電力会社の切り替えでどれくらい安くなる?試算の見方と落とし穴

「電力会社を切り替えると、どれくらい安くなるんだろう?」。
切り替えを考えるとき、いちばん気になるのが節約できる金額です。
ただし、試算のやり方を間違えると、思ったより安くならなかった…ということが起こります。
この記事では、具体的な単価の比較ではなく、切り替えの節約額を正しく見積もるための考え方と、見落としがちな落とし穴を、公式情報にもとづいて整理します。
- 試算の出発点は自分の使用量kWh
- 表示単価に加算されるもの
- セット割の見かけに注意
- 解約金という落とし穴
- 試算で失敗しない進め方
試算の出発点は自分の使用量
節約額を正しく見積もる第一歩は、自分が毎月どれくらい電気を使っているか(使用量kWh)を知ることです。
この使用量や契約内容は、検針票(電気ご使用量のお知らせ)やWeb会員サービス(マイページ)で確認できます(出典:電力・ガス取引監視等委員会)。
使用量が分からないまま「◯円安くなる」という試算だけを見ても、それが自分に当てはまるとは限りません。
電気の使用量は、季節や家族構成、在宅時間によって大きく変わります。
まずは直近の数か月分の使用量を確認し、自分の生活での平均的な使用量をつかんでおきましょう。
この数字が、あらゆる試算の土台になります。
表示単価に加算されるもの
次に押さえておきたいのが、料金表に載っている単価がそのまま請求額ではない、という点です。
表示される電力量料金の単価には、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が別途加算されます(出典:資源エネルギー庁)。
燃料費調整額は燃料価格に応じて毎月変動し、再エネ賦課金は全国一律で電気の使用量に応じて加算されます。
これらは多くの場合どの会社でもかかるため、単価だけを見比べて「これだけ安くなる」と考えると、実際の差は思ったより小さくなることがあります。
試算するときは、基本料金・電力量料金に加えて、この加算分も同じ条件で比べることが大切です。
見落としがちな3つの落とし穴
試算で「こんなはずじゃなかった」を防ぐために、次の3つに注意しましょう。
| 落とし穴 | どう注意するか |
|---|---|
| セット割の見かけ | 電気だけの得か、セット全体の得かを分ける |
| 加算分の見落とし | 燃調・再エネ賦課金を同じ条件で比べる |
| 解約金 | 今のプラン・新プラン双方の条件を確認 |
まずガスや通信とのセット割は、割引の合計で得に見えても、電気単体では必ずしも安いとは限りません。
セットの縛りや他サービスの条件も含めて、トータルで判断しましょう。
次に、前の章で触れた燃料費調整額・再エネ賦課金の加算分を、比較するプラン同士で同じ条件にそろえないと、正しい差は出ません。
そして解約金です。
小売電気事業者の料金プランには契約期間の定めや、期間内解約で解約金が発生するものがあり、事業者には契約前に料金など重要事項を書面で説明する義務があります(出典:資源エネルギー庁)。
今の契約に解約金がある場合は、その分を節約額から差し引いて考える必要があります。
1か月ではなく1年で判断する
試算のツールは、ある1か月の使用量を入力して年間の節約額を出す形が多くなっています。
しかし前の章のとおり、電気の使用量は季節や在宅時間によって大きく変わります。
冷暖房を使う夏と冬は使用量が増え、春と秋は落ち着くのが一般的です。
ここで使用量の少ない月の数字を12倍すると、実際より小さい節約額が出ます。
逆に、いちばん使った月をもとに計算すれば、実際より大きく見えてしまいます。
どちらも自分の1年を表した数字ではありません。
できれば直近12か月分、難しければ夏・冬・中間期の3か月分を用意して、平均に近い姿で比べてください。
節約額は毎月一定ではなく、使用量の多い月ほど差が開きやすい点も頭に置いておくと、期待値のずれを防げます。
失敗しない試算の進め方
ここまでの内容を、実際に試算するときの順番にまとめておきます。
この順で進めれば、見かけの安さに惑わされずに判断できます。
検針票やマイページで、直近数か月の使用量kWhと今の契約内容を確認します。
基本料金・電力量料金に、燃調・再エネ賦課金の加算分もそろえて比較します。
今と新しいプランの契約期間・解約金を確認し、その分を節約額から差し引きます。
品質はどこも同じ
試算のときに安心してよいのは、電気そのものの品質です。
電力会社の切り替えは今ある送配電網をそのまま使うため電線工事は不要で、電気の品質や信頼性はどの会社から買っても変わりません(出典:資源エネルギー庁)。
「安い会社に替えると停電しやすくなるのでは」といった心配は不要です。
また、2016年4月の自由化後も、規制料金(従量電灯などの経過措置料金)と自由料金プランが区別して提供されています(出典:資源エネルギー庁)。
今が規制料金か自由料金かで、比較の出発点が変わる点も覚えておきましょう。
つまり、品質は同じという前提で、料金の条件だけを冷静に比べればよいのです。
試算の前にあわせて読みたい記事
- 電気代の節約のコツ(使い方での節約)
- 電力会社の選び方(プラン比較のコツ)
- 切り替えの費用と手数料(切替にかかるお金)
よくある質問
まとめ
切り替えの節約額を正しく見積もるコツは、まず自分の使用量kWhを確認し、表示単価に加算される燃調・再エネ賦課金まで同じ条件で比べることです。
セット割の見かけ、加算分の見落とし、解約金という3つの落とし穴に注意すれば、「思ったより安くならない」を防げます。
電気の品質はどの会社でも同じなので、安心して料金の条件だけを比べられます。
大切なのは、広告や他人向けの試算例をそのまま信じるのではなく、自分の実際の使用量にもとづいて考えることです。
同じ切り替えでも、電気をたくさん使う家庭ほど節約額は大きくなりやすく、使用量が少ない家庭では差が小さくなりがちです。
まずは検針票かマイページを開いて、自分の毎月の使用量を確かめるところから始めましょう。
そこがはっきりすれば、切り替えで本当に得になるかどうかを、落ち着いて判断できます。
切り替えの試算・手続きの相談なら
「自分の使用量で試算の前提を確認して、切り替えまで進めたい」という方は、電気手続き受付センターにお気軽にご相談ください。
契約内容の確認から切り替えの手続きまで、まとめてサポートします。