従量電灯BとCの違いは6kVAの境目|基本料金が1kVA単位になる家の条件

「契約内容に従量電灯Cと書いてあるけれど、Bと何が違うの?」「うちはCにしたほうがいいの?」と迷っていませんか。
じつは、従量電灯Cは従量電灯Bの上限である60Aの続きにある、6kVA以上の契約です。
BとCでは基本料金の決まり方が変わり、Cは契約容量1kVAごとに基本料金が積み上がります。
この記事では、BとCの境目、基本料金の計算のしかた、契約kVAの決め方、Cになる家の条件、容量を下げたいときの注意点を、大手電力会社の公式情報をもとに整理します。
- 従量電灯BとCの境目が60Aと6kVAであること
- Bはアンペアごとの定額、Cは1kVAの単価×契約kVAで基本料金が決まること
- Bの60AとCの6kVAは基本料金が同じ額になること
- 契約kVAを決める2つの方法と、同じ設備でも数字が変わる例
- どんな家がCになるのかと、Cという名前がない電力会社
- 1年以内に契約容量を下げると精算の対象になること
従量電灯BとCの境目は「60A」と「6kVA」
従量電灯A・B・Cは、大手電力会社が特定小売供給約款にもとづいて提供する規制料金のメニューです(出典:四国電力公式サイト・北陸電力公式サイト)。
新電力などの自由料金プランとは別枠で、両者の違いは従量電灯と自由料金プランの違いを解説した記事にまとめています。
東京電力エナジーパートナーは、従量電灯Bの契約の大きさを「原則として、10~60Aの範囲」とし、「60Aを上回るご契約は従量電灯Cをご覧ください」と案内しています。
そのうえで従量電灯Cを「6kVA以上の場合のご契約です」と説明しています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
同社の特定小売供給約款(2024年4月1日実施)では、従量電灯Cの適用範囲は契約容量が6キロボルトアンペア以上で、原則として50キロボルトアンペア未満と定められています(出典:東京電力エナジーパートナー 特定小売供給約款)。
| 電力会社 | 従量電灯Bの範囲 | 従量電灯Cの範囲 |
|---|---|---|
| 東京電力エナジーパートナー | 原則10〜60A | 6kVA以上、原則50kVA未満 |
| 東北電力 | 10〜60A | 6kVAから50kVA未満 |
| 中部電力ミライズ | 10A〜60A | 6kVA以上50kVA未満 |
| 九州電力 | 10A以上、60A以下 | 6kVA以上、50kVA未満 |
| 北海道電力 | 10〜60A | 6kVA以上50kVA未満 |
表を見ると、どの会社もBはアンペア(A)で、Cはキロボルトアンペア(kVA)で範囲を示しています。
つまり、BとCの違いは「電気をたくさん使うかどうか」よりも先に、契約の大きさを表す単位がAからkVAに切り替わるところにあります。
AとkVAという単位そのものの意味は、契約アンペア・kVA・契約容量の違いを解説した記事をご覧ください。
基本料金の決まり方:Bは定額、Cは「1kVAの単価×契約kVA」
従量電灯Bの基本料金は、10A・15A・20A・30A・40A・50A・60Aの契約ごとに、1契約あたりの金額が表で決まっています。
これに対して従量電灯Cは、1kVAあたりの単価に契約容量を掛けて毎月の基本料金を出すしくみです。
東京電力エナジーパートナーの従量電灯Cの基本料金は、2026年10月31日までは1kVAにつき311円75銭(税込)で、同社は「1kVAは10Aに相当します」と注記しています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト・同社 料金単価表)。
この単価で計算すると、契約容量10kVAの家なら311円75銭×10=3,117円50銭が毎月の基本料金です。
ここで、Bの料金表と並べてみると面白いことが分かります。
東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bは、2026年10月31日までの単価で10Aが311円75銭、60Aが1,870円50銭(税込)です(出典:東京電力エナジーパートナー 料金単価表)。
Cの1kVAの単価を6倍すると311円75銭×6=1,870円50銭となり、Bの60AとCの6kVAの基本料金はぴったり同じ額になります。
| 電力会社 | 適用時期 | Bの10A | Cの1kVA | Bの60A | Cの1kVA×6 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京電力エナジーパートナー | 2026年10月31日まで | 311円75銭 | 311円75銭 | 1,870円50銭 | 1,870円50銭 |
| 東京電力エナジーパートナー | 2026年11月1日から | 392円06銭 | 392円06銭 | 2,352円36銭 | 2,352円36銭 |
| 中部電力ミライズ | 2026年10月31日まで | 321.14円 | 321.14円 | 1,926.84円 | 1,926.84円 |
| 中部電力ミライズ | 2026年11月1日以降 | 447.92円 | 447.92円 | 2,687.52円 | 2,687.52円 |
| 九州電力 | 2026年10月31日まで | 316.24円 | 316.24円 | 1,897.44円 | 1,897.44円 |
| 九州電力 | 2026年11月1日から | 441.69円 | 441.69円 | 2,650.14円 | 2,650.14円 |
東京電力エナジーパートナーが公表した2026年11月1日からの単価でも、Bの10AとCの1kVAはともに392円06銭、Bの60Aは2,352円36銭(税込)で、392円06銭×6=2,352円36銭と同じ関係が成り立ちます(出典:東京電力エナジーパートナー 電気料金単価表(低圧))。
中部電力ミライズと九州電力でも、Cの1kVAの単価を6倍した額はBの60Aの基本料金と一致し、2026年11月1日以降の新しい単価でも同じ関係が保たれています。
中部電力ミライズの料金表には「契約容量6kVA」の基本料金として1,926.84円(11月1日以降は2,687.52円)が載っており、Bの60Aと同じ額です(出典:中部電力ミライズ公式サイト)。
Bの60AからCの6kVAへ移っても、その瞬間に基本料金が跳ね上がるしくみではありません。
Cで基本料金が増えていくのは、6kVAを超えて契約容量を1kVA上げるたびに1kVA分の単価が加わるためです。
また、東京電力エナジーパートナーと九州電力は、まったく電気を使わない月の基本料金は半額になると案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト・九州電力公式サイト)。
- 上の表は基本料金だけです。電力量料金には燃料費調整額が加算または差し引かれ、再生可能エネルギー発電促進賦課金も別途加算されます(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)
- 2026年11月1日から、規制料金の単価が変わる会社があります。東北電力は託送料金の変更に伴って基本料金と電力量料金を見直すと案内しています(出典:東北電力公式サイト)。中部電力ミライズと九州電力も、11月1日以降の単価を公表しています(出典:中部電力ミライズ公式サイト・九州電力公式サイト)
- 東京電力エナジーパートナーも2026年9月29日、11月1日から規制料金に託送料金の変動分を反映するため、特定小売供給約款の変更届出を行ったと発表しています(出典:東京電力エナジーパートナー プレスリリース)。11月1日からの単価は同社の料金単価表で公表されており、上の表に載せています(出典:東京電力エナジーパートナー 電気料金単価表(低圧))
- 単価は電力会社ごとに異なり、全国一律ではありません。契約中の会社の料金ページで最新の単価を確かめてください
エリアごとの従量電灯プランの概要と、電気の開始・引っ越し手続きの流れは、東京電力・東北電力・中部電力・九州電力・北海道電力・北陸電力の各エリアの従量電灯プランのページにまとめています。
契約kVAはどう決まる?負荷設備契約と主開閉器契約
Cの基本料金は契約容量で決まるので、次に気になるのは「その契約容量は誰がどう決めるのか」という点です。
東北電力は、契約容量の決め方には「負荷設備契約」と「主開閉器契約」の2つがあり、使う電気機器の内容や使い方に応じて選べると案内しています(出典:東北電力公式サイト)。
- 負荷設備契約:使う電気機器(契約負荷設備)の総容量に、一定の係数を掛けて契約容量を算定する
- 主開閉器契約:すべての電気機器を一括して遮断する契約主開閉器の定格電流にもとづいて契約容量を算定する
出典:東北電力公式サイト
負荷設備契約で使う係数は、東京電力エナジーパートナーの約款、東北電力、中国電力の公式情報で同じ値です。
| 機器の総容量の区分 | 掛ける係数 |
|---|---|
| 最初の6kVAにつき | 95% |
| 次の14kVAにつき | 85% |
| 次の30kVAにつき | 75% |
| 50kVAをこえる部分につき | 65% |
主開閉器契約のほうは、主開閉器の定格電流(A)×電圧(V)×1/1,000で契約容量を求めます。
このとき、単相3線式の場合の電圧は200Vとして計算します(出典:中国電力公式サイト・東京電力エナジーパートナー 特定小売供給約款 別表5)。
同じ設備でも12kVAと13kVAに分かれる
中国電力は、同じ家の設備を2つの方法で計算した公式の例を示しています(出典:中国電力公式サイト)。
中国電力には従量電灯Cの区分がなく、この例の契約種別は、1kVAあたりの基本料金で決まる従量電灯Bです(出典:中国電力 電気料金単価表)。
この呼び名の違いは後の章で説明します。
単相3線式、主開閉器の定格電流60A。設備は蛍光灯(低力率)40W×30灯、白熱灯60W×50灯、エアコン2,400W×4台です。
60A×200V×1/1,000=12kVAです。
設備の総容量は15kVAです。最初の6kVAに95%を掛けて5.7kVA、残りの9kVAに85%を掛けて7.65kVAとなり、合計13.35kVAを四捨五入して13kVAです。
この例から分かるのは、「60Aのブレーカーだから6kVA」とは限らないということです。
東京電力エナジーパートナーの「1kVAは10Aに相当します」という注記は、料金表の上でBの60AとCの6kVAがつながっていることを示すものです。
実際の契約容量は決め方で変わり、単相3線式の主開閉器60Aは主開閉器契約で12kVAになります。
中国電力は、主開閉器契約について「多くの負荷設備を同時使用しないため、小容量の主開閉器を設置されているお客さまに適しています」と案内しています(出典:中国電力公式サイト)。
なお、契約容量は1年間を通じての最大の負荷を基準として申し出ることになっています(出典:東京電力エナジーパートナー 特定小売供給約款 6)。
夏や冬に機器を一斉に使う家では、その時期の使い方を前提に考えておきましょう。

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従量電灯Cになるのはどんな家か
各社の公式サイトは、従量電灯Cを使う人の例を次のように挙げています。
| 電力会社 | 公式サイトが挙げている例 |
|---|---|
| 東京電力エナジーパートナー | 電気製品の多いご家庭、業務用大型冷蔵庫などを使う商店 |
| 北海道電力 | 大型住宅、小売店、医院など(従量電灯Bは一般家庭など) |
| 東北電力 | 主に商店や事務所など |
| 関西電力(従量電灯B) | 電灯・小型機器をより多く使うお客さま |
住宅で挙がっているのは「電気製品の多いご家庭」「大型住宅」で、残りは商店・小売店・医院・事務所といったお店や仕事場です。
ただし、Cになるかどうかを最終的に決めるのは家の種類ではなく、契約容量が6kVA以上になるかどうかです。
二世帯住宅やオール電化の家でも、契約容量が6kVA未満ならBの範囲に収まります。
二世帯で契約を分けるかどうかは二世帯住宅の電気の契約を解説した記事、店舗や事務所の契約は店舗・事務所の電気の契約の記事で扱っています。

関西・中国・四国には「従量電灯C」という名前がない
ここまでの話は、従量電灯Cがある会社の場合です。
東京電力エナジーパートナー・北海道電力・東北電力・中部電力ミライズ・九州電力に加え、北陸電力の規制料金「従量電灯」にもA・B・Cの区分があり、Cは1kVAあたりの基本料金で決まります(出典:北陸電力公式サイト)。
一方で、関西・中国・四国・沖縄は区分のしかたが違います。
| 電力会社 | 従量電灯A | 従量電灯B |
|---|---|---|
| 関西電力 | 最大需要容量が6kVA未満 | 契約容量が6kVA以上で原則50kVA未満 |
| 中国電力 | 最初の15kWhまでの最低料金で決まる | 1kVAあたりの基本料金で決まる |
| 四国電力 | 最大需要容量が6kVA未満 | 契約容量が6kVA以上50kVA未満 |
| 沖縄電力 | 規制料金の従量電灯は1種類でA・B・Cの区分がない。最初の10kWhまでは最低料金 | |
関西電力の従量電灯Bの契約容量は、すべての設備容量から算定するか、契約主開閉器で定めることもできると案内されています(出典:関西電力公式サイト)。
中国電力の電灯料金の単価表にも従量電灯Cの区分はなく、四国電力の料金プラン一覧にも従量電灯Cは載っていません。
このため、同じ「従量電灯B」でも、東京電力エリアでは原則10〜60Aの契約、関西電力エリアでは6kVA以上の契約を指します。
関東から関西へ引っ越すときなどは、名前だけで同じ契約だと思い込まないようにしましょう。
6kVA未満の家庭向けがアンペアで決まるか、最低料金で決まるかという地域の違いは、契約アンペア・kVA・契約容量の記事で解説しています。
関西・中国・四国・沖縄の従量電灯プランと手続きは、関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力の各エリアのページにまとめています。
Cの契約容量を下げたいときは「1年」に注意
規制料金の契約期間は1年で、満了前に変更などがなければ1年ごとに同じ条件で続きます(出典:東京電力エナジーパートナー 特定小売供給約款 7・中部電力ミライズ公式サイト)。
そのうえで、Cには1年以内に契約容量を下げると料金を精算するルールがあります。
東京電力エナジーパートナーの約款は、従量電灯A・従量電灯Bなどを除くお客さまが、契約容量を新たに設定または増やした日から1年に満たないで電気の使用をやめたり契約容量を減らしたりする場合に、料金を精算すると定めています(出典:東京電力エナジーパートナー 特定小売供給約款 43)。
除かれるのは定額電灯・従量電灯A・従量電灯B・臨時電灯・公衆街路灯・臨時電力で、従量電灯Cはこの中に入っていません。
減らす場合は、減らした後の契約容量を上回る分について、さかのぼって臨時電灯の料金を適用し、その差額を支払うしくみです(同)。
中部電力ミライズも、使用開始日または契約電流などを大きくした日から1年未満でやめたり小さくしたりすると、電気料金の追加負担のほか、契約開始時に必要となった工事費を求めることがあると案内しています(出典:中部電力ミライズ公式サイト)。
契約内容を変える申込みは、新たに契約を申し込む場合に準じて扱われます(出典:東京電力エナジーパートナー 特定小売供給約款 40)。
設備を減らして契約容量が6kVA未満になれば、従量電灯Bの範囲(10〜60A)に入ります。
ただし、CからBへ切り替えられるか、いつから切り替わるか、工事が必要かは、契約中の電力会社に確認してください。
Bのアンペアを上げ下げする手続きは、契約アンペアの変更手続きの記事で解説しています。
- いまの契約種別と契約容量(kVA)、その決め方(負荷設備契約か主開閉器契約か)
- 契約容量を設定した日、または最後に増やした日から1年たっているか
- 夏・冬など1年でいちばん電気を使う時期に、下げた容量で足りるか
- 6kVA未満にしてBへ移る場合の手順・時期・工事の有無(契約中の会社に確認)
よくある質問
まとめ
従量電灯Cは、従量電灯Bの上限の60Aを超えた先にある、契約容量6kVA以上・原則50kVA未満の契約です。
Bがアンペアごとの定額なのに対し、Cは1kVAあたりの単価×契約容量で基本料金が決まります。
料金表を並べるとBの60AとCの6kVAは同じ額で、Cに移ったとたんに基本料金が跳ね上がるわけではありません。
契約容量は負荷設備契約か主開閉器契約で決まり、同じ設備でも12kVAと13kVAのように数字が変わることがあります。
関西・中国・四国には従量電灯Cという名前がなく、kVAで決まる契約を従量電灯Bと呼びます。
沖縄にはA・B・Cの区分そのものがないので、名前だけで判断しないことも大切です。
そしてCの契約容量を1年以内に下げると精算の対象になるため、変更の前に契約中の会社へ確認しておきましょう。
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