昨今、新しい生活スタイルとして注目を集めているのが「サブスク賃貸」です。家具や家電が備え付けられた住居やホテルに、初期費用なしで気軽に住むことができるサブスクリプション型の賃貸サービスで、多くの人が利用しています。
この記事では、サブスク賃貸の特徴・メリット・デメリット・選び方について解説します。また、おすすめのサブスク賃貸サービスを5つ紹介するので、気になったものがあればぜひご利用ください。
短期滞在やリモートワークにもおすすめなので、あなたの新しい生活様式になりえるかもしれません。
この記事でわかること
- サブスク賃貸は、通常の賃貸と比べて手続きが簡単なので手軽に引っ越しが可能。
- サブスク賃貸は短期間で住まいを替えられるため、定住地を持ちたくない人におすすめ。
- アパートやマンションだけでなく、ホテルやドミトリーといった多様な施設が利用できる。
- サブスク賃貸は、トータル費用・施設タイプ・エリアなどを見ながら選択するとよい。
サブスク賃貸とは
まずは、サブスク賃貸の概要から詳しく説明します。通常の賃貸との違いも解説するので、事前に把握しておくとよいでしょう。
賃貸手続きを簡単にした賃貸のこと
サブスク賃貸とは、家に住むための手続きを簡略化した賃貸のことです。一般的には、敷金や保証料などの初期費用が不要なケースがほとんどである点も大きな特徴として挙げられます。
また、サブスク賃貸は家具や家電が備え付けられていることが多く、引っ越し時に新しく家具を購入する必要はありません。移り住んだその日から快適な生活が送れる点も魅力的です。
そのため、住み替えがしやすい点もサブスク賃貸の特徴といえるでしょう。働く場所にこだわらない人・出張が多い人・アドレスホッパーやノマドワーカーといった定住地を持たずに生活する人にとくに人気のサービスです。
そのほかに、ホテル暮らしをしたい人も数多く利用しています。
通常の賃貸との違い
毎月同じ家賃を払って住み続けるため、「通常の賃貸もサブスクではないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、サブスク賃貸とは下記のような違いがあります。
通常の賃貸 | サブスク賃貸 | |
初期費用 | 敷金・礼金・保証料など | 月額料金に含まれることが多い ※別途初回登録料がかかる場合がある |
水道光熱費 | 別途必要 | 月額料金に含まれることが多い |
更新料 | 必要 | 不要 |
契約期間 | 1~2年以上の契約が多い | 1日~1か月から可能 |
その他設備 | 自分で用意 | 家具・家電・Wi-Fiなど備え付けがほとんど |
通常の賃貸とサブスク賃貸の最大の違いは、初期費用の負担が少ないことです。サブスク賃貸の場合、敷金や礼金、保証料、水道光熱費などがすべて月額料金に含まれるのは大きな特徴といえます。費用計上しやすいため、突発的な出費の心配も少ないでしょう。
また、サブスク賃貸では家具も備え付けられていることがほとんどなので、引っ越しをする際の手間も少なくてすみます。契約期間は1日から1か月単位で利用可能なので、短期間の滞在や仕事の関係での一時的な住居探しにも最適です。
そのほかにも、フットワークが軽い一人暮らしの人にもおすすめできます。
旅行者がホテルや旅館を利用するサブスクサービスもある
一方で、旅行者がホテルや旅館をサブスク利用できるサービスも存在します。定額料金を支払うことで指定されたホテルや旅館が利用し放題になるため、出張や旅行を頻繁にする人や、全国各地のリゾート地を楽しみたい人に最適でしょう。
リゾートホテル・都市型ホテル・温泉旅館などさまざまな宿泊施設で用意されています。
なかには、同じグループの宿泊施設であれば、日本全国や世界中どこでも宿泊し放題というサービスも。予約方法も通常より簡略化されるので、スムーズに宿泊可能です。
サブスク賃貸のメリット
続いて、サブスク賃貸を利用する際のメリットについてまとめました。主に、以下の3点が考えられます。
住み替えが気軽にできる
サブスク賃貸の大きなメリットの1つは、住み替えの容易さです。通常の賃貸の場合は、一度物件を選ぶと契約期間の縛りがあり家具の持ち運びも困難なため、簡単には引っ越しができません。
しかしサブスク賃貸であれば、契約期間は1日や1か月から可能で持ち物も少なくてすむため、定期的に住む場所を替えることが可能です。仕事やプライベートで頻繁に住む場所を替えたい人にとって非常に便利なサービスといえます。
賃貸よりも安く利用できる可能性がある
サブスク賃貸は初期費用が不要であり、水道光熱費や家具の費用が含まれているため、通常の賃貸よりも安く利用できる可能性があります。備え付けの家具を使用すればよいので、引っ越し料金もほとんどかからないでしょう。
また、毎月のランニングコストもあらかじめ定額で設定されているため、月々の生活費をしっかりと把握できる点もメリットです。もちろん、住む場所や家の広さなどによって料金が異なるものの、総合的に判断してもコストパフォーマンスは優れているといえます。
柔軟な使い方が可能
サブスク賃貸は、柔軟な利用方法も大きな魅力です。契約は1日から1か月単位で可能で、短期間の滞在から長期滞在まで自由に選べます。アドレスホッパーの住居やリモートワーク場所として利用するのに最適でしょう。
また、二拠点生活やリモートワークの拠点としても利用できるため、都市と地方を行き来するライフスタイルにも対応可能です。たとえば、平日は都市部で働き、週末はリゾート地や地方の物件で過ごすという生活も実現できます。
会社近くのサブスク賃貸を借りれば、通勤時間の削減になり効率のよい働き方にもつながるでしょう。休日は郊外の自宅に戻ってのんびりとした生活を送るのも、理想の生活スタイルのひとつといえます。
サブスク賃貸のデメリット
では、その一方でサブスク賃貸にはどんなデメリットがあるのでしょうか。契約前には必ず下記の項目をチェックしておきましょう。
必ず希望の物件に住めるわけではない
サブスク賃貸のデメリットとして、希望する物件に必ずしも住めるわけではない点が挙げられます。とくに人気の高いエリアや物件は、早い段階で予約が埋まってしまうことが多く、タイミングによっては空きがないことも考えられるためご注意ください。
また、予約可能日数や連続宿泊回数に制限が設けられる場合も考えられます。そのため、当初は3か月間住むつもりだったのに、2か月間しか住めなかったというケースもあるでしょう。
サブスク賃貸は自由に住み替えられるとはいえ、エリアや期間によって必ずしも希望通りに移動できるわけではない点には注意が必要です。
複数の人と相部屋の可能性もある
サブスク賃貸のなかには、複数人で部屋を共有するタイプの物件も存在します。たとえば、複数の人が一緒に生活するドミトリータイプの物件は、1人で気兼ねなく暮らしたい人にとっては、プライバシーの面でストレスを感じるかもしれません。
また、個室タイプであっても、キッチンやリビングが共有スペースになっている場合も多く、ほかの住人とのコミュニケーションが必要になるケースもあります。そのため、完全に自分だけの空間を求める人には向いていないでしょう。
持ち物が多い人は移動が大変
サブスク賃貸は、気軽に住み替えができる一方で、持ち物が多い人にとっては移動が負担になることもあります。多くの物件が家具や家電つきなので引っ越し自体は楽ですが、お気に入りのソファ・冷蔵庫・テーブルなどがある人は移動自体がストレスになるでしょう。
また、すでに家具・家電が備え付けられているため理想の部屋作りは難しいかもしれません。部屋に強いこだわりがある人や、自分の好きなインテリアに囲まれて生活したい人にとっては、デメリットとなる部分が大きいといえます。
おすすめサブスク賃貸5選
ここでは、おすすめしたいサブスク賃貸を5つ紹介します。どのサービスが自分に合っているかチェックしてみましょう。
unito(ユニット)|都内のホテルで暮らしたいなら
東京都内を中心にサービスを提供する「unito」は、都市部でホテル暮らしを楽しみたい人に最適なサブスク賃貸です。即日入居可能で、契約はスマートフォンがあればすぐにできる点もメリットといえます。
unitoの最大の特徴は「Re-rent(リレント)」システムです。部屋を利用しない日は別の人に貸すことによって料金が発生しないシステムなので、出張や旅行で頻繁に移動する人や二拠点生活を求めている人にとっては最適でしょう。
部屋タイプは、ホテル・アパートメント・シェアハウス・戸建てなど多彩な選択肢がそろっており、利用者のライフスタイルや働き方に合わせて自由に住まいを選べます。
また、不安なことがあれば専用のLINEからコンシェルジュに相談も可能です。サブスク賃貸が初めての人はぜひ利用してみてください。
費用 | ・利用料金 ※施設によって異なる ・初回登録料(9,800円) |
契約期間 | 1か月から |
施設タイプ | ・カプセル/ドミトリー ・ホテル ・サービスアパートメント ・マンスリーマンション ・戸建て ・シェアハウス |
対応エリア | 東京都心を中心に、全国47都道府県で利用可能 |
割引サービス等 | ・Re-rent:家に帰らない日はほかの人に部屋を貸すことで家賃が下がるシステム |
goodroom|お得にホテル暮らしをしたい人に
全国各地に展開されている「goodroom」は、リーズナブルな価格でホテル暮らしを楽しめるサブスク賃貸サービスです。契約期間は2週間から可能なので、短期間の出張や、一時的なワーケーションを検討している人にとって最適でしょう。
月額10万円を切るリーズナブルなホテルから、南国のリゾートホテルなど、全国各地の滞在先を選べるうえに、即日入居可能で面倒な書類手続きもありません。
さらに、「品川プリンス」や「東急ステイ」といった有名ホテルも扱っています。憧れのホテルで暮らせるチャンスがあるかもしれません。和風や部屋からサウナが併設されている部屋までバラエティ豊かなラインナップがそろっているので、自分に合ったホテルを選んでみましょう。
費用 | ・利用料金 ※施設によって異なる ・初回登録料(9,800円) ・会員費980円/月 ・管理費330円/泊 |
契約期間 | 2週間から |
施設タイプ | ・ホテル ・ホステル(個室) ・ホステル(ドミトリー) ・マンスリー |
対応エリア | 全国45都道府県で利用可能 |
割引サービス | ・お友達紹介キャンペーン:紹介したほうもされたほうも、Amazonギフト券5,000円分プレゼント ・学生プラン:家賃を払うことなく、部屋の確保が可能 |
HafH(ハフ)|海外の宿も宿泊可能
「HafH」は、国内に留まらず海外でも利用できるサブスク賃貸サービスです。2023年4月時点で、台湾・オーストラリア・カンボジアなど海外だけで700以上の拠点を設けています。
宿泊施設や航空券の予約には、サービス独自の「コイン」を使用する点が本サイトの特徴です。スタンダードプランを選べば300コインが、ベーシックコースなら80コインが毎月付与されるので、利用することで好きなホテルに滞在できます。
毎月コインを使い切って頻繁にホテル滞在するのもよし、じっくり貯めてより豪華なホテル暮らしをするのもよしです。生活スタイルや宿泊スタイルに合わせて、活用しましょう。また、3か月以上続けるとすべての宿泊プランが割引される点もおすすめポイントです。
費用 | ・スタンダードプラン:9,800円/月 ※毎月300コイン付与 ・ベーシックプラン:2,980円/月 ※毎月80コイン付与 |
契約期間 | 1か月 |
施設タイプ | ・シティホテル ・リゾートホテル など |
対応エリア | 国内外に拠点を配置 海外は700拠点以上(2023年8月時点) |
割引サービス | ・お友だち招待特典:200コインプレゼント ・宿泊割引:一定期間コインを貯め続けることで宿泊に必要なコインが割引き 【必要期間と割引率】 ・3か月:5% ・6か月:7% ・12か月:10% ※1コイン=約33円 |
TsugiTsugi(ツギツギ)|ビジネスホテルからリゾートホテルまで
「TsugiTsugi」は東急株式会社が運営するサブスク賃貸サービスで、全国の200以上のホテルを利用できます。定額料を支払えば都市部のビジネスホテル・リゾートホテル・旅館・グランピング施設など、さまざまな施設が使い放題です。
利用期間は1~30泊までとほかのサービスと比べると短いものの、それだけ移動が気軽にできるため、頻繁に住む場所を替えたい人にとくにおすすめです。
個人が利用できるのは、二拠点生活や週に数日間の滞在をする人におすすめの「えらべるプラン」か、本格的なホテル暮らしをしたい人に最適な「まいにちプラン」があります。会員登録をすると、ニッポンレンタカーやPeach航空券の割引クーポンがもらえる点も大きな特徴です。
費用 | 【えらべるプラン】 ・月2泊:23,980円 ・月5泊:55,800円 ・月14泊:157,800円 【まいにちプラン】 299,800円/月 |
契約期間 | 1日から |
施設タイプ | ・ビジネスホテル ・リゾートホテル ・旅館 ・グランピング施設 |
対応エリア | 全国各地に200施設以上 ※2024年7月時点 |
割引サービス | ・同伴者1名無料 ・ニッポンレンタカー利用料が17~41%OFF ・Peach航空券最大1,500円OFF ・カラオケ館利用料20%OFF ・Anyca(エニカ)利用料3,500円OFF ・サマリーポケット3,000円分のポイント付与 ・GYYM(ジーム)1,500円分のポイント付与 |
HOSTEL LIFE|月9,000円から宿泊可能
可能な限り低価格でホテル暮らしをしたいなら、「HOSTEL LIFE」がおすすめです。週末だけ利用できる「お試しパス」なら月額9,000円から利用できるため、節約しながら生活したい人には最適でしょう。
それ以外にも、自宅とホステルの二拠点居住をするための「二拠点パス」は月額27,000円から、本格的なホテル暮らしが可能な「ホステル暮らしパス」は月額63,000円から利用可能です。とくにバックパッカーや予算を抑えた旅行を楽しみたい人におすすめです。
ドミトリー形式の宿泊施設が中心となり、他の利用者との交流を楽しみながら安価に宿泊できるのがHOSTEL LIFEの特徴です。今後の人生において、かけがえのない出会いが待っているかもしれません。
費用 | 【お試しパス】 ・9,000円 ※月3泊まで 【二拠点パス】 ・日~木曜日プラン:27,000円/月 ※金・土曜日は宿泊不可 ・すべての曜日プラン:36,000円 ※宿泊可能な曜日制限なし 【ホステル暮らしパス】 ・ドミトリープラン:63,000円 ・個室プラン:99,000円 |
契約期間 | 1か月から |
施設タイプ | ・個室 ・ドミトリー |
対応エリア | 全国22都道府県に31施設を展開 ※2022年12月時点 |
割引サービス | ・個室プランは同伴者1名まで無料 |
サブスク賃貸で理想のホテル暮らしをするには
サブスク賃貸を利用して理想のホテル暮らしを実現するためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
最初にトータルの費用を算出する
サブスク賃貸を利用する際には、トータルの費用を事前にしっかり計算することが大切です。サブスク賃貸の大きな魅力は、家賃・光熱費・家具などを含めた料金で提供される点ですが、サービスによっては、想定以上のコストがかかることがあります。
たとえば、「unito」や「goodroom」といったサービスは滞在費とは別に登録料が必要です。また、すべてのホテルに共通することですが、都市部の施設は地方のホテルに比べると高額になる傾向にあります。
一方、「TsugiTsugi」のように多くの割引サービスを設けている場合もあるため、トータルで考えるとどの程度得をするのか計算したうえで選択するとよいでしょう。事前に出した予算に沿って、無理のない範囲で快適な暮らしを楽しんでください。
契約期間をチェックする
サブスク賃貸の契約期間は、各サービスによって大きく異なります。一般的には2週間や1か月以上の契約期間を要するサービスが多いものの、「TsugiTsugi」のように1泊単位での契約が可能なケースもあります。
いずれにしても、どの程度の滞在期間を想定しているかを事前に決めておくことが重要です。本格的なホテル暮らしをするのか、自宅との二拠点生活をするのかでも契約期間や選ぶプランは変わってきます。
自分のライフスタイルや仕事のスケジュールに沿った契約期間を選ぶことで、サブスク賃貸の利便性を最大限に活かしましょう。
施設のタイプで選ぶ
サブスク賃貸で選択できる施設タイプには、都市部のビジネスホテル・自然豊かなリゾートホテル・ドミトリー形式のホステルなど多種多様な種類があります。サブスク賃貸を使う目的や好みによって選択肢はわかれるので、事前にチェックしておきましょう。
たとえば、通勤への利便性を考えているなら都市部のビジネスホテル、地方でのんびりと暮らしたいなら自然豊かなリゾートホテルがおすすめです。
また、ドミトリーは相部屋を意味する部屋タイプで、同じ生活空間に何人もの人が暮らしています。多くの人と交流したいという人には最適ですが、ワーケーション代わりにする人や1人の時間を大事にする人には不向きなのでご注意ください。
エリアを確認する
サブスク賃貸を選ぶ際には、滞在したいエリアをしっかり確認することも重要です。サービスによっては、対応しているエリアが限られているため、よく行く場所や仕事で必要な都市に拠点があるサービスかどうかを事前に確認する必要があります。
とくに、出張が多い人や特定の地域に長期滞在する予定がある人にとって、対応エリアは大きな選定ポイントとなるでしょう。
また、海外でのホテル暮らしを検討している人は、「HafH」がおすすめです。コインを貯めることで、憧れの海外ホテル生活が叶えられるかもしれません。自分の生活に合ったサービスだけでなく、趣味嗜好も判断基準に入れることでより楽しく暮らせます。
まとめ|サブスク賃貸は、自由な生活をサポートしてくれる
サブスク賃貸は、ホテル暮らしを楽しみたい人や、柔軟なライフスタイルを求める人にぴったりの選択肢です。本記事のまとめはこちらです。
- サブスク賃貸は、水道光熱費・家具・家電などが不要なサービス。
- 契約期間は短いものだと1日、長くても1か月から可能というサービスが基本。
- サブスク賃貸は、手軽に住む場所を替えられるが荷物が多い人には不向き。
- 個室だけでなく、共同生活をするドミトリーなどもあるため施設タイプは事前の確認が必須。
- 都内のホテルで暮らしたいなら「unito」、とにかく安くすませたい人は「HOSTEL LIFE」、1泊から試してみたい人は「TsugiTsugi」、海外暮らしをしたいなら「HafH」がおすすめ。
サブスク賃貸は、従来の賃貸とは異なる新しい住まいの形として注目されており、今後ますます利用者が増えることが予想されます。自分に合ったプランを見つけて、新しいライフスタイルを試してみてはいかがでしょうか。