暖房器具を選ぶ際には、その効率性と運用コストが大きな決定要素です。
特に、ダイソンのヒーターはそのおしゃれなデザインと高い機能から人気のある選択肢ですが、エアコンと比較したときにはどちらがより経済的なのでしょうか。
本記事では、ダイソンのヒーターとエアコンの運用コストを詳細に比較し、暖房としての効果はどうか、各々の暖房器具が冬の寒さにどれだけ効果的に対応できるのかを探っていきます。
ダイソンのヒーターとエアコンの電気代を比較し、それぞれのメリットとデメリットを明確にして、冬場の暖房選びに役立つ情報を紹介します。
この記事でわかること
- ダイソンホットアンドクールは、涼風・温風・空気清浄機能を備えた1台3役の便利な家電
- ダイソンホットアンドクールの涼風・温風機能は、局所的な機能であり、エアコンの性能には及ばないが、1年中使いやすい
- 季節問わずに暖房・冷房の補佐や空気清浄機として使いたい人や、安全な扇風機を求める人におすすめ
ダイソンホットアンドクールの機能
ダイソンのホットアンドクールは涼風と暖風のどちらも使えて、1年中活躍する家電だって聞いたから気になってるよ。
ダイソンホットアンドクールは、暖房と冷房の両方の機能を使えるため、オールシーズンに1台で対応できるダイソンの人気製品です。
まずはダイソンホットアンドクールが持つ主な機能とメリットから見ていきましょう。
なぜこの製品に人気があるのか、ユーザーからの指示を集める理由は何かを解説していきます。
涼風モード
ダイソンホットアンドクールの「涼風モード」は、特許を受けたAir Multiplier技術を活用し、周囲の空気を吸い込んで一定の流速で均一な涼風を送り出します。
従来の扇風機が生み出す断続的な風と違って、滑らかで広範囲にわたる風を生み出し、室内の空気を効率よく循環させるのです。
使用中の騒音を最小限に抑える静音設計なので、寝室や仕事部屋、勉強部屋など静かな環境が好ましい空間でも快適に使用できます。
温風モード
「温風モード」では、通常のヒーターが使用するコイルやオイルを使わずに加熱するセラミックプレートを使用しており、加熱された空気がダイソン独自のファンを通して室内に送り出されます。
温度設定を1度単位から設定できるのがメリットで、自分が快適と感じられる温度に微調整できるだけでなく、設定した室温を維持するよう運転が自動調整されます。
室温や外気温に応じて無駄なエネルギー消費を抑えられ、電気代の節約にも貢献する機能です。
過熱防止機能も備えているため、デバイスが過度に熱を持った場合には自動でオフになり、安心して長時間の使用が可能です。
空気清浄機能
ダイソンホットアンドクールには空気清浄機能も採用されています。
PM2.5やPM10といった微細な粒子状物質、花粉、ウイルス、ペットのフケやタバコの煙まで、空気中の有害な汚染物質を99.97%除去する高性能フィルターによって、室内の空気をクリーンに保ちます。
つまり、冷風・温風・空気清浄機能と1台で3役の機能を果たせるため、扇風機・ヒーター・空気清浄機をそれぞれ別で買う必要がなく、設置場所も省スペースで済むのです。
ダイソンの空気清浄機能はかなり高性能で本格的なので、空気清浄機の導入に悩んでいる人にはぜひおすすめします。
ダイソンはエアコンの暖房・冷房の代わりになる?
ダイソンのホットアンドクールファンは、冷風・温風モードに加えて空気清浄機能も搭載した多機能性で注目を集めています。
従来のエアコンに代わる暖房・冷房装置としてはどれほど効果的なのでしょうか。
暖房機能に関しては、ダイソンのホットアンドクールファンは小〜中規模の部屋に適しているものの、従来のエアコンに比べて暖房能力は限定的です。
特に広い空間や寒冷地では、エアコンのほうがすぐれた暖房効果を発揮します。
冷房においては、ダイソンのファンは涼しく感じられるパワフルな風を生成しますが、エアコンのように室温を全体的に下げられるような設計ではありません。
したがって高温多湿の環境では、エアコンの冷房機能が効果的です。
ダイソンのホットアンドクールファンはエアコンの完全な代わりとはなり得ませんが、限られた条件下やスポット的な使用においては効果を発揮します。
また、空気清浄機能が付加されている点は、空気清浄機能のない一般的なエアコン製品と比較して秀でているポイントです。
ダイソンホットアンドクールの電気代
ダイソンホットアンドクールのように高価でおしゃれな製品は、なんとなく電気代も多くかかるというイメージがありますが実際はどうなのでしょうか。
ここではダイソンの「ピュリファイアーホットアンドクール」を使用した際の電気代の目安を算出していきます。
【1時間あたりの電気代】電気代(円/h)=消費電力(kW/h)×1h×電力量料金単価(円/kWh) ※電力量料金単価=31円/kWhで計算
運転モード | 涼風 | 温風 |
---|---|---|
運転モード | 涼風 | 温風 |
最大消費電力 | 40W | 1400W |
消費電力量(1h) | 0.04kWh | 1.4kWh |
電気代目安(1h) | 約1.24円 | 約43.4円 |
電気代目安(1日8h使用) | 約9.92円 | 約347.2円 |
電気代目安(8h×30日) | 約297.6円 | 約10,416円 |
温風モードで毎日8時間使用すると、月々の電気代は1万円を超える計算です。
これを、涼風モードと比較すると、温風モードの方が電気代が高くなることが一般的です。
涼風モードではファン機能を利用するため、消費電力が大幅に低下し、電気代も抑えられます。
涼風モードを1日8時間、月に30日使用した場合の電気代は約300円と、日常的に使用しても電気代の負担が少ないです。
ダイソンの涼風モードは特に電力消費が低く経済的で、省エネを考えるユーザーにとって大きなメリットと言えるでしょう。
ダイソンとエアコンの電気代の比較
続いては、ダイソンホットアンドクールの電気代について、エアコンの使用時と比較してみましょう。
部屋全体をパワフルに暖められるエアコンと、1台で3役をこなせるダイソンホットアンドクールでは、電気代にどのくらいの差があるのでしょうか。
暖房としての電気代
まずは両者を暖房使用する際の電気代について考えてみましょう。
ダイソンホットアンドクールと同じく10畳向け用エアコンの消費電力を660Wだと仮定して、データに基づいて電気代を算出してみましょう。
1時間あたりの電気代 | 1日あたりの電気代(8h使用) | 1か月あたりの電気代(1日8h使用) | |
---|---|---|---|
ダイソン:暖風 | 43.4円 | 347.2円2 | 1万416円 |
エアコン:暖房 | 20.46円 | 163.68円 | 4,910.4円 |
エアコンは他の暖房器具と比較して電気代が高いと一般に考えられがちですが、実際には月約4,910円と思ったほど高くありません。
ダイソンのピュリファイアーホットアンドクールの使用時と比較すると、エアコンのほうが月に約5,506円安く、ほぼ半額以下であると分かります。
冬季にエアコンを暖房として使う場合、コストパフォーマンスにすぐれていることが明確です。
暖房使用においてはエアコンのほうが電気代が安く効率も良く稼働すると言えるでしょう。
クーラー・冷房としての電気代
続いては、クーラーや冷房として使用する際の、エアコンとダイソンピュリファイアーホットアンドクールの電気代比較です。
ダイソンの涼風モードは正確に言えば冷房機能ではありませんが、エアコンとの比較として対象に冷房を挙げています。
1時間あたりの電気代 | 1日あたりの電気代(8h使用) | 1か月あたりの電気代(1日8h使用) | |
---|---|---|---|
ダイソン:涼風 | 約1.24円 | 約9.92円 | 約297.6円 |
エアコン:冷房 | 約18円 | 約143.84円 | 約4,315.2円 |
参照:家電製品の消費電力について知りたい | 東京電力エナジーパートナー
こうして比較してみると、エアコンの冷房運転は1ヶ月あたりの使用で約4,300円、ダイソンは約300円と、約4,000円もの差があり、ダイソンに軍配が上がります。
ただし、ダイソンの機能はあくまで涼風機能で、室内全体を冷やす冷房とは異なるため、あくまで参考数値としてください。
ダイソンとその他の暖房器具との電気代の比較
暖房器具の選択は冬の快適さを大きく左右しますが、快適さだけでなく電気代も重要な考慮点のひとつです。
冬季の暖房費はどうしても嵩むため、節電効果の高い製品を選択して、できるだけ電気代の負担を減らしたいところです。
ここからは、ダイソンホットアンドクールと他の一般的な暖房器具との電気代目安を比較していきましょう。
購入前の検討材料として、または既存の暖房解決策を再評価する基準として参考にしてみてください。
1時間あたりの電気代 | 1日あたりの電気代(8h使用) | 1か月あたりの電気代(1日8h使用) | |
---|---|---|---|
ダイソン(暖風) | 約43円 | 約347円 | 約10,416円 |
セラミックファンヒーター | 約37円 | 約297円 | 約8,930円 |
オイルヒーター | 約15.5~37円 | 約124~297円 | 約3,700~8,930円 |
電気ストーブ | 約14~28円 | 約111~223円 | 約3,350~6,700円 |
エアコン(暖房) | 約20.5円 | 約163円 | 約4,910円 |
床暖房 | 約46.5円 | 約372円 | 約11,160円 |
ホットカーペット | 約12.4~25円 | 約99~199円 | 約2,980~5,950円 |
こたつ | 約3~15.5円 | 約24.8~124円 | 約744~3,720円 |
ダイソンの温風機能は、エアコンを始めとしたその他の暖房器具に比べると、やや電気代は高い傾向です。
その他の暖房器具は使用用途が異なるものもあり、一概に比較しづらいという面もあるでしょう。
またダイソンは、暖房器具としてだけでなく、送風や空気清浄機能を兼ね備えている点も大きな魅力の一つ。
電気代のみで考えるのではなく、家電を減らせるという点なども考慮しながら、ライフスタイルに合っているか検討することがおすすめです。
ダイソンホットアンドクールの機能の注意点
ダイソンホットアンドクールは、高い機能性とスタイリッシュなデザインで選ばれている人気製品ですが、購入を検討する前にいくつかの注意点があります。
続いては、ダイソンホットアンドクールの機能とそれに伴う注意すべきポイントを解説します。
勘違いして認識されている点や曖昧さを解消して、納得のいく状態で購入を検討しましょう。
涼風モードは冷房機能ではない
ダイソンホットアンドクールは、涼風モードに関して誤解を招きやすい点があります。
このモードは一見すると冷房機能のように感じられますが、エアコンのように室内の空気を冷却するわけではなく、扇風機のように周囲の空気を循環させることで涼しさを感じられる機能です。
そのため、真夏の環境下で室温を下げたい場合には涼風モードだけでは不足します。
冷房と併用してサーキュレーター代わりに使用することには向いています。
温風モードは局所的な温めに向いている
温風モードも同様に室内の広範囲を暖める暖房設計ではなく、リビングの一角やデスク周りなど、特定の部分だけを暖めたい場面に適しています。
暖房能力は限定的になるため、広い部屋を全体的に暖房しようとすると、期待するほどの効果は得られません。
ただし、プライベートルームなどのコンパクトな部屋であれば、ダイソンの温風モードだけでも十分な暖かさを感じられるかもしれません。
広範囲の暖房には適さないということは覚えておきましょう。
ダイソンホットアンドクールがおすすめな人
ここからは、どんな人がダイソンホットアンドクールを購入するのに適しているのか、製品の特徴や機能から見た、おすすめユーザーをご紹介します。
ダイソンホットアンドクールの購入に迷っている人が以下の条件に当てはまったら、きっと使用満足度が高いはずなので、ぜひ購入を検討してみてください。
1台で空気清浄機や扇風機も使いたい人
ダイソンホットアンドクールは、暖房・扇風機・空気清浄機としての3役を1台でこなすすぐれものです。
そのため、複数の家電を購入して管理する手間や設置スペースを省きたいという人には特に最適です。
夏場は扇風機として、寒い季節には局所的な暖房器具として機能し、年間を通して空気清浄機としても稼働します。
シーズンオフの家電は丁寧に手入れをして収納するのが一般的ですが、ダイソンホットアンドクールは通年使用できるので、季節の変わり目なども関係なく出しっぱなしで使い続けられるのです。
特にアレルギーを持つ方や、ペットを飼っている家庭では空気をいつでもきれいに保てるダイソンホットアンドクールが役立ちます。
おしゃれなデザインを求める人
ダイソンの家電製品はスタイリッシュでモダンなデザインが特徴です。
インテリアにこだわりを持ち、ダイソン製品のデザイン性に惚れ込んで購入するというユーザーも多いです。
ただの家電製品ではなく部屋のアクセントとしてもユーザーのニーズを満たしてくれます。
ダイソンホットアンドクールはシームレスなデザインと高級感あふれる仕上がりが魅力で、リビングやオフィスなど見た目を重視する場所には特に最適です。
シンプルなデザインはどんなインテリアにも自然に溶け込み、かつ存在感のある魅力を持っています。
扇風機として安全性を求める人
ダイソンホットアンドクールの最大の特長が、独自のファンレス設計です。
従来の扇風機に見られるファン(羽根)がないファンレス設計のため、小さな子どもやペットがいる家庭でも安心して使用できるのです。
特に幼児がいる家庭では、好奇心旺盛な子どもが動く羽根に手を伸ばして怪我をするリスクがあります。
しかしダイソンホットアンドクールは羽根がないため、接触事故の心配がありません。
安全性を最優先に考える家庭にも最適です。ファンがないことから運転音も非常に静かで、オフィスや勉強部屋、仕事部屋の設置にも最適です。
ダイソンの暖房機能の電気代をおさえる方法
ここからは、ダイソンホットアンドクールの暖房機能を電気代を抑えながら使用するためのコツについて紹介します。
室内全体を暖めるパワフルさはありませんが、効率を意識して暖房機能を使うことで、電気代を抑えながら寒い冬を快適に過ごせるでしょう。
限られた空間を温める目的で使用する
ダイソンホットアンドクールの暖風機能は、限られた空間やスポットを暖める目的で使用するのがおすすめです。
冷えがちな足元を暖めたり、キッチンでの調理中に使うスポット的な暖め方をしたりと、必要な部分だけに熱を集中させると不要なエネルギー消費を避けられます。
また、リビングルームを暖めたい場合にはリビングのドアや隣接する部屋への通路を閉じることで、暖風によって温まった空気を逃さず、効率の良い暖房利用ができます。
サーキュレーター等で空気を循環させる
ダイソンの暖風と併用して、サーキュレーターなどの家電を併用して、暖かい空気を部屋中に均等に行き渡らせるのも、暖房器具の効率を向上させるポイントです。
ダイソンの暖房器具は高い効率性があるものの、空気循環が行なわれなければ暖かい空気が1箇所に留まりがちです。
サーキュレーターを使用すると、暖かい空気を部屋全体に効率良く拡散させることができ、暖房器具から発生する熱を最大限に活用できるのです。
サーキュレーターをダイソンホットアンドクールの近くに配置し、暖かい空気が循環しやすい風の流れを作るといいでしょう。
湿度を調節して体感温度を上げる
人が快適さを感じられる湿度は一般的に40~60%とされており、この湿度範囲を維持することで、空気が乾燥しすぎず暖房をより暖かく感じられるようになります。
特に冬場は乾燥しがちな時期なので、ダイソンホットアンドクールと加湿器を併用して使用すると、室内を理想の湿度環境に保ちながら、快適な室温へ整えられます。
加湿器を併用していれば、ダイソンの設定温度を1~2度低く設定しても体感温度がほとんど変わらずに感じられるでしょう。
カーテンやラグなども使い、冷気の侵入を防ぐことも湿度の維持に効果的です。
ダイソンよりエアコンの方が電気代が安い!
本記事では、ダイソンの暖房器具と家庭用エアコンの電気代を比較し、どちらが経済的に有利かを検討しました。
一般的な使用条件下ではエアコンのほうが電気代が安いことが明らかになりました。
ダイソンはスポット的な暖めや涼風を目的とした家電で、エアコンは室内全体をすばやく冷暖房運転する目的の家電なので、あくまで電気代の目安として参考にしてください。
ダイソンのホットアンドクールは、スポット的な涼風・暖風の使用だけでなく、空気清浄機としての機能も果たすすぐれものです。
1台で複数役をこなしてオールシーズン使える家電が欲しい人にはぜひおすすめしたい1台です。
本記事でホットアンドクールのメリットや誤解されやすい機能面について正しい知識を身につけ、購入時の判断材料としてみてください。