オール電化の電気代はなぜ高い?原因の切り分けとプランの選び方・引っ越し時の注意

本記事の情報は2026年10月時点のものです。料金プランの内容や単価は改定される場合があります。最新情報は各電力会社・小売電気事業者の公式サイトでご確認ください。

「オール電化にしたのに電気代が高い気がする」「うちの電気代は普通なの?」と感じている方は少なくありません。
オール電化はガス代がかからない代わりに、電気の使用量が増える仕組みで、さらに使い方や契約プランが生活時間に合っていないと割高になりやすいという特徴があります。

この記事では、まず国の統計でオール電化に近い世帯の電気代の目安を確かめ、そのうえで高くなる原因を「プラン・使い方・設備」の3つに切り分けます。
それぞれの対処と、引っ越し・切り替え時の注意点も、公的な統計と電力会社の公式情報をもとに整理しました。

📋 この記事でわかること
  • オール電化の電気代の目安(環境省の統計で「電気のみ」を使う世帯)
  • 電気代だけでなく光熱費の合計で比べると見え方が変わる理由
  • オール電化の電気代が高く感じる仕組み
  • 「プラン・使い方・設備」どこに原因があるかの切り分け
  • 東京電力EPのスマートライフSの2026年11月1日からの単価
  • 割安な夜間に寄せる 昼夜シフトの早見表
  • プラン・電力会社の見直しで下がる場合と、注意点
  • 引っ越し・切り替え時に気をつけたい「新規受付終了プラン」

オール電化の電気代の目安は戸建てで年19.02万円

環境省の「家庭部門のCO2排出実態統計調査」には、「オール電化」という名前の区分ではなく、家庭で使っているエネルギーが「電気のみ」の世帯という区分があります(出典:政府統計の総合窓口e-Stat 家庭部門のCO2排出実態統計調査 令和5年度 表6-5-1)。
ガスも灯油も使わずに暮らしている世帯を指すため、IHとエコキュートでまかなうオール電化の家に最も近い数字として、ここではこの区分を目安にします。
集計の対象は2023年4月〜2024年3月の1年間です(出典:環境省 令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 結果について(確報値))。

世帯の区分電気代(年間)光熱費の合計(電気・都市ガス・LPガス・灯油)
電気のみ・戸建て19.02万円19.02万円
電気のみ・集合住宅12.94万円12.94万円
電気のみ・全体18.00万円18.00万円
電気と都市ガス・戸建て12.17万円19.85万円
全世帯の平均11.05万円17.42万円
出典:政府統計の総合窓口e-Stat 家庭部門のCO2排出実態統計調査 令和5年度 表6-5-1(1世帯あたりの年間支払金額・2023年4月〜2024年3月)

電気のみの戸建てでは年19.02万円で、月あたりに直すと約1万5,900円です。
電気のみの世帯全体では年18.00万円、月あたり1万5,000円になります。

ここで注目したいのは、同じ戸建てでも、電気代だけなら電気と都市ガスの家より年6.85万円高いのに、光熱費の合計では0.83万円低いという点です(上の表の値から計算/出典:政府統計の総合窓口e-Stat 表6-5-1)。
つまりオール電化の電気代には、ガス併用の家ならガス代として払っている分も含まれています。

この数字は2023年度の平均で、その後の料金改定や燃料費調整額の変動は反映されていません。
また、環境省の注記のとおり、太陽光発電などで自家発電した電気は統計の電気の量に含まれていません。
集合住宅の「電気のみ」の世帯は集計世帯数が164世帯と少ないため、あくまで傾向として見てください。

電力会社が光熱費の試算に使う条件も、使用量の目安になります。
九州電力は4人家族のモデルケースとして、オール電化は電気の使用量を月610kWh(うち夜間305kWh)、電気・ガス併用は電気を月420kWhとガスを使う条件で試算しています(出典:九州電力 オール電化向けの料金プラン)。
照明や家電などに使う電気(一般電灯)は両方とも月420kWhで、オール電化では給湯と調理の分が電気に上乗せされ、全体の半分にあたる305kWhを割安な夜間に使う想定です。

世帯人数ごとの電気代の平均(ガスを併用する家庭も含む全体の数字)は世帯人数別の電気代の平均の記事でまとめています。
わが家の電気代が目安より明らかに高いときは、次の章から原因を順に確かめていきましょう。

なぜオール電化は電気代が高く感じるのか

オール電化住宅とは、調理・給湯・冷暖房などを全て電気でまかなう住宅のことです(出典:九州電力公式サイト)。
台所のIHクッキングヒーターやお風呂のエコキュートが代表的な設備です。
ガスを使わないためガス料金はかかりませんが、その分これまでガスでまかなっていた分も電気で使うので、電気の使用量は多くなります。

とくに家庭で使うエネルギーは給湯の割合が大きく、関西電力は「家庭の消費エネルギーのうち3割を占めている給湯」と説明しています(出典:関西電力公式サイト)。
前の章の統計で見たとおり、「電気代だけ」を見ると高く感じても、ガス代がかからない分と合わせた光熱費全体で比べると印象が変わることがあります。

オール電化プランの仕組み(夜が安く、昼が高い)

オール電化向けの料金プランは、時間帯によって電力量料金の単価が変わる「時間帯別料金」が中心です。
一般に夜間の単価が割安で、昼間が割高に設定されています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト・九州電力公式サイト)。

エコキュートが割安な夜間にお湯を沸かすのは、この仕組みを活かすためです。
エコキュートは空気の熱を利用するヒートポンプ式で、使う電気の3倍以上の熱を得られ、従来の電気温水器の約3分の1の電力でお湯を沸かせます(出典:九州電力公式サイト)。

つまりオール電化は「夜に安く使う」設計になっており、割高な昼間に電気を多く使うと、その良さを活かせず高くなりやすいのです。
「夜間」が何時から何時までかは会社やプランによって違うため、詳しくは時間帯別プランの仕組みの記事もあわせてご覧ください。

例:東京電力EPのスマートライフSは11月1日から基本料金が上がる

関東エリアのオール電化向けプランの例として、東京電力エナジーパートナーの「スマートライフS」の単価を見てみましょう。
スマートライフSは、エコキュートなどの夜間蓄熱式機器を使う家庭向けの自由料金プランで、割安な時間帯は午前1時〜午前6時です(出典:東京電力エナジーパートナー スマートライフ)。
東京電力EPは託送料金(送配電設備の利用料)の見直しを反映して、2026年11月1日からスマートライフSを含む自由料金プランの単価も見直すと公表しています(出典:東京電力エナジーパートナー 低圧の料金メニューの見直しについて)。

項目(税込)2026年10月31日まで2026年11月1日から
基本料金(40A)1,247円00銭1,568円24銭
電力量料金(午前6時〜翌午前1時)1kWhあたり35円76銭1kWhあたり35円81銭
電力量料金(午前1時〜午前6時)1kWhあたり27円86銭1kWhあたり27円91銭
出典:東京電力エナジーパートナー 料金単価表(関東エリアの自由料金プラン)・プレスリリース別紙2(2026年9月29日)。燃料費調整額は含まず、再生可能エネルギー発電促進賦課金も別に加算されます。

上がり幅が大きいのは基本料金で、40Aでは月321円24銭の増額です(出典:東京電力エナジーパートナー 料金単価表(関東エリアの自由料金プラン)・東京電力エナジーパートナー プレスリリース別紙2)。
電力量料金は、どちらの時間帯も1kWhあたり5銭の引き上げにとどまります。
実際の請求では、この単価に燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が加わる点にも注意してください。

関西電力の「はぴeタイムR」の料金ページも、2026年11月1日実施の見直し後の単価を掲載しています(出典:関西電力 はぴeタイムR)。
ほかの電力会社のオール電化向けプランの11月以降の単価も、各社の公式サイトで確認しましょう。

オール電化の電気代が高い原因は3つ|プラン・使い方・設備で切り分ける

目安と比べて高いときの原因は、大きくプラン・使い方・設備の3つに分けられます。
まずはどれに当てはまるかを確認しましょう。

タイプよくある状態主な対処
プランが合っていない古いプランのまま/生活時間と時間帯がズレているプラン・電力会社の見直し
使い方割高な昼間に給湯・家事が寄っている割安な夜間へシフトする
設備古い電気温水器など効率の低い機器省エネ機器(エコキュート等)を検討
オール電化の電気代が高い原因の切り分け。複数が重なることもあります。

ただし、ふだんは目安どおりなのにある月から急に上がったときは、オール電化かどうかに関係なく「使った量・単価・契約」のどれが動いたかを先に確かめるのが近道です。
検針票の見比べ方と確認の順番は電気代が高すぎるときの原因の切り分け方の記事にまとめています。

この記事では、オール電化の家に特有の「プラン・使い方・設備」の3つを順に見ていきます。

対処①使い方:割安な夜間に寄せる

時間帯別プランの良さを活かすには、電気を使う時間を割安な夜間へ移す(負荷移行する)のが基本です。
関西電力も「タイマー機能等を活用し、電化製品を使用する時間を「シフト(負荷移行)」することにより、光熱費が更におトクになります」と案内しています(出典:関西電力公式サイト)。

次の早見表を参考に、寄せられる家事から見直してみましょう。

項目割安な夜間に寄せる割高な昼間は控える
給湯エコキュートの沸き上げを夜間に設定昼間の追い焚きの使いすぎに注意
洗濯・食洗機タイマーで夜間に運転日中のまとめ使いを控える
調理・家電作り置きは夜にまとめて昼のピーク使用を分散
昼夜シフトの早見表。※太陽光発電・蓄電池があり昼間が割安なプランの場合は、逆に昼へ寄せるほうが有利なこともあります。
「うちのオール電化プランが生活に合っているか分からない」「エリアに合う電力会社を知りたい」という方は、電気手続き受付センターにご相談ください。
お住まいのエリアに合わせて、電気のプラン・切り替えの手続きをまとめてサポートします。
電気のプラン・切り替えを相談する

送信後は担当者からお電話でご案内します

対処②プラン・電力会社を見直す

使い方を工夫しても高いままなら、生活時間に合ったオール電化向けプランや電力会社に見直すことで下がる場合があります。
日中の在宅が多いなら昼間が比較的割安なプラン、夜型ならより夜間が安いプラン、と生活に合わせて選ぶのがポイントです。

ただし注意点もあります。
九州電力は、従量電灯には燃料費調整額に上限がある一方、オール電化向けプランには上限がないため、燃料価格が高騰したときはかえっておトクにならない場合があると案内しています(出典:九州電力公式サイト)。

つまり切り替えが常に得とは限らないため、条件をよく比べることが大切です。
電力会社の選び方の基本は新しい電力会社の選び方の記事、切り替えの手順は電力会社の切り替え手続きの記事で解説しています。

引っ越し・切り替え時の注意(新規受付終了プラン)

オール電化で見落としやすいのが、古いオール電化向けプランには、新規の受付を終了しているものがあるという点です。
たとえば東京電力エナジーパートナーの「電化上手」は「2016年3月31日をもって新規ご加入の受付を終了」しており、公式サイトも「転居先では新しいご契約となるため、ご利用いただけません」と案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。

関西電力でも旧「はぴeタイム」などが2019年3月末で新規申し込みを停止し、後継の「はぴeタイムR」へ移行しています(出典:関西電力公式サイト)。
すべてのオール電化プランが終了したわけではなく後継プランは受付中ですが、引っ越し先では今までと同じプランに入れないことがあるため、引っ越しや切り替えのときは「今から入れるプラン」を必ず確認しましょう。

引っ越しに伴う電気の契約は電気の使用開始手続きの記事もあわせてご覧ください。

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よくある質問

オール電化の電気代は月いくらくらいが目安ですか?

環境省の統計で家庭のエネルギーが「電気のみ」の戸建ての世帯は、2023年度の電気代が年19.02万円(月あたり約1万5,900円)でした。電気のみの世帯全体では年18.00万円です。この数字はガス代を含まない代わりに、ガスで使う分まで電気でまかなった金額です。電気と都市ガスを使う家と比べるときは、光熱費の合計で見ましょう。

2026年11月から東京電力のオール電化向けプランの料金は変わりますか?

東京電力エナジーパートナーは、託送料金の見直しを反映して2026年11月1日から自由料金プランの単価も見直します。スマートライフSの場合、40Aの基本料金は10月31日までの1,247円00銭が1,568円24銭になり、電力量料金は1kWhあたり5銭上がります。手続きは必要ありません。

オール電化はなぜ電気代が高くなるのですか?

調理・給湯・冷暖房を全て電気でまかなうため、電気の使用量が多くなるからです。ただしガス代はかからないので、電気代だけでなく光熱費全体で比べることが大切です。時間帯別プランの割高な昼間に多く使っていると、さらに高くなりやすいです。

オール電化の電気代を下げるにはどうすればいいですか?

まず割安な夜間に家事や給湯を寄せる(タイマーで洗濯・食洗機・エコキュートの沸き上げを夜間にする)のが基本です。それでも高いなら、生活時間に合うオール電化向けプランや電力会社への見直しを検討します。ただし燃料費調整額の上限の有無などで切り替えが常に得とは限らないため、条件を比べましょう。

昼間に在宅していることが多いのですが不利ですか?

時間帯別プランは昼間の単価が割高なため、日中に電気を多く使う生活だと電気代が上がりやすい傾向があります。日中在宅が多い場合は、昼間が比較的割安なプランを選ぶ、または太陽光・蓄電池の活用を検討するのが一つの方法です。

引っ越し先でも今のオール電化プランを使えますか?

使えないことがあります。古いオール電化向けプランは新規受付を終了している例があり(東京電力の「電化上手」は2016年3月末で受付終了)、転居先では新しい契約となるため同じプランに入れない場合があります。引っ越し先で今から入れるプランを確認しましょう。

まとめ

環境省の統計では、家庭のエネルギーが電気のみの戸建ての電気代は2023年度で年19.02万円でした。
電気と都市ガスを使う戸建てより電気代は高いものの、光熱費の合計で比べるとほぼ同じ水準です。
そのうえで目安より高く感じるのは、電気の使用量が多いことに加え、プラン・使い方・設備が生活に合っていないことが原因です。

まずは原因を切り分け、割安な夜間に家事や給湯を寄せることから始めましょう。
東京電力EPのスマートライフSのように、2026年11月1日から基本料金が上がるプランもあるため、単価の変化も確かめておくと安心です。
それでも高いなら、生活時間に合うプランや電力会社への見直しが有効ですが、燃料費調整額の上限など条件によっては切り替えが常に得とは限りません。

引っ越しや切り替えのときは、古いプランが新規受付を終了していることがあるため、今から入れるプランを確認することが大切です。
「うちのプランが合っているか分からない」というときは、エリアに合わせて早めに相談するのが安心です。

オール電化のプラン・切り替えでお困りなら

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