ロボット掃除機といえば家の掃除を自動で行ってくれる便利な家電です。ファミリー向けでお部屋の数が多い家などに重宝されているように感じる家電ですが、一人暮らしの方で購入を検討している方もいるのではないでしょうか。一人暮らしにもロボット掃除機は必要なのか、実用性や特徴などから解説していきます。
一人暮らしにロボット掃除機は必要？
一人暮らしにロボット掃除機が必要かどうかは、その人の生活スタイルによって異なります。例えば、毎日忙しく外出することが多い人は掃除の時間を確保することが難しいため、ロボット掃除機があると便利です。
また、ペットを飼っている人は、ペットの毛が散らばることが多いため、ロボット掃除機があると掃除が楽になります。
一方で、一人暮らしの部屋が狭い場合や、掃除があまり必要ない場合は、ロボット掃除機を導入する必要はありません。また、ロボット掃除機は高価なものが多いため、予算に余裕がない場合も注意が必要です。
ロボット掃除機の基本機能とメリット
ロボット掃除機は自動で掃除を行ってくれる便利な道具ですが、掃除をする以外にも基本的に備わっている機能があります。販売されているモデルによって機能の有無や違いはありますので、気になる機能がある場合は検討しているモデルに搭載されているか確認してみましょう。
基本機能
ロボット掃除機の基本機能は以下のとおりです。
- 自動充電、自動再開機能
お掃除の途中にバッテリーが不足すると自動的に充電ステーションで充電し、充電が完了すると中断した場所から掃除を再開する機能です。
- 衝突防止機能
超音波センサーやレーザーセンサーで家具などの障害物を検知し、当たらないように走行する機能になります。
- 段差・落下防止機能
玄関や階段など段差を検知し、落下を防止する機能です。
- からまり防止機能
ブラシにカーペットやラグが絡まった場合に自動で停止する機能です。
その他にも異物を吸い込んだ場合にも自動停止してくれるため、故障を防ぐことができます。
さらに、ロボット掃除機には予約機能が付いているものがあります。これにより自分が外出している間に掃除を行うことができます。中にはスマートフォンアプリが付いているものもあり、どこにいてもスマートフォンから予約することが可能です。
ロボット掃除機のメリット
続いてロボット掃除機を使用するメリットをいくつかご紹介します。
- 掃除が楽になる
お仕事が忙しい方は毎日掃除することが難しく「休日にまとめて掃除をする」なんてことも多いのではないでしょうか。
いくつかある掃除の中でも床のお掃除を自動化するだけで、日々のお掃除の手間を減らすことができます。
- お部屋をきれいに保てる
ロボット掃除機は、時間を指定して毎日決まった時間に掃除をするように設定することが可能です。お部屋の間取りや掃除経路を学習してくれるモデルもあるため、人間が掃除機をかけるよりも効率良く掃除することができる場合もあります。
日頃は忙しく、毎日はお掃除が難しいという場合でもきれいな状態を保つことができます。
- 床拭きタイプもある
床拭き機能を持ったロボット
掃除機には、ウェットモードとドライモードの2つのモードがあります。
ウェットモードでは水を噴射しながら床を拭き、ドライモードでは乾いたクロスで床を拭きます。
また、床拭きタイプのロボット掃除機は床材に応じてクリーニングヘッドの高さを自動調整する機能を持っているものもあるため、傷が心配な方にもおすすめです。
ただし、床の素材によっては使えない場合もあるために留意しておきましょう。
- 掃除機が入らない場所の掃除
ソファや机の下などの手の届かない場所や掃除の面倒な場所にもスッと入ってくれるため、手作業で掃除するよりも効率的に掃除ができます。
- さまざまな学習機能を搭載
部屋の環境を学習して記憶するスマートマッピング機能や、ゴミが特に多い場所を検知して集中的に掃除するダートディテクトテクノロジーなどの高機能なロボット掃除機も販売されています。
より効率的に掃除してくれるのはもちろん、機械でありながら機械的にならずに念入りに掃除してくれるという優れものです。
- 時短であり時産
ロボット掃除機の利点はなんといっても掃除の時間、手間を省けることです。捻出した時間を趣味やプライベートの時間に費やすことが可能です。
一人暮らしの生活スタイルと掃除機の必要性
一人暮らしとはいっても、人それぞれ生活スタイルや生活環境は違います。
自分の生活スタイルにはロボット掃除機は向いていないのではないかと思っている方もいるのではないでしょうか。
生活スタイルや生活環境によって生じる懸念点と解決方法について紹介していきます。
- 仕事が夜勤の場合
夜の仕事に行っている間に掃除機をかけたいという場合、アパートやマンションだと音が響く可能性があります。
静音性に特化したタイプにするか、日中の空いた時間に掃除機をかけることで解消できます。
- 部屋の家具が多い、部屋が狭い
家具が多かったり、部屋が狭いと掃除機が走行する範囲が狭くなってしまうため、ロボット掃除機の特性を活かすことができません。
床には極力物を置かないようにし、コンパクトな形のロボット掃除機を選ぶことをおすすめします。
以上のように、夜に使いたいや部屋が狭いなどが懸念点の場合は、生活環境を少し変えたり懸念点を解消できるモデルを選ぶことによって気にせず使用することができます。
ロボット掃除機のデメリットと注意点
ロボット掃除機はとても便利な掃除道具である反面、知っておくべきデメリットや注意すべき点などがあります。
使い方次第では怪我や火災などに繋がることもあるため、取り扱いには十分注意するようにしましょう。
デメリットと使用する際の注意点について解説していきます。
ロボット掃除機のデメリット
ロボット掃除機のデメリットは以下のとおりです。
- 床の上に物を置けなくなる
床の上に物があると掃除機の進行を妨げる原因になってしまいます。特に一人暮らしの場合、お部屋もそんなに広くないため、床に沢山物を置いてしまうと掃除機が動ける範囲が狭くなってしまいます。
- 音がうるさい
最近は静音に優れたモデルも販売されていますが、一般的なロボット掃除機の動作音は大体60～76㏈程度が主流となっています。集合住宅や夜間に使用したい場合は、静音性に特化したモデルを選びましょう。
- 掃除するのにある程度時間が掛かる
14畳程度のお部屋にかかる平均の掃除時間は40～60分程度になります。ちょっとした場所の掃除や急いでいる場合は、自分で掃除した方が速い場合もありそうです。
- 部屋の角がきれいにならない
大体のロボット掃除機は形が丸いため、部屋の角の掃除が難しいことが弱点です。
- 段差に弱い
ロボット掃除機のモデルによっては段差に弱く、1，2㎝程度の段差やカーペットなどを障害物だと判断する場合があります。
カーペットや部屋の仕切りに段差がある場合は、段差に強いロボット掃除機を選ぶようにしましょう。
使用時の注意点
取り扱い説明書をよく読んで使用することはもちろんですが、使用方法によっては故障や危険な状況に繋がることもあります。
使用時に注意したい点は以下のとおりです。
- ストーブや加湿器などは安全な場所に移動させておくこと。
過去にロボット掃除機がストーブを押して、ソファを燃やしてしまうという事象が発生しています。火災や漏電などの原因になってしまうため、ストーブや電化製品は避けておくようにしましょう。
- ホースやコード類は片付けておくこと。
ホースや家電のコードが床にある状態でロボット掃除機を動かすと、巻き込んでしまい故障や傷の原因になってしまいます。
- ロボット掃除機の上に動物や小さなお子様が乗らないように注意すること。
本来の用途では無いという点はもちろんですが、故障や怪我の原因に繋がるため乗らないようにしましょう。
最近ではロボット掃除機のデメリットとなる部分を解消したモデルも多く登場しています。注意点に関しては大きな事故に繋がる可能性もあるため、使用する前に必ず安全な状態か確認してから運転するようにしましょう。
ロボット掃除機の選び方
髪の毛やペットの毛などの吸引力をチェック
ペットの毛や床に落ちた髪の毛が気になる方は、ロボット掃除機の吸引力をチェックしましょう。
髪の毛やペットの毛は、長ければ長いほど吸い込む力が必要になります。吸引力が高いほどカーペットや床に付着した細かい汚れまで浮かせて吸い込むことが可能です。
床に落ちた毛が気になる方は吸引力が高いロボット掃除機を選ぶようにしましょう。
また、ブラシタイプの掃除機だと毛が絡まりやすいため、お手入れのしやすいゴムやシリコンタイプかダイレクト吸引タイプのロボット掃除機がおすすめです。
サイズや形状をチェック
一人暮らしにぴったりなロボット掃除機を選ぶ際には、サイズと形状に注目することが大切です。家具の下や狭い場所に入り込んで掃除することが可能なモデルもあれば、家具の下に入り込めなかったり、障害物にぶつかってしまい隅々まで掃除できない場合もあります。
一人暮らしの場合は、間取りに合わせて横幅が300mm程度のコンパクトなモデルがおすすめです。また、高さが70mm程度の薄型のロボット掃除機だとソファーやベッドの下など、人の手では届きづらい場所も綺麗に掃除できます。
形状については、三角形のロボット掃除機がおすすめです。形が三角のため小回りが効き、従来の掃除機では難しかった部屋の隅のホコリもきちんと吸い取ってくれます。
手入れのしやすさをチェック
最後に、手入れのしやすさをチェックしましょう。ロボット掃除機は、定期的にメンテナンスすることによって、長く使うことができます。
以下のポイントを抑えることで、お手入れがしやすくなるため参考にしてみてください。
- 部品の取り外しが簡単
ダストボックスやフィルター、ブラシなどは定期的にメンテナンスが必要になります。
簡単に着脱ができるものを選ぶことで、お手入れしやすくなります。
- 部品の水洗いが可能
取り外した部品は水洗いすることでより清潔な状態を保つことができます。
ほとんどのメーカーでは水洗いに対応していますが、一部では対応されていないものもあるため、購入の前に確認しましょう。
- ダストボックスの容量が大きい
ダストボックスの容量が大きいとゴミを捨てる頻度が減るため掃除が楽になります。
ですが、食べカスやペットの毛などを吸い込んだ状態で放置すると、臭いの原因になるため定期的にゴミを捨てるようにしましょう。
- 自動でゴミを回収してくれる
少し価格が上がりますが、モデルによってはロボット掃除機で吸い込んだゴミを自動で回収してくれるものもあります。
掃除の度にゴミを回収してくれるため、吸引力も落ちないのが特徴です。
ロボット掃除機の実用性と効率性
ロボット掃除機は、一人暮らしの方にとっても実用的な家電製品です。また、自動で掃除を行うため、掃除時間を節約することができます。さらに、多くのモデルがスマートフォンと連携できるため、外出先からでも操作が可能です。掃除の負担を軽減しつつ、時間の節約にもつながるため、一人暮らしの方には特におすすめです。
ロボット掃除機の掃除効率と時間の節約
ロボット掃除機は自動で掃除を行うため掃除時間を節約することができます。
また、多くのモデルが部屋のマッピングに対応しており、効率的に掃除を行うことができます。さらに、スケジュール設定機能を利用すれば、自動で掃除を行う時間を設定することができます。
ソファの下や手が届きづらい場所なども難なく念入りに掃除することができるため、家具をずらしたりという手間が必要ありません。
これにより自分で掃除する手間を省きつつ、掃除時間を効率的に使うことができます。
メンテナンスと長期的なコスト
ロボット掃除機は定期的なメンテナンスが必要になってきます。
使用頻度によって異なりますが、1ヶ月に1回程度のメンテナンスが推奨されています。
以下は、基本的なメンテナンスの方法になりますが、お使いの機種によって異なる点もあるため取扱説明書をよく読んで行うようにしましょう。
ダストボックスの掃除
ダストボックスにゴミを沢山溜めてしまうと、吸引力の低下やゴミの吐き出しの原因になってしまうため、定期的にゴミを捨てるようにしましょう。
水洗い可能な場合は水で汚れを落とした後、よく乾かしてから再度ダストボックスを装着してください。水洗いできない場合は、ブラシで汚れを落とすことが必要です。
フィルターの掃除
フィルターを取り出しブラシで汚れを落とすか、水洗い可能であれば水で汚れを落としましょう。水洗いした後によく乾かさずに装着してしまうと、故障や臭いの原因となってしまうため、必ず乾燥させるようにしてください。
また、使用する機種にもよりますが2ヶ月から3ヶ月に1回の頻度でフィルター交換を行うことが推奨されています。
ブラシの掃除
ブラシタイプのロボット掃除機の場合はブラシを取り出し、汚れを落とす作業が必要です。
ブラシを取り外した後、埃や毛が絡まっている場合は丁寧に手で取り除いてください。水洗いした場合はよく乾燥させてから掃除機にセットするようにしましょう。
本体の掃除
ロボット掃除機の本体は水洗いに対応していないものがほとんどです。
乾いた柔らかい布で優しく汚れをふき取るようにしてください。また、充電ステーションにも埃が付着しているため、合わせて拭き取るようにしましょう。
メーカーによっては、ダストボックスの自動排出機能を搭載しているものもあります。この場合、ダストボックスの掃除は不要になります。
以上のように、ロボット掃除機のメンテナンスには、ダストボックス、フィルター、ブラシ、本体の掃除が含まれます。定期的なメンテナンスを行うことで、ロボット掃除機の長寿命化につながります
ロボット掃除機の長期的なコストについて
ダストボックスの掃除やフィルターの交換など手入れが簡単なモデルもありますが、長期的なコストを考えるとメンテナンスが煩わしいと感じる方もいるかもしれません。
また、ロボット掃除機は購入時の価格が高いため、長期的なコストを考えると自分で掃除をするよりも高くつく場合があります。
しかし、掃除の負担を軽減できるため、健康面や時間の節約を考えるとコストパフォーマンスは高いと言えます。
まとめ
一人暮らしのお部屋であってもロボット掃除機を使用することは可能ですが、お部屋の間取りや普段の掃除の頻度によっては、ロボット掃除機の使用が向いていない場合もあります。
また、ロボット掃除機を使用することによるデメリットもあるため、自分の生活スタイルにマッチするかを慎重に検討することが必要です。
ですが、近年一人暮らしの方向けのコンパクトで低価格なロボット掃除機も販売されています。
掃除の時間を確保することが難しい方や、ペットを飼っていて床に落ちた毛が気になっている方は検討してみてはいかがでしょうか。
