掃除機を扱う上で、軽さはとても重要です。最近は、軽量であることにこだわった掃除機が多くなっていますが、できれば機能性も十分に兼ね備えたものを選びたいですよね。今回は、軽さだけでなく、高い性能も備わった掃除機選びのポイントについて紹介いたします。
軽量掃除機のメリット
軽量掃除機は、もはや掃除機の定番です。多くの方に選ばれる理由にもつながる、メリットについて見ていきましょう。
軽さが新たなスタンダードに
最近は、各メーカーが軽量掃除機を販売しています。軽い掃除機は、誰でも扱いやすく利便性も良いことから、多くの方が重視するポイントです。
中には、わずか500g程度のものもあり、ひと昔前のように重たい掃除機を引きずって移動することなく、軽々と持ち運びできます。さまざまなメーカーが、「軽い」ことに加えて便利な機能を搭載した掃除機をリリースしており、もはや「軽い」ことはスタンダードになっているとも言えます。
掃除の効率化と時短を実現
軽量掃除機は、「軽くて便利なものの吸引力は強くないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、最近は吸引力に優れた掃除機が多くなっており、カーペットや絨毯などの掃除にもしっかり使えるものもあります。
床の掃除だけでなく、掃除機本体を持ち上げヘッドを上に向けて使用することも簡単です。カーテンレールやエアコンなど高い位置をサッと掃除したい時にいつもの掃除の延長で行えます。一台で掃除できる範囲が増えれば増えるほど、掃除は効率的になり時短にもつながるでしょう。
コードレスで充電して使えるタイプなら、家の隅々や車の中の掃除もしやすく便利です。さまざまな場所の掃除に対応できる、細身のノズルなど付属品が充実しているタイプをチェックしてみましょう。
コードレスタイプなら、コードが家具にひっかかったり電源の有無を気にしたりする必要もありません。コードが届く範囲でしか使えないというデメリットもないため、充電がしっかりできていれば家中の掃除がスムーズに行えるでしょう。
収納しやすい・持ち運びが便利
軽い掃除機は、収納がしやすいことも大きなメリットです。軽量にこだわった掃除機の多くはシンプルかつスリムなものが多く、収納時にかさばったり場所を選ぶこともありません。ラックなどに簡単にかけて置いておけるものも多いです。コンパクトで邪魔になりにくいため、スッキリとした見た目のお部屋を好む方にもぴったりでしょう。
また、軽さゆえに持ち運びにストレスを感じにくい点も魅力です。2階建て・3階建ての家でも、軽々と掃除機を持って階段の上り下りができ、階ごとに掃除機を用意する必要もなくなるかもしれません。ご高齢の方や、妊娠されている方、重たいものを持つことが難しい方などには、特にその利点を感じやすいのではないでしょうか。
高性能な軽量掃除機の選び方
価格や軽さだけに注目して掃除機を選ぶと、後悔するかもしれません。特に、吸引力や持続力、使い勝手といった面でも満足のいくものを選ぶ必要があるでしょう。できるだけ高性能な軽量掃除機を選ぶために、以下のポイントにも注目して選んでみてはいかがでしょうか。
吸引力と軽さのバランス
サイクロン式の場合、こまめな掃除によって吸引力は持続しやすいですが、だからといって吸引力が強いとは限りません。もともと備わっている吸引力をよく確認しましょう。
吸引力は、「吸入仕事率」で把握することが可能です。この数値が大きければ大きいほど、吸引力が高いことを表します。掃除機にはさまざまなタイプがあり、分類方法もいくつかありますが、形状で言えばスティック型よりもキャニスター型の方が高い吸引力を持っている傾向にあります。
キャニスター型は、タイヤのついたモーター部分と手に持つヘッドのついた部分がホースでつながっている、従来型のタイプです。給電はコンセントに挿して行うものが大半で、紙パック式を採用している製品が多いのも特徴。吸引力に持続性があり、最近は軽量化しているものもたくさんあります。
一方、スティック型は、本体とヘッドが1本のパイプで連結しているタイプで、キャニスター式のようなタイヤのついたパーツはありません。スラリとした形状で、小回りもききやすく、全体的に軽量化されています。
一般的には、キャニスター型の吸入仕事率は300~500w程度。スティック型は20w~100w程度となっていますが、これも製品により異なるため一概には言えません。より吸引力の高い掃除機を重視したいのであれば、キャニスター型の中から軽量化されたもので候補を絞るのも良いでしょう。
吸入仕事率は、すべての掃除機に記載してあるわけではないため注意が必要です。特に、コードレス掃除機の場合、バッテリーの充電状態や劣化で吸引力が変わってくるため、明記されていないこともあります。コードレス掃除機から選ぶ場合は、バッテリーの性能の高さに着目すると良いでしょう。
コードレス vs コード式 どちらを選ぶ?
掃除機には、コンセントをさして給電しながら使用するコード式と、バッテリーを内蔵しているコードレスタイプがあります。
コードレスタイプは、充電しておけばコードが引っ掛かることなく、あちこち縦横無尽に使用できるという点がメリットです。しかし、充電残量によっては本来持っている吸引力が発揮できず、やや物足りなさを感じる場面もあるかもしれません。
一方、コード式の掃除機は、コンセントとの距離を考え、コードの長さが足りなければ他のコンセントにさし変えるといった手間がかかりますが、吸引力は持続しやすいという点がメリットです。掃除の途中でバッテリー切れを起こす心配もなく、広い家でも長い時間使い続けることができます。
紙パック式とサイクロン式 どちらを選ぶ?
1990年頃から、日本ではダイソンのサイクロン掃除機が一気に注目を集め、その後はサイクロン掃除機の定番とも言える地位を確立しました。国内メーカーも続々とサイクロン掃除機を開発・販売で競争し、今や多くのメーカーの掃除機の上位に選ばれるほどです。
しかし最近は、また紙パック式の掃除機の人気が高まりつつあると言います。紙パック式は、セットした紙パックにごみが集まった段階で新しいものへ交換するという簡単な手間だけで使える点が便利です。重いものもありますが、今は紙パック式も軽量化へと移行してきた関係で、使いやすさにもつながっています。
紙パック式とサイクロン式の吸引力の差は、実際のところ甲乙つけがたいレベルになっています。吸引力を重視して選びたい場合は、個別に吸入仕事率を見て判断する必要があるでしょう。ただ、紙パック式かサイクロン式のいずれかで悩む場合は、それぞれのメリットとデメリットをよく把握して選ぶことも大事です。
紙パック式のメリット・デメリット
紙パック式は、ゴミの手入れが簡単で手も汚れにくい点がメリットです。通常の掃除なら1回の掃除で紙パックがいっぱいになることはないため、サイクロン式に比べると手入れの手間も少ないでしょう。機種によって重量は異なり、軽量化しているものも多いですが、中には重めのものもあります。
また、紙パックは消耗品のため、ストックを切らさないように気を付けなければなりません。うっかり買い忘れてしまうと、掃除を中断して急いで買いに走ることになるでしょう。紙パックにゴミが溜まっていくにつれ、吸引力は落ちてくるのもデメリットです。
サイクロン式のメリット・デメリット
サイクロン式の場合、紙パックのような消耗品を購入する必要がありません。どのくらいゴミが溜まっているのかを目で確認できるため、掃除のしがいもあるでしょう。こまめな掃除を行えば、吸引力も持続しやすい点もメリットです。しかし、溜まったゴミを捨てる頻度は紙パック式よりも多くなりがちで、ごみ捨ての際はゴミに触れる可能性もあるため、気になる場合はゴム手袋をはめる必要も出てくるでしょう。
ユーザーレビューや口コミランキングを活用する
掃除機の購入時には、ユーザーレビューや口コミランキングも役に立ちます。実際の使い勝手やコスパなど、多くの人の意見を参考にすると後悔も少なくなるでしょう。レビューを確認する際は、良い口コミばかりでなく、イマイチな口コミにもしっかりと目を通して、それぞれのメリットとデメリットを見比べながら選ばれることをおすすめします。
失敗しない掃除機の選び方
できれば、自分にぴったり合って長く満足して使える掃除機を見つけたいと思うでしょう。価格や見た目だけにこだわりすぎると、肝心の使い勝手や性能の部分に目が行き届かず、後悔してしまう可能性が高くなります。購入後に「失敗した」と悔やまないように、以下のポイントをチェックして選んでみてはいかがでしょうか。
避けたい掃除機の特徴
まず、多くの方が不便に感じやすい、以下の特徴を持った掃除機は避けた方が無難です。
集塵方式と掃除機の型の相性が悪い
掃除機の集塵方式には、紙パック式とサイクロン式があります。そのメリットとデメリットは先ほどご紹介したとおりです。掃除機は、集塵方式による分類だけでなく、形による分類も可能で、その組み合わせによってはあまり相性がよくない可能性もあります。ここで、掃除機にはどのような形があるのかも、簡単にチェックしておきましょう。
キャニスター型
ヘッドと本体が別々になっている、昔からある形のコード付き掃除機です。本体にはタイヤがついていて、コードの長さが足りる範囲で掃除ができます。小回りの面ではデメリットもありましたが、近年は軽量化・小型化がすすんでおり、人気が再燃しているとも言われています。吸引力に優れたタイプが多く、ゴミを貯める容量が大きい点も特徴です。
スティック型
本体とヘッドが直線につながった、スリムな形状をしています。コード付きとコードレスの両方があり、小回りがききやすい点も特徴です。部品をはずして、ハンディ式としても使えるタイプもあり、収納場所に困らないことから人気も高いです。吸引力については製品によりバラつきがありますが、キャニスター式よりは弱い傾向にあります。
ハンディ型
ソファやテーブルの上、自動車のシートなど、気になるところだけ掃除するときに便利です。広い部屋の掃除には向かないため、掃除場所に応じて使い分けたい人に選ばれやすいでしょう。
ロボット掃除機
スイッチ1つで掃除機が自動的に床のゴミを吸い取ってくれるロボット掃除機は、ひと昔前に比べて性能の違いを感じやすいのではないでしょうか。忙しい人でも、掃除機を定期的にかけることができます。家の環境にもよりますが、フラットな床で家具等が整然と配置されていれば、導入しやすい掃除機です。
スティック型と紙パック式の組み合わせは吸引力をよくチェックする
ここで注意が必要なのは、掃除機の型と集塵方法の組み合わせです。紙パック式の場合、吸引力は基本的には強いですが、ゴミがたまってくるにつれ吸引力が弱くなりやすいという欠点があります。特に、スティック型のように、ダストボックスの小さな型の掃除機との組み合わせでは、早々に吸引力が弱くなる可能性があり、注意が必要です。
ヘッドのパワーブラシに対応していない
カーペットや絨毯に付着したゴミがなかなか吸えず、何度も同じ場所に力を込めて掃除機をかけた経験がある方は、その苦労が分かるでしょう。軽量の掃除機は、本来ならば軽くて負担が少ないはずなのに、すぐに疲れてしまうというミスマッチや、絨毯等のゴミが吸いにくいという問題は、ヘッドの部分のパワーが足りない可能性があります。
掃除機のヘッド部分にもいくつかの種類があり、価格が手頃な掃除機の場合、ヘッドの部分はターボブラシや一般ブラシであることが多いです。しかし、これらはカーペットや畳のゴミまでは取りにくく、かえって疲れてしまうことも。できれば、パワーブラシや自走式パワーブラシに対応した掃除機の方が満足しやすいでしょう。
保証やアフターサービスが充実していない
掃除機に限らず、家電製品は保証やアフターサービスの内容も重要です。必ずしも、有名メーカーが良いとは言い切れませんが、有名メーカーならトラブルが発生した際の体制にも期待が持てます。一方、あまり聞かないメーカーの場合、保証やアフターサービスがないことも珍しくなく、注意が必要です。
低評価のレビューがあまりにも多い
レビューを見て、明らかに低評価ばかりが目立つようなら、購入を避けた方が良いでしょう。もちろん、人により価値観や求める機能は違うため、どんなに優れた製品でも少なからず低評価のレビューはあります。しかし、その割合があまりにも多い場合、多くの人が「合わない」と感じていることから、自分にとっても満足できない製品となる可能性が高くなります。
コストパフォーマンスを考慮した選び方
できるだけリーズナブルで、かつ性能の良い掃除機を探すには、いくつか見るべきポイントがあります。予算によっては、理想どおりにいかないこともあるでしょう。しかし、いくつかの基準を設けてできる限り理想に近いものを選ぶとコスパに優れた掃除機を見つけやすくなります。
見るべきポイントは、主に以下の4点です。
- 電源方式(コード式かコードレスか)
- 集塵方式(紙パックかサイクロンか)
- ヘッド(パワーブラシや自走パワーブラシがついているか)
- 機能(自動クリーニング機能や、LEDライトの有無等)
これらは、何を選ぶかでメリット・デメリットが変わります。自分にとっての使いやすさ、使う場面を想定して選ばれることをおすすめします。
メンテナンスと耐久性を考慮して選ぶ
掃除機の寿命は、一般的には6年~8年程度と言われることが多いです。もちろん、製品の品質や掃除の時間・回数、使い方も寿命に大きく影響します。
掃除機の形状別に考えると、最も寿命が長いとされるのは、紙パック式のキャニスタータイプです。紙パック式の場合、吸引されたゴミは紙パックの中にたまるため、複雑な部品のある部分にゴミが入りにくいという点も寿命に影響していると考えられています。
基本的に、掃除機の部品はリリースから6年を過ぎると在庫がなくなって、新たに作られないケースが多いです。故障して修理を希望しても、部品がなくて処分せざるを得なくなることも、寿命に関係してきます。
できるだけ良い状態で長く使うために、サイクロン式の場合はゴミをこまめに捨てることが重要です。そのため、メンテナンスや手入れのしやすさも掃除機の満足度に大きく関わってくるでしょう。また、衝撃を与えない、コードは伸ばしすぎない、コードレスの場合の充電は使用後すぐに行わないことも大切です。
まとめ
近年の掃除機は、軽量であることがスタンダードになり、各メーカーが軽くて使い勝手の良い掃除機を開発しています。軽い掃除機は吸引力が弱いと思われるかもしれませんが、実際は製品によって差があり、十分な吸引力を持つものも多いです。掃除機を選ぶ際は、後悔しないようにここでご紹介したポイントをよく把握して選びましょう。