを中心に採用されています。フロントオープンのメリットは以下の通りです。
- 食器の収納力の高さ
- 食器のセットがしやすい
- 洗浄力が高い
フロントオープン式は、庫内の容量が広く、収納できる食器点数も多いのでしっかり全体に洗浄が行き渡り綺麗に洗えます。さらに洗浄水の噴射口も下段と中段の2か所に設置されているので洗浄力は高いでしょう。
そして庫内が広いので下段にはフライパンや鍋など大きな調理器具を入れることもできます。
またフロントオープン式の場合、食器類をセットしやすい点もメリットです。フロントオープンでは上段・中段・下段の各収納部を引き出すことができるため、食器のセットが簡単です。
◆フロントオープン式の食洗機のメリットは、こちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
スライドオープン
スライドオープンは、引き出し式の扉を手前に引いて開け、上から食器を入れていくボックスタイプの食器洗い乾燥機で、主に国内のメーカーで採用されているタイプです。スライドオープンタイプのメリットを以下の通りです。
- 省エネ性能が高い
- 体に負担がかからない
スライドオープンの食洗機は、1回の使用水量が手洗いの約11％であり、省エネ性能の高さと水道代や電気代などのランニングコストを抑えることができる点がメリットです。
また国内生産の食洗機で主に採用されているタイプであり、種類も豊富で、家族の人数や調理器具に合わせてサイズの選択ができるため、どんなご家庭でも設置しやすいと言えます。
さらに、ボックスタイプなので腰を下ろして物を取り出す必要がなく、フロントオープンよりも体に負担がかからないというメリットもあります。
◆ビルトイン食洗機を後付けする場合、いくつかの条件をクリアしている必要があります。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
据え置きタイプ
据え置きタイプの食洗機は、現在使用しているキッチンに後付けで設置できる食洗機のタイプです。今使用しているキッチンの中でも置く場所の選択が重要になってきます。後付けで置く食洗機は大きいものなのではと思われがちですが、実際にはコンパクトなものや厚みが薄いものなど、さまざまなサイズの食洗機があるため、一人暮らしなどの狭いキッチンでも設置することができます。
分岐水栓
据え置きタイプの分岐水栓は、直接水道から水を供給するタイプで、取り外し可能な今ある水栓を取り替えて使用するタイプです。分岐水栓取り付け式は、シンクに穴をあけるなどの大がかりな工事は不要で、賃貸などで引っ越すときも、分岐水栓を取り外せばいいだけなのでスムーズです。
さらに、ファミリー向けから少人数家族向けまで、ラインナップが豊富なので自身のご家庭、キッチンの広さにあったものを選択できるのも嬉しいポイントです。また洗浄の度に給水する必要がなく楽であるというメリットもありますが、給水ホースが届くシンク周りに設置する必要があります。
◆分岐水栓タイプでおすすめの食洗機は、こちらの記事でもご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
タンク式
タンク式は都度給水が必要にはなりますが、取り付け作業や工事が不要で、届いたその日からすぐに使えるタイプです。必ずしもシンク周りに設置する必要はなく、食洗機本体と排水バケツがあれば、どこにでも設置できます。
一人や二人暮らしの家庭に向いており、分岐水栓の取り付けできない住まいの場合にもおすすめです。容量やサイズの商品ラインナップも多く、デザイン性が高いものたくさんあるため、キッチンの景観を損なわないことも嬉しいポイントです。
◆タンク式食洗機の選び方は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。
食洗機の選び方
食洗機を選ぶにあたっては、自身のライフスタイルや家族の人数、キッチンの広さなどに応じて選択する必要があります。前述してきた食洗機のタイプ、分岐水栓の可否、設置場所のサイズやドアの開き方、洗浄できる点数やさまざまな機能をチェックして、適するものを選びましょう。
さまざまなメーカーから多様なサイズ、デザイン、機能のものが販売されていますが、どのような観点で自宅に合う食洗機を選べばよいのでしょうか。食洗機の選び方を説明していきます。
食洗機タイプ
まず前項でお伝えしてきた食洗機のタイプですが、賃貸にお住まいであれば必然的に据え置きタイプを選ぶことになります。持ち家であればどちらでも検討可能です。しかしビルトインタイプは工事が伴うため、現在のキッチンのまま食洗機を設置するとなると据え置きタイプがよいでしょう。
ビルトインタイプは、工事費用がかかる反面、キッチンスペースを有効活用でき、洗浄時の手間もかかりません。一方、据え置きタイプはどこでも設置ができ、比較的安価ではありますが、一定のスペースを確保しなければならないというデメリットもあります。
予算やキッチンの条件を考慮しながら、食洗機のタイプを検討してみましょう。
分岐水栓の可否
分岐水栓は、給水の手間もなく便利ではありますが、水栓の種類によっては取り付け自体ができない場合もありますので、事前にチェックが必要です。
さらに分岐水栓を取り付けるときは、水栓の規格に合ったものを選ぶ必要があります。分岐水栓の選び方として、水栓のメーカー名を確認すること、水栓の製品番号を確認することが必須です。
使っている蛇口の種類によっては、分岐水栓が取り付けられない場合もありますが、止水栓に分岐水栓を取り付けたり、蛇口本体を分岐水栓や分水孔のついた蛇口に交換するといった方法もあります。
設置場所のサイズ
据え置きタイプの食洗機の選び方で外せない大事なポイントに「設置場所のサイズ」があります。そもそもその据え置きタイプの食洗機が今のキッチンのどこに置くのかということを決めなければいけません。
水道直結タイプなら必然的にシンクの横になりますが、給水タイプならさまざまな設置場所を検討できます。事前にどこに食洗機を置くのか目星をつけてから食洗機のサイズを選ぶことが大事です。
ドアの開き方
食洗機のドアの開き方も食洗機を選ぶ上で重要です。
ビルトインタイプの食洗機なら、ドアの開き方がフロントオープンかスライド式から選択できます。前述でお伝えしたようにフロントオープンは収納力の高さと収納しやすさがメリットで、フロントオープンは省エネ性の高さや体への負担軽減がメリットです。重要視するポイントを基準に検討しましょう
据え置きタイプの食洗機でも、前開きのドアであったり、上部にスライドするドアなどがあります。本体自体は設置できても、扉の開閉に苦労するようでは、非常に使い勝手が悪いでしょう。メーカー記載のドアの開き方や、ドアを開けた際の寸法なども確認しながら、設置に問題がないか確認することがおすすめです。
洗浄できる点数
食洗機の機能として洗浄できる点数も考慮しておくとよいでしょう。これは主に家族が何人であるかが基準になります。家族が大人数なら必然的にサイズ感が大きい食洗機に必要です。
食洗機の一度に洗える容量は、ほとんどの場合、食器点数としてメーカーから記載があります。その内容を参考に、普段の生活での洗い物の状況を照らし合わせながら、十分であるか判断することがおすすめです。
その他の機能
その他にも、各メーカーからさまざまな機能が搭載された食洗機が販売されています。代表的な機能には、以下のようなものがあります。
- 洗浄完了後に自動でドアが開くオートオープン
- 清潔を保つUV除菌機能
- お皿一枚から洗える時短モード
- タイマー機能
- 温風乾燥の熱で殺菌機能
- ナノイー照射で食洗機内の除菌・脱臭機能
- 専用のアプリに接続することで外出先からでも遠隔で操作が可能
このような独自の機能に着目して選ぶのもおすすめです。清潔さをより重視するなら抗菌・除菌機能、家事を効率化したいなら遠隔操作機能、電気代の安い夜間に稼働して節約を目指すならタイマー付きなど、重視するポイントを検討してみましょう。
ビルトイン｜おすすめの食洗機メーカー
ビルトインタイプの食洗機は主に「フロントオープン式」と「スライド式」に分類され、フロントオープンは主に海外メーカーが主力となっています。
そこで食洗機の海外メーカー代表の「ミーレ」を始め、国内からは「パナソニック」と「リンナイ」の食洗機のメーカーの特徴を紹介していきます。
パナソニック
パナソニックのビルトイン食洗機は、洗浄力の強さと庫内の清潔を保つ衛生面が最大の特徴です。「3Dアーム洗浄」機能を搭載しており、細かく噴射して油汚れをはじめとする頑固が汚れを落としてくれるため、予洗いなしでもしっかりと洗浄してくれます。
さらに衛生面では「新ドライキープ」機能で結露を防ぎ、嫌な臭い残りやこもりを緩和する機能があります。
リンナイ
リンナイは、国内メーカーの中で唯一フロントオープンタイプのビルトイン食洗機を提供しています。日本製にこだわりながら、フロントオープンを好む人にはおすすめです。
リンナイのビルトイン食洗機の特徴は、食器をセットしやすいようにサインが印字してある設計になっています。さらに「タワーウォッシャー」搭載で、洗い漏れなどなく噴射することも洗浄面の強みです。
さらに衛生面では「銀イオンカートリッジ」で、庫内を抗菌し清潔を保ってくれる機能も採用されています。
◆パナソニックとリンナイの食洗機の特徴については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
ミーレ
ドイツ生まれの食洗機メーカーであるミーレ。
フロントオープンタイプのビルトイン食洗機が主力製品です。何よりも特徴は、大量の食器を一度に洗浄することが可能なので大家族にはおすすめ。さらに、水や洗剤の量を自動で調節するので、水道代・電気代の節約にも繋がります。
そして、家電とアプリの連携も可能です。専用のアプリに接続することで外出先からでも遠隔で運転が可能なため、効率的に家事ができるようになるでしょう。
◆ミーレの食洗機の特徴は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
据え置き｜おすすめの食洗機メーカー
続いて、食洗機の据え置きタイプも様々なメーカーから製品が販売されています。それぞれのメーカーの強みを活かしつつ、各家庭に合うサイズ感や機能を搭載したおすすめ製品のラインナップが揃っています。
各メーカーから出ている据え置きタイプのおすすめ食洗機を紹介します。
パナソニック
家電メーカーとして安定の信頼を誇るパナソニックは、食洗機においても高性能で人気のメーカーです。独自の除菌洗浄方法を採用しているだけでなく、賃貸住宅にも置きやすいスリムタイプやプチ食洗などのラインナップもあります。
パナソニックのNP-TAP-W卓上タイプは、菌を洗い流す「ストリーム除菌洗浄」が全コースに搭載されています。
新開発「ボトルホルダー」で食洗機対応マイボトルのような筒状のものも清潔に洗浄してくれる上に、リバーシブルエリアで鍋や約34 cmの長皿もスッキリ置けるという庫内の広さ。乾燥機能が付いているのも嬉しいポイントです。
- 食器点数：40点
- 前開きドア
パナソニックNP-TSP-1-ｗも菌を洗い流す「ストリーム除菌洗浄」を洗浄全コースに搭載しています。奥行としては36.7㎝あれば設置できるスリムタイプで、ドアの開閉時を省スペースにした「リフトアップオープンドア」を採用しているため、シンク横の狭いスペースにも置けます。毎月定額で利用できるという貸出サービスもあるのが注目ポイント！
- 食器点数：24点
- ドアが上に開くリフトアップオープンドア
プチ食洗は、バイオパワー除菌機能搭載しており、洗剤中の酵素が活性化する温度帯（約50 ℃）の洗剤液を食器に直接噴射し、しつこい汚れも素早くはがします。少ない食器を洗う時も、節水できて、水道代も節約できます。
- 食器点数：18点
- 食洗機のドアが全開する前開き
シロカ
食洗機メーカーとして人気の高いシロカは、シンプルな商品ラインナップながら、大家族から一人暮らしまで使える製品を提供しています。特にタンク式の食洗機は、コンパクトでどこでも置きやすく幅広い家庭で人気です。独自のUV除菌機能は、食器はもちろん、生活におけるあらゆるものを除菌できるため、衛生面に気を遣う人には特におすすめです。
シロカSS-MH351は、給水の手間もいらない自動給水式で、強力な洗浄力とUV除菌機能が特徴です。4〜5人分の食器36点を一度に洗える大容量で、上かごを外せば、27cmまでの大皿も入ります。
さらに、360°回転ノズルから最高75℃の高温水流を高圧噴射し、あらゆる角度から洗い上げるトルネード除菌洗浄を搭載しており、隅々の油汚れまでキレイに落とし、99.9％除菌してくれます。
- 食器点数：36点
- 食洗機のドアが全開前開き
シロカSS-M151は、省スペースでアース線さえあれば、どんな場所にも設置が可能です。高温✕高圧✕360°洗浄の徹底洗浄が特徴で、最大70℃の高温すすぎにより、手洗いでは落としづらい油汚れや粘着性の汚れまで、すっきりキレイに落とします。
2mにも達する高圧の水流が汚れをしっかり洗い流し、食器の隙間やざるの網目なども、すみずみまで徹底的に洗浄するので汚れ残しもない、すっきりとした洗いあがりです。
- 食器点数：16点
- 食洗機のドアが全開前開き
シロカSS-MU251は、シロカ独自の「トルネード除菌洗浄 75」で洗い上げることで、99.9％除菌を実現した上で、さらに新機能のUV除菌機能が搭載されています。UVライト照射によって、除菌状態が8時間以上も持続するため、洗浄した食器をさらに清潔に保管できます。UVライト照射のみをおこなう除菌専用コースも搭載しており、食器はもちろん、水洗いが難しいスマホやメガネなども99.99%除菌できます。
- 食器点数：16点
- 食洗機のドアが全開前開き
サンコー
サンコーはコンパクトなタンク式食洗機が魅力のメーカーです。なかなかないコンパクトな食洗機に注力しており、1～2人の暮らしに合ったサイズ感が魅力です。また、置き場所が限られている住まいのために、専用の渡し台やラックを販売していることも特徴的です。
ラクアミニプラスは、コンパクトなのに強力な洗浄力で、工事不要のシンク横に置ける食洗機。一人暮らしやミニマリストの方にもピッタリのサイズ感でコスパも抜群です。ノズルも二つ付いていて、小さいのに洗浄力も申し分なし！マットブラックのカラーもおしゃれで、インテリアにこだわる人にもおすすめです。
- 食器点数：11点
- 食洗機のドアが全開前開き
ラクアミニは、超小型の食洗機で画期なｎサイズ感が魅力です。小さくても超強力！その秘密は、手では実現できない高温洗浄。最大75℃のお湯で頑固な油汚れもキュキュッと綺麗に。使い方はとっても簡単で、食器を入れて、給水して、ボタンを押すだけ。汚れ具合に応じた４つのモードを搭載しています。
- 食器点数：11点
- 食洗機のドアが全開前開き
食洗機の選び方を理解して住まいに合った製品を選ぼう
家事の効率化が図れる食洗機は、広く普及しており近年様々なメーカーからたくさんの種類の食洗機が販売されています。しかし食洗機というのは、各家庭の家族人数やキッチンのスペースなどによって選べるタイプが変わってきます。設置するスペースの広さや、日常の洗い物の量を考慮しながら検討することが大切です。
また洗浄機能を始め、除菌機能や乾燥機能など、メーカーごとにさまざまな便利機能もあります。自身が必要とする要件を明確にし、予算と照らし合わせながら検討してみましょう。
それぞれのメーカーの強みや製品の特徴を知り、家事が効率化できるように住まいに合った製品を選びましょう！
