毎日のお風呂上がりのドライヤーは、面倒だと感じることもありますよね。髪の毛を早く乾かすことは、単に面倒な作業を早く終えるだけでなく、髪の毛にツヤが生まれる・フケを予防するなどのメリットがあります。ここでは、早く髪の毛を効率的に乾かすコツやドライヤー選びのポイント、便利グッズなどを髪質ごとのドライヤーテクニックとともに紹介いたします。
髪の毛を効率的に乾かす基本ステップ
まずは、ドライヤーで髪の毛を効率的に乾かす基本的なポイントを押さえておきましょう。一般的なドライヤーですぐに実践できる方法です。
タオルでの前処理とは?
ドライヤーを使う前に、タオルでしっかりと水分をとっておくと、そのぶん乾くのも早くなります。ガシガシと雑にこするのではなく、頭皮や頭皮に近い部分の髪の毛は揉むように拭き取り、毛先は優しく包んで水分をとります。タオルドライを短時間で強引に終えようとすると、どうしても髪の毛が絡んでもつれたり、摩擦でダメージを受けたりするリスクが高まり、髪の毛にとってはよくありません。丁寧に優しく行いましょう。
適切な温度でのドライヤー使用法
ドライヤーの一般的な温度は100℃~120℃程度です。当然、髪の毛までの距離が遠ければそのぶん温度は下がります。低い温度よりも高い温度の方が乾くのは早いですが、長時間熱風を当て続けると髪の毛が必要以上に乾燥し、頭皮のパサつきや髪の毛がダメージを受けることも。
特に、柔らかく細い髪の毛はダメージを受けやすいため、温度には要注意です。ドライヤーを離して低温で乾かすようにしましょう。最低でも15cmは離した位置から、一定箇所に集中しないようにあてるのがコツです。
ドライヤーをあてる場所・順番
洗面所でドライヤーを使う家庭は珍しくありませんが、湿度の高い場所でドライヤーを使うと髪の毛が乾くまでに時間を要します。浴室から離れた、自室などで乾かす方が効率的と言えるでしょう。
そして、髪の毛を乾かす順番も重要です。乾きにくい髪の毛の根元から先に乾かしていくと、効率的かつ髪の毛へのダメージを抑えることができます。髪の毛を持ち上げるようにして手ぐしをしながら、ドライヤーを動かして風を送ります。毛先だけ先に乾いてしまわないように注意するのがコツです。
冷風を活用した仕上げのコツ
冷風は、最後の仕上げに使うと髪の毛が整いやすくなります。髪の毛のツヤにかかわるキューティクルは、冷風によって引き締まり、髪の毛の水分やタンパク質が外に逃げないようにしてくれるからです。
冷風をはじめから使ってしまうと、髪の毛が乾きにくく残った水分によって雑菌の繁殖を招いたりといったデメリットがありますが、最後に冷風を上手に活用すると美しい髪の毛を保ちやすくなるのです。
ドライヤー選びのポイント
毎日のヘアケアに欠かせないドライヤーは、できるだけ自分に合ったものを選びたいですよね。ここからは、自分に合ったドライヤー選びのポイントを紹介いたします。
ドライヤーの種類と特徴
ドライヤーは、大きく分けて「ヘアドライヤー」と「カールドライヤー」の2種類があります。ヘアドライヤーは、いわゆる一般的なドライヤーのこと。髪の毛を効率的に乾かすことを重視して作られているドライヤーです。そして、カールドライヤーは、髪の毛を乾かしながらセットもできるドライヤーのこと。ドライヤーの先端にアタッチメントをつけて、癖を軽減したり巻いたりといったスタイリングを行うことが可能です。
ここで困る方が多いのが、ヘアドライヤー選びではないでしょうか。ヘアドライヤーと言っても、さまざまな性能や機能があり、製品によって特徴が異なります。よくある性能・機能別に、その特徴を見てみましょう。
大風量タイプ | 風量が大きく短時間で乾かせるのが特徴。 熱によるダメージを抑えることができる。 |
スカルプモード付きタイプ | 温風の温度が約60℃程度と控えめなタイプ。 頭皮や地肌に優しい。 |
遠赤外線機能付きタイプ | 遠赤外線によって髪の内側からあたためて乾かす。 ドライヤーをあてる時間の短縮につながる。 |
静音タイプ | 使用中の音に配慮した設計。 |
ヘアケア機能付きタイプ | マイナスイオン、温度センサーなどのヘアケア機能がついている。 |
マイナスイオンが発生するタイプ | キューティクルの表面を覆い水分を保つ。 |
価格と性能のバランスを見極める
ドライヤーの価格は、1,000円程度のリーズナブルなものから1万円を超えるものまで多岐にわたります。デザインと価格だけで判断するのではなく、性能とのバランスを見て判断しましょう。性能は、ドライヤーを使っていく上で満足度を大きく左右するポイントになります。
美しい髪の毛を保つ上で、早く乾かせることと髪の毛を傷めないことが重要です。この2つを同時に叶えてくれるドライヤーは、リーズナブルな価格ではないかもしれません。しかし、仕上がりの髪の状態が良ければ、少しばかり高額でも満足度は高いでしょう。
髪の毛のタイプ別おすすめドライヤー
髪の毛の悩みは人それぞれです。自分の髪質に合うドライヤーを使うことが満足度を高めるポイントになります。
髪のお悩み・タイプ | おすすめの機能 |
・キューティクルを引き締めたい ・静電気に困っている ・髪質改善したい ・ヘアカラーを長持ちさせたい | マイナスイオン ナノイオン |
・髪がうねる ・癖毛である ・髪が広がるのを防ぎたい | 遠赤外線 |
・髪が乾燥しパサついている ・頭皮が乾燥しかゆい | ヘアケア機能 スカルプモード |
・ダメージを抑えつつ短時間で乾かしたい ・うるおいのある髪にしたい | 温度センサー |
早く乾かすためのサポートアイテム
髪の毛を早く乾かしたいときは、便利なグッズを活用するのもよいでしょう。効果的に活用できれば、毎日のドライヤーにかかる時間がグンと減る可能性があります。
乾燥をサポートするグッズ紹介
ドライヤーの前や最中に使うと、乾燥までの時間が大幅に短縮できる便利グッズを見てみましょう。
マイクロファイバーの手袋
マイクロファイバーを使用したヘアドライ手袋は、ドライヤーの風を当てながらもう片方の手にはめて使ったり、タオルドライ時に使ったりすることができます。100円ショップ等で気軽に購入しやすいため、多くの方が実践しやすいのではないでしょうか。
マイクロファイバーのヘアターバン・タオル
お風呂上がりは、お肌の保湿をまず行ってからドライヤーをする方も多いでしょう。その間、マイクロファイバーのヘアターバンをしておくと、髪の毛の水分をしっかり吸収してくれます。いつも濡れた髪からしたたる水でパジャマが濡れて困っている方にもぴったり。
ヘアドライヤークリップ
ドライヤーを、机などの土台に取り付けられるクリップです。ドライヤーが固定されると、両手がフリーになるため腕が疲れません。両手を存分に活用してヘアドライできるため、マイクロファイバーの手袋を両手にはめて乾かすことも可能です。
速乾性ヘアブラシ
ヘアブラシの隙間にマイクロファイバーが敷かれたものなど、髪の毛を早く乾かすために製造されたグッズもあります。素早く乾かしサラサラに仕上げられる便利なアイテムですね。
速乾スプレーの活用法
「クイックブローミスト」などと呼ばれる、髪の毛を早く乾かすために開発された速乾スプレーも便利です。速乾成分とガスによる揮発作用によって、濡れた髪の水分の蒸発を助けてくれます。保湿効果が期待できるトリートメント成分が配合されているものも多いため、手軽にヘアケアしながら乾かすことができ、一石二鳥です。
くせ毛や特定のヘアタイプ向けの乾かし方
髪質や髪型に合うドライヤーテクニックを覚えておくと、スタイリングが決まりやすくなるでしょう。美容院へ行った後と自分でブローした時の違いが気になる方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
くせ毛を持つ人のためのドライヤーテクニック
くせ毛の方は、どうしても広がりを抑えようとしがちですが、実はかえって髪が広がる原因になります。根元を乾かすときは、立ち上げて風を送るとくせ毛はおさまりやすくなり、美しいシルエットも実現しやすいです。根元以外を乾かす際は、髪を少し引っ張りつつ、ドライヤーを上から下に向かってあててみましょう。くせが伸びてまとまりやすくなります。
温風で全部乾かしきってしまう前に、冷風に切り替えるのもポイントです。目安としては8割くらい乾いた頃に冷風を当てると、髪の毛がよい形でまとまりやすくツヤも出ます。
ショート・ボブ・ロング別の乾かし方
髪の長さによっても、ドライヤーテクニックは変わってきます。スタイリングしやすい状態へ導くために、自分の髪型に応じた方法を試してみましょう。
ショートの方の乾かしかた
ショートヘアの方は、うっかりしていると片方だけ跳ねたり、頭頂部がペタンコになったりしがちです。根元を乾かす時は分け目関係なく色々な方向から乾かしましょう。そして、うっすら冷たいくらいまで乾いたら、ハンドブローが重要になります。毛先が思わぬ方向に跳ねないように、指で内巻きに引っ張りながらドライヤーを当てましょう。襟足の浮きは、どうしても回避できないかもしれません。上からドライヤーを当てて、手で押さえて形をつくって待つと、必要以上に浮かなくなるでしょう。
ボブの方の乾かしかた
まとまりのある、丸みを帯びたシルエットを保つために、毛先の乾かしかたが重要になります。左右のどちらかが跳ねたり、前髪がぱっくり割れたり、つむじが分かれて後頭部の丸みがなくなったりといった問題は、乾かしかたが適切でないのかもしれません。
左右どちらかだけ跳ねてしまうのは、毛流れが影響している可能性があります。つむじの生え方を確認して、毛流れとは逆の方向に乾かしていくと左右が内側にまとまりやすくなります。髪の毛を乾かす順番としては、前髪やフロントトップ、つむじ回りを最初に乾かすとよいでしょう。そして、多くの方にとって毛先が前に跳ねやすい右側、最後に左側という順番が好ましいです。
前髪やフロントトップ、つむじ回りは弱風で少しずつ乾かす方が失敗しにくくなります。大半の方は、つむじが時計回りになっているため、右サイドはドライヤーを上からあて、右バックは後ろから前方向に乾かしましょう。左サイドと左バックは前から後ろに向かって乾かしていくのがポイントです。つむじの向きが反時計回りの方は、この反対で行うようにしましょう。
ロングの方の乾かしかた
ロングの場合、髪の毛が乾くまでに時間がかかることにストレスを感じる方が多いです。タオルドライで優しく水分をとりつつ、髪の毛の塊をほぐして丁寧にクシでとかしておくと、時短になります。クシは無理に引っ張らず、優しく時間をかけて行うのがコツ。クシをとおしたあと、もう一度タオルで水分をおさえましょう。
前髪がある方は、まず前髪から。そしてつむじ回りを乾かしていきます。つむじの生え方を確認し、逆方向に乾かしていくとパックリ割れや片方の跳ねがおさえやすくなるでしょう。後頭部は毛束を持ち上げて根元の斜め上から少しずつ乾かします。その後、耳のうしろから襟足にかけて根元を斜め下から乾かしましょう。
最後に、髪の毛の中間から毛先まではドライヤーを真上から当てて下向きに風がいくように乾かすと、ツヤが出やすくなります。
男性向けの乾燥方法とポイント
タオルドライ後に、癖がつきやすい前髪などをクシでまっすぐにとかしておきましょう。短い髪の毛はすぐにクセがつきやすいため、あまり近い距離からドライヤーをあてずにノズルを振りながらまんべんなく温風があたるようにします。髪の毛の根元をたちあげるようにして全体的に8割程度まで乾かしていきます。ミディアムやロングの方は、トップの分かれ目がパックリと割れないように、左右どちらからも風をあてて乾かしましょう。
両サイドは、ふくらんでしまうと頭が大きく見えてしまいます。毛先がまとまるように、片方の手で押さえながらドライヤーをあてるのがポイントです。前髪はセンターで分ける時以外は前からドライヤーをあてずに、斜め上から乾かしていきます。トップがペタンとならないように、根元を立ち上げてボリュームを出し、最後は冷風で固定しましょう。
よくある乾燥に関する悩みとその解決策
髪の毛の乾かしかたに関しては、人それぞれさまざまな悩みがあるようです。特に疑問に感じる方の多い、以下の2つのポイントについて解説します。
乾燥が遅い、髪が乾かない原因
髪の毛が乾きにくい原因として考えられるポイントは複数あり、自分に当てはまる原因を知り適切な対処をすることが大事です。
ドライヤーの問題
ドライヤーの性能の問題で乾きにくい場合は、ドライヤーの買い替えによって簡単に解決できます。最近は、髪の毛を早く乾かすことができるような風量の強いドライヤーも多いです。できれば、ヘアケアのことも考えて製造されているものを選びましょう。
毛量が多い・重い
髪の毛の量が多く太い方は、量が少なくて細い方よりも乾くまでに時間を要します。ある程度は仕方のないことですが、ずっと伸ばしっぱなしでそのような状態になっているのであればカットしてもらうと改善するでしょう。髪の毛は、定期的にメンテナンスとしてカットすることで、良い状態のままキープすることができます。
タオルドライが不十分
タオルドライを丁寧にすると、そのぶん水分も多く吸収されるためドライヤーの時間は短くなります。吸水力の高いタオル等を使用して、優しく水気を取りましょう。
髪の毛がダメージを受けすぎている
ブリーチや縮毛矯正などでダメージを負っている場合、通常の髪の毛に比べると乾きにくくなります。なぜなら、ダメージによってキューティクルが十分な役割を果たせず、水分を保持できないスカスカの状態になってしまうからです。水分が足りない髪の毛は、それを補うために吸収しようとするため、ドライヤーを使ってもすぐに蒸発させることが難しく、結果として時間が余計にかかります。洗い流さないトリートメント等でしっかり保湿をしましょう。
皮膜毛になっている
皮膜毛というのは、シャンプーやコンディショナー等の使いすぎで過度に髪の毛がコーティングされた状態を指します。美容院で指摘されるまで気づかない人も多いため、乾きにくい原因が分からない場合は疑ってみてもよいかもしれません。
サラサラな髪の毛を保つためのアドバイス
サラサラな髪の毛を保つためには、キューティクルが整いうるおいのある髪の毛であることが重要になります。キューティクルは摩擦や乾燥に弱いため、ドライヤーの熱やタオルドライで剥がれ落ちてしまわないように気を付けましょう。
髪の毛は、濡れている状態だとダメージを受けやすくなります。お風呂からあがったら、丁寧にタオルドライをしてしっかりドライヤーで乾かしてから眠りましょう。保湿力を高めてくれるような洗い流さないトリートメントの使用や、吸水力の高いタオルの使用も検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
髪の毛が乾きにくい原因はドライヤーの問題ばかりとは限りません。まずは髪の毛を効率的に乾かすポイントを踏まえて、実践してみてはいかがでしょうか。早く髪の毛を乾かせるような便利グッズも活用しながら、できるだけ髪の毛に負担の少ない方法で乾かしたいものですね。ドライヤーの買い替えを検討している方は、価格やデザインだけでなく性能にも着目して選んでみましょう。