キャンプやアウトドアの必需品でもあるクーラーボックスですが、夏の暑い日に車内に放置しても大丈夫なのか心配な方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
クーラーボックスに食品を入れる際の注意点や、クーラーボックスを車内に積みっぱなしにする際のメリットと注意点について解説しているので参考にしてみてください。
クーラーボックスの基本的な選び方と種類
クーラーボックスは、アウトドアやピクニック、キャンプなどで食品や飲み物を保冷するために便利なアイテムです。クーラーボックスには種類がいくつかあります。まだ持っていない人は、選ぶ際に以下のポイントを考慮しましょう。
小型から大型まで、各種クーラーボックスの特徴
クーラーボックスにはお弁当を入れるような小さいサイズから、2Lのペットボトルが何本も入るような大きなサイズまで様々なサイズの物が販売されています。
サイズによるクーラーボックスの特徴と、素材による違いについては下記のとおりになります。
小型クーラーボックスの特徴
- 軽量で持ち運びすい: 小型のクーラーボックスは持ち運びがしやすく、日帰りのピクニックやデイキャンプに最適です。
- 保冷力が高い: 容量が少ないため氷や保冷剤でしっかりと保冷することで、保冷力が高い状態を維持することができます。
- 使い勝手が良い: ワンアクションで開閉できるものや、ファスナーの滑りが良いものなど使いやすさにも配慮されています。
大型クーラーボックスの特徴
- 大容量: 大型のクーラーボックスは、多くの食材や飲み物を収納できます。1泊以上のキャンプや釣り旅行に向いています。
- 椅子やテーブル代わりにも: 大型のクーラーボックスは頑丈なため、アウトドアシーンで椅子として使用したり、ちょっとしたテーブルの代わりとして使用することができます。
- キャスター付きで移動が楽ちん: キャスターが付いているものは転がして移動できるので、重たいクーラーボックスでも楽に運べます。
素材による違い
- ハードクーラーボックス
- 硬い素材で作られており、衝撃に強いです。
- 長時間の保冷が可能で、キャンプやバーベキュー、釣りなどのアウトドア活動に適しています。
- 天板がテーブル代わりになることもあります。
- ソフトクーラーボックス
- 軽量で持ち運びやすく、コンパクトに折りたためるタイプです。
- 普段使いにも便利で、デイキャンプやピクニックに適しています。
- 素材による分類
- 真空断熱パネル: 高い保冷力を持ち、ハードクーラーボックスで使用されますが、重量があり高価格になりがちです。
- 発泡ウレタン: 中間の保冷力で、ハードクーラーボックスで一般的に使われています。
- 発泡スチロール: 軽量で安価ですが、保冷力は低めです。
クーラーボックスの保冷材とアクセサリー
クーラーボックスは食品や飲料を入れただけでは冷たくしたり、保冷状態を維持することができません。保冷状態を維持するには保冷剤が必要となりますが、一般的な保冷剤から代用品まで紹介するので参考にしてみてください。
保冷材
- ジェルタイプの保冷剤
ジェル状の保冷剤は、凍らせて使用します。ジェルは食品や飲料を均一に冷やすことができ、再利用できるので便利です。
- 氷袋
氷袋は、凍らせた氷を入れて使用します。氷袋は使い捨てで、帰りの際は無くなるので持ち運びに便利です。
- 冷凍食品
冷凍食品を保冷剤として使用することもできます。保冷剤や氷袋に場所を取らないことが利点ですが、解凍されやすくなるため冷凍食品の保冷状態を維持する保冷剤は入れておいた方が良いです。
アクセサリー
クーラーボックスには保冷の用途の他にも、カップホルダーや分割トレイ、キャスター付きの移動用モデルなどアクセサリーが付属しているものもあります。
どのシーンで使用したいかによって、付属しているアクセサリーにも注目して選ぶこともおすすめです。
ソフトクーラーバッグとハードケースの比較
ソフトクーラーバッグとハードケースのクーラーボックスを比較してみましょう。「価格」、「容量」、「保冷力」、「耐久性」の観点ごとに、特徴を比較しているため参考にしてみてください。
- 価格
- ソフトクーラーバッグ:
- 比較的リーズナブルな価格帯で入手できます。20〜30Lサイズでも2,000円から3,000円程度で購入できることがあります。
- ハードクーラーボックス:
- ハードタイプのクーラーボックスは、断熱材の高価により保冷力が高く丈夫ではありますが、価格帯は高めになってきます。
- ソフトクーラーバッグ:
- 容量
- ソフトクーラーバッグ:
- 20〜30Lサイズが一般的で、2人から4人分の飲料や食材を保冷できます。
- ソフトクーラーバッグは横長の形状が多く、奥の物を取り出しやすい利点があります。
- ハードクーラーボックス:
- 大容量のものが多く、50L以上のサイズもあります。4人以上のグループや長期間のキャンプに適しています。
- ソフトクーラーバッグ:
- 保冷力
- ソフトクーラーバッグ:
- 保冷力はハードクーラーボックスに比べて劣りますが、日帰りキャンプやデイキャンプなどの短時間向きです。
- 使用後はコンパクトに折りたためるので、収納時に便利です。
- ハードクーラーボックス:
- 断熱材により保冷力が高く、長時間の保冷に適しています。
- 2泊以上のキャンプや長期間のアウトドアに向いています。
- ソフトクーラーバッグ:
- 耐久性
- ソフトクーラーバッグ:
- 軽量で持ち運びがしやすい一方、耐久性はハードクーラーボックスに比べて劣ります。
- 通常は1泊2日程度の使用を想定しています。
- ハードクーラーボックス:
- 頑丈で衝撃に強く、長期間の使用に耐えることができます。
- ソフトクーラーバッグ:
クーラーボックスを車に積みっぱなしにするメリット
クーラーボックスは、夏のレジャーやキャンプに欠かせないアイテムです。車に積みっぱなしにすることで、以下のメリットがあります。
買い物やキャンプ時の利便性向上
常にクーラーボックスを車に積んでおくことで、急な使用にも対応することが可能です。買い物やキャンプ時などの下記のシチュエーションに対応することができます。
買い物の際 | |
・遠出した際に急な買い物で要冷蔵品を購入した | |
・夏場に予定に無かった冷凍・冷蔵食品を購入した | |
キャンプの際 | |
・大きめのクーラーボックスの積み下ろし作業が無くなる | |
・魚や食品を持ち帰る |
緊急時の飲食物保管用としての活用
車内に常に積んでおくことで、災害時や長時間のドライブ中のいざという時にも活用することができる点がメリットといえます。緊急時の活用方法については以下のとおりです。
- 冷蔵庫の一時的な代わりになるクーラーボックス
- 停電になり、冷蔵庫がストップしてしまった場合、クーラーボックスを利用して食材を保冷できます。
- 冷凍食品や保冷剤を入れてできるだけ隙間なく配置し、1〜2日間の保冷が可能です。
- 寒い冬には保温ボックスとして
- 朝炊いたご飯をおむすびにして、簡単な惣菜とともにクーラーボックスの中に入れておけば、時間が経っても冷たい食事を楽しめます。
- クーラーボックスは断熱性が高いため、寒い時に本当に助かります。
緊急時を見据えたクーラーボックスの選び方
災害用としてクーラーボックスを用意する際は、断熱性能を重視しましょう。断熱に真空層やウレタン断熱材を充填した製品は価格は高めですが、その分断熱性能にはたしかなものがあります。備蓄用としてだけでなく普段使いとしても利用できるのでおすすめです。
シーズンオフでも利用可能なクーラーボックス
クーラーボックスといえば、夏場に使用するのを想像する方が大半なのではないでしょうか。実はシーズンオフでも有効に活用することが可能です。以下は保冷以外にもの活用術の一例になります。
クーラーボックスを収納場所として活用
- クーラーボックスは、シーズンオフにも収納場所として活用できます。
- キャンプ用具やアウトドア用品、季節ごとの衣類などをクーラーボックスに収納しておくと、整理整頓がしやすくなります。
非常食や非常用品の保管
- クーラーボックスは、非常食や非常用品の保管にも利用できます。
- 災害時や緊急時に備えて、非常食や水、防災グッズをクーラーボックスに入れておくと安心です。
クーラーボックスを積むことの燃費への影響
クーラーボックスを車に積むことと、燃費にどんな影響があるか知りたいという方もいると思います。
基本的には燃費に影響する範囲は軽微ではありますが、重量や積み方によっては下記のような影響が生じることがあります。
- クーラーボックスの重量
- クーラーボックスを車に積むと、車体に追加の重量がかかります。
- 重量が増えることで、燃費がわずかに悪化する可能性があります。
- 空気抵抗
- ルーフにクーラーボックスを積むと、車の空気抵抗が増加します。
- 高速道路などでの走行時に、空気抵抗による燃費の悪化が考えられます。
夏場の車内温度対策とクーラーボックスの管理
車内の温度が上昇する夏場、クーラーボックスを積みっぱなしにしても大丈夫なのでしょうか?実は、基本的に車載冷蔵庫は積みっぱなしにしておいても問題ありません。しかし、いくつかの注意点を押さえて管理することで、さらに効果的に利用できます。
車内の温度上昇を抑える方法
夏場は車内の温度が急に上昇します。温度上昇を少しでも抑えることで、より効果的にクーラーボックスを利用することができます。
車内の温度上昇を抑えるには下記の方法があります。
- 日陰に駐車する
- 車を停める際は、日陰に駐車することで直射日光を避け、車内の温度上昇を抑えることができます。
- 窓を少し開ける
- 駐車時に窓を少し開けておくと、車内の空気が循環し、温度上昇を和らげます。
- 長時間の駐車では効果が限られるため、注意が必要です。
- サンシェードを取り付ける
- フロントガラスにサンシェードを取り付けると、ダッシュボードを直射日光からカバーでき、車内全体の温度上昇を防げます。
- 遮熱フィルムを使用する
- フロントガラスや窓ガラスに遮熱フィルムを貼ることで、熱や紫外線、赤外線を遮り、車内の温度上昇を抑えます。
なお、サンシェードや遮熱フィルムは以下のような商品ですが、サイズは車種によって変わってくるため、自分の車に合わせたサイズを選ぶようにしましょう。
高温時のクーラーボックス保冷効果の最大化
暑い日にクーラーボックスを使用する場合は、少しでも長く保冷効果を持続させたいですよね?より長く冷たい状態を維持するには以下の方法があります。
- エアコンを使用する
- クーラーボックスを車内に置く際は、エアコンを使用して車内の温度を下げておくと効果的です。
- 保冷剤を使う
- クーラーボックスに保冷剤を入れておくことで、内部の温度を下げ、飲み物や食材を冷たい状態で保ちます。
- 保冷剤は長時間使用しないと劣化する可能性があるため、次回のアウトドアシーズンに向けて新しいものを用意することをおすすめします。
- 適切な配置
- クーラーボックス内で飲み物や食材を適切に配置することも重要です。
- 冷気の逃げを防ぐため、保冷剤を上に配置し、食材を密着させて隙間を埋めましょう。
なお、保冷剤は以下のような長時間冷やしてくれるものを選ぶのがよいでしょう。
熱波対策としての断熱材の使用
キャンプや釣りなど屋外で使用する際は、クーラーボックスに太陽の日差しが直接かかることがあります。
熱波対策として断熱材でクーラーボックスの周りを囲むことで、外部からの熱を遮断することができます。
断熱材はアルミマットや発砲スチロールなど簡単に手に入るものなので、屋外で使用する際は、ぜひ試してみてください。
クーラーボックス内部の清掃とメンテナンス
クーラーボックスは定期的に清掃を行う必要があります。下記の手順でメンテナンスを行うことで清潔に使用することができ、長期間にわたって使用することができるポイントにもなります。
- 洗浄
- クーラーボックスの外側と内側を流水で洗いましょう。
- 中性洗剤を使って内側を洗浄します。タワシでこすり、汚れを落とします。
- 汚れの除去
- クーラーボックスのフタやパッキン、蝶番(本体と蓋を繋ぐ部分)など細かい部分を歯ブラシなどで丁寧に洗います。
- 蝶番が緩んでいたり破損していた場合は、保冷の低下にも繋がるため修理が必要です。
- 排水
- ドレン(排水口)が付いている場合は、口を開けてクーラーボックス内の水を排出します。合わせてドレンも洗浄するようにしましょう。
- 乾燥
- クーラーボックスを逆さまにして乾燥させます。直射日光に当てないように注意しましょう。
- アルコール除菌
- 内側と蓋の裏にキッチン用アルコール除菌スプレーを拭いて、清潔に保ちます。
クーラーボックスを車に積みっぱなしにするリスク
クーラーボックスはキャンプなどのアウトドア活動においては必須なアイテムです。飲料や食品を冷たい状態に保つのに大活躍しますが、車の中に積みっぱなしにしておいても安全性に問題無いのでしょうか。夏場や炎天下の場合、車内はかなり高温になるため以下のようなリスクを伴います。
高温による食品の腐敗リスク
食品をクーラーボックスに入れる場合、冷たい状態が保たれずに腐敗してしまうことがあります。腐敗の原因としては以下が考えられます。
- 温度
- 食品の温度が高くなると、微生物が増えやすくなり食中毒のリスクが高まります。
- 特に冷蔵・冷凍食品を購入した際や、気温が高い時期は、注意が必要です。
- 保冷剤の効果
- クーラーボックス内の保冷剤は、一定時間で溶けてしまいます。
- 食品を冷凍して入れたり、生ものを氷で挟むなどして、食材が悪くならないように工夫しましょう。
- 適切な配置
- クーラーボックス内で食品を適切に配置することも重要です。
- 冷気の逃げを防ぐため、保冷剤を上に配置し、食材を密着させて隙間を埋めましょう。
直射日光と高温がクーラーボックスに与える影響
直射日光を避けることは重要です。直射日光に当てると、短時間でもクーラーボックスの表面温度が上昇します。断熱材が使用されているとはいっても、クーラーボックス内の温度上昇を避けることは難しいでしょう。以下のことに気を付けることで、急激な温度上昇を防ぐことができます。
- 直射日光
- クーラーボックスを直射日光の当たる場所に置くと、クーラーボックス自体が熱を持ち、内部にもその熱が影響し保冷力が低下します。
- タープの下や木陰など、直射日光の当たらない場所に置くようにしましょう。
- 高温
- 高温環境ではクーラーボックスの保冷効果が低下します。
- 断熱材が入っていても、外部の高温が内部に伝わり、食品の温度を上昇させてしまいます。
車内での異臭やカビの予防
車内でクーラーボックスを積みっぱなしにしていると、異臭やカビの発生が気になりますよね。以下に異臭やカビを予防するための対策をご紹介します。
- 定期的な清掃: クーラーボックス内部は定期的に清掃しましょう。食品を入れる前に、内部をふき取ったり、洗剤で洗ったりして清潔に保ちましょう。
- 乾燥させる: クーラーボックス内部を乾燥させることも大切です。使用後はしっかり乾かしてから保管しましょう。湿ったまま放置するとカビの発生リスクが高まります。
- 消臭剤の活用: クーラーボックス内に消臭剤を入れておくと、異臭を防ぐのに役立ちます。特に夏場は車内の温度が上昇しやすいため、消臭剤を使って不快な臭いを防ぎましょう。
- 通気性を確保する: クーラーボックスを積む場所は通気性を考慮しましょう。密閉された場所よりも風通しの良い場所に置くことで、湿気を逃がしやすくなります。
これらの対策を実践することで、クーラーボックスを車に積みっぱなしにしても、異臭やカビのリスクを最小限に抑えることができます。
セキュリティリスクと盗難防止対策
車にクーラーボックスを積んでおくと、盗難の対象になる可能性があります。特に駐車場や公共の場所での使用時には注意が必要です。
盗難防止対策
クーラーボックスの盗難を防ぐために以下の対策を検討してください。
- ステッカーの利用: クーラーボックスにステッカーを貼っておくと、盗難リスクが低減します。ステッカーの特徴から盗まれたクーラーボックスが特定される可能性があるため、盗まれるリスクが低くなります。
- ワイヤーで固定: クーラーボックスを車に積む際には、付属のワイヤーなどでしっかりと固定しておくことで盗難リスクを減らせます。
- 駐車場の選定: 駐車場を選ぶ際には、人目につきやすい場所や監視カメラのある場所を選ぶことで盗難リスクを軽減できます。
まとめ
クーラーボックスを車内に積みっぱなしにすることで、急なシチュエーションにも対応ができるというメリットがあります。その一方で、食品を飲料を入れた状態で放置する場合には、十分に保冷材を入れたり、車内の温度を適切に保つ必要があります。
様々なサイズや素材のクーラーボックスが販売されていますが、使用したいシチュエーションに合わせて選ぶことで、より効果的に使用することにも繋がります。