ビルトイン食洗機とは、家事時短にかなり有効的で便利な家電です。まず食洗機は、時短になる、節水できる、衛生的、手荒れの防止という面で画期的な家電アイテムです。食洗機があるだけでも便利ですが、ビルトインタイプはシステムキッチンの棚の一部に組み込んでしまうのでキッチンのスペースを有効に使えるのも嬉しいポイントです。
そのビルトイン食洗機にもさまざまな種類があることをご存じですか？種類の一つとして、食洗機のドアがフロントオープンとスライドオープンのものがあります。どちらのタイプが便利なのかは、個々の生活様式や家事スタイルにより違ってくるでしょう。
今回の記事では、フロントオープンの食洗機に特化して、特徴やメリット・デメリット、おすすめメーカーを紹介していきます。ビルトイン食洗機の購入や新築でビルトインを採用しようと考えている方必見です！
ビルトイン食洗機のドアの種類
冒頭でもお伝えしたようにビルドインタイプの食洗機のドアには、「フロントオープン式」と「スライドオープン式」があります。そもそもビルドインというものは、食洗機がシステムキッチンに組み込まれているタイプのことで、その扉の開け方が2種類あるということなのです。
使い勝手はそれぞれにメリット・デメリットがありますが、どちらが良いのかは個人のライフスタイルや好みによって違ってきますのでそれぞれの特徴を踏まえた上で判断するのがおすすめです。
それではフロントオープンとスライドオープンのおおまかな特徴を紹介します。
フロントオープン
フロントオープンタイプは海外メーカが主流で、扉を前側に向かって大きく開閉する形です。フロントオープンタイプの食洗機の最大の特徴は、食器を入れるカゴが上下二段のツインラックになっていて、それぞれが独立してスライドする点です。ツインラックが独立しているので、どの角度からでも食器が入れやすいというメリットがあります。
鍋や特殊な形状のお皿など食器の種類を選ばずに収納でき、さらに収納点数の多さと自由度の高さが特徴です。一度で大量の食器を洗浄できるので、大家族や調理器具が多い家庭にお勧めです。
スライドオープン
スライドオープンタイプは国内メーカーが主流です。ドアを手前に引き出しのようにスライドして開くタイプで、引き出しの扉を開けて上から食器を入れていくボックスタイプの食器洗い乾燥機です。
スライドオープンタイプの最大の特徴は、省エネ性能が高いことが挙げられます。スライドオープン食洗機の1回の洗浄の使用水量は、手洗いの約1/9になるものもあります。
食器を洗う回数が多いご家庭はもちろん、上から入れる構造であるため足腰が不自由な方にもおすすめのタイプです。サイズ種類が豊富で家族人数に合わせたサイズ選択がしやすいことも特徴であり、日本の家庭に合っているため国内生産が多いようです。
フロントオープンの食洗機のメリット・特徴
「フロントオープン」式食洗機は海外メーカーのものが主流です。海外製品というと容量や大きさも特徴的ですが、やはりフロントオープン式の食洗機の一番の特徴も、容量が大きいことがポイントの一つです。
その他、フロントオープン式ならではの特徴やメリットを紹介します。
容量が大きい
フロントオープン式は、上下のカゴが独立してスライドします。そのため、一度に大量の食器や大きいフライパンまで洗うことができるのです。
容量が大きい中でも最大の目安としては、幅450mmタイプで食器点数が56点（約8人分）も入る製品もあります。スライドオープン式に比べても、一度に洗える点数が多いことが大きなメリットです。
鍋やフライパンなど大きめの調理器具を入れられるほか、まな板も幅２３㎝×長さ３８㎝の大きさのものも楽々入るような設計です。大家族や調理器具が大きめの家庭などは嬉しいポイントと言えるでしょう。
上段と下段の使い分けがしやすい
フロントオープン食洗機のメリットとして、食器の入れ易さがあります。フロントオープンは、上下2段のスライド棚で分けられているため、縦からでも横からでも食器が入れやすくなっているのです。
スライド式でどんどん入れていくと、あとあと奥に隙間があっても入れづらくなりますが、フロントオープン式は最終的に多方向から整えて入れられるため、無駄なスペースもなく洗浄ができます。
また上に食器類、下に調理器具などのように分けることもできるので便利です。
上下2段のノズルで隅々までキレイ
フロントオープン式の食洗機には、上部と下部のそれぞれに回転式のノズルが2つ設置されています。上下のカゴどちらにも満遍なく強い水流が届くように設計されており、高い洗浄能力が期待できます。
お皿の縁やコップの底など複雑な形の食器まで、ムラ無く洗浄ができ、洗い残りがないのも嬉しいポイントです。また、食洗機用洗剤は粉末タイプ・ジェルタイプが使用できるので、より洗浄力の強い洗剤を選ぶこともできます。
フロントオープンの食洗機のデメリット
前項では食洗機のフロントオープン式のメリットを紹介しました。容量が大きく上段下段の使い分けがしやすい上に、高い洗浄力でキレイになるので満足度は充分に高いでしょう。しかし、どんな商品でもメリットがある反面、使う人によってはデメリットも生じます。
フロントオープン式食洗機のデメリットと言われている面も紹介していきます。メリット・デメリットも理解した上で、自分のご家庭に合うものを選んでいきましょう。
食器の入れ込み時に腰に負担がかかる
フロントオープン式の食器の入れ込みには、多少腰に負担がかかるという声があります。フロントオープン式は上段と下段に分かれている分、下段は、かなり低い場所に位置してしまうのは確かです。そのため屈んで入れる必要があるのは辛いかもしれません。
しかし、基本的な使い方としては下段は大きい鍋などの調理器具を入れる事が多く、大きい洗い物はサッと置けるので意外と負担にならないのが実情です。
また２段目の下のラックを一度外に出してしまい、洗い場の横で食器を入れ込んでから、最終的に食洗機にラックごと入れ込むという使い方もあります。腰をかがめるのが辛いという人は、このような使い方もおすすめです。
食器の入れ込み時に水が床に落ちやすい
フロントオープン式は、食器の入れ込み時に水が落ちやすいという声もあります。予洗いをシンクでおこない、それを食洗機に入れようとすると、確かに水滴が床に落ちやすいかもしれません。
しかしながら、必ずしもすべての食器を予洗いするわけではなく、内側だけサッと流すだけで済むものもあります。油汚れなどは、ペーパーなどで拭き取ってしまう場合もあるでしょう。
フロントオープン式は、洗浄力も高いため、念入りな予洗いは必要ありません。食器を入れる前の工夫次第で、水滴が床に落ちてしまうという事態はある程度回避できるでしょう。
フロントオープン食洗機のおすすめメーカー
食洗機のフロントオープン式は、基本的に海外メーカーが主流だとお伝えしました。その中でも唯一フロントオープン式を日本で扱っているのがリンナイです。海外式のタイプでも、日本製であるという点で安心感を感じている人も多いようです。
それぞれの会社、製品に特徴があります。その中でも特徴的なのは、もともと自動車業の企業であったボッシュが食洗機市場に参入してきたことにより、さらに競争は激化していますが、異業種だからこそ活かすことのできた強みがあることも魅力です。
フロントオープン式食洗器のおすすめメーカーを特徴とともにお伝えしていきます。
リンナイ
海外が主流のフロントオープン式ですが、リンナイはスライドオープンタイプだけでなく、フロントオープンタイプも販売しています。日本で唯一フロントオープンを販売しているメーカーなので、国産にこだわりがある方はリンナイがおすすめです。
リンナイのフロントオープン式食洗器の特徴は以下の通りです。
- シャープとの協業でプラズマクラスターを搭載している機種がある
- 上下のダブルノズルで隅々まで洗浄できる
- 水の使用量が少ないため使用電気料金が大幅に下げられる
- ランニングコストの節約・節水になる
- ヒーター加熱による乾燥運転の後に、乾燥ファンでしっかり乾かすので食器や庫内の水滴残りがない
- 「ソフト排気」で約36℃まで温度を下げて排気できるので小さなお子様がいても安心
- ワンタッチで開閉＆途中停⽌もできる
- 好きな位置でドアを⽌めておける
シャープとの協業によりプラズマクラスターを搭載していることも大きな特徴です。これにより浮遊カビ菌やニオイなどを抑制することができます。
専用洗剤を使わずに重曹で汚れを分解するコースも搭載されており、人間にも自然にも優しい洗い方ができる点も嬉しいポイントです。
◆リンナイの食洗機の特徴は、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
ボッシュ
ボッシュはもともと「精密機械と電気技術作業場」を提供していた企業であり、その後世界のトップクラスの自動車機器サプライヤーに成長しました。そして1993年に家電業界へ進出しましたが、ユニークなデザインと実用性で、産業界でも呼び声がかなり高いと評判のメーカーです。
現在、ボッシュは食器洗い機の販売台数で世界No.1を誇るブランドです。
ボッシュ最大の特徴は、「ゼオライト・ドライ」。湿気を吸着することで熱を発生する特性のある鉱物「ゼオライト」を使用したボッシュ独自の乾燥方式を採用しています。ゼオライトが洗浄時は庫内温度を高め、乾燥時は食器や庫内から放出される湿気を吸収して食器を素早く乾かすという仕組みです。
その他のボッシュの製品の特徴は以下の通りです。
- 独自乾燥方式「ゼオライトドライ」による乾燥
- 200Vのハイパワー洗浄で予洗いなしで食洗機に入れてもキレイになる
- 上段のスプレーアームが回転しながら散水するため、強い汚れ落ち
- 庫内が広く60cmモデルなら約12人分の食器が収納可能
- 洗剤の自動投入機能を搭載
- 約70℃で高温すすぎをするから衛生的
- 200Vクラスのビルトインタイプではトップクラスの静かさで運転音が気にならない
海外製の食洗器は65℃以上の高温ですすぎ、余熱を利用した自然乾燥する方式が主流ですが自然然乾燥をしようとする場合、終了時にドアを開けないと放熱や水分の気化が進まないため、すっきりと乾きにくいという難点がありました。それをこのゼオライトドライが解消しています。
◆ボッシュの食洗機の特徴は、こちらの記事でもご紹介しています。あわせてご覧ください。
ミーレ
ドイツのビルトイン食洗機メーカーであるミーレは、根強い人気と安心感・信頼を誇っています。海外メーカーらしく見た目もかなりおしゃれで、システムキッチンの一部にふさわしい風格があり、日本人からすると憧れのキッチン像と言えるかもしれません。
ミーレ食洗機の最大の特徴は、特許技術がいくつかあることが大きな強み。その中の1つが3Dカトラリートレイです。可倒式のピンが設置されており、それを下げることでカトラリーを収納できる仕組みになっています。また、洗浄プログラム終了後に自動的にドアが開くオートオープン乾燥も特許技術の1つです。
その他のミーレ食洗器の特徴は以下の通りです。
- 高いデザイン性で世界3大デザイン賞とも呼ばれるiF Design Awardsやreddot design awardを受賞
- 特許の3Dカトラリートレイ
- 特許の洗浄プログラム終了後に自動的にドアが開くオートオープン乾燥
- 少ない水でも汚れを落とすスプレーアーム搭載
- 最高75度の高温洗浄
- 汚れの程度に応じてプログラム工程を調整するオートセンサー搭載
- PowerDiskを搭載した洗剤自動投入
PowerDiskを搭載した洗剤自動投入もミーレが開発した技術です。選択されたプログラムにより、適切な量の粒状の洗剤が、最適なタイミング で自動投入されます。
自動プログラムでは、センサーが汚れ度合いを測定し、 洗剤量を調整します。AutoStart機能はモバイルアプリ「Miele@mobile」の使用により、スマホやタブレットから機器の操作が可能です。
◆ミーレの食洗機の特徴は、こちらの記事でもご紹介しています。ぜひご覧ください。
ガゲナウ
ガゲナウは1683年にドイツで創立されたビルトインキッチン機器メーカーで、創業以来、妥協することなく常に最高水準を求めて技術開発をおこなっていることで定評を得ています。
ブラックグレーのバスケットと高級感あるステンレスでシックにまとめたガゲナウの食洗機も、日本人憧れの海外らしいおしゃれなデザインです。重厚感のあるムーディーな雰囲気が特徴であるガゲナウは、かっこいいスタイリッシュなキッチンを演出してくれます。
ガゲナウの食洗機の特徴を以下の通りです。
- 60cmタイプなら14人分、45cmタイプでも9人分の食器を一度に洗える大容量
- 車輪ではなくスムーズなレール式で、どのバスケットもなめらかに引き出すことができ、奥まで出し入れがしやすい
- フレックスプラス バスケットシステムで、使用しない時には折りたためる各種ラックを組み合わせて、様々な食器を収納
- 湿気を吸収して発熱するゼオライト(鉱石)を、温水や乾燥時の温風の補助として使うことでコストと時間を節減
さらに低騒音設計により、稼働音も静か。食後に家族と過ごすひと時を、より快適にしてくれるガゲナウの食器洗い機は、機能もデザインもワンランク上の品質と言えます。日本にもショールームはいつくかあるので、実際に見学が可能です。
大容量のフロントオープン食洗機は大家族におすすめ！
フロントオープンタイプの食洗機は海外主流なので容量が大きいことと見た目がおしゃれなのが最大のポイントです。スライドオープンタイプと同じ45㎝でも、約8人分の食器を一度に洗える庫内の広さを誇ります。
フロントオープンタイプの食洗器は、お子様が多いご家庭や二世帯で暮らしている方にもおすすめです。
上カゴは手前いっぱいまで引き出すことができ、下カゴにはフライパンなど調理器具も収納できてどちらの籠もスライド式のため出し入れも簡単です。
フロントオープンタイプの食洗器を出しているメーカーによって強みもそれぞれですので、特徴をチェックして自分の家庭にピッタリなものを見つけてください。
