電力会社の乗り換えにデメリットは?注意点と確認リスト

電力会社の乗り換え(切り替え)を考えるとき、「安くなるのはわかったけれど、デメリットや落とし穴はないの?」と不安になりますよね。
ネットには「停電しやすくなる」「工事が必要」といった声もありますが、実は問題にならないものと、本当に注意すべきものが混ざっています。
この記事では、乗り換えの「誤解されがちなデメリット」と「本当に注意すべきデメリット」を、資源エネルギー庁や電力会社の公式情報をもとに中立に整理します。
- 「停電・工事」など誤解されがちで実は問題ないもの
- 本当に注意すべきデメリット(撤退リスク・解約金・選べない物件)
- 新電力が撤退・倒産しても電気が止まらないしくみ
- 解約金が発生するプラン・しないプランの見分け方
- 乗り換え前に確認しておきたいチェックリスト
まず整理:デメリットの「正体」早見表
乗り換えで語られる「デメリット」は、実は問題にならないものと、本当に確認しておくべきものに分けられます。
まず全体像を表で押さえましょう。
| よく言われること | 実際は |
|---|---|
| 停電しやすくなる? | ❌ 誤解品質・停電のしやすさは同じ |
| 工事が必要? | ❌ 誤解原則工事は不要 |
| 高くなることがある? | ⚠ 注意プラン選び次第で起こり得る |
| 解約金がかかる? | ⚠ 注意プランによっては発生する |
| 会社が撤退したら? | ⚠ 注意即停電しないが早めの切替が必要 |
| 誰でも乗り換えられる? | ⚠ 注意物件・契約によっては不可 |
誤解されがちなデメリット(実は問題なし)
まず、心配しなくてよいものから。
「乗り換えると停電しやすくなる」「工事が必要」というのは誤解です。
資源エネルギー庁は「今ある送配電網を使うので新たに電線を引くことにはなりません。また、電気そのものの品質や信頼性(停電の可能性など)は、どの会社から電気を買っても同じです」と明記しています(出典:資源エネルギー庁)。
電気を届ける送配電網は、契約先の小売会社を変えても地域で共通だからです。
そのため、乗り換えを理由に停電が増えることも、原則として工事が必要になることもありません。
工事や停電・かかる日数のしくみは、電力会社の切り替え方法の記事でくわしく解説しています。
本当のデメリット①会社が撤退・倒産することがある
新電力(小売電気事業者)は数が多く、なかには事業から撤退したり、倒産したりする会社もあります。
「もし契約先が倒産したら、いきなり電気が止まるの?」と不安になりますが、そうではありません。
資源エネルギー庁は次のように説明しています。
「電力会社が倒産・撤退する場合、電力会社から無契約状態になるまでの期日について通知が来ることになります。原則、その期日までに新しい小売電気事業者と契約していただくことで引き続き電気の供給を受けることができます」(出典:資源エネルギー庁)。
つまり、撤退・倒産でもいきなり電気は止まらず、期日までに自分で次の会社と契約すればよいのです。
ただし同庁は「無契約状態が長期間続くと電気の供給が止まってしまうこともあり得るため、お早めに切り替え先の小売電気事業者を探していただくことが必要です」ともしています。
自動で別の会社に切り替わるわけではないので、通知が来たら放置せず、自分で早めに切替先を探すのが大切です。
撤退・倒産時に電気が止まらない流れ
契約先から、無契約状態になるまでの期日についてお知らせが来ます。この時点ですぐ停電するわけではありません。
期日までに自分で新しい小売電気事業者と契約すれば、引き続き電気の供給を受けられます。
間に合わなくても、ただちに止まるわけではありません。ただし無契約状態が長く続くと止まることもあり得ます。家庭(低圧)の場合は、各地域の大手電力の規制料金(経過措置料金)という受け皿もあります。
なお、ニュースなどで聞く「最終保障供給」は、高圧以上の需要家(工場やビルなど)を対象にした制度です。
東京電力パワーグリッドも「最終保障供給とは 小売電気事業者のいずれとも電気の需給契約についての交渉が成立しない高圧以上のお客さまに対して…電気を供給すること」と説明しています(出典:東京電力パワーグリッド)。
一般家庭(低圧)の受け皿は、資源エネルギー庁が「規制部門の電気料金(経過措置料金)も、各地域の電力会社から引き続き提供されます」とする規制料金です(出典:資源エネルギー庁)。
ただし、こうした受け皿は割高になりやすい点に注意が必要です。
制度上、こうした一時的な受け皿の料金は「標準的な料金メニューの約2割増しの料金(臨時的な料金メニュー相当)」に設定されているとされ(出典:電力・ガス取引監視等委員会)、放置せず早めに次の会社へ切り替えるほうが安心です。
本当のデメリット②解約金がかかるプランがある
次に注意したいのが解約金(違約金)です。
資源エネルギー庁は「料金プランによっては、解約金が発生することがありますので、契約締結前によく(ご)確認いただ(き)…契約した小売電気事業者に(ご)確認ください」としています(出典:資源エネルギー庁)。
ポイントは、すべてのプランに解約金があるわけではないということです。
| プランのタイプ | 解約金の傾向 |
|---|---|
| 大手電力の規制料金(従量電灯など) | 解約金がないことが多い |
| 標準的な自由料金プラン | 解約金がないことが多い |
| 契約期間の定めがある割引・セットプラン | 期間内の解約に解約金がかかることがある |
解約金の有無や金額は会社・プランによって異なり、改定されることもあります。
そのため、資源エネルギー庁も「料金のみではなく、契約期間や契約解除などの諸条件をよく確認して、納得して契約をしていただくことが重要」としています。
気になるプランがあれば、契約期間・解約の条件・解約金の有無を、重要事項説明などの書面で契約前に確認しておきましょう。
解約・使用停止の具体的な手続きは、電気の解約・使用停止の手続きの記事をご覧ください。
本当のデメリット③高くなる・選べないことがある
乗り換えても、電気代が下がるとは限りません。
料金プランの選び方を誤ると、かえって高くなることもあります。
とくに燃料費調整に上限のないプランや市場連動型のプランは、燃料価格や市場価格が高騰したときに料金が大きく上がることがあります。
プランの選び方のポイントは、新しい電力会社の選び方の記事で5つの視点にまとめています。
また、住まいや契約の状況によっては、そもそも自分で乗り換えできないこともあります。
資源エネルギー庁は、マンションについて「管理組合などを通じてマンション全体で一括して電気の購入契約を締結している場合には、その契約やマンション内の規約などで制限される場合がある」として、管理組合等への確認を促しています(出典:資源エネルギー庁)。
高圧一括受電のマンションや、電気代が家賃・管理費に含まれる物件では、個人での切り替えができないことがあります。
賃貸で乗り換えられるかどうかは、賃貸で電力会社を切り替える記事でくわしく解説しています。
なお、オール電化向けの夜間割引プランなど、一部に新規の受付を終了しているプランもあり、選べる範囲が限られる場合があります(オール電化の電気代の記事もあわせてご覧ください)。
乗り換え前のチェックリスト
ここまでの注意点を、乗り換え前に確認するリストにまとめました。
- 今の契約プランに契約期間の縛り・解約金がないか(書面で確認)
- 乗り換え先が自分の使い方で本当に安くなるプランか(上限・市場連動の有無)
- 自分の住まいが切り替えできる物件か(建物一括契約・名義)
- 契約先の供給条件の書面説明の内容を確認したか
契約時には、資源エネルギー庁が「小売電気事業者には、料金を含む供給条件の書面による説明義務が電気事業法上課されていますので、その内容を確認してください」とするとおり、書面(重要事項説明)の内容をしっかり確認しましょう(出典:資源エネルギー庁)。
万一トラブルが起きたときは、まず契約した小売電気事業者へ問い合わせ、解決しない場合は「電力・ガス取引監視等委員会事務局にも相談窓口があります」とされています。
乗り換えのデメリットとあわせて読みたい記事
- 電力会社の切り替え方法|工事不要・停電なし・かかる日数と手順(乗り換えの手順・停電/工事の詳細)
- 新しい電力会社の選び方(高くならない会社・プランの選び方5軸)
- 規制料金と自由料金の違い(受け皿になる規制料金とは)
よくある質問
まとめ
電力会社の乗り換えで語られるデメリットには、誤解されがちなもの(停電・工事)と、本当に注意すべきものがあります。
停電や工事は心配いりません。
一方で、①会社が撤退・倒産することがある(ただし即停電はせず早めの切替が必要)、②契約期間の定めがあるプランは解約金がかかることがある、③プラン選びを誤ると高くなる・物件によっては選べない、という点は事前に確認しておきましょう。
とくに、契約期間や解約条件は重要事項説明などの書面で確認し、自分の使い方に合うプランかを見極めることが、失敗しない乗り換えのコツです。
電力会社の乗り換え・見直しの相談なら
「乗り換えのデメリットを踏まえて、自分に合う会社を選びたい」「解約金や契約条件が読み取りにくい」という方は、電気手続き受付センターにお気軽にご相談ください。
お住まいのエリアやご希望に合わせた電気の契約・切り替えの手続きを、まとめてサポートします。