テレビ録画をパソコンに取り込む方法が気になっていませんか?本記事では、テレビ録画をパソコンに取り込む方法と、注意すべきポイントを解説します。
先に結論をまとめます。
- 「コピー制御」のかかっていないテレビ録画は、ブルーレイディスクを利用してパソコンに取り込める。
- 「SeeQVault対応している」外付けHDDのテレビ録画は「SeeQVault再生ソフト」をインストールしたパソコンに取り込める。
- テレビ録画のコピー制御を無理に解除する行為は、著作権法違反として罰せられるため注意が必要。
気軽にできるテレビ録画ですが、テレビ番組は著作権法で保護されており、放送の仕組みによってコピーが制限されています。知らない間に法律違反をしないように注意が必要です。
本記事を読めば、パソコンへの取り込みが可能なテレビ録画を見分けられるようになり、実際の取り込み方、注意点も押さえることができます。ぜひ最後までお読みください。
テレビ録画はパソコンに取り込めるのか
パソコンに取り込めるテレビ録画には条件があり、すべてのテレビ録画を取り込めるわけではありません。パソコンに取り込めるテレビ録画と、取り込めないときの原因についても解説します。
ブルーレイレコーダーのテレビ録画はパソコンに取り込める
「地上波アナログ放送」を録画したVHSなどのビデオデッキをブルーレイレコーダーに接続して録画したテレビ番組は、パソコンへの取り込みが可能です。つまり、おおまかに言えば「デジタル放送」がはじまる前のテレビ録画はパソコンへ取り込めます。
ただし、古い映像であっても制作物には著作権があります。パソコンに取り込んだ映像をコピーして配布したり、インターネット上にアップロードする行為は法律違反に該当する場合があります。あくまでも私的に楽しむためにデータのバックアップを取っておくという意味の「私的複製」の範囲にとどめましょう。
パソコンに取り込めないときの原因
テレビ録画がパソコンに取り込めないときの原因には、著作権保護のための放送の仕組み「コピー制御」が挙げられます。
デジタル放送のほとんどの番組には、著作権保護のために「コピー制御」がかかっています。コピー制御を解除する行為は私的利用の範囲内であっても違法となりますので、注意が必要です。
テレビ番組が不正にコピーされて出回ると、番組制作者や出演者などの権利が著しく侵害され、良質な番組の提供ができなくなってしまいます。デジタル放送ではコピー制御をかけることで、こうした事態を防いでいます。
コピー制御は、2段階かけて実施されました。2004年4月から「1回だけ録画可能」のコピー制御信号を加えた放送が開始され、2008年7月からは新ルール「ダビング10」により、コピー9回・移動1回まで制限が緩和されています。
「ダビング10」は、録画機からリムーバブルメディア(DVD、ブルーレイディスク、メモリカードなど)への コピーが9回まで可能です。10回目はムーブ(移動)として、記録した元の放送番組が消去されます。
テレビ録画のコピー制御を無理に解除してパソコンに取り込むことのないよう、充分に注意してください。
パソコンにテレビ録画を取り込む方法
それではパソコンにテレビ録画を取り込む方法をみていきましょう。ただし、パソコンに取り込めるのは「コピー制御のかかっていない映像」か、あるいは「SeeQVaultに対応した機器を使用した場合」です。コピー制御を無理に解除するのは違法行為になりますので、くれぐれも注意してください。
必要なもの
パソコンにテレビ録画を取り込むとき必要なアイテムをピックアップします。
[レコーダーに録画する場合]
- コンポジット入力端子を備えたブルーレイレコーダー
- コンポジット出力を備えたビデオデッキ
- データ保存用のブルーレイディスク
- ブルーレイディスクドライブ搭載のパソコン
[外付けHDDに録画する場合]
- SeeQVault(シーキューボルト)対応したHDD
- SeeQVault再生ソフトの入っているパソコン
レコーダーに録画する場合
地上波アナログ放送を録画したVHSなどコピー制御のかかっていない映像データをパソコンに取り込む手順は、以下のとおりです。
- 「地上波アナログ放送」を録画したVHSなどのビデオデッキをブルーレイレコーダーに接続する。
- 映像の再生と同時にブルーレイレコーダーの録画ボタンを押す。
- 録画したデータをブルーレイディスクに保存する。
- ブルーレイディスクをパソコンのブルーレイディスク対応ドライブに挿入する。
- パソコンでブルーレイディスクドライブの中身を開き、データをパソコン上にコピーする。
コンポジット入力で録画した映像データなら、上記の手順で映像データをパソコンに取り込むことができます。
◆まだブルーレイレコーダーを持っていない人は、まずはブルーレイレコーダーを購入しましょう。以下の記事では、おすすめのメーカーや購入時期も解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。
◆ブルーレイディスクドライブが搭載されていないパソコンでも再生は可能です。詳しくは以下の記事で解説しているので、気になる人はぜひチェックしてください。
外付けHDDに録画する場合
外付けHDDのテレビ録画をパソコンに取り込む方法を紹介します。
HDDとは、ハードディスクの略称で、データの長期保存や書き込みができる補助記憶装置です。
保存できるデータ容量が大きいのでテレビ録画などの映像データも保存できるのが魅力です。
前提条件
- 外付けHDDがSeeQVault(シーキューボルト)対応していること。
- パソコンにSeeQVault再生ソフトが入っていること。
外付けHDDに録画したテレビの映像をパソコンに取り込むためには、前提条件が2点あります。
1点目は、外付けHDDが「SeeQVault対応している」ことです。外付けHDDに保存されたテレビ録画は通常、接続したレコーダーまたはテレビでしか再生できません。接続している機器以外でも録画番組を再生したい場合には、SeeQVaultに対応した外付けHDDを選んでおく必要があります。
2点目は、パソコン側にも「SeeQVault再生ソフトを入れておく」ことです。SeeQVault再生ソフトとは、外付けHDDなどSeeQVault対応機器に録画されたテレビ番組をパソコンで楽しむためのソフトです。
SeeQVaultとは、デジタル放送(地上波・BS・CS、ケーブルテレビなど)の番組の著作権保護された高画質コンテンツを、機器をまたいで再生・視聴できる(再生互換性)技術です。パナソニック、サムスン、ソニー、東芝の4社が共同開発しました。
通常、テレビに外付けHDDを接続すると、テレビと外付けHDDは「1対1」で紐づけされます。紐づけによってテレビ録画の情報データを暗号化し、著作権を侵害する不正なコピーがされないよう制御しています。
従来は、暗号化の解除(復号化)に必要なキー(鍵)はテレビ側が保有していました。つまり、テレビに接続した外付けHDDを外してパソコンに取り付けても、パソコンでテレビ録画を再生することはできませんでした。
そこで、テレビ以外でも録画を再生できるようにした技術がSeeQVaultです。SeeQVault対応機器では、コンテンツの復号化に必要な情報が外付けHDD側に備えられているため、他の機器に接続しても録画データを再生できます。
SeeQVault対応機器なら、外付けHDDのテレビ録画を複数のテレビやレコーダー、パソコンで楽しめます。
万一テレビが故障しても、SeeQVault対応の外付けHDDに番組を保存しておけば、機器を交換するだけで再生できるメリットがあります。
テレビ録画をパソコンに取り込むためには、SeeQVault対応の外付けHDDを用意しておくことと、パソコンにSeeQVault再生ソフトを入れておくことが必要です。
SeeQVault対応の外付けHDDは、たとえば以下のような商品です。
手順
外付けHDDのテレビ録画をパソコンに取り込むステップは、前提条件をクリアしていればかんたんです。
- SeeQVault対応の外付けHDDをテレビから取り外し、パソコンに接続する。
- パソコンでSeeQVault再生ソフトを起動する。
外付けHDDのデータ読み込みが完了すると、パソコンでテレビ録画を見ることができます。
パソコンにテレビ録画を取り込むときの注意点
テレビ録画をパソコンに取り込む際には著作権に注意する必要があります。著作権やコピー制御について理解したうえで、コピー可能な映像に限り、テレビ録画をパソコンに取り込むことができます。
著作権保護について
コピー制御がかかっていない映像であっても、テレビ番組の映像は著作権で保護されているため、取り扱いに注意が必要です。
著作権法では、個人がデータのバックアップをとる私的複製については認められています。
一方、パソコンに取り込んだ映像をインターネット上にアップロードしたり、友人に渡したり、データそのものを販売した場合には、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金が課せられます。
知らずに法令違反をしてしまった、という事態がないように充分注意しましょう。
MP4変換ソフトも注意
テレビ録画をより自由に楽しむためにMP4変換ソフトの利用を考える人もいるでしょう。ですが、著作権法違反に該当するため、利用しないようにしましょう。
MP4とは、MPEG-4形式の圧縮動画データを格納するファイル形式の一つです。動画や音声を小さなファイルサイズで保存できる、ビデオファイル用の一般的な「コンテナ形式」です。
MP4は、音声や動画などのさまざまなメディアを1つのファイルにまとめることができます。また、高い圧縮効率と高品質のビデオが実現できるので、インターネット上でのビデオストリーミングや、タブレットやスマホといった携帯デバイスでの動画再生などに広く使われています。
MP4フォーマットは、多くのプレーヤーやデバイスでサポートされており、MP4形式のファイルを編集・変換するためのソフトウェアも豊富に存在しています。
通常は、映像データをMP4形式に変換すれば、タブレットやスマホなどさまざまなデバイスで再生が可能です。映像の編集もできるうえ、データをファイル化して保存できるので、ディスクの損傷や紛失によってデータを失う心配もありません。
ただ、ブルーレイなどのディスクに保存したテレビ録画をMP4にするためには、コピー制御を解除する必要があります。コピー制御を解除する行為は、私的利用の範囲の場合であっても違法行為となり、刑事罰が処されるものです。
テレビ録画の映像データについては、安易にMP4変換ソフトを利用することがないようにしましょう。
テレビ録画をパソコンに取り込む方法まとめ
本記事では、テレビ録画をパソコンに取り込む方法と注意点について解説しました。
- 「地上波アナログ放送」を録画したVHSなどのビデオデッキをブルーレイレコーダーに接続して録画した映像は、ブルーレイディスクでパソコンに取り込める。
- 「SeeQVault対応している」外付けHDDのテレビ録画は「SeeQVault再生ソフト」をインストールしたパソコンに取り込める。
- デジタル放送のテレビ番組には著作権を保護するためにコピー制御がかかっている。
- コピー制御を解除する行為は私的利用の範囲であっても著作権法違反。
テレビ録画をパソコン取り込むためにコピー制御を解除する行為は、私的な利用であっても違法です。くれぐれも注意してください。
古いビデオテープなどのテレビ録画や、SeeQVault対応機器のテレビ録画をパソコンに取り込みたい人は、本記事で紹介した方法を参考にしてください。