オール電化の電気代はなぜ高い?原因の切り分けとプランの選び方・引っ越し時の注意

「オール電化にしたのに電気代が高い気がする」「うちの電気代は普通なの?」と感じている方は少なくありません。
オール電化はガス代がかからない代わりに、電気の使用量が増える仕組みで、さらに使い方や契約プランが生活時間に合っていないと割高になりやすいという特徴があります。
この記事では、まず国の統計でオール電化に近い世帯の電気代の目安を確かめ、そのうえで高くなる原因を「プラン・使い方・設備」の3つに切り分けます。
それぞれの対処と、引っ越し・切り替え時の注意点も、公的な統計と電力会社の公式情報をもとに整理しました。
- オール電化の電気代の目安(環境省の統計で「電気のみ」を使う世帯)
- 電気代だけでなく光熱費の合計で比べると見え方が変わる理由
- オール電化の電気代が高く感じる仕組み
- 「プラン・使い方・設備」どこに原因があるかの切り分け
- 東京電力EPのスマートライフSの2026年11月1日からの単価
- 割安な夜間に寄せる 昼夜シフトの早見表
- プラン・電力会社の見直しで下がる場合と、注意点
- 引っ越し・切り替え時に気をつけたい「新規受付終了プラン」
オール電化の電気代の目安は戸建てで年19.02万円
環境省の「家庭部門のCO2排出実態統計調査」には、「オール電化」という名前の区分ではなく、家庭で使っているエネルギーが「電気のみ」の世帯という区分があります(出典:政府統計の総合窓口e-Stat 家庭部門のCO2排出実態統計調査 令和5年度 表6-5-1)。
ガスも灯油も使わずに暮らしている世帯を指すため、IHとエコキュートでまかなうオール電化の家に最も近い数字として、ここではこの区分を目安にします。
集計の対象は2023年4月〜2024年3月の1年間です(出典:環境省 令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 結果について(確報値))。
| 世帯の区分 | 電気代(年間) | 光熱費の合計(電気・都市ガス・LPガス・灯油) |
|---|---|---|
| 電気のみ・戸建て | 19.02万円 | 19.02万円 |
| 電気のみ・集合住宅 | 12.94万円 | 12.94万円 |
| 電気のみ・全体 | 18.00万円 | 18.00万円 |
| 電気と都市ガス・戸建て | 12.17万円 | 19.85万円 |
| 全世帯の平均 | 11.05万円 | 17.42万円 |
電気のみの戸建てでは年19.02万円で、月あたりに直すと約1万5,900円です。
電気のみの世帯全体では年18.00万円、月あたり1万5,000円になります。
ここで注目したいのは、同じ戸建てでも、電気代だけなら電気と都市ガスの家より年6.85万円高いのに、光熱費の合計では0.83万円低いという点です(上の表の値から計算/出典:政府統計の総合窓口e-Stat 表6-5-1)。
つまりオール電化の電気代には、ガス併用の家ならガス代として払っている分も含まれています。
電力会社が光熱費の試算に使う条件も、使用量の目安になります。
九州電力は4人家族のモデルケースとして、オール電化は電気の使用量を月610kWh(うち夜間305kWh)、電気・ガス併用は電気を月420kWhとガスを使う条件で試算しています(出典:九州電力 オール電化向けの料金プラン)。
照明や家電などに使う電気(一般電灯)は両方とも月420kWhで、オール電化では給湯と調理の分が電気に上乗せされ、全体の半分にあたる305kWhを割安な夜間に使う想定です。
世帯人数ごとの電気代の平均(ガスを併用する家庭も含む全体の数字)は世帯人数別の電気代の平均の記事でまとめています。
わが家の電気代が目安より明らかに高いときは、次の章から原因を順に確かめていきましょう。
なぜオール電化は電気代が高く感じるのか
オール電化住宅とは、調理・給湯・冷暖房などを全て電気でまかなう住宅のことです(出典:九州電力公式サイト)。
台所のIHクッキングヒーターやお風呂のエコキュートが代表的な設備です。
ガスを使わないためガス料金はかかりませんが、その分これまでガスでまかなっていた分も電気で使うので、電気の使用量は多くなります。
とくに家庭で使うエネルギーは給湯の割合が大きく、関西電力は「家庭の消費エネルギーのうち3割を占めている給湯」と説明しています(出典:関西電力公式サイト)。
前の章の統計で見たとおり、「電気代だけ」を見ると高く感じても、ガス代がかからない分と合わせた光熱費全体で比べると印象が変わることがあります。
オール電化プランの仕組み(夜が安く、昼が高い)
オール電化向けの料金プランは、時間帯によって電力量料金の単価が変わる「時間帯別料金」が中心です。
一般に夜間の単価が割安で、昼間が割高に設定されています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト・九州電力公式サイト)。
エコキュートが割安な夜間にお湯を沸かすのは、この仕組みを活かすためです。
エコキュートは空気の熱を利用するヒートポンプ式で、使う電気の3倍以上の熱を得られ、従来の電気温水器の約3分の1の電力でお湯を沸かせます(出典:九州電力公式サイト)。
つまりオール電化は「夜に安く使う」設計になっており、割高な昼間に電気を多く使うと、その良さを活かせず高くなりやすいのです。
「夜間」が何時から何時までかは会社やプランによって違うため、詳しくは時間帯別プランの仕組みの記事もあわせてご覧ください。
例:東京電力EPのスマートライフSは11月1日から基本料金が上がる
関東エリアのオール電化向けプランの例として、東京電力エナジーパートナーの「スマートライフS」の単価を見てみましょう。
スマートライフSは、エコキュートなどの夜間蓄熱式機器を使う家庭向けの自由料金プランで、割安な時間帯は午前1時〜午前6時です(出典:東京電力エナジーパートナー スマートライフ)。
東京電力EPは託送料金(送配電設備の利用料)の見直しを反映して、2026年11月1日からスマートライフSを含む自由料金プランの単価も見直すと公表しています(出典:東京電力エナジーパートナー 低圧の料金メニューの見直しについて)。
| 項目(税込) | 2026年10月31日まで | 2026年11月1日から |
|---|---|---|
| 基本料金(40A) | 1,247円00銭 | 1,568円24銭 |
| 電力量料金(午前6時〜翌午前1時) | 1kWhあたり35円76銭 | 1kWhあたり35円81銭 |
| 電力量料金(午前1時〜午前6時) | 1kWhあたり27円86銭 | 1kWhあたり27円91銭 |
上がり幅が大きいのは基本料金で、40Aでは月321円24銭の増額です(出典:東京電力エナジーパートナー 料金単価表(関東エリアの自由料金プラン)・東京電力エナジーパートナー プレスリリース別紙2)。
電力量料金は、どちらの時間帯も1kWhあたり5銭の引き上げにとどまります。
実際の請求では、この単価に燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が加わる点にも注意してください。
関西電力の「はぴeタイムR」の料金ページも、2026年11月1日実施の見直し後の単価を掲載しています(出典:関西電力 はぴeタイムR)。
ほかの電力会社のオール電化向けプランの11月以降の単価も、各社の公式サイトで確認しましょう。
オール電化の電気代が高い原因は3つ|プラン・使い方・設備で切り分ける
目安と比べて高いときの原因は、大きくプラン・使い方・設備の3つに分けられます。
まずはどれに当てはまるかを確認しましょう。
| タイプ | よくある状態 | 主な対処 |
|---|---|---|
| プランが合っていない | 古いプランのまま/生活時間と時間帯がズレている | プラン・電力会社の見直し |
| 使い方 | 割高な昼間に給湯・家事が寄っている | 割安な夜間へシフトする |
| 設備 | 古い電気温水器など効率の低い機器 | 省エネ機器(エコキュート等)を検討 |
ただし、ふだんは目安どおりなのにある月から急に上がったときは、オール電化かどうかに関係なく「使った量・単価・契約」のどれが動いたかを先に確かめるのが近道です。
検針票の見比べ方と確認の順番は電気代が高すぎるときの原因の切り分け方の記事にまとめています。
この記事では、オール電化の家に特有の「プラン・使い方・設備」の3つを順に見ていきます。
対処①使い方:割安な夜間に寄せる
時間帯別プランの良さを活かすには、電気を使う時間を割安な夜間へ移す(負荷移行する)のが基本です。
関西電力も「タイマー機能等を活用し、電化製品を使用する時間を「シフト(負荷移行)」することにより、光熱費が更におトクになります」と案内しています(出典:関西電力公式サイト)。
次の早見表を参考に、寄せられる家事から見直してみましょう。
| 項目 | 割安な夜間に寄せる | 割高な昼間は控える |
|---|---|---|
| 給湯 | エコキュートの沸き上げを夜間に設定 | 昼間の追い焚きの使いすぎに注意 |
| 洗濯・食洗機 | タイマーで夜間に運転 | 日中のまとめ使いを控える |
| 調理・家電 | 作り置きは夜にまとめて | 昼のピーク使用を分散 |

お住まいのエリアに合わせて、電気のプラン・切り替えの手続きをまとめてサポートします。
送信後は担当者からお電話でご案内します
対処②プラン・電力会社を見直す
使い方を工夫しても高いままなら、生活時間に合ったオール電化向けプランや電力会社に見直すことで下がる場合があります。
日中の在宅が多いなら昼間が比較的割安なプラン、夜型ならより夜間が安いプラン、と生活に合わせて選ぶのがポイントです。
ただし注意点もあります。
九州電力は、従量電灯には燃料費調整額に上限がある一方、オール電化向けプランには上限がないため、燃料価格が高騰したときはかえっておトクにならない場合があると案内しています(出典:九州電力公式サイト)。
つまり切り替えが常に得とは限らないため、条件をよく比べることが大切です。
電力会社の選び方の基本は新しい電力会社の選び方の記事、切り替えの手順は電力会社の切り替え手続きの記事で解説しています。
引っ越し・切り替え時の注意(新規受付終了プラン)
オール電化で見落としやすいのが、古いオール電化向けプランには、新規の受付を終了しているものがあるという点です。
たとえば東京電力エナジーパートナーの「電化上手」は「2016年3月31日をもって新規ご加入の受付を終了」しており、公式サイトも「転居先では新しいご契約となるため、ご利用いただけません」と案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
関西電力でも旧「はぴeタイム」などが2019年3月末で新規申し込みを停止し、後継の「はぴeタイムR」へ移行しています(出典:関西電力公式サイト)。
すべてのオール電化プランが終了したわけではなく後継プランは受付中ですが、引っ越し先では今までと同じプランに入れないことがあるため、引っ越しや切り替えのときは「今から入れるプラン」を必ず確認しましょう。
引っ越しに伴う電気の契約は電気の使用開始手続きの記事もあわせてご覧ください。
オール電化とあわせて読みたい記事
- 電気代の節約術(全世帯共通の節約の基本はこちら)
- 電気代が高すぎるときの原因の切り分け方(急に上がったときの確認の順番)
- 世帯人数別の電気代の平均(ガス併用も含む全体の目安)
- 夜間が安い時間帯別プランの仕組み(「夜間」が何時からかの違い)
- 新しい電力会社の選び方(会社選びの基本5つの軸)
- 電力会社の切り替え手続きガイド(プラン見直し→切り替えの実務)
よくある質問
まとめ
環境省の統計では、家庭のエネルギーが電気のみの戸建ての電気代は2023年度で年19.02万円でした。
電気と都市ガスを使う戸建てより電気代は高いものの、光熱費の合計で比べるとほぼ同じ水準です。
そのうえで目安より高く感じるのは、電気の使用量が多いことに加え、プラン・使い方・設備が生活に合っていないことが原因です。
まずは原因を切り分け、割安な夜間に家事や給湯を寄せることから始めましょう。
東京電力EPのスマートライフSのように、2026年11月1日から基本料金が上がるプランもあるため、単価の変化も確かめておくと安心です。
それでも高いなら、生活時間に合うプランや電力会社への見直しが有効ですが、燃料費調整額の上限など条件によっては切り替えが常に得とは限りません。
引っ越しや切り替えのときは、古いプランが新規受付を終了していることがあるため、今から入れるプランを確認することが大切です。
「うちのプランが合っているか分からない」というときは、エリアに合わせて早めに相談するのが安心です。
オール電化のプラン・切り替えでお困りなら
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