パソコンはメインモニターと別に追加のモニターを用意すれば、2画面で表示できるようになります。(デュアルディスプレイ)
パソコンを使っているときに、「1画面では十分な広さが確保できない」「複数の資料などを表示しながら作業をしたい」と思う場面は多くありますよね。
そんな時はパソコンを2画面表示にすることで、画面を複製・拡張できるので作業効率が上がるだけでなく作業中のストレスなども軽減されます。
この記事ではパソコンを2画面で表示する方法や必要な環境、チェックしておきたいポイントなどを解説していきます。
パソコンを2画面表示にするために必要な環境・機器
パソコンを2画面表示するために必要な機材は、パソコン本体と自分が必要としている数の外部モニター、外部モニターを接続するケーブルです。複数の画面に表示する機能は元から備わっているので、ケーブルさえ繋げば簡単に2画面にできます。
ただし、パソコン側にケーブルを接続するための出力端子があるかどうかは確認しなければいけません。
また、パソコンは2画面以上の表示もできますが、画面数を増やしても安定して動くかどうかはパソコン性能に依存します。パソコン性能が低ければ反応速度などが遅くなるので、動画編集やゲームなど重い使い方をする場合は注意が必要です。
パソコンを2画面表示にするためのポイント
パソコンを2画面表示にするためのポイントは、パソコン側に接続できる端子があるか、パソコン・モニターに合った端子の種類か、の2点です。
端子などを確認せずにケーブルを購入してしまうと対応していない可能性があるため、購入する前にパソコン・モニターの端子を確認してください。
具体的な端子の形について自分では判断ができないなら、写真を撮ってどのケーブルを購入すれば良いか店員さんなどに相談するのがおすすめです。
パソコン側に接続できる端子があるか確認
パソコン側に接続できる端子があるか確認をしましょう。画面を映すための出力端子は、マザーボードかグラフィックボードに付いています。
接続できる端子が空いてなければ外部モニターに出力できません。
ただし、パソコン側にディスプレイ用の端子がなくても、USBポートがあれば他のアクセサリーを使用して解決できる場合もあります。
グラフィックボード
グラフィックボードは、映像や画像をディスプレイに映すための部品です。独立したグラフィックボードを搭載している場合は、グラフィックボードにモニターを接続しましょう。通常はマザーボードやCPUに組み込まれていますが、スペックの高いパソコンは独立したグラフィックボードが搭載されています。特にゲーミングデスクトップパソコンではゲーム画面を美麗にするために高性能なものが採用されています。
デスクトップパソコンでは外部モニターを最低1つは使用するため、基本的には2画面以上での表示を想定して出力端子は2つ以上設置されているのが特徴です。
マザーボード
マザーボードはパソコンの心臓部といえる重要な基盤です。エントリーモデルの安いパソコンやグラフィック性能を重視していないパソコンは独立したグラフィックボードを積んでいないので、出力ケーブルをマザーボードに接続します。
付いている端子はマザーボードによって異なりますが、多くの場合ではDVI端子とHDMI端子が標準的に搭載されているケースが多いです。
マザーボードが破損してしまうとパソコン全体が壊れてしまうため、規格に合っていない端子を無理やり出力端子に押し込むのは絶対にやめてください。
ノートPCの外部端子
ノートパソコンの外部端子は側面や背面に搭載されています。対応している接続端子が一種類の場合が多いため、注意して確認しておきましょう。
また、外部モニター以外でも端子を使用しているなら、状況に合わせてドッキングステーションを活用するなどの対策をしなければいけません。
パソコン・モニターに合った端子の種類を選ぶ
パソコン・モニターに合った端子の種類を選んでケーブルを購入しますが、パソコン側とモニター側の端子が同じである必要はありません。
ケーブルによっては両側が違う端子になっている製品もあるので、大切なのはパソコン・モニターの端子を確認して間違えないよう購入することです。
HDMI
HDMIは多くのパソコンで使用されている端子であり、高品質な音と映像を再現できます。最も主流なタイプなので、HDMIを選んでおけば困ることはありません。
パソコン以外でも、Nintendo SwitchやPS5などゲーム機などにも採用されている規格です。家電などさまざまな機器に使われているので、ケーブルを使いまわせる点も便利ですね。
DisplayPort
Display Portは高解像度や高リフレッシュレートに対応した、HDMIよりも高性能な規格です。8K・240Hzに対応しているため、美麗で滑らかに動く映像を映しだせます。医療現場などビジネス用の液晶ディスプレイに多く採用されており、近年では高性能なパソコンやグラフィックボードにも搭載されるようになってきました。
しかし、一般的な用途で8Kを必要としている人は多くありません。また、HDMIでも240Hzには対応しているので、Display PortとHDMIどちらも搭載されている場合は、どちらを選んでも変わらないと思っていいでしょう。
HDMIよりも高品質な音と映像が再現できるだけでなく、使用する外部モニター次第では充電をしながら映像出力もできます。
DVI
DVIはHDMIの前に使われていた規格です。デジタル信号に対応したDVI-Dは、HDMIと比べても映像の綺麗さに差はありません。しかし、映像しか出力できないため、音声を出力するには別途ケーブルが必要です。
近年ではパソコン側に採用される機会は少ないですが、DVI端子は世界でも初めてのデジタルディスプレイ端子として注目されました。古い端子なので優先して選ぶ理由はありませんが、映像出力だけであればDVIでも困ることはありません。
D-Sub
D-SubはDVIと同様古い規格です。現在では使用されているパソコンや外部モニターの新商品も少なくなりましたが、アナログ接続端子として過去にはさまざまな機器で活躍をしていました。
D-Subも映像出力のみで音声には対応していないため、音声を送るには別途ケーブルが必要です。
パソコンを2画面表示にする設定方法
パソコンを2画面表示にする方法はWindowsとMacでそれぞれ違うため、自分自身が使用しているOSに合わせて適切な方法で設定をしてください。
また、2画面表示をした後にはそのままの設定では使いにくいケースもあります。自分が使いやすいように後述する方法でカスタマイズをすれば、さらに作業効率向上につながるでしょう。
それぞれのOSでの2画面表示にする設定方法についても解説します。
Windowsの場合
Windows 10で2画面に表示するための手順を解説します。
まずは2台目のモニターをパソコンと接続してください。次にデスクトップ画面で右クリックをするとメニューが開かれるので、その中からディスプレイ選択します。ディスプレイを設定できる画面になるので、項目の中の「複数のディスプレイ」から「表示画面を拡張する」を選択しましょう。
すると画面の表示が変更され2画面に表示されるので、「変更の維持」をクリックして決定すれば完了です。
Macの場合
Macで2画面に表示するための手順を解説します。
まずは2台目のモニターをパソコンと接続してください。アップルメニューから「システム環境設定」のディスプレイを選択し、その中から「ディスプレイ」を選びます。
ディスプレイを設定できる画面になるので、使用しているディスプレイの名前をクリックしてミラーリングを選択し、複製、拡張ディスプレイを選択します。自分が使いたい方法を選んでください。
2画面の表示をカスタマイズする方法
2画面の表示をカスタマイズする方法について理解しておけば、作業に合わせて自分が使いやすいように画面切り替えができます。
カスタマイズする方法には主に表示画面の複製・拡張を変更する、メインディスプレイを切り替える、ディスプレイの向き・配置を変更するの3つが挙げられます。
1つ1つのカスタマイズ方法や、カスタマイズをすればパソコンの2画面表示がどう変わるかも解説するので参考にしてみてください。
表示画面の複製・拡張を変更する
パソコンを2画面に表示する場合、表示画面の複製・拡張が変更できます。
- 複製:2画面両方に同じ画面を表示させる
- 拡張:2台の画面を繋げて表示させる
表示画面の複製では同じ画面を2つのモニターに表示することから、プレゼンテーションなど他の人に画面を見せながら操作したい場面で便利です。自分が使用しているパソコンとは別に、プロジェクターなどを使用して大画面で他の人に見せるような使い方ができます。
拡張は1つの画面をそのまま大きく表示する方法で、2台の画面がつながっている状態です。メインディスプレイに作業用のページを開いて、サブディスプレイに資料を表示するなど、効率良く仕事ができるようになります。
メインディスプレイを切り替える
2画面表示ではメインディスプレイを自分で変更できます。例えばノートパソコンの画面が小さくて見にくいなら、外部モニターをメインディスプレイとして使用するなどの活用をすると便利です。
また、デスクトップパソコンでは必ず外部モニターを使用するため、解像度やフレームレートが高い外部モニターをメインディスプレイにして、解像度やフレームレートが低い外部モニターをサブディスプレイにするのがおすすめです。
ディスプレイの向き・配置を変更する
ディスプレイの向き・配置を変更するのは画面拡張で使用するなら重要な設定です。サブディスプレイはメインディスプレイから見て、上下左右のどこに配置をするかを自由に変更できます。
ディスプレイを拡張で使用している場合は、拡張した画面をどこに置いておくかで作業効率が変わります。
パソコンを使用する際の目的に合わせてディスプレイの向き・配置を変更をしますが、実際に外部モニターを置いている位置に合わせてディスプレイの配置をすれば使いやすいでしょう。
まとめ
今回はパソコンを2画面で表示する方法などについて解説をしてきましたが、ポイントは以下の3つです。
- パソコンを2画面表示するには外部モニターとケーブルが必要
- パソコンとモニターの端子を確認する
- 2画面の表示をカスタマイズする
ケーブルの端子は、主流であるHDMIを使っておけば問題ありません。多くのパソコンやモニターで採用されています。
しかし、HDMIのポートが1つしかない場合、メインディスプレイで埋まっている可能性があります。そうなると2枚目のモニターは違う端子に繋ぐ必要があるので、接続する端子の種類をしっかり確認しなければいけません。
使う予定のモニターとパソコン側の空いている端子の種類をチェックしてからケーブルを購入しましょう。
また、2画面表示で快適にパソコンを使用するには、カスタマイズについてもこだわって設定するのがおすすめです。使いやすい設定にしておけば作業効率もアップしますよ。